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第一章
蹂躙
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天幕の前に集められ、静かに命令を待つ百人超の兵士達。俺はその前に立って、諸々の面倒な挨拶を終えた後一気に本題へと入った。
「作戦は簡単で、まずルーがルーの隊三十二人とタルトの隊から二十人を率いて敵を最短で左側から叩きにいく。反撃が確認されたらその時点で少し後退して待機。その間、反撃を受けない程度に敵にちょっかいをかけ続けてくれ。敵が動き出したら並走して、引き離させたりはしないこと。その間にタルトはタルトの隊から二十人と俺の隊から二十人を率いて敵の進行方向を封鎖。ルーの攻撃開始よりは前に封鎖してもらわないと困るから行軍速度は速めで頼む。あと、ここは結構敵が来る可能性がある……っていうか、此処で敵が来るってのが一番考えられるパターンだ。だから全力で警戒。敵がきたら兵は身体を隠して待ち伏せの形で弓を用いて応戦しつつ、兵を引かせてくれ。まぁあまり考えられないが、此処で敵が食い下がって来るのが一番被害が出るだろうパターンだから、木を盾にするなどで被弾を避けて高速で撤退。敵がこっちより元気ってことはまず無いだろうから、この撤退はあっさり通る筈だ。相手も逃げる事を優先したいだろうからな。それに、ルーか俺の隊が助けに入る。残った二十人の俺の隊は超高速でぐるっと遠回りをして敵を右側から叩く。この時敵が何らかの動きを見せていればそっちの対応に行くし、敵がその時点でまだ動いてなかった場合、俺の隊が突撃したのが確認されたら全員で三方向から一斉に迫り、敵を撃破する。うちの隊の機動力をフルに活かす形だな。作戦は以上だ。多分これがうまくハマれば直接戦闘に際して出ると予想された被害は三分の一以下に出来るはずだ。何か質問は?」
隊がにわかにざわつき始める。あれ、そんな変な事言ったかな?
「…………まぁ、カエデに実績はあるし。私は負けたから何も言わないけど……大丈夫?」
「俺は大丈夫だと思って作戦は立ててるつもりだよ」
一応そう言うと少し不安そうにルーは引き下がり、代わりにルディアンヌが手を小さく上げた。
「じゃあ俺から。見落としてると思ってる訳じゃねぇけど、戦力の分散は基本悪手だぞ? 大丈夫なのか? 特に強襲をかけるつもりの俺たちだ。二十だとかなり少ない。腰を据えて応戦されたりすると厄介そうだが」
「こと敵の応戦に関しては、俺の合図に合わせてくれれば問題ないと思う。そこはちゃんと考えてる。あぁ、突撃と同時に指示は適宜出すんで、其処は考慮にいれておいてくれ。あとは……右から攻めるからそっちに敵が離脱してきたらキツイかもだが、敵がどれだけポンコツでも見えてる敵に背は向けないだろ」
「じゃあ次だ。タルトの所に敵が攻めて来た場合、そりゃ待ち伏せでこっちのが数が多いんだから大した被害もなく撤退は出来るだろうけどよ。仕留めきれはしなくないか?」
「ああ。そもそもこの作戦は、敵を絶対倒すって気では組んでない。勝てる可能性を残しつつ、如何に兵をやらせないかってのが第一なんだよ。唯一の勝ちパターンは敵が動かない場合で、それ以外の動きを敵が見せた場合は勝ちは無いと思ってくれ」
「……それは……いいのか?」
