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第八章②「敵地潜入」
ファーストステージ
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馬車同士がすれ違えるような大通りを進み、カジノ街の中でも一際巨大なカジノが近づいてきた。
俺とシルクは黙ってそれを見つめる。
これから俺達が攻め込む難攻な城だ。
俺は術を解く前に、まっすぐにシルクを見つめた。
「最後にお前に言っておきたい。」
「何?」
「お前は高嶺の華だ。決して安売りするな。」
「わかってるよ、そんな事。」
「いや?お前はわかっていない。何故ならお前は今しか見えてないからだ。」
「どういう事??」
「今だけ考えて特を得られるなら、お前はそうするだろ?だがな、お前の価値は今後お前が生きている限り一生ついて回るものだ。そしてお前が俺の隣にいる限り、お前の価値は俺を測る一つの価値になる。」
「……俺の価値が……主の価値の一部なんだね?」
「そうだ。だからお前が一度でも自分を安売りすれば、それは一生お前について回る。それはお前が俺の隣にいる限り、ずっと俺にもついて回るものだ。」
「……何が言いたいかはわかった。でも……。」
「でももへったくれもない。お前の価値が下がったら、俺はお前を側に置かない。」
「主っ!!」
「俺はお前に常にその価値を上げるよう教えたはずだ。相手がお前より価値がある事など絶対にない。絶対に、だ。」
「主……。」
「だからどんな方法であれ、お前が自分を犠牲にする事はお前が自分より価値の無いものに屈する事を意味する。俺はそんな事は許さない。お前がお前である事以上に価値のあるものなど、この世には存在しないんだ。」
「……………。」
「お前はそれだけ俺にとって価値があるんだ、シルク。お前は唯一、俺の選んだ片腕だ。唯一、地獄まで連れていくと決めた相棒だ。俺に自分の腕を生身から切り落として捨てさせるな。わかったな。」
シルクは俺の言いたい事を理解した。
それは単に体を許すなと言う事じゃない。
どれだけシルクを大事に思っているか、シルクを切り捨てるという事が俺にとってどういう事なのかを知って欲しかった。
シルクにとって俺は絶対だ。
だからシルクは、平気で俺の為に自分を犠牲にするだろう。
だが、そんな簡単にそれをされる訳にはいかないのだ。
それを理解させるにはどうしたらいいか?
考えた末、こんな言い方になってしまった。
でも、シルクは理解した。
目元を赤くして、涙を堪えていた。
シルクにとって、サークは絶対だ。
絶対的な相手から、お前は自分の血肉と同じだと言われたのだ。
嬉しくない訳がない。
だから心に刻んだ。
己が身を軽んじてはならない。
これは自分のものじゃない。
この身を汚す事、傷つける事は、主を穢し傷つける事と同じなのだ。
サークが言いたいのは、お前が大事だからもっと自分を大事にして欲しいと言う事なのだろう。
それでもあえてこういう言い方をしたのは、その方が自分の心に強く突き刺さる事を知っていたからだ。
「馬鹿……。主の馬鹿……。そんな事言われたら、俺……おいそれと、死ぬ事もできないじゃん……。」
そう言って笑った。
泣きそうでもあったか、心からの笑顔だった。
それを見て俺は、もう何も言わなくても大丈夫だと思った。
とは言え、そんな顔をされていては困る。
これからステージがあるのだから。
俺はタオルを水で濡らしてシルクに渡した。
シルクも意味がわかるので、グッと目元に押し当てて冷す。
「自分から話を振っておいて悪いが、仕事だぞ、シルク。ここからが正念場だ。気持ちを切り替えろ。」
「酷くない?!俺を泣かせる様な事、言っといて、酷くない?!」
「悪かったよ、でも仕方ないだろ??」
「仕方なくないっ!!主って、やっぱり狡い男だっ!!」
「はいはい。どうせ俺は狡い男だよ。でもそんな男を主に選んだのはお前だろ?諦めろ。」
「最低っ!主なんか大嫌いだっ!!」
「はいはい。わかったから。もうすぐカジノにつくぞ?術を解くから………お願いしますよ、シルキーさん。」
「………ユウくんの馬鹿。こき使ってやるんだから……。」
「はいはい。」
シルクはタオルを当てたまましばらく無言になり、やがて切り替えたように顔を上げた。
ツンと澄まして、例の大きなサングラスをかける。
