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第八章②「敵地潜入」
異国の薫り
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「……何をされているんですか?サーク様??」
「あ、いや、あんまり外にいるのも危ないので、そろそろ捕獲しようかと……。」
「捕獲……ですか……。」
俺がゴソゴソと調理を始めると、レオンハルドさんはそれを不思議そうに見ていた。
トート遺跡に入った際に残っていた食材を魔術で浄化して綺麗にしたら、そのまま適当にぶつ切りにする。
皮もゴミが出るから剥かない。
それを鍋にぶち込んで油と香辛料で混ぜる。
本当、無限バック様様だ。
入れた時のまま少しも劣化していないのだから。
「おやおや。」
料理の過程を見ていたレオンハルドさんが嬉しそうに笑う。
俺もニッと笑い返した。
「確かに。これなら確実に釣れますな。」
「ええ。」
俺はカバンからボーンさんに分けてもらったラピッドフットの肉を、骨付きのまま乱雑に大きくぶつ切りにした。
流石にナイフでは切れないので風の魔術で切る。
その肉に香辛料を練り込み、さっきの野菜の上に乗せた。
「良いラピッドフットの肉ですな。狩りを??」
「いえ、ボーンさんに……ええと、ぶっきらぼうな知り合いにもらいました。」
その瞬間、ブハッとレオンハルドさんが吹いた。
そして肩を震わせ笑いを堪えている。
俺は鍋を火にかけながら、レオンハルドさんを振り返った。
「……もしかして、知り合いですか??」
「ええ、少し……。あなた様にぶっきらぼうに肉を渡している様子があまりにもありありと思い浮かんだものですから……。」
「……昔からあんなんなんですね、ボーンさん。」
「はい。とても可愛らしい奴ですよ。」
レオンハルドさんが少しくだけた口調をしたので驚いた。
俺に気を許してくれつつあるのと同時に、ボーンさんの人柄……ドワーフ柄?の影響だと思った。
ボーンさんは誰にでも分け隔てなく、ぶっきらぼうだからな。
そんな事を言っているうちに、鍋から優しくもエスニックな香りがし始めた。
「ちょっと!主っ!匂い外まで漏れてるっ!!」
途端、シルクが明り取りの窓から顔を覗かせた。
俺とレオンハルドさんは真上を見るに近い感じでそれを見上げる。
シルクはスルンッと窓から身を滑らせて入れると、ヤモリみたいに壁を伝って降りてきた。
「速攻で釣れましたな。」
「ええ。」
「え?!何言ってるの?!それより匂い漏れてるってば!!見つかるよっ!?」
「はいはい。」
俺は匂いが漏れないように、部屋の中の空気を遮断した。
後で浄化してから開放すれば大丈夫だろう。
シルクはそわそわと鍋の周りをうろついている。
「……懐かしいですな。」
レオンハルドさんも目を細める。
これはシルクに教えてもらった料理だ。
何でも村では日常的に食べられていた物らしい。
これと豆のペーストなどを食べるんだそうだ。
残念ながら豆のペーストはないので、突っ込んであった、日持ちする硬いパンを適当に切り分ける。
ここに入れるんだから、日持ちとか考えなくても良かったよな、と今更思った。
「……何の匂いですか?」
突然、俺達以外の声がした。
3人で声のした方を振り向くと、エズラ氏がズタ袋を寝袋の様にしたまま体を起こしていた。
レオンハルドさんが近づき、身を屈めて彼に話しかける。
「すまない、イグナス。突然軍がカジノに押しかけてな。悪いが連れ去らせてもらった。」
「では、私の存在が王太子に知られたのですか?!ボイドさん達は大丈夫なのですか?!」
エズラ氏は悲痛な表情でレオンハルドさんに詰め寄った。