「いい。まず兵が脱落しないことが最優先だ。タルトの所に攻めてこられても撤退を優先させれば兵の脱落は少なくて済むだろ。ローリスクハイリターンのギャンブルみたいなもんだ。敵が動けば、倒せは確かにしないだろうがそれでも敵を削ることくらいは出来る。連中、多少の被害は無視してでも逃げの一手だろうからな。後で改めて倒しに行けばいい。いいか? 此れは全員に言えることだが……今回は『勝とうとするな。負けないと思え』、だ」
「……だったら追撃したら良くないか? 反撃は来ないと予想してるんだろ?」
「森の中では逃げる方が追う方より圧倒的に有利だろ。しかも一般方向を協力者との集合場所に定めて散り散りに逃げる筈だ。体力を無駄に消費して、実入りは少ない。確実に指揮官は狩れるってんなら別だけど」
そこでルディアンヌが肩をすくめ、質問が止まる。アイコンタクトでタルトにも、この作戦でもいいかと聞いてみた(つもり)が、タルトは小さく頷いてくれた。
「よし、問題はねぇな!? 行動開始だ!!」
◇◆◇◆◇◆
で。
「まさかこんなに上手くハマるとはな……」
俺は唖然としていた。ぶっちゃけて言うと、敵がまさか動かないとは思ってなかったのである。十中八九逃げられるんじゃないかなぁとか思ってた。
もしかしたら、相手はビュリダンのロバ(おなかを空かせたロバが、左右2方向に道が分かれた辻に立っており、双方の道の先には、完全に同じ距離、同じ量の干草が置かれていた場合に、ロバはどちらの道も進まずに餓死してしまう、という意思決定論を論ずる場合に心理学の分野で引き合いに出される例え話)状態になってしまったのかもしれない。まぁ上記の情報はWikipedia先生のコピペだし、俺がそんな心理学云々なんてのを知ってる理由も某野球ギャンブル漫画を読んでいたからなのだが。
「言ってる場合じゃねえぞ大将!? この状況、あんたいつやられてもおかしく無いんだからなぁ!? 全く無茶苦茶な作戦立てやがって!!」
呑気にそう言う俺をルディアンヌが叱責してくる。確かに危ないといえば危ないのが現状だ。流れ弾で死んでもおかしくない。気を引き締めなくては。俺は声を大きく張り上げた。
「よし、全員このまま突き抜けろ! 向こう側にいるルーの部隊と合流して一気に叩く!!」
「「「「「イエス・マム!!」」」」」
「違うから! 俺はサーでいいから!!」
さて、今の状況を整理しよう。
敵が何故か動いていなかったので、俺達の隊はぐるりと森林を回り込み、ルーの逆側から強襲した。多分敵の指揮官は考えすぎたんだろうな、と思う。何も考えなければ普通逃げようとする筈だ。まだ自分は一小隊しか持っていないのだから。
そして、敵の虚を突く形で突撃してみれば、その攻撃はルーを警戒していた兵士達の緊張を爆発させるに十分だったらしく。
「ひ、ひひゃぁぁああぁぁ!!?」
「く、来るなぁぁぁぁ!!! こっちに来てんじゃぁねぇっ!!」
「どけ、どけどけどけぇぇぇ!!」
こんな感じで阿鼻叫喚。ペイントも付けずにやたらめったら矢を放つばかりで、統制などない地獄絵図だった。敵と味方の判別がつかず、同士討ちすら始める始末。
同時にルーの部隊も攻勢に加わり、両方向から攻められた敵はあっという間もなく瓦解した。
警戒心とは、諸刃の剣だ。
限界まで張り詰めたそれは殆ど、少しでも触れれば反応する信管に等しい。
左から攻めて来る脅威に、少しずつではあるが確実に敵の兵達は精神を削られていく。
常に警戒を怠らないというのは、ただ其処に居るだけの何百倍ものエネルギーを使い、疲労を助長する。
緊張は限界に達し、疲労も極限を超えたころ。そこに、全くの逆方向からの敵襲。信管は躊躇なく炸裂する。
全兵士の遊兵化という結果を伴って──!!
