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婚約破棄はかなりサラッとしてます
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「マリアンナとは婚約破棄だ!私の愛しいサラサをいじめたマリアンナを国外追放して、サラサを私の婚約者にする!」
王太子リックに、婚約者だったマリアンナは婚約破棄をされてしまった。
「嬉しいわ!リック様!」
マリアンナの妹のサラサは、嬉しそうにリックに抱きつく。
リックはそんなサラサを優しく抱きしめた。
「そんな!リック様!」
絶望に染まるマリアンナ。
リックがマリアンナを睨みつける。
「兵士達よ、マリアンナを連れて行け!」
「「はっ!」」
リックの命令で、兵士がマリアンナに迫った。
「嫌ぁーーーっ!」
マリアンナは兵士に連れて行かれる。
そして、乙女ゲームは終了したのだった。
ここからが、このお話のメインである。
「お姉様!!」
「わぁっ!?」
抱きしめていたリックを突き飛ばしたサラサは、ミサイル並みの速度でマリアンナの胸に飛び込み、愛しの姉の温もりと匂いに酔いしれる。
突き飛ばされたリックは惨めに尻餅をついて、痛そうに腰を擦っていた。
「お姉様の演技が誰よりも素晴らしかったですわ!」
「ふふ、ありがとうね。サラサも可愛かったわよ」
乙女ゲームの収録を終えた出演者達。
やっと終わったと男達は思っていた。
辛い収録だったねと、苦労を分かちあった戦友と呼べる仲間達だ。
「こういうのが巷で流行ってるなんて不思議だね」
王太子のリックがそう言って、従者から果実水を疲れ切った表情で貰って飲み干した。
何故皆がこのような収録をすることになったのかというと、そういう物語が流行っていたからだ。
国王もそういう物語が好きな人で、流行ってもいたから国王はそれをゲームにすると言い出したのだ。
それで、ゲームのための収録が始まった。
………王命だったから逆らえなかったとも言う。
本物の王太子とその婚約者、そしてその婚約者の妹、その他にも宰相息子やら騎士団長息子やら辺境伯息子等々、豪華な出演者が役を演じるゲーム。
ちなみにゲームとは、そういう名前の魔道具だ。
ジャンルは娯楽である。
さて、男達が女達よりも疲れ切っているのにはわけがあった。
マリアンナは悪役令嬢役で、サラサはヒロイン役だったのだが………この姉妹は、ものすごく仲がよろしいことで有名だった。
断罪シーンでは、サラサが何度もマリアンナを断罪する苦しみに血涙を流し、NGを出しまくったほどである。
ちなみにマリアンナがサラサをいじめるシーンでは、マリアンナがサラサに意地悪できなくてNGを出しまくった。
………男達の疲れの一番の理由は、何を隠そうサラサなのだ。
サラサが攻略対象と仲良くなるシーンの裏では、サラサが攻略対象に対して何度も腹パンを決めていた。
何故なら、役とはいえマリアンナと敵対してマリアンナにきつく当たる男なんて、サラサにとって駆除対象だからだ。
演技だからと仕方なく手加減として腹パンにしているらしい。
本当なら、ボコボコにした後に金的で仕留めたいそうだ。
毎度お腹を攻撃されて、明らかな敵対心を剥き出しのサラサとラブラブになるのは、かなり辛かったと男達は語る。
しかし、一番敵対視されている人物がいた。
「お姉様♡あぁ、こんなに素敵なお姉様をどうしてあんな男に渡さないといけないのかしら?私とお姉様が結ばれたらどんなに幸せでしょう!」
姉には可愛い仔猫のように甘え、リックには恐ろしい虎のように威嚇する。
何故ならリックは、姉の婚約者だからだ。
「ねぇ、あんな男って私のことかな?」
表情が引き攣る王太子。
サラサが義妹じゃなかったら、サラサは不敬罪で処罰されてもおかしくなかっただろう。
「あら、私貴方のことお姉様の相手として認めてませんから」
「………私の将来、いびられる予感しかしない」
遠い目をしてしまうリック。
強く生きろと仲間に励まされていた。
サラサとリックはかなり不仲で、婚約段階の今ですらサラサはリックに辛く当たる。
愛しい姉を奪う男はもれなく親の仇並みの敵なのだ。
それはともかく。
収録が無事に終わったことで、今夜は出演者達を集めた労いのための夜会がある。
