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第八章③「帰国裁判」
嘘から出た何とやら……
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ウィルがヴィオールの事を告げた。
精霊とはいえ「竜」という言葉に、法廷内は騒然としていた。
「馬鹿な!竜などと!!魔術師が出した幻影に決まっているっ!!」
フレッチャー公爵が思わず叫ぶ。
おそらく南の国から竜の話は聞いていただろうが、俺が作り出した幻だと思っていたのだろう。
一度、王宮でもヴィオールは見せているが、知らない所を見ると王はあの場でヴィオールを見たものには戒厳令をしいていたのだろう。
「正確には竜ではありません。竜の精霊です。私の守護精霊にすぎません。」
「馬鹿な?!守護で精霊がついていることも稀だというのに?!竜の精霊だと?!ふざけているのか?!」
「ふざけておりません。今も私の中にいます。お疑いでしたら、ご許可頂けるならお出ししてお見せします。」
「ウィルっ!!」
俺は思わず立ち上がって叫んでしまった。
話だけならまだしも、見せてしまえばこの場にいる全員にその印象が残ってしまう。
俺の方を見たウィルに、首を振ってそれを止めさせようとする。
「静粛に。アズマ・サーク。許可を得ない発言は控えるように。」
「申し訳ございません。しかし……っ!!」
「その件につきましては、私の方からお話します。」
ガスパーがそう言った。
議長と揉めそうになる俺の目を真っ直ぐに見つめ、黙っていろと言う。
ガスパーを信じていない訳ではないが、これは竜の谷にも関わる問題だ。
「アズマ・サーク、今は私に任せて欲しい。」
頼むような口調だが、ガスパーは蛇の眼で俺を見据えた。
その冷たく強い視線と睨み合う。
引く訳にはいかないからだ。
「サーク。大丈夫だ。」
そこにウィルの声が響いた。
俺が顔を向けると、ウィルも意思の強い目で俺を見ていた。
そして静かに頷く。
もう一度ガスパーの顔を見ると、同じ様に頷いて見せる。
わかったよ。
2人がそう言うならひとまず黙っていよう。
俺はため息をついて2人に頷き返すと、諦めて座った。
ウィルとガスパーが顔を見合わせ、ホッとしたように頷き合った。
「失礼しました。アズマ副隊長代理が熱くなってしまいましたのは、クラフト指導員の持つ件の竜の守護精霊は、実はアズマ副隊長代理がクラフト指導員に婚約の証として贈ったものなので、照れているのかあまり人に見せるのを嫌がりまして、本当に申し訳ございません。」
ガスパーがサラリとそんな事を言った。
澄ました顔でそんな事を言われ、俺は固まってしまう。
ちょっと待て?!
何で出処まで明かす?!
俺は焦って、本当に任せていいのか悩んで立ったり座ったりを繰り返した。
俺のその様子が、恥ずかしくて狼狽えている様に見えたのだろう。
あちこちから、プッと吹き出す音が聞こえた。
そして傍聴席からはピューピューと数人が口笛を吹き、やがて場違いにも祝福の拍手が起こって俺は真っ赤になってしまった。
見れば議長までにこやかに拍手している。
いや、待ってくれ。
そういう問題じゃなかったよな??
これ……。
「あれが噂の恋人かい?サーク?これはまた、凄い美人を捕まえたね??」
グレイさんが、さも面白そうに言ってきた。
ちょっと待ってくれ……。
どういう流れなの?!これ?!
俺は恥ずかしくて椅子に座って唖然としていた。
「突然のおめでたい話だが、皆、静粛に。ガスパー・ラティーマー、話を続けるように。」
議長は少し笑いながらそう言った。
何がおかしいんだよ……。
俺みたいなちんちくりんが、ウィルみたいな眉目秀麗な人を婚約者にした事がそんなに面白いかよ……。
確かに竜の精霊ぐらい贈らないと婚約してもらえなさそうな差はあるけどさ……。
「はい。アズマ副隊長代理がクラフト指導員を口説く為に、冒険者として各地を巡り、絶滅した竜の魂を探し出して精霊にし、クラフト指導員に婚約してもらおうと贈った話は第三別宮警護部隊の仲間の間では有名な話です。」
しれっとガスパーがそう言うと、法廷内はどっと笑いが起こった。
ちょっと待ってよ、何でそうなるの?!
俺は恥ずかしくて頭を抱えて俯いた。
こんな事公で話されたら、俺が本当にウィルを口説く為に必死こいて竜の魂を探して精霊にして「これを贈るのでどうか俺と付き合って下さいっ!」ってやったみたいじゃんか!!
う~う~う~っ!!
確かにウィルが竜の精霊を守護として持っている理由としては、一番、受け入れられやすい話だけどさ~っ!!