凄く真剣なのだが、ズタ袋に入ったままの蓑虫状態なのでちょっとシュールだ。
「あ~、それは違います。バレたのは俺の方なんで安心してください。」
「ハーマン?!どうして君が?!……ここは?!」
思わず声をかけると、エズラ氏はとても驚いていた。
シルクはヒョイッと彼に近づくと、足の方からズタ袋を引っ張った。
「とりあえず、これから出なよ。ちょっと面白すぎる状態になってるよ??イギー??」
「シルキー?!」
「シルキーじゃないよ。俺はシルク。シルク・イシュケ。主の従者だよ。」
グイグイ乱雑に引っ張ってズタ袋を抜き取ると、シルクはそう笑いかけた。
そしてタタタッと俺の元に走ってきて、ピトッと俺にひっついた。
「俺の主♡」
「……え?え??」
「シルク、やめろよ……。エズラ氏が混乱してんだろうが……。」
エズラ氏は目をまん丸にして固まっている。
それもそうだろう。
今まで見ていた俺達とは、服装も言葉遣いも違うのだから。
俺達は地下水路に入ってから、動きにくいのですぐに普段着に着替えていたのだ。
だから俺はエズラ氏がいつも見ていたくたびれたスーツ姿じゃないし、シルクもユニセックスなドレス姿じゃない。
レオンハルドさんがクスクスと笑う。
「とりあえず、食べながら話しませんか?私は先程から懐かしく旨そうな匂いがしていて、そろそろ我慢致しかねます。」
そう言われてみれば、部屋にはエスニックだが優しい鍋の匂いが立ち込めている。
俺は慌てて火を止めた。
元々、強火ではなかったが、無水鍋だからあまり放って置いては焦げてしまう。
俺とシルクは顔を見合わせ、笑って夜食の準備をした。
鍋を取り分け、真ん中にパンを置いて俺達は話をした。
俺達が中央王国の人間で、ここには偽名で証拠を集めに来た事。
南の国と言うか、グレゴリウスと俺の関係。
彼が俺を手に入れる為に中央王国で冤罪をかけられている事や、中央王国にグレゴリウスの協力者がいる事など、大まかに説明した。
「……なら、ハーマンは魔術師なのかい??」
「ハーマンじゃなくて、アズマ・サークです。後、そうは見えなくても魔術師です。元魔術兵ですけど。」
「ちなみに主は騎士で准男爵だよ。」
「えっ?!……ええっ?!」
あ~あ、固まってる固まってる。
可哀想に、いきなりキャパオーバーだよな、こんな話。
「そういう訳だ。だから中央王国に入り、私と別れた後はサーク様をお頼りなさい。」
「……やっぱりそうなるんですね、そこは。」
俺はモゴモゴと鍋の汁を吸わせたパンを齧った。
そう言われてエズラ氏は目に見えて恐縮したので、俺は声をかけた。
「そんな気にしなくても大丈夫ですよ。何とかなります。とは言っても裁判で勝ってからでないと、俺も何とも言えませんが……。」
まぁどの道、こうなったからには放っておけないんだし任されるんだけど、俺自身の身の保証が今はないからなぁ~。
「裁判をすると言っていたね?アズマ准男爵?」
「サークでいいですよ。エズラさんに改めてそう呼ばれると変な感じです。」
「なら私の事も、イギーと読んでくれないかい?」
「イギー……イギーは何か馴れ馴れしすぎて呼びにくいですね~。」
「ならイグナスでいいよ。」
「わかりました。ならイグナスさん……。」
「イグナス。」
「はぁ……ならイグナス。」
「うん、それでいい。サークは裁判をするんだね?そしてその際に、南の国と通じている者達に制裁を加えるつもりなんだね?」
「はい。そのつもりです。」
エズラ氏改めイグナスは、少し考えていた。
そして俺の顔を見た。
「もし必要なら、私を証言台に立たせてくれ。」
「イグナスを??」
「何ができるかはまだわからないけれど、一応、私はバフルの名を持つ現王の息子だ。」