仲良し姉妹はお揃いのドレスを着て、マリアンナのドレスの色はリックの瞳の色だった。
後に、乙女ゲーム魔道具は一大ブームを巻き起こし、大人気の娯楽になるのであった。
王太子リックに、婚約者だったマリアンナは婚約破棄をされてしまった。
「嬉しいわ!リック様!」
マリアンナの妹のサラサは、嬉しそうにリックに抱きつく。
リックはそんなサラサを優しく抱きしめた。
「そんな!リック様!」
絶望に染まるマリアンナ。
リックがマリアンナを睨みつける。
「兵士達よ、マリアンナを連れて行け!」
「「はっ!」」
リックの命令で、兵士がマリアンナに迫った。
「嫌ぁーーーっ!」
マリアンナは兵士に連れて行かれる。
そして、乙女ゲームは終了したのだった。
ここからが、このお話のメインである。
「お姉様!!」
「わぁっ!?」
抱きしめていたリックを突き飛ばしたサラサは、ミサイル並みの速度でマリアンナの胸に飛び込み、愛しの姉の温もりと匂いに酔いしれる。
突き飛ばされたリックは惨めに尻餅をついて、痛そうに腰を擦っていた。
「お姉様の演技が誰よりも素晴らしかったですわ!」
「ふふ、ありがとうね。サラサも可愛かったわよ」
乙女ゲームの収録を終えた出演者達。
やっと終わったと男達は思っていた。
辛い収録だったねと、苦労を分かちあった戦友と呼べる仲間達だ。
「こういうのが巷で流行ってるなんて不思議だね」
王太子のリックがそう言って、従者から果実水を疲れ切った表情で貰って飲み干した。
何故皆がこのような収録をすることになったのかというと、そういう物語が流行っていたからだ。
国王もそういう物語が好きな人で、流行ってもいたから国王はそれをゲームにすると言い出したのだ。
それで、ゲームのための収録が始まった。
………王命だったから逆らえなかったとも言う。
本物の王太子とその婚約者、そしてその婚約者の妹、その他にも宰相息子やら騎士団長息子やら辺境伯息子等々、豪華な出演者が役を演じるゲーム。
ちなみにゲームとは、そういう名前の魔道具だ。
ジャンルは娯楽である。
さて、男達が女達よりも疲れ切っているのにはわけがあった。
マリアンナは悪役令嬢役で、サラサはヒロイン役だったのだが………この姉妹は、ものすごく仲がよろしいことで有名だった。
断罪シーンでは、サラサが何度もマリアンナを断罪する苦しみに血涙を流し、NGを出しまくったほどである。
ちなみにマリアンナがサラサをいじめるシーンでは、マリアンナがサラサに意地悪できなくてNGを出しまくった。
………男達の疲れの一番の理由は、何を隠そうサラサなのだ。
サラサが攻略対象と仲良くなるシーンの裏では、サラサが攻略対象に対して何度も腹パンを決めていた。
何故なら、役とはいえマリアンナと敵対してマリアンナにきつく当たる男なんて、サラサにとって駆除対象だからだ。
演技だからと仕方なく手加減として腹パンにしているらしい。
本当なら、ボコボコにした後に金的で仕留めたいそうだ。
毎度お腹を攻撃されて、明らかな敵対心を剥き出しのサラサとラブラブになるのは、かなり辛かったと男達は語る。
しかし、一番敵対視されている人物がいた。
「お姉様♡あぁ、こんなに素敵なお姉様をどうしてあんな男に渡さないといけないのかしら?私とお姉様が結ばれたらどんなに幸せでしょう!」
姉には可愛い仔猫のように甘え、リックには恐ろしい虎のように威嚇する。
何故ならリックは、姉の婚約者だからだ。
「ねぇ、あんな男って私のことかな?」
表情が引き攣る王太子。
サラサが義妹じゃなかったら、サラサは不敬罪で処罰されてもおかしくなかっただろう。
「あら、私貴方のことお姉様の相手として認めてませんから」
「………私の将来、いびられる予感しかしない」
遠い目をしてしまうリック。
強く生きろと仲間に励まされていた。
サラサとリックはかなり不仲で、婚約段階の今ですらサラサはリックに辛く当たる。
愛しい姉を奪う男はもれなく親の仇並みの敵なのだ。
それはともかく。
収録が無事に終わったことで、今夜は出演者達を集めた労いのための夜会がある。
仲良し姉妹はお揃いのドレスを着て、マリアンナのドレスの色はリックの瞳の色だった。
後に、乙女ゲーム魔道具は一大ブームを巻き起こし、大人気の娯楽になるのであった。
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