「走り抜けろぉ! 斬ったら躊躇なく押し倒してでも止まるんじゃねぇぞ!!」
統制の取れていない兵なんて物の数ではない。遊兵は寡兵よりも怖くない。
四十いた筈の敵兵はその殆どが既にその身体に塗料をつけ、呆然とした様子で倒れたり座りこんだりしている。
対して此方の兵は、初撃以降は敵が恐怖のあまりペイントを付けずに応戦したりして来たために攻撃を受けた人間こそいれど、ルール上の脱落者はたった二人。
「さて、そろそろ仕上げだな……タルト!!」
この作戦、最後の一撃。
五十もの兵を引き連れたタルトが凄まじい勢いで迫り、残った残党は懸命に声をあげる老兵と、猫耳を生やした女性もろとも吹き飛ばされた。
「作戦は簡単で、まずルーがルーの隊三十二人とタルトの隊から二十人を率いて敵を最短で左側から叩きにいく。反撃が確認されたらその時点で少し後退して待機。その間、反撃を受けない程度に敵にちょっかいをかけ続けてくれ。敵が動き出したら並走して、引き離させたりはしないこと。その間にタルトはタルトの隊から二十人と俺の隊から二十人を率いて敵の進行方向を封鎖。ルーの攻撃開始よりは前に封鎖してもらわないと困るから行軍速度は速めで頼む。あと、ここは結構敵が来る可能性がある……っていうか、此処で敵が来るってのが一番考えられるパターンだ。だから全力で警戒。敵がきたら兵は身体を隠して待ち伏せの形で弓を用いて応戦しつつ、兵を引かせてくれ。まぁあまり考えられないが、此処で敵が食い下がって来るのが一番被害が出るだろうパターンだから、木を盾にするなどで被弾を避けて高速で撤退。敵がこっちより元気ってことはまず無いだろうから、この撤退はあっさり通る筈だ。相手も逃げる事を優先したいだろうからな。それに、ルーか俺の隊が助けに入る。残った二十人の俺の隊は超高速でぐるっと遠回りをして敵を右側から叩く。この時敵が何らかの動きを見せていればそっちの対応に行くし、敵がその時点でまだ動いてなかった場合、俺の隊が突撃したのが確認されたら全員で三方向から一斉に迫り、敵を撃破する。うちの隊の機動力をフルに活かす形だな。作戦は以上だ。多分これがうまくハマれば直接戦闘に際して出ると予想された被害は三分の一以下に出来るはずだ。何か質問は?」
隊がにわかにざわつき始める。あれ、そんな変な事言ったかな?
「…………まぁ、カエデに実績はあるし。私は負けたから何も言わないけど……大丈夫?」
「俺は大丈夫だと思って作戦は立ててるつもりだよ」
一応そう言うと少し不安そうにルーは引き下がり、代わりにルディアンヌが手を小さく上げた。
「じゃあ俺から。見落としてると思ってる訳じゃねぇけど、戦力の分散は基本悪手だぞ? 大丈夫なのか? 特に強襲をかけるつもりの俺たちだ。二十だとかなり少ない。腰を据えて応戦されたりすると厄介そうだが」
「こと敵の応戦に関しては、俺の合図に合わせてくれれば問題ないと思う。そこはちゃんと考えてる。あぁ、突撃と同時に指示は適宜出すんで、其処は考慮にいれておいてくれ。あとは……右から攻めるからそっちに敵が離脱してきたらキツイかもだが、敵がどれだけポンコツでも見えてる敵に背は向けないだろ」
「じゃあ次だ。タルトの所に敵が攻めて来た場合、そりゃ待ち伏せでこっちのが数が多いんだから大した被害もなく撤退は出来るだろうけどよ。仕留めきれはしなくないか?」
「ああ。そもそもこの作戦は、敵を絶対倒すって気では組んでない。勝てる可能性を残しつつ、如何に兵をやらせないかってのが第一なんだよ。唯一の勝ちパターンは敵が動かない場合で、それ以外の動きを敵が見せた場合は勝ちは無いと思ってくれ」
「……それは……いいのか?」
「いい。まず兵が脱落しないことが最優先だ。タルトの所に攻めてこられても撤退を優先させれば兵の脱落は少なくて済むだろ。ローリスクハイリターンのギャンブルみたいなもんだ。敵が動けば、倒せは確かにしないだろうがそれでも敵を削ることくらいは出来る。連中、多少の被害は無視してでも逃げの一手だろうからな。後で改めて倒しに行けばいい。いいか? 此れは全員に言えることだが……今回は『勝とうとするな。負けないと思え』、だ」