確かに俺の地位と見た目でウィルと婚約している理由としても、凄く納得できる説明だけどさ~!!
絶滅した竜のと言ってくれたから竜の谷とは繋がらないし、婚約の為に贈ったって言うインパクトの方が強くて、竜の谷とか誰も思い出さないけどさ~っ!!
竜の血の呪いの件からも誤魔化せるし、いいんだけどさ~っ!!
何で俺、こんな所で吊るし上げられてんの?!
恥ずかしくてもう外歩けないじゃんかっ!!
半泣きで顔を上げると、証言台のウィルまでおかしそうに笑っている。
あ~もういい。
これでウィルの竜の精霊については誰も疑う事なく、平凡な俺がウィルを口説く為に必死こいて探してきて贈ったものって定着したから、今後、隠さなくても良くなったしさ……。
いいんだ……。
俺が生き恥を晒せば丸く収まるんだから……。
「あの坊や、なかなかやるね。ここまでしっくり来る話を土壇場で話せるとは恐れ入ったよ。」
俺を千里眼で見て全て知っているマダムは、とても感心したように言った。
こんな事でガスパーの能力の高さが役に立つって何なんだよ?!
本当にもう、勘弁してほしい。
ん??
でも待てよ??
俺はふと気がついてマダムを見た。
てことはマダムって、竜の谷の事も知ってるって事だよな??
俺の視線に気づいたマダムはハンッと鼻に息をかける。
「安心しなよ。あたしゃ千里眼で見えた事は人に話さない。でないとエラい事が起こっちまうからね。」
「……ありがとうございます。」
「まぁ、何であんたがおとぎ話に拘ってたのかはわかったけどね。」
小声でそう言われ、俺は黙って前を見ていた。
マダムは信じていい。
だから問題はないのだが、とにかく色々知られすぎてて困ってしまう。
俺がそうやってしどろもどろになっている間も、ガスパーは上手く話をつなげている。
「とは言え、どれだけアズマ副隊長代理が恥ずかしがろうと、贈られたからにはもうもらった者の物です。クラフト指導員見せても良いと申しておりますのでご許可頂けるならお見せいたしますが、議長、いかが致しますか?」
最後の最後まで俺をコケ下ろして、ガスパーは纏めて、議長に聞いた。
議長は少し考えてから言った。
「話の流れ的にその精霊が件の竜だと思うのだが、聞くところから考えてかなり大きいもののようだが、ここで出せるのかね?」
ガスパーがウィルを見ると、ウィルは議長に一礼し言った。
「先程から申し上げている通り、本物の竜ではなく精霊です。ですので私の意思で大きさは調整できます。どの程度の大きさでお出しすればいいでしょうか?」
「どれくらいまで調整できるかね?」
「この部屋ですと、一番大きくて2m程、小さければ手乗りサイズでお出しできますが?」
これには法廷内でもおおと言う声が漏れた。
議長は少し考えて、言った。
「一度大きめに出してから小さくする事は可能かね?」
「はい。可能です。」
「ではまず、中央に大きめで出してもらえるかな?」
議長の言葉に、広い議論スペースにいたガスパーが早足でその場を退いた。
それを受けて、ウィルが議長に聞いた。
「安全の為に、この場から離れてもよろしいですか?」
「許可する。」
ウィルはその言葉を受けて証言台を降りると、広いスペースの端に立った。
そして小声でヴィオールに呼びかけ、その場に呼び出した。
光る粒子の集まりがウィルの胸から出てきて、やがて大きな姿をとる。
「……おおっ!!これが竜の精霊……っ!!」
法廷内はどよめきに包まれ、皆が畏怖してヴィオールを見上げた。
当のヴィオールは狭い所にそれなりに大きい状態で呼び出されたので困惑し、縮こまって困ったようにウィルを見つめた。
「ごめんね、ヴィオール。大丈夫だよ。」
ウィルが呼びかけると、たくさんの人が怖いのかキュウキュウ甘えた声を出して首を下げてウィルの胸の中に顔を隠した。
「え?!やだ~可愛い~!」
そんなヴィオールの様子に、傍聴席からはほのぼのとした声が聞こえる。
まぁ、可愛いんだけどね、うちのヴィオールは。
「議長、知らない狭い場所で大勢の人もおり、精霊が戸惑っています。もう小さくしても良いでしょうか?」
ヴィオールの頭を抱きしめて撫でながら、ウィルは訪ねた。
議長もそれを了承し、ヴィオールはいつも普段出している大きさになると、ぱたぱたと慌ててウィルの肩に止まり、くるりと首元に巻きついた。
「これが私がアズマ・サークより婚約指輪としてもらった竜の精霊です。」
にっこり笑ってウィルがそう言うと、法廷内はまた笑いに包まれた。
