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第八章①「疑惑と逃亡編」
昨日の敵は今日の友?
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署名用紙を受け取ると、マダムはそれ以上何も言わなかった。
立ち上がり、酒場に残っている連中に「今日はもう終わりだよ、さっさと帰んな。」と声をかけ、ゴッズさんと一言二言話すと奥に行ってしまった。
皆がゾロゾロ帰り始め、俺とシルクは片付けをするゴッズさんを少し手伝い、2階の部屋に戻った。
シルクとも特に話をしていない。
魔術本部での話とか、これから向かう南の国の事とか話さないといけなかったが、気持ちに余裕がなかった。
俺の気持ちを汲んで、シルクの方からも何も言ってこなかった。
「おやすみ、主。」
「ん、おやすみ。」
お互いベッドに入り、じきにシルクの規則正しい寝息が聞こえ出した。
俺は天井を見つめたまま、ただじっとしていた。
今、世界が変わろうとしている。
俺自身の知らなかった秘密。
危機によってもたらされた、仲間達の正念場。
王国の危うい現状。
南の国の真実と、もたらされている危機。
きな臭くとも掴み所のない西の国。
それに対して、大きな力が対抗しようと動き出している。
魔術本部もそうだし、フレデリカさんの魔女ネットワークもそうだ。
王国内でだって、仲間や王子たちが頑張ってる。
そして、冒険者ギルドの一つが立ち上がった。
戦争が起こるかもしれない。
その可能性をずっと感じていた。
だがそれが現実味を増すと同時に、たくさんの力がそれに対抗しようと動き始めている。
今、世界が変わろうとしている。
その時に俺は立ち会っているのだ。
不思議と不安はない。
ただ、こんな時なのにどこか自分がはるか遠くにいるような気持ちになっていた。
俺はどこにいるんだろう?
ここにいるはずなのに、何故かそんな事を感じていた。
「だから!出せっつってんだろうっ!!」
朝起きて顔を洗いに洗面所に向かうと、階段下から言い争う声がした。
全く、朝っぱらからあの2人は……。
俺は寝癖のついた頭のまま、仕方なく階段を降りた。
「おはようございます。こんな朝早くから何を騒いでるんですか??」
案の定、ボーンさんが分が悪そうに顔を背けた。
マダムは特に気にしてないようで、ギルドカウンターの掃除をしている。
酒場の方からは、ゴッズさんが仕込みをする音が響いていた。
「おはよう、サーク。今日発つのかい?」
「はい。そのつもりです。」
「なら、支度が終わったら朝食を取りながら軽く今後の話をして行きな。こっちの動きもわかってないと、あんたもやりにくいだろうからね。」
マダムは何でもない事のようにそう言った。
やはり昨夜の事は夢では無いようだ。
フライハイトのギルドは、所在地政府離脱権限を施行するのだ。
「だから!俺にも署名させろって言ってんだろっ!!」
ボーンさんがギャンギャンとマダムに噛み付く。
え?何で??と思って俺はボーンさんを見た。
さっきから騒いでたのって、そう言う事なのか……。
「だから何であんたが署名するんだい?あんたはうちのギルド所属じゃないだろう??」
マダムが羽ハタキを肩に担いでボーンさんを見下ろした。
グッと言葉に詰まるが、ボーンさんは食い下がる。
「説明しただろうがっ!!いいから署名させろっ!!俺もアイツらに一矢報いるって決めたんだつってんだろっ!!さっさと出せっ!!」
何だか話が見えない。
俺の頭に疑問符が複数並んでいるのが見えたのか、マダムが面倒そうに説明してくれた。
「このジジイ、トート遺跡を追い出されて来たらしいよ、サーク。」
「ええええええぇっ?!」
「ええじゃねぇよっ!てめぇだって無関係じゃねぇんだぞっ!サークっ!!」
「へっ?!」
「あんたがアタック成功させただろ?領主の奴が、出てきた財宝を寄越せって言ってきたんだと。」
「は?!ダンジョンで冒険者が見つけた物は未知のダンジョンの場合を除き、国に登録されたダンジョンの場合は冒険者の物って保証されてますよね?!」
「本来はそうなんだけどねぇ。」
「こっちはちゃんとダンジョンの税金納めてるってのに!領土から出てきた物は領主の物だとか抜かしやがってよっ!!ふざけるなってのっ!!」
あ~これは確かに、俺、無関係じゃないわ。
困ったな、既に半分ぐらい売っちゃったんだけど。
でも大物は足がつくといけないから、まだ持ってるか。
いや??だからって渡すのか??