シルクがオペラ座で見かけた女性達がこの大きなサングラスを使うのは、様々な涙を隠す為なのかもなとちょっと思った。
控室のドアがノックされた。
俺は立ち上がってドア前に立つ。
一応、魔力探査したが危険はなさそうだ。
なのでドアを開ける。
「は~い。」
いたのはカジノの従業員2人と支配人だった。
前にいた従業員は、危険がないと判断すると一歩下がった。
どうやらボディーガードも兼ねているようだ。
こんな所にまでボディーガードをつけるのだ。
ここは王宮と同じ、蛇の巣なのだろう。
俺は深々と頭を下げた。
「本日はうちのシルキーを目に止めて下さり、ありがとうございます。ご期待に添えるよう、務めさせて頂きます。」
すぐさまその言葉が出るあたり、俺はこう言う仕事は向いているのかもしれないななんて思う。
支配人も満更ではなかったようで黙って頷いた。
「付き人のハーマンです。」
「支配人のゲインズだ。よろしく頼む。華は?」
華、とはつまり踊り子の事だ。
俺は振り返ってシルクに視線をやった。
シルクはすぐに立ち上がり、ゆったりと歩いてきた。
それをゲインズはじっくりとその目で確かめた。
「合格かしら?ゲインズさん??」
シルク、いやシルキーはにっこりと笑った。
物怖じせず、そして媚びを売る様なところは一切なかった。
おまけと言うように、シルキーはその場でくるりと優雅に1回転して見せた。
ただそれだけだったが、その動きの美しさはどんな言葉より雄弁だった。
ゲインズ氏は満足げに頷く。
「早速だが、ゲストラウンジに行ってもらえるかな?」
それが答えだった。
踊り子がゲストラウンジに行くというのは、カジノがゲストをもてなす為の華として選ばれた事を意味する。
まずは第一関門突破だ。
シルクはただのステージダンサーではなく、カジノがゲストの為に用意した華になった。
俺達にとっては、カジノにとって価値のあるゲストに近づく足掛かりを得た事になる。
「承知しました。」
俺は深々と頭を下げ、チラリとシルクを見る。
シルクは余裕そうにウインクしてきた。
「案内はデビッドにさせる。デビッド!」
ゲインズに呼ばれ、連れていた従業員の一人が一歩、前に出た。
何らどこにでもいる様な男だ。
だが隠しているが、このデビッドと言う男には魔力がある。
そこまで強くはないので、おそらく魔術兵なのだろう。
俺が言うのもなんだが、魔術兵と言うのは厄介だ。
つまり、魔術も物理攻撃の技術も持ち合わせていると言う事だからだ。
意外とここは、王宮なんかよりもずっとやり難い場所かもしれない。
「デビッドだ。ここからは俺に従って貰おう。いいな?」
「承知しました。ではすぐに準備させますので、少々お待ち下さい。」
「よろしくね、デビッドさん。」
シルキーはデビッドに微笑んだ。
だが、美人の踊り子など見慣れているのだろう。
デビッドは何の反応も示さなかった。
俺は立ち去るゲインズに頭を下げ、デビッドに軽く会釈してからドアを閉めた。
シルクは自分から軽く化粧をも直し、鏡の前で派手な衣装をチェックしていた。
「おかしなところはない?ユウくん?」
「はい。完璧です。シルキーさん。」
「そう、良かった。」
「進められてもお酒は控えて下さいよ?ステージだってあるんですから。」
「硬い事言わないでよ~。」
「駄目です!初日の今日!ポシャったら今後はありませんよ!しっかりしてくださいっ!!」
「わかったわよ~。」
俺は衣装を直すフリをして、シルクの耳元に口を寄せた。
「あれは魔術兵だ。甘く見るな。一応、目は付けるが俺は手出ししない。いいな?」
すっと体を離す。
シルクの顔が一瞬だけ真剣になり、頷いた。
俺は指先を切り小鳥を作ってシルクの肩に乗せた。
魔術の小鳥はふわりと姿を消す。
魔術だと気づかれる危険が高いが、血の魔術は少し他とは質の違う。
ちょっとした魔力探査程度では見つけるのは難しい。
かなり深く探らない限りバレないだろう。
お互いの目を見て小さく頷きあう。
さぁ、戦闘開始だ。
俺はドアを開けた。
「お待たせしました。シルキーをどうぞよろしくお願いします。」
頭を下げ、デビッドにシルキーを託す。
シルクはふわりと笑って、部屋を出ていった。
「こっちだ。」
「ありがと、デビッドさん。ユウくん、それじゃ後でね?」
「行ってらっしゃいませ。シルキーさん。」
