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3◆王妃とお茶会

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王妃からお茶会の招待をされたライラックは今、美味しいガトーショコラを食べている。

王妃は紅茶を飲みながら、ライラックに微笑みかけた。

「ギルバートが迷惑かけてごめんなさいね」

息子であるギルバートの暴走を微笑ましく思っている表情に、ライラックは思う。

実の息子と愛する夫がドMって、苦労してそうだなって………。

ギルバートをドMに目覚めさせた自覚は未だにないライラックである。

「できればやめてほしいんですけど………」

「無理ね。あの人の子だもの。血は争えないって困ったものだわ」

軽くため息を吐く王妃だが、何故かちょっと嬉しそうにライラックにはみえた。

「血は争えない?」

「ギルバートはね、若かりし頃の夫と同じことをしてるのよ」

「え!?」

曰く、王妃と国王が政略結婚で婚約して初の顔合わせの時。

国王も王妃にプレゼントをくれたらしい。

ただし、当時の国王はすでにドMに目覚めていたそうだ。

そのせいなのか、プレゼントはハイヒールだったとか………。

「ハイヒール?」

「踏んでくれって言われたの」

「なるほど」

そして踏んだ王妃に夢中になった国王は、王妃の実家に毎朝踏まれるために突撃訪問していたそうだ。

「親子って似るんですね」

「遺伝子の濃さを感じるわね」

オホホと笑う王妃と、ガトーショコラを食べ終わりチーズケーキをもぐもぐと食べているライラック。



………そんな二人を、陰から覗く怪しい影が二人分。

国王とギルバートである。

「はあはあ♡妻が私の話をしている!妻の笑顔が愛らしいな」

「ライラックのケーキを食べる可愛いお口がもぐもぐしていると、下半身がなんだか熱くなっちゃう!はあはあ♡」

「ギルバート、念のために言うが、ライラックに手を出すのは成人してからだからな」

「父上、わかっていますよ」

コソコソとそんな話をしているが、ライラックと王妃に気づかれないようにかなりの小声だった。
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