幽霊だと婚約者に思われている変態王子

10◆クラッシュ視点

ロザリーからの照れ隠しという名の愛(岩塩投げ飛ばす殺意のアレ)を受けて、やっぱりロザリーは可愛いなと俺は思った。

それはそうと、幽霊をやめたのに未だにロザリーが俺に岩塩を投げるんだが、生きた人間だよ？

「私は学んだのよ。変態は悪霊みたいなものだから岩塩で魔除けしないとって。第二第三の変態という名の悪霊を生み出さないために、クラッシュ殿下を岩塩で種無しにする使命が私にはあるのよ」

「いつも思うけど、なんでそんなに岩塩に拘るの？」

「岩塩は調味料として料理に使うも良し！悪霊退散で投げるのも良し！凶器に良し！お守りに良し！岩塩は無限の可能性を秘める素晴らしいお塩なのよ」

今、さり気なく凶器に良しとか聞こえたような………？

というか、ロザリーが謎の使命(？)に燃えている！！

このままでは、本当に種無しにされそうだ。

「ロザリー、俺は本当にロザリーを愛してる！だから、ロザリーと俺の赤ちゃんまだいないのに種無しにしないでくれ！」

俺が土下座でロザリーに頼むと、ロザリーはため息を吐いて岩塩をしまってくれた。

「クラッシュ殿下、歩み寄りは大事よね。わかったわ。種無しを今は諦める。変態なのも多少は許すわ。けれど、もしもまた私を騙すようなふざけた真似をすれば………岩塩をクラッシュ殿下のお尻に大量に入れて産卵ショーさせるからね？」

「ひぇっ！？」

可憐な微笑みですごいことをロザリーは言う。

母上はロザリーにSの素質を感じていたし、俺も薄く感じていたけど、今の発言で間違いないと思ったね。

岩塩で産卵プレイさせられちゃう！！

尻をキュッと引き締めて、俺はロザリーに頷いた。



その後、俺とロザリーの仲はとても睦まじい。

ちょいちょいロザリーにセクハラして岩塩飛ばされるけど、ロザリーはセクハラは許容範囲ということにしてくれている。

まぁ、ロザリーが岩塩攻撃で抵抗する中でのセクハラだが。

岩塩はいつだって股間を狙い撃ちしようとするから止めてって言ってみたら………。

「私が股間への岩塩攻撃を止める時は、クラッシュ殿下が私にセクハラをしなくなった時よ」

じゃあずっと止めないってことだな！

俺は毎日股間を守りながら、今日もロザリーにセクハラという名の求愛をしている。



完

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