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10◆ある日の二人の休暇

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休暇の本日は、ギルバートがどうしてもと言ってライラックを部屋に招いた。

ギルバートは、部屋に隠したエロ本をライラックにみつけてほしいのだ。

みつかった後は、話の流れてエッチな雰囲気になるのを期待している。

だって、ギルバートは男の子なんだもの。

好きな人と大人の階段登りたいのだ。

「ライラック、私の部屋のベッドは寝心地がいいんだ」

「僕の部屋のベッドも寝心地いいですよ」

「あ、うん」

エロ本を隠した枕の下に気づいてほしいのに、ライラックはギルバートのベッドに興味をもっていない。

ヤキモキしながらベッドをちらちらみていると、ライラックはやっと何かを感じたみたいにベッドをみた。

「ベッドに何かあるんですか?」

「ソ、ソンナコトナイヨー」

「何故カタコト………」

怪しんだライラックは、ベッドを調べる。

そして、枕の下を確認してエロ本をみつけた!

ギルバートの瞳が期待に輝いている。

【緊縛SMの極意!これで貴方もSM界のスターだ!】

本のタイトルをみても、ライラックの表情は変わらないようだ。

パラパラと中身を読んで、本を閉じると机に置いた。

「ライラック……あの…その……」

「縄もないのに実演とか無理ですよ」

「あ、縄ならある!」

「………なるほど。今日はこれが目当てだったんですね」

じっとみつめられると、ギルバートの心と身体が疼いて仕方ない。

隠していた縄を出したギルバートは、ライラックに期待の眼差しを向けている。

それに対して、ライラックはギルバートを椅子に縛ってあげた。

背もたれに背中をピッタリとくっつけぐるぐると縄で縛られて、ギルバートはスンとした表情で思う。

………これじゃないと。

「ライラック……亀甲縛りとかしないのか?」

「疲れるから嫌です」

「………」

しょんぼりしているギルバートに、ライラックは仕方ないと言いながら紅茶とお菓子を食べさせた。

縛られて自力では食べれないからだ。

「こうしていると、本当に駄犬を飼っている気持ちになります」

「くぅん♡」



これはこれで幸せかもしれないと思うギルバートだった。
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