俺と師匠が死ぬ思いで手に入れたっていうのに?!
「安心しろよ、サーク。おめぇから苦労して得た宝箱の中身を寄越せとは言わねぇよ。」
俺が複雑な顔をしたものだから、ボーンさんはため息まじりにそう言った。
それを聞いて安心したが、ある意味安心できない。
「当たり前だけど、ジジイは断ったのさ。当然だろ?ギルドは王国との間に交した規則に則って、代わりにちゃんとダンジョンの税金を納め管理をしてるんだ。他のダンジョンだって、クエストが入った時毎に紹介したギルドが税金払ってる。なのに見つけたものまで寄越せとか、とんだ業突張りだよ。そりゃ、とんでもない物が出てきてギルドでも判断しかねる物なら報告して取り分を決める事があるよ。でもたかだかダンジョンのアタックで見つけた物だよ、それを寄越せと言われたら冒険者は生活できないっての。」
ボーンさんはマダムの話にうんうんと頷いている。
まぁ当然だよな?宝石や金属やエネルギーなんかの鉱脈を見つけたとかでない限り、宝箱やドロップ物は冒険者の収入の糧だ。
それを寄越せとか、頭おかしいんじゃないか?!
「そしたらよ!いきなり押しかけてきて、何が出てきたか調べるつって書類を漁りやがってっ!アタックしたのがお前だってわかったもんだから!何の話も聞かねぇで!お尋ね者が出入りする様な場所は今後、国で管理をする、反逆罪に問われたくなければ出ていけっつって追い出してきやがったのよっ!!」
ボーンさんはその時のことを思い出したのか、顔を真っ赤にして怒り出した。
それは申し訳ない事をしたな。
俺自身、あのアタックは自分の名前でやって失敗だったとは思っていたけれど、こんなところにまで影響があったのか……。
とは言え、まぁ、何とも横暴な領主だな?
「トート遺跡……この辺り纏めて、フレッチャー公の領土か……。なるほどね。」
俺から領主の名前が出たからだろう。
ニ人は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をした。
「何です、その顔は……。」
「いや、おめぇの口からそんな政治的な名前が出ると思わなくてよ。」
「なんだい?サーク?あんた、のらりくらりの名前だけ准男爵じゃなかったのかい??」
何とも失礼な言い方だ。
俺は口を尖らせて言い返した。
「……仲間が産休に入ったんで、臨時的にその仕事をしてるんですよ。そのせいでめちゃくちゃ怖い先生がついて、領地とか貴族名とか教え込まれたんです。別に覚えたくて覚えたんじゃないです。」
とはいえフレッチャー公か……。
古参貴族で最近代替わりを視野に入れて、父と子の二人体制で色々やってるってガスパーが言ってたな??
第二王子派で俺を目の敵にしてるし、新代の方が認めて貰う為に新しい金脈づくりに動いてるんだろうな。
それでギルドやダンジョンに目をつけたのかもな。
古参貴族は、貴族以外は金を巻き上げる為のゴミだと思ってる奴が多いからな。
「ん~~。ま、安心して下さい。俺をハメた件に絡んでる人だと思うので、纏めて俺の方で上手くやります。少しだけ我慢しててください。ボーンさん。」
そう言うと、さらに2人が物凄い顔で俺を見た。
だから何なんだよ、その顔は?!
