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住処を作ろう
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その後、森の中で木のみを木から取ったり、鳥を見れば撃ち落としたりしてお腹を満たし、俺は焚き火をかき消すと更に森の奥へ奥へと進み始めた。
森の奥は山に繋がっているらしく、その中腹辺りで木で家でも作ってしばらく暮らそうと思ったのだ。これなら、確実に人目につく事はない。
そしてまぁ、狩りをしたり木を切ったりして時折街に降りてそれらを売り払い、得た金で文明的な生活基盤をまずは築く。元手ゼロの今の状況では、俺にはこれが考えられる精一杯だった。
昨日の実験の感覚から言って、魔法の残量にはまだまだ余裕がある。
というか、あの実験は何時間にも渡り、辺り一帯更地にしかねないばかりの勢いで休みなく木を倒したりしていたからうっかり魔法を消耗しきったのだ。普通に適度な量の魔法を適宜使う分にはよっぽどのこと──規格外の威力の魔法をぶっ放すとか、休みなく魔法を使い続けるとか──がない限り、枯渇の心配は要らなさそうだ。
さて。そういう訳で膝へ負担をかけまくり結構な傾斜を乗り越えて登山した俺である。
太陽の位置から、今の時刻は丁度正午頃か。
遠くから見た山の見た目からすれば、今いるここ辺りが山の中腹。目の前に広がる広大な景色から察するに標高600mくらいだろうか。尾根に所々広い空間があって、建築の土台にもってこいだ。
あと残る問題は、俺に建築の知識も技術も全くないという事くらいである。
しかし、俺は昨日の周到な魔法実験によりその問題点を華麗(?)に解決していた。
「……よし、この木が一番でかいかな」
俺は手近にあった中で一番大きな木に手を当て、そして──。
「よっと」
魔法で切り株を残して根元からバッサリと切り倒し、魔法で樹皮を向いて一端の木材に仕立て上げた。
しかし、ただの丸太のような木材では俺は到底使えない。もっと、わかりやすい形でなければならないのだ。
でなければ部分的にかかる負担とかが知識のない俺には計算出来ず、もれなく欠陥建築が出来てしまうだろう。こればかりは魔法ではどうにもならない。
だから俺は、その丸みを削り取り切り刻み、木材から綺麗な一辺約一メートルの立方体をいくつも取り出した。
これなら丸太型よりはいくらか安定するだろうし、小さいから建築中に不具合が出来た時に小回りも効かせやすい。正確に同じ形なので対称的にしやすく、事故も少ないだろう。
これを幾つも積み上げ、魔法で接着すれば立派な家ができるのではないだろうか。因みに俺は、某サンドボックスゲームをイメージして作業に励んでいる。
俺は一辺の個数なんかを慎重に数えて基盤を作り上げ柱を作り上げ──ひっきりなしに魔法を使うせいで時折襲い来る目眩を抑える為に何度か小休止も挟みながら、家は着実に完成の一途を辿っていた。
そんなに器用ではないので豆腐のように無骨な直方体にしかならないだろうが、取り敢えず雨風を凌げれば十分だ。
日は傾き始めている。どうにかアレが沈み切る前に完成させてしまいたい。
壁はもう出来ている。あとは雨を凌ぐ屋根を貼り付けるだけだ。
俺は流石に手が届かない天井へ、慎重に魔法で浮かせた木材を持っていき──。
ドゴォォォン!!
轟音と、突如として壁に伝わる衝撃。
家がグラリと揺れる。
鈍化する思考回路の中で、俺は回想する。
──ああ、そういえば。
──床の木材、地面にちゃんと接着してなかったっけ──。
そんな後悔と共に、俺の家は徐々に傾いていき……不意にバタン、と倒れた。
森の奥は山に繋がっているらしく、その中腹辺りで木で家でも作ってしばらく暮らそうと思ったのだ。これなら、確実に人目につく事はない。
そしてまぁ、狩りをしたり木を切ったりして時折街に降りてそれらを売り払い、得た金で文明的な生活基盤をまずは築く。元手ゼロの今の状況では、俺にはこれが考えられる精一杯だった。
昨日の実験の感覚から言って、魔法の残量にはまだまだ余裕がある。
というか、あの実験は何時間にも渡り、辺り一帯更地にしかねないばかりの勢いで休みなく木を倒したりしていたからうっかり魔法を消耗しきったのだ。普通に適度な量の魔法を適宜使う分にはよっぽどのこと──規格外の威力の魔法をぶっ放すとか、休みなく魔法を使い続けるとか──がない限り、枯渇の心配は要らなさそうだ。
さて。そういう訳で膝へ負担をかけまくり結構な傾斜を乗り越えて登山した俺である。
太陽の位置から、今の時刻は丁度正午頃か。
遠くから見た山の見た目からすれば、今いるここ辺りが山の中腹。目の前に広がる広大な景色から察するに標高600mくらいだろうか。尾根に所々広い空間があって、建築の土台にもってこいだ。
あと残る問題は、俺に建築の知識も技術も全くないという事くらいである。
しかし、俺は昨日の周到な魔法実験によりその問題点を華麗(?)に解決していた。
「……よし、この木が一番でかいかな」
俺は手近にあった中で一番大きな木に手を当て、そして──。
「よっと」
魔法で切り株を残して根元からバッサリと切り倒し、魔法で樹皮を向いて一端の木材に仕立て上げた。
しかし、ただの丸太のような木材では俺は到底使えない。もっと、わかりやすい形でなければならないのだ。
でなければ部分的にかかる負担とかが知識のない俺には計算出来ず、もれなく欠陥建築が出来てしまうだろう。こればかりは魔法ではどうにもならない。
だから俺は、その丸みを削り取り切り刻み、木材から綺麗な一辺約一メートルの立方体をいくつも取り出した。
これなら丸太型よりはいくらか安定するだろうし、小さいから建築中に不具合が出来た時に小回りも効かせやすい。正確に同じ形なので対称的にしやすく、事故も少ないだろう。
これを幾つも積み上げ、魔法で接着すれば立派な家ができるのではないだろうか。因みに俺は、某サンドボックスゲームをイメージして作業に励んでいる。
俺は一辺の個数なんかを慎重に数えて基盤を作り上げ柱を作り上げ──ひっきりなしに魔法を使うせいで時折襲い来る目眩を抑える為に何度か小休止も挟みながら、家は着実に完成の一途を辿っていた。
そんなに器用ではないので豆腐のように無骨な直方体にしかならないだろうが、取り敢えず雨風を凌げれば十分だ。
日は傾き始めている。どうにかアレが沈み切る前に完成させてしまいたい。
壁はもう出来ている。あとは雨を凌ぐ屋根を貼り付けるだけだ。
俺は流石に手が届かない天井へ、慎重に魔法で浮かせた木材を持っていき──。
ドゴォォォン!!
轟音と、突如として壁に伝わる衝撃。
家がグラリと揺れる。
鈍化する思考回路の中で、俺は回想する。
──ああ、そういえば。
──床の木材、地面にちゃんと接着してなかったっけ──。
そんな後悔と共に、俺の家は徐々に傾いていき……不意にバタン、と倒れた。
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