イグナスは皮肉っぽくそう言った。
そこから彼がそれを快く思っていない事は明らかだった。
「ありがとうございます。ですが、それを証明するのは難しいでしょう。」
「ああ、証拠ね。」
彼はそう言うと、いきなり服のボタンを外し始めた。
そして胸を大きく開いて見せる。
「これで良いかな??」
「………っ!!」
彼の左胸には、南の国の紋章が彫り込まれた入れ墨があった。
「10歳過ぎた頃かな?いきなり家に数人の男達が訪ねてきてこれを彫られた。母さんたちは反対したんだけど、これを彫ったら結構なお金をくれると言ったんだ。私もその頃は既に自分の産まれについて聞かされて、十分注意する様に言われてたんだけど、家は貧しかったし、ちょうど下の異父兄弟が流行り病でね。私は治療費がもらえるならと引き受けたんだ。今思えば断れば良かったよ。結局、弟も妹も病からは救えても、これのせいで守れなかったんだから。」
イグナスは静かにそう言うと服を整える。
食べるのを止め、シルクは膝を抱えて俯いた。
レオンハルドさんも少し遠い目をしている。
俺は言った。
「……聞けて良かったよ。」
「え??」
イグナスはとても驚いた顔をした。
俺は軽く微笑んで彼を見る。
「イグナスはいつも存在が希薄に見えた。でも、今はここにいる。それがちゃんと見えるよ。」
シルクが何言ってんだって顔で慌てて俺を見た。
レオンハルドさんも少し驚いていた。
けれど当のイグナスは、俺の言葉にきょとんとした後、声を上げて笑った。
「あははっ!サーク!!やっぱり君とは、いい友達になれる気がするよっ!!」
「それさ~、何度か言われてるけど、俺、全くそうは感じてないんだけど、何基準なワケ??」
俺とイグナスが軽いノリで言い合っていると、シルクもレオンハルドさんも顔を見合わせて笑った。
礼拝堂の隠し部屋には、全く似つかわしくない異国のエスニックな香りが漂っていた。
「あ、いや、あんまり外にいるのも危ないので、そろそろ捕獲しようかと……。」
「捕獲……ですか……。」
俺がゴソゴソと調理を始めると、レオンハルドさんはそれを不思議そうに見ていた。
トート遺跡に入った際に残っていた食材を魔術で浄化して綺麗にしたら、そのまま適当にぶつ切りにする。
皮もゴミが出るから剥かない。
それを鍋にぶち込んで油と香辛料で混ぜる。
本当、無限バック様様だ。
入れた時のまま少しも劣化していないのだから。
「おやおや。」
料理の過程を見ていたレオンハルドさんが嬉しそうに笑う。
俺もニッと笑い返した。
「確かに。これなら確実に釣れますな。」
「ええ。」
俺はカバンからボーンさんに分けてもらったラピッドフットの肉を、骨付きのまま乱雑に大きくぶつ切りにした。
流石にナイフでは切れないので風の魔術で切る。
その肉に香辛料を練り込み、さっきの野菜の上に乗せた。
「良いラピッドフットの肉ですな。狩りを??」
「いえ、ボーンさんに……ええと、ぶっきらぼうな知り合いにもらいました。」
その瞬間、ブハッとレオンハルドさんが吹いた。
そして肩を震わせ笑いを堪えている。
俺は鍋を火にかけながら、レオンハルドさんを振り返った。
「……もしかして、知り合いですか??」
「ええ、少し……。あなた様にぶっきらぼうに肉を渡している様子があまりにもありありと思い浮かんだものですから……。」
「……昔からあんなんなんですね、ボーンさん。」
「はい。とても可愛らしい奴ですよ。」
レオンハルドさんが少しくだけた口調をしたので驚いた。
俺に気を許してくれつつあるのと同時に、ボーンさんの人柄……ドワーフ柄?の影響だと思った。
ボーンさんは誰にでも分け隔てなく、ぶっきらぼうだからな。
