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21◆鳥使い、自由は愛と共に
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少し時間を遡る。
アンゼの目の前で光に包まれたユリアスはグングンと大きくなって、あっという間に大人になってしまった。
ユリアスのサイズが合わなくなった衣類は弾け飛んだが、代わりにユリアスは高位神官のような聖なる衣類を身にまとっている。
聖なる力を感じるロッドを持ち、ユリアスはそのロッドをアンゼに向けた。
「解き放て」
ガチャンガチャン!!
「え……」
アンゼは目を見開いてしまう。
何故なら、アンゼを拘束していたものが全て壊れて外れたからだ。
ユリアスはアンゼに微笑むと、アンゼの手をそっと握った。
「アン、貴方はもう自由だよ。だけどここで待っていて?アンの最愛が迎えにくるから」
「え?最愛……?」
「僕はもう行くよ。使命があるから。アン、会えて良かった。どうかアンに祝福を」
ユリアスは、そんな謎の言葉を残して去っていく。
アンゼに最愛などいないのに、ユリアスは何故あんなことを言ったのかアンゼにはわからなかった。
自由になってもアンゼに行く宛などない。
それに、アンゼは長く捕らわれていたからゆっくりじゃないと歩けない。
もし逃げた先でまた捕まれば、今度はどんな拷問をされるのか………。
アンゼは、不安から動くことができなかった。
ドカンッ!!
鉄格子付きの小さな窓が急に壊されて、壁に大穴が突如できる。
そして空から何かがやってきた。
バサッ!バサッ!
それは、暖かな光りを放つ大きな翼。
懐かしいような、愛しいようなそんな気配。
「………誰?」
アンゼは、急に現れたその人に問いかける。
「私はセシリア。アンゼ、私の愛しい番」
「番?」
「ふふ、わからないか?」
天使のような神々しいセシリアは、アンゼを抱き上げてしまう。
無抵抗のアンゼは、セシリアと初めて会ったはずなのに人生で初めての喜びというものを感じていた。
まるで、ずっと失っていた宝物を取り戻したような……いや、きっとそれは逆なのだろうとアンゼは気づく。
アンゼが宝物を取り戻したのではない。
セシリアが宝物を取り戻したのだ。
「セシリア、僕の運命……僕の最愛……。そうだ、そうだった。僕は……僕は……神鳥の愛し子だ」
それは封じられていた真実。
もちろん、封じていたのはグランである。
ユリアスは、アンゼの封じられていた真実も解き放っていたのだ。
………アンゼは、ただの鳥使いではない。
神にも様々な者が存在しているのだが、神鳥とは全ての鳥の神。
暖かな光りを放つ翼を持つ人型の男の神で、アンゼはそのセシリアの愛し子なのである。
そして、愛し子とは番という意味でもある。
それで全ての鳥は無条件でアンゼに無償の愛を捧げていた。
「アンゼ、帰ろう。私達の愛の巣に。もう二度と誰にもアンゼを奪わせないよ」
「セシリア……セシリア……っ!」
「……アンゼ、ごめんね。もう私は間違えないから。孤独だったね。苦しかったね。もう大丈夫だからね」
「もう……一人なのも痛いのも嫌だ……」
「ずっと私と一緒だ。もう二度と痛い思いもさせない」
「セシリア、約束だよ。ずっと僕と一緒にいてね」
セシリアに抱きついて号泣してしまうアンゼに優しくキスをして、セシリアは空に飛び出す。
バサッ!バサッ!
そして、アンゼの姿は世界から消えたのだった。
アンゼの目の前で光に包まれたユリアスはグングンと大きくなって、あっという間に大人になってしまった。
ユリアスのサイズが合わなくなった衣類は弾け飛んだが、代わりにユリアスは高位神官のような聖なる衣類を身にまとっている。
聖なる力を感じるロッドを持ち、ユリアスはそのロッドをアンゼに向けた。
「解き放て」
ガチャンガチャン!!
「え……」
アンゼは目を見開いてしまう。
何故なら、アンゼを拘束していたものが全て壊れて外れたからだ。
ユリアスはアンゼに微笑むと、アンゼの手をそっと握った。
「アン、貴方はもう自由だよ。だけどここで待っていて?アンの最愛が迎えにくるから」
「え?最愛……?」
「僕はもう行くよ。使命があるから。アン、会えて良かった。どうかアンに祝福を」
ユリアスは、そんな謎の言葉を残して去っていく。
アンゼに最愛などいないのに、ユリアスは何故あんなことを言ったのかアンゼにはわからなかった。
自由になってもアンゼに行く宛などない。
それに、アンゼは長く捕らわれていたからゆっくりじゃないと歩けない。
もし逃げた先でまた捕まれば、今度はどんな拷問をされるのか………。
アンゼは、不安から動くことができなかった。
ドカンッ!!
鉄格子付きの小さな窓が急に壊されて、壁に大穴が突如できる。
そして空から何かがやってきた。
バサッ!バサッ!
それは、暖かな光りを放つ大きな翼。
懐かしいような、愛しいようなそんな気配。
「………誰?」
アンゼは、急に現れたその人に問いかける。
「私はセシリア。アンゼ、私の愛しい番」
「番?」
「ふふ、わからないか?」
天使のような神々しいセシリアは、アンゼを抱き上げてしまう。
無抵抗のアンゼは、セシリアと初めて会ったはずなのに人生で初めての喜びというものを感じていた。
まるで、ずっと失っていた宝物を取り戻したような……いや、きっとそれは逆なのだろうとアンゼは気づく。
アンゼが宝物を取り戻したのではない。
セシリアが宝物を取り戻したのだ。
「セシリア、僕の運命……僕の最愛……。そうだ、そうだった。僕は……僕は……神鳥の愛し子だ」
それは封じられていた真実。
もちろん、封じていたのはグランである。
ユリアスは、アンゼの封じられていた真実も解き放っていたのだ。
………アンゼは、ただの鳥使いではない。
神にも様々な者が存在しているのだが、神鳥とは全ての鳥の神。
暖かな光りを放つ翼を持つ人型の男の神で、アンゼはそのセシリアの愛し子なのである。
そして、愛し子とは番という意味でもある。
それで全ての鳥は無条件でアンゼに無償の愛を捧げていた。
「アンゼ、帰ろう。私達の愛の巣に。もう二度と誰にもアンゼを奪わせないよ」
「セシリア……セシリア……っ!」
「……アンゼ、ごめんね。もう私は間違えないから。孤独だったね。苦しかったね。もう大丈夫だからね」
「もう……一人なのも痛いのも嫌だ……」
「ずっと私と一緒だ。もう二度と痛い思いもさせない」
「セシリア、約束だよ。ずっと僕と一緒にいてね」
セシリアに抱きついて号泣してしまうアンゼに優しくキスをして、セシリアは空に飛び出す。
バサッ!バサッ!
そして、アンゼの姿は世界から消えたのだった。
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