俺はデビッドに連れて行かれるシルクをも少し見送って、それから向きを変えた。
そっちはシルクに任せるしかない。
俺は俺でやる事があるのだから。
俺とシルクは黙ってそれを見つめる。
これから俺達が攻め込む難攻な城だ。
俺は術を解く前に、まっすぐにシルクを見つめた。
「最後にお前に言っておきたい。」
「何?」
「お前は高嶺の華だ。決して安売りするな。」
「わかってるよ、そんな事。」
「いや?お前はわかっていない。何故ならお前は今しか見えてないからだ。」
「どういう事??」
「今だけ考えて特を得られるなら、お前はそうするだろ?だがな、お前の価値は今後お前が生きている限り一生ついて回るものだ。そしてお前が俺の隣にいる限り、お前の価値は俺を測る一つの価値になる。」
「……俺の価値が……主の価値の一部なんだね?」
「そうだ。だからお前が一度でも自分を安売りすれば、それは一生お前について回る。それはお前が俺の隣にいる限り、ずっと俺にもついて回るものだ。」
「……何が言いたいかはわかった。でも……。」
「でももへったくれもない。お前の価値が下がったら、俺はお前を側に置かない。」
「主っ!!」
「俺はお前に常にその価値を上げるよう教えたはずだ。相手がお前より価値がある事など絶対にない。絶対に、だ。」
「主……。」
「だからどんな方法であれ、お前が自分を犠牲にする事はお前が自分より価値の無いものに屈する事を意味する。俺はそんな事は許さない。お前がお前である事以上に価値のあるものなど、この世には存在しないんだ。」
「……………。」
「お前はそれだけ俺にとって価値があるんだ、シルク。お前は唯一、俺の選んだ片腕だ。唯一、地獄まで連れていくと決めた相棒だ。俺に自分の腕を生身から切り落として捨てさせるな。わかったな。」
シルクは俺の言いたい事を理解した。
それは単に体を許すなと言う事じゃない。
どれだけシルクを大事に思っているか、シルクを切り捨てるという事が俺にとってどういう事なのかを知って欲しかった。
シルクにとって俺は絶対だ。
だからシルクは、平気で俺の為に自分を犠牲にするだろう。
だが、そんな簡単にそれをされる訳にはいかないのだ。
それを理解させるにはどうしたらいいか?
考えた末、こんな言い方になってしまった。
でも、シルクは理解した。
目元を赤くして、涙を堪えていた。
シルクにとって、サークは絶対だ。
絶対的な相手から、お前は自分の血肉と同じだと言われたのだ。
嬉しくない訳がない。
だから心に刻んだ。
己が身を軽んじてはならない。
これは自分のものじゃない。
この身を汚す事、傷つける事は、主を穢し傷つける事と同じなのだ。
サークが言いたいのは、お前が大事だからもっと自分を大事にして欲しいと言う事なのだろう。
それでもあえてこういう言い方をしたのは、その方が自分の心に強く突き刺さる事を知っていたからだ。
「馬鹿……。主の馬鹿……。そんな事言われたら、俺……おいそれと、死ぬ事もできないじゃん……。」
そう言って笑った。
泣きそうでもあったか、心からの笑顔だった。
それを見て俺は、もう何も言わなくても大丈夫だと思った。
とは言え、そんな顔をされていては困る。
これからステージがあるのだから。
俺はタオルを水で濡らしてシルクに渡した。
シルクも意味がわかるので、グッと目元に押し当てて冷す。
「自分から話を振っておいて悪いが、仕事だぞ、シルク。ここからが正念場だ。気持ちを切り替えろ。」
「酷くない?!俺を泣かせる様な事、言っといて、酷くない?!」
「悪かったよ、でも仕方ないだろ??」
「仕方なくないっ!!主って、やっぱり狡い男だっ!!」
「はいはい。どうせ俺は狡い男だよ。でもそんな男を主に選んだのはお前だろ?諦めろ。」
「最低っ!主なんか大嫌いだっ!!」
「はいはい。わかったから。もうすぐカジノにつくぞ?術を解くから………お願いしますよ、シルキーさん。」
「………ユウくんの馬鹿。こき使ってやるんだから……。」
「はいはい。」
シルクはタオルを当てたまましばらく無言になり、やがて切り替えたように顔を上げた。
ツンと澄まして、例の大きなサングラスをかける。
シルクがオペラ座で見かけた女性達がこの大きなサングラスを使うのは、様々な涙を隠す為なのかもなとちょっと思った。
控室のドアがノックされた。
俺は立ち上がってドア前に立つ。
一応、魔力探査したが危険はなさそうだ。