「……なぁ、ババア……。」
「なんだい?」
「こいつはサークか?あの小生意気な小僧か??サークの皮を被った偽物じゃねぇのか?ちょっとお前の目で確認してくれ……。」
「あたしも気味が悪いけとね、残念ながら本人だよ。気持ち悪いけどね。」
何だか朝から、酷い言われようだ。
さっきまで言い合いをしていた2人は、仲良く俺を気持ち悪がって、ヒソヒソ話していた。
立ち上がり、酒場に残っている連中に「今日はもう終わりだよ、さっさと帰んな。」と声をかけ、ゴッズさんと一言二言話すと奥に行ってしまった。
皆がゾロゾロ帰り始め、俺とシルクは片付けをするゴッズさんを少し手伝い、2階の部屋に戻った。
シルクとも特に話をしていない。
魔術本部での話とか、これから向かう南の国の事とか話さないといけなかったが、気持ちに余裕がなかった。
俺の気持ちを汲んで、シルクの方からも何も言ってこなかった。
「おやすみ、主。」
「ん、おやすみ。」
お互いベッドに入り、じきにシルクの規則正しい寝息が聞こえ出した。
俺は天井を見つめたまま、ただじっとしていた。
今、世界が変わろうとしている。
俺自身の知らなかった秘密。
危機によってもたらされた、仲間達の正念場。
王国の危うい現状。
南の国の真実と、もたらされている危機。
きな臭くとも掴み所のない西の国。
それに対して、大きな力が対抗しようと動き出している。
魔術本部もそうだし、フレデリカさんの魔女ネットワークもそうだ。
王国内でだって、仲間や王子たちが頑張ってる。
そして、冒険者ギルドの一つが立ち上がった。
戦争が起こるかもしれない。
その可能性をずっと感じていた。
だがそれが現実味を増すと同時に、たくさんの力がそれに対抗しようと動き始めている。
今、世界が変わろうとしている。
その時に俺は立ち会っているのだ。
不思議と不安はない。
ただ、こんな時なのにどこか自分がはるか遠くにいるような気持ちになっていた。
俺はどこにいるんだろう?
ここにいるはずなのに、何故かそんな事を感じていた。
「だから!出せっつってんだろうっ!!」
朝起きて顔を洗いに洗面所に向かうと、階段下から言い争う声がした。
全く、朝っぱらからあの2人は……。
俺は寝癖のついた頭のまま、仕方なく階段を降りた。
「おはようございます。こんな朝早くから何を騒いでるんですか??」
案の定、ボーンさんが分が悪そうに顔を背けた。
マダムは特に気にしてないようで、ギルドカウンターの掃除をしている。
酒場の方からは、ゴッズさんが仕込みをする音が響いていた。
「おはよう、サーク。今日発つのかい?」
「はい。そのつもりです。」
「なら、支度が終わったら朝食を取りながら軽く今後の話をして行きな。こっちの動きもわかってないと、あんたもやりにくいだろうからね。」
マダムは何でもない事のようにそう言った。
やはり昨夜の事は夢では無いようだ。
フライハイトのギルドは、所在地政府離脱権限を施行するのだ。
「だから!俺にも署名させろって言ってんだろっ!!」
ボーンさんがギャンギャンとマダムに噛み付く。
え?何で??と思って俺はボーンさんを見た。
さっきから騒いでたのって、そう言う事なのか……。
「だから何であんたが署名するんだい?あんたはうちのギルド所属じゃないだろう??」
マダムが羽ハタキを肩に担いでボーンさんを見下ろした。
グッと言葉に詰まるが、ボーンさんは食い下がる。
「説明しただろうがっ!!いいから署名させろっ!!俺もアイツらに一矢報いるって決めたんだつってんだろっ!!さっさと出せっ!!」
何だか話が見えない。
俺の頭に疑問符が複数並んでいるのが見えたのか、マダムが面倒そうに説明してくれた。
「このジジイ、トート遺跡を追い出されて来たらしいよ、サーク。」
「ええええええぇっ?!」
「ええじゃねぇよっ!てめぇだって無関係じゃねぇんだぞっ!サークっ!!」
「へっ?!」
「あんたがアタック成功させただろ?領主の奴が、出てきた財宝を寄越せって言ってきたんだと。」
「は?!ダンジョンで冒険者が見つけた物は未知のダンジョンの場合を除き、国に登録されたダンジョンの場合は冒険者の物って保証されてますよね?!」
「本来はそうなんだけどねぇ。」
「こっちはちゃんとダンジョンの税金納めてるってのに!領土から出てきた物は領主の物だとか抜かしやがってよっ!!ふざけるなってのっ!!」
あ~これは確かに、俺、無関係じゃないわ。
困ったな、既に半分ぐらい売っちゃったんだけど。
でも大物は足がつくといけないから、まだ持ってるか。
いや??だからって渡すのか??