……もういい。
好きなだけ笑ってくれ……。
俺は再度、頭を抱えて俯いた。
精霊とはいえ「竜」という言葉に、法廷内は騒然としていた。
「馬鹿な!竜などと!!魔術師が出した幻影に決まっているっ!!」
フレッチャー公爵が思わず叫ぶ。
おそらく南の国から竜の話は聞いていただろうが、俺が作り出した幻だと思っていたのだろう。
一度、王宮でもヴィオールは見せているが、知らない所を見ると王はあの場でヴィオールを見たものには戒厳令をしいていたのだろう。
「正確には竜ではありません。竜の精霊です。私の守護精霊にすぎません。」
「馬鹿な?!守護で精霊がついていることも稀だというのに?!竜の精霊だと?!ふざけているのか?!」
「ふざけておりません。今も私の中にいます。お疑いでしたら、ご許可頂けるならお出ししてお見せします。」
「ウィルっ!!」
俺は思わず立ち上がって叫んでしまった。
話だけならまだしも、見せてしまえばこの場にいる全員にその印象が残ってしまう。
俺の方を見たウィルに、首を振ってそれを止めさせようとする。
「静粛に。アズマ・サーク。許可を得ない発言は控えるように。」
「申し訳ございません。しかし……っ!!」
「その件につきましては、私の方からお話します。」
ガスパーがそう言った。
議長と揉めそうになる俺の目を真っ直ぐに見つめ、黙っていろと言う。
ガスパーを信じていない訳ではないが、これは竜の谷にも関わる問題だ。
「アズマ・サーク、今は私に任せて欲しい。」
頼むような口調だが、ガスパーは蛇の眼で俺を見据えた。
その冷たく強い視線と睨み合う。
引く訳にはいかないからだ。
「サーク。大丈夫だ。」
そこにウィルの声が響いた。
俺が顔を向けると、ウィルも意思の強い目で俺を見ていた。
そして静かに頷く。
もう一度ガスパーの顔を見ると、同じ様に頷いて見せる。
わかったよ。
2人がそう言うならひとまず黙っていよう。
俺はため息をついて2人に頷き返すと、諦めて座った。
ウィルとガスパーが顔を見合わせ、ホッとしたように頷き合った。
「失礼しました。アズマ副隊長代理が熱くなってしまいましたのは、クラフト指導員の持つ件の竜の守護精霊は、実はアズマ副隊長代理がクラフト指導員に婚約の証として贈ったものなので、照れているのかあまり人に見せるのを嫌がりまして、本当に申し訳ございません。」
ガスパーがサラリとそんな事を言った。
澄ました顔でそんな事を言われ、俺は固まってしまう。
ちょっと待て?!
何で出処まで明かす?!
俺は焦って、本当に任せていいのか悩んで立ったり座ったりを繰り返した。
俺のその様子が、恥ずかしくて狼狽えている様に見えたのだろう。
あちこちから、プッと吹き出す音が聞こえた。
そして傍聴席からはピューピューと数人が口笛を吹き、やがて場違いにも祝福の拍手が起こって俺は真っ赤になってしまった。
見れば議長までにこやかに拍手している。
いや、待ってくれ。
そういう問題じゃなかったよな??
これ……。
「あれが噂の恋人かい?サーク?これはまた、凄い美人を捕まえたね??」
グレイさんが、さも面白そうに言ってきた。
ちょっと待ってくれ……。
どういう流れなの?!これ?!
俺は恥ずかしくて椅子に座って唖然としていた。
「突然のおめでたい話だが、皆、静粛に。ガスパー・ラティーマー、話を続けるように。」
議長は少し笑いながらそう言った。
何がおかしいんだよ……。
俺みたいなちんちくりんが、ウィルみたいな眉目秀麗な人を婚約者にした事がそんなに面白いかよ……。
確かに竜の精霊ぐらい贈らないと婚約してもらえなさそうな差はあるけどさ……。
「はい。アズマ副隊長代理がクラフト指導員を口説く為に、冒険者として各地を巡り、絶滅した竜の魂を探し出して精霊にし、クラフト指導員に婚約してもらおうと贈った話は第三別宮警護部隊の仲間の間では有名な話です。」
しれっとガスパーがそう言うと、法廷内はどっと笑いが起こった。
ちょっと待ってよ、何でそうなるの?!
俺は恥ずかしくて頭を抱えて俯いた。
こんな事公で話されたら、俺が本当にウィルを口説く為に必死こいて竜の魂を探して精霊にして「これを贈るのでどうか俺と付き合って下さいっ!」ってやったみたいじゃんか!!
う~う~う~っ!!
確かにウィルが竜の精霊を守護として持っている理由としては、一番、受け入れられやすい話だけどさ~っ!!
確かに俺の地位と見た目でウィルと婚約している理由としても、凄く納得できる説明だけどさ~!!