そんな事を言っているうちに、鍋から優しくもエスニックな香りがし始めた。
「ちょっと!主っ!匂い外まで漏れてるっ!!」
途端、シルクが明り取りの窓から顔を覗かせた。
俺とレオンハルドさんは真上を見るに近い感じでそれを見上げる。
シルクはスルンッと窓から身を滑らせて入れると、ヤモリみたいに壁を伝って降りてきた。
「速攻で釣れましたな。」
「ええ。」
「え?!何言ってるの?!それより匂い漏れてるってば!!見つかるよっ!?」
「はいはい。」
俺は匂いが漏れないように、部屋の中の空気を遮断した。
後で浄化してから開放すれば大丈夫だろう。
シルクはそわそわと鍋の周りをうろついている。
「……懐かしいですな。」
レオンハルドさんも目を細める。
これはシルクに教えてもらった料理だ。
何でも村では日常的に食べられていた物らしい。
これと豆のペーストなどを食べるんだそうだ。
残念ながら豆のペーストはないので、突っ込んであった、日持ちする硬いパンを適当に切り分ける。
ここに入れるんだから、日持ちとか考えなくても良かったよな、と今更思った。
「……何の匂いですか?」
突然、俺達以外の声がした。
3人で声のした方を振り向くと、エズラ氏がズタ袋を寝袋の様にしたまま体を起こしていた。
レオンハルドさんが近づき、身を屈めて彼に話しかける。
「すまない、イグナス。突然軍がカジノに押しかけてな。悪いが連れ去らせてもらった。」
「では、私の存在が王太子に知られたのですか?!ボイドさん達は大丈夫なのですか?!」
エズラ氏は悲痛な表情でレオンハルドさんに詰め寄った。
凄く真剣なのだが、ズタ袋に入ったままの蓑虫状態なのでちょっとシュールだ。
「あ~、それは違います。バレたのは俺の方なんで安心してください。」
「ハーマン?!どうして君が?!……ここは?!」
思わず声をかけると、エズラ氏はとても驚いていた。
シルクはヒョイッと彼に近づくと、足の方からズタ袋を引っ張った。
「とりあえず、これから出なよ。ちょっと面白すぎる状態になってるよ??イギー??」
「シルキー?!」
「シルキーじゃないよ。俺はシルク。シルク・イシュケ。主の従者だよ。」
グイグイ乱雑に引っ張ってズタ袋を抜き取ると、シルクはそう笑いかけた。
そしてタタタッと俺の元に走ってきて、ピトッと俺にひっついた。
「俺の主♡」
「……え?え??」
「シルク、やめろよ……。エズラ氏が混乱してんだろうが……。」
エズラ氏は目をまん丸にして固まっている。
それもそうだろう。
今まで見ていた俺達とは、服装も言葉遣いも違うのだから。
俺達は地下水路に入ってから、動きにくいのですぐに普段着に着替えていたのだ。
だから俺はエズラ氏がいつも見ていたくたびれたスーツ姿じゃないし、シルクもユニセックスなドレス姿じゃない。
レオンハルドさんがクスクスと笑う。
「とりあえず、食べながら話しませんか?私は先程から懐かしく旨そうな匂いがしていて、そろそろ我慢致しかねます。」
そう言われてみれば、部屋にはエスニックだが優しい鍋の匂いが立ち込めている。
俺は慌てて火を止めた。
元々、強火ではなかったが、無水鍋だからあまり放って置いては焦げてしまう。
俺とシルクは顔を見合わせ、笑って夜食の準備をした。
鍋を取り分け、真ん中にパンを置いて俺達は話をした。
俺達が中央王国の人間で、ここには偽名で証拠を集めに来た事。
南の国と言うか、グレゴリウスと俺の関係。
彼が俺を手に入れる為に中央王国で冤罪をかけられている事や、中央王国にグレゴリウスの協力者がいる事など、大まかに説明した。
「……なら、ハーマンは魔術師なのかい??」