俺と師匠が死ぬ思いで手に入れたっていうのに?!
「安心しろよ、サーク。おめぇから苦労して得た宝箱の中身を寄越せとは言わねぇよ。」
俺が複雑な顔をしたものだから、ボーンさんはため息まじりにそう言った。
それを聞いて安心したが、ある意味安心できない。
「当たり前だけど、ジジイは断ったのさ。当然だろ?ギルドは王国との間に交した規則に則って、代わりにちゃんとダンジョンの税金を納め管理をしてるんだ。他のダンジョンだって、クエストが入った時毎に紹介したギルドが税金払ってる。なのに見つけたものまで寄越せとか、とんだ業突張りだよ。そりゃ、とんでもない物が出てきてギルドでも判断しかねる物なら報告して取り分を決める事があるよ。でもたかだかダンジョンのアタックで見つけた物だよ、それを寄越せと言われたら冒険者は生活できないっての。」
ボーンさんはマダムの話にうんうんと頷いている。
まぁ当然だよな?宝石や金属やエネルギーなんかの鉱脈を見つけたとかでない限り、宝箱やドロップ物は冒険者の収入の糧だ。
それを寄越せとか、頭おかしいんじゃないか?!
「そしたらよ!いきなり押しかけてきて、何が出てきたか調べるつって書類を漁りやがってっ!アタックしたのがお前だってわかったもんだから!何の話も聞かねぇで!お尋ね者が出入りする様な場所は今後、国で管理をする、反逆罪に問われたくなければ出ていけっつって追い出してきやがったのよっ!!」
ボーンさんはその時のことを思い出したのか、顔を真っ赤にして怒り出した。
それは申し訳ない事をしたな。
俺自身、あのアタックは自分の名前でやって失敗だったとは思っていたけれど、こんなところにまで影響があったのか……。
とは言え、まぁ、何とも横暴な領主だな?
「トート遺跡……この辺り纏めて、フレッチャー公の領土か……。なるほどね。」
俺から領主の名前が出たからだろう。
ニ人は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をした。
「何です、その顔は……。」
「いや、おめぇの口からそんな政治的な名前が出ると思わなくてよ。」
「なんだい?サーク?あんた、のらりくらりの名前だけ准男爵じゃなかったのかい??」
何とも失礼な言い方だ。
俺は口を尖らせて言い返した。
「……仲間が産休に入ったんで、臨時的にその仕事をしてるんですよ。そのせいでめちゃくちゃ怖い先生がついて、領地とか貴族名とか教え込まれたんです。別に覚えたくて覚えたんじゃないです。」
とはいえフレッチャー公か……。
古参貴族で最近代替わりを視野に入れて、父と子の二人体制で色々やってるってガスパーが言ってたな??
第二王子派で俺を目の敵にしてるし、新代の方が認めて貰う為に新しい金脈づくりに動いてるんだろうな。
それでギルドやダンジョンに目をつけたのかもな。
古参貴族は、貴族以外は金を巻き上げる為のゴミだと思ってる奴が多いからな。
「ん~~。ま、安心して下さい。俺をハメた件に絡んでる人だと思うので、纏めて俺の方で上手くやります。少しだけ我慢しててください。ボーンさん。」
そう言うと、さらに2人が物凄い顔で俺を見た。
だから何なんだよ、その顔は?!
「……なぁ、ババア……。」
「なんだい?」
「こいつはサークか?あの小生意気な小僧か??サークの皮を被った偽物じゃねぇのか?ちょっとお前の目で確認してくれ……。」
「あたしも気味が悪いけとね、残念ながら本人だよ。気持ち悪いけどね。」
何だか朝から、酷い言われようだ。
さっきまで言い合いをしていた2人は、仲良く俺を気持ち悪がって、ヒソヒソ話していた。
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7章から8章辺りの話の展開的にも大転換な部分かなと思います。楽しいだけのわちゃわちゃした時間が終わって、だんだん真剣に答えを出していくような。そして8章①のギルド絡みの話は書いた私も結構好きです。
今日で休みも終わってしまうので、この先はゆっくりになるかと思いますが、気長に待って頂けますと幸いです。
ありがとうございました!