「……だったら追撃したら良くないか? 反撃は来ないと予想してるんだろ?」
「森の中では逃げる方が追う方より圧倒的に有利だろ。しかも一般方向を協力者との集合場所に定めて散り散りに逃げる筈だ。体力を無駄に消費して、実入りは少ない。確実に指揮官は狩れるってんなら別だけど」
そこでルディアンヌが肩をすくめ、質問が止まる。アイコンタクトでタルトにも、この作戦でもいいかと聞いてみた(つもり)が、タルトは小さく頷いてくれた。
「よし、問題はねぇな!? 行動開始だ!!」
◇◆◇◆◇◆
で。
「まさかこんなに上手くハマるとはな……」
俺は唖然としていた。ぶっちゃけて言うと、敵がまさか動かないとは思ってなかったのである。十中八九逃げられるんじゃないかなぁとか思ってた。
もしかしたら、相手はビュリダンのロバ(おなかを空かせたロバが、左右2方向に道が分かれた辻に立っており、双方の道の先には、完全に同じ距離、同じ量の干草が置かれていた場合に、ロバはどちらの道も進まずに餓死してしまう、という意思決定論を論ずる場合に心理学の分野で引き合いに出される例え話)状態になってしまったのかもしれない。まぁ上記の情報はWikipedia先生のコピペだし、俺がそんな心理学云々なんてのを知ってる理由も某野球ギャンブル漫画を読んでいたからなのだが。
「言ってる場合じゃねえぞ大将!? この状況、あんたいつやられてもおかしく無いんだからなぁ!? 全く無茶苦茶な作戦立てやがって!!」
呑気にそう言う俺をルディアンヌが叱責してくる。確かに危ないといえば危ないのが現状だ。流れ弾で死んでもおかしくない。気を引き締めなくては。俺は声を大きく張り上げた。
「よし、全員このまま突き抜けろ! 向こう側にいるルーの部隊と合流して一気に叩く!!」
「「「「「イエス・マム!!」」」」」
「違うから! 俺はサーでいいから!!」
さて、今の状況を整理しよう。
敵が何故か動いていなかったので、俺達の隊はぐるりと森林を回り込み、ルーの逆側から強襲した。多分敵の指揮官は考えすぎたんだろうな、と思う。何も考えなければ普通逃げようとする筈だ。まだ自分は一小隊しか持っていないのだから。
そして、敵の虚を突く形で突撃してみれば、その攻撃はルーを警戒していた兵士達の緊張を爆発させるに十分だったらしく。
「ひ、ひひゃぁぁああぁぁ!!?」
「く、来るなぁぁぁぁ!!! こっちに来てんじゃぁねぇっ!!」
「どけ、どけどけどけぇぇぇ!!」
こんな感じで阿鼻叫喚。ペイントも付けずにやたらめったら矢を放つばかりで、統制などない地獄絵図だった。敵と味方の判別がつかず、同士討ちすら始める始末。
同時にルーの部隊も攻勢に加わり、両方向から攻められた敵はあっという間もなく瓦解した。
警戒心とは、諸刃の剣だ。
限界まで張り詰めたそれは殆ど、少しでも触れれば反応する信管に等しい。
左から攻めて来る脅威に、少しずつではあるが確実に敵の兵達は精神を削られていく。
常に警戒を怠らないというのは、ただ其処に居るだけの何百倍ものエネルギーを使い、疲労を助長する。
緊張は限界に達し、疲労も極限を超えたころ。そこに、全くの逆方向からの敵襲。信管は躊躇なく炸裂する。
全兵士の遊兵化という結果を伴って──!!
「走り抜けろぉ! 斬ったら躊躇なく押し倒してでも止まるんじゃねぇぞ!!」
統制の取れていない兵なんて物の数ではない。遊兵は寡兵よりも怖くない。
四十いた筈の敵兵はその殆どが既にその身体に塗料をつけ、呆然とした様子で倒れたり座りこんだりしている。
対して此方の兵は、初撃以降は敵が恐怖のあまりペイントを付けずに応戦したりして来たために攻撃を受けた人間こそいれど、ルール上の脱落者はたった二人。
「さて、そろそろ仕上げだな……タルト!!」
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