絶滅した竜のと言ってくれたから竜の谷とは繋がらないし、婚約の為に贈ったって言うインパクトの方が強くて、竜の谷とか誰も思い出さないけどさ~っ!!
竜の血の呪いの件からも誤魔化せるし、いいんだけどさ~っ!!
何で俺、こんな所で吊るし上げられてんの?!
恥ずかしくてもう外歩けないじゃんかっ!!
半泣きで顔を上げると、証言台のウィルまでおかしそうに笑っている。
あ~もういい。
これでウィルの竜の精霊については誰も疑う事なく、平凡な俺がウィルを口説く為に必死こいて探してきて贈ったものって定着したから、今後、隠さなくても良くなったしさ……。
いいんだ……。
俺が生き恥を晒せば丸く収まるんだから……。
「あの坊や、なかなかやるね。ここまでしっくり来る話を土壇場で話せるとは恐れ入ったよ。」
俺を千里眼で見て全て知っているマダムは、とても感心したように言った。
こんな事でガスパーの能力の高さが役に立つって何なんだよ?!
本当にもう、勘弁してほしい。
ん??
でも待てよ??
俺はふと気がついてマダムを見た。
てことはマダムって、竜の谷の事も知ってるって事だよな??
俺の視線に気づいたマダムはハンッと鼻に息をかける。
「安心しなよ。あたしゃ千里眼で見えた事は人に話さない。でないとエラい事が起こっちまうからね。」
「……ありがとうございます。」
「まぁ、何であんたがおとぎ話に拘ってたのかはわかったけどね。」
小声でそう言われ、俺は黙って前を見ていた。
マダムは信じていい。
だから問題はないのだが、とにかく色々知られすぎてて困ってしまう。
俺がそうやってしどろもどろになっている間も、ガスパーは上手く話をつなげている。
「とは言え、どれだけアズマ副隊長代理が恥ずかしがろうと、贈られたからにはもうもらった者の物です。クラフト指導員見せても良いと申しておりますのでご許可頂けるならお見せいたしますが、議長、いかが致しますか?」
最後の最後まで俺をコケ下ろして、ガスパーは纏めて、議長に聞いた。
議長は少し考えてから言った。
「話の流れ的にその精霊が件の竜だと思うのだが、聞くところから考えてかなり大きいもののようだが、ここで出せるのかね?」
ガスパーがウィルを見ると、ウィルは議長に一礼し言った。
「先程から申し上げている通り、本物の竜ではなく精霊です。ですので私の意思で大きさは調整できます。どの程度の大きさでお出しすればいいでしょうか?」
「どれくらいまで調整できるかね?」
「この部屋ですと、一番大きくて2m程、小さければ手乗りサイズでお出しできますが?」
これには法廷内でもおおと言う声が漏れた。
議長は少し考えて、言った。
「一度大きめに出してから小さくする事は可能かね?」
「はい。可能です。」
「ではまず、中央に大きめで出してもらえるかな?」
議長の言葉に、広い議論スペースにいたガスパーが早足でその場を退いた。
それを受けて、ウィルが議長に聞いた。
「安全の為に、この場から離れてもよろしいですか?」
「許可する。」
ウィルはその言葉を受けて証言台を降りると、広いスペースの端に立った。
そして小声でヴィオールに呼びかけ、その場に呼び出した。
光る粒子の集まりがウィルの胸から出てきて、やがて大きな姿をとる。
「……おおっ!!これが竜の精霊……っ!!」
法廷内はどよめきに包まれ、皆が畏怖してヴィオールを見上げた。
当のヴィオールは狭い所にそれなりに大きい状態で呼び出されたので困惑し、縮こまって困ったようにウィルを見つめた。
「ごめんね、ヴィオール。大丈夫だよ。」
ウィルが呼びかけると、たくさんの人が怖いのかキュウキュウ甘えた声を出して首を下げてウィルの胸の中に顔を隠した。
「え?!やだ~可愛い~!」
そんなヴィオールの様子に、傍聴席からはほのぼのとした声が聞こえる。
まぁ、可愛いんだけどね、うちのヴィオールは。
「議長、知らない狭い場所で大勢の人もおり、精霊が戸惑っています。もう小さくしても良いでしょうか?」
ヴィオールの頭を抱きしめて撫でながら、ウィルは訪ねた。
議長もそれを了承し、ヴィオールはいつも普段出している大きさになると、ぱたぱたと慌ててウィルの肩に止まり、くるりと首元に巻きついた。
「これが私がアズマ・サークより婚約指輪としてもらった竜の精霊です。」
にっこり笑ってウィルがそう言うと、法廷内はまた笑いに包まれた。
……もういい。
好きなだけ笑ってくれ……。
俺は再度、頭を抱えて俯いた。
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