なのでドアを開ける。
「は~い。」
いたのはカジノの従業員2人と支配人だった。
前にいた従業員は、危険がないと判断すると一歩下がった。
どうやらボディーガードも兼ねているようだ。
こんな所にまでボディーガードをつけるのだ。
ここは王宮と同じ、蛇の巣なのだろう。
俺は深々と頭を下げた。
「本日はうちのシルキーを目に止めて下さり、ありがとうございます。ご期待に添えるよう、務めさせて頂きます。」
すぐさまその言葉が出るあたり、俺はこう言う仕事は向いているのかもしれないななんて思う。
支配人も満更ではなかったようで黙って頷いた。
「付き人のハーマンです。」
「支配人のゲインズだ。よろしく頼む。華は?」
華、とはつまり踊り子の事だ。
俺は振り返ってシルクに視線をやった。
シルクはすぐに立ち上がり、ゆったりと歩いてきた。
それをゲインズはじっくりとその目で確かめた。
「合格かしら?ゲインズさん??」
シルク、いやシルキーはにっこりと笑った。
物怖じせず、そして媚びを売る様なところは一切なかった。
おまけと言うように、シルキーはその場でくるりと優雅に1回転して見せた。
ただそれだけだったが、その動きの美しさはどんな言葉より雄弁だった。
ゲインズ氏は満足げに頷く。
「早速だが、ゲストラウンジに行ってもらえるかな?」
それが答えだった。
踊り子がゲストラウンジに行くというのは、カジノがゲストをもてなす為の華として選ばれた事を意味する。
まずは第一関門突破だ。
シルクはただのステージダンサーではなく、カジノがゲストの為に用意した華になった。
俺達にとっては、カジノにとって価値のあるゲストに近づく足掛かりを得た事になる。
「承知しました。」
俺は深々と頭を下げ、チラリとシルクを見る。
シルクは余裕そうにウインクしてきた。
「案内はデビッドにさせる。デビッド!」
ゲインズに呼ばれ、連れていた従業員の一人が一歩、前に出た。
何らどこにでもいる様な男だ。
だが隠しているが、このデビッドと言う男には魔力がある。
そこまで強くはないので、おそらく魔術兵なのだろう。
俺が言うのもなんだが、魔術兵と言うのは厄介だ。
つまり、魔術も物理攻撃の技術も持ち合わせていると言う事だからだ。
意外とここは、王宮なんかよりもずっとやり難い場所かもしれない。
「デビッドだ。ここからは俺に従って貰おう。いいな?」
「承知しました。ではすぐに準備させますので、少々お待ち下さい。」
「よろしくね、デビッドさん。」
シルキーはデビッドに微笑んだ。
だが、美人の踊り子など見慣れているのだろう。
デビッドは何の反応も示さなかった。
俺は立ち去るゲインズに頭を下げ、デビッドに軽く会釈してからドアを閉めた。
シルクは自分から軽く化粧をも直し、鏡の前で派手な衣装をチェックしていた。
「おかしなところはない?ユウくん?」
「はい。完璧です。シルキーさん。」
「そう、良かった。」
「進められてもお酒は控えて下さいよ?ステージだってあるんですから。」
「硬い事言わないでよ~。」
「駄目です!初日の今日!ポシャったら今後はありませんよ!しっかりしてくださいっ!!」
「わかったわよ~。」
俺は衣装を直すフリをして、シルクの耳元に口を寄せた。
「あれは魔術兵だ。甘く見るな。一応、目は付けるが俺は手出ししない。いいな?」
すっと体を離す。
シルクの顔が一瞬だけ真剣になり、頷いた。
俺は指先を切り小鳥を作ってシルクの肩に乗せた。
魔術の小鳥はふわりと姿を消す。
魔術だと気づかれる危険が高いが、血の魔術は少し他とは質の違う。
ちょっとした魔力探査程度では見つけるのは難しい。
かなり深く探らない限りバレないだろう。
お互いの目を見て小さく頷きあう。
さぁ、戦闘開始だ。
俺はドアを開けた。
「お待たせしました。シルキーをどうぞよろしくお願いします。」
頭を下げ、デビッドにシルキーを託す。
シルクはふわりと笑って、部屋を出ていった。
「こっちだ。」
「ありがと、デビッドさん。ユウくん、それじゃ後でね?」
「行ってらっしゃいませ。シルキーさん。」
俺はデビッドに連れて行かれるシルクをも少し見送って、それから向きを変えた。
そっちはシルクに任せるしかない。
俺は俺でやる事があるのだから。
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