「ハーマンじゃなくて、アズマ・サークです。後、そうは見えなくても魔術師です。元魔術兵ですけど。」
「ちなみに主は騎士で准男爵だよ。」
「えっ?!……ええっ?!」
あ~あ、固まってる固まってる。
可哀想に、いきなりキャパオーバーだよな、こんな話。
「そういう訳だ。だから中央王国に入り、私と別れた後はサーク様をお頼りなさい。」
「……やっぱりそうなるんですね、そこは。」
俺はモゴモゴと鍋の汁を吸わせたパンを齧った。
そう言われてエズラ氏は目に見えて恐縮したので、俺は声をかけた。
「そんな気にしなくても大丈夫ですよ。何とかなります。とは言っても裁判で勝ってからでないと、俺も何とも言えませんが……。」
まぁどの道、こうなったからには放っておけないんだし任されるんだけど、俺自身の身の保証が今はないからなぁ~。
「裁判をすると言っていたね?アズマ准男爵?」
「サークでいいですよ。エズラさんに改めてそう呼ばれると変な感じです。」
「なら私の事も、イギーと読んでくれないかい?」
「イギー……イギーは何か馴れ馴れしすぎて呼びにくいですね~。」
「ならイグナスでいいよ。」
「わかりました。ならイグナスさん……。」
「イグナス。」
「はぁ……ならイグナス。」
「うん、それでいい。サークは裁判をするんだね?そしてその際に、南の国と通じている者達に制裁を加えるつもりなんだね?」
「はい。そのつもりです。」
エズラ氏改めイグナスは、少し考えていた。
そして俺の顔を見た。
「もし必要なら、私を証言台に立たせてくれ。」
「イグナスを??」
「何ができるかはまだわからないけれど、一応、私はバフルの名を持つ現王の息子だ。」
イグナスは皮肉っぽくそう言った。
そこから彼がそれを快く思っていない事は明らかだった。
「ありがとうございます。ですが、それを証明するのは難しいでしょう。」
「ああ、証拠ね。」
彼はそう言うと、いきなり服のボタンを外し始めた。
そして胸を大きく開いて見せる。
「これで良いかな??」
「………っ!!」
彼の左胸には、南の国の紋章が彫り込まれた入れ墨があった。
「10歳過ぎた頃かな?いきなり家に数人の男達が訪ねてきてこれを彫られた。母さんたちは反対したんだけど、これを彫ったら結構なお金をくれると言ったんだ。私もその頃は既に自分の産まれについて聞かされて、十分注意する様に言われてたんだけど、家は貧しかったし、ちょうど下の異父兄弟が流行り病でね。私は治療費がもらえるならと引き受けたんだ。今思えば断れば良かったよ。結局、弟も妹も病からは救えても、これのせいで守れなかったんだから。」
イグナスは静かにそう言うと服を整える。
食べるのを止め、シルクは膝を抱えて俯いた。
レオンハルドさんも少し遠い目をしている。
俺は言った。
「……聞けて良かったよ。」
「え??」
イグナスはとても驚いた顔をした。
俺は軽く微笑んで彼を見る。
「イグナスはいつも存在が希薄に見えた。でも、今はここにいる。それがちゃんと見えるよ。」
シルクが何言ってんだって顔で慌てて俺を見た。
レオンハルドさんも少し驚いていた。
けれど当のイグナスは、俺の言葉にきょとんとした後、声を上げて笑った。
「あははっ!サーク!!やっぱり君とは、いい友達になれる気がするよっ!!」
「それさ~、何度か言われてるけど、俺、全くそうは感じてないんだけど、何基準なワケ??」
俺とイグナスが軽いノリで言い合っていると、シルクもレオンハルドさんも顔を見合わせて笑った。
礼拝堂の隠し部屋には、全く似つかわしくない異国のエスニックな香りが漂っていた。
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