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第八章③「帰国裁判」
空間知覚
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ウィルはヴィオールを首に巻きつけたまま、正面の国王並びに王子達、そして議長席に向かって優雅に一礼した。
本当、これだけ見るとどこの王子様もしくは由緒正しい貴族の御子息かと思うだろう。
そして、有識者陪審員席と第二王子派の原告席、俺達側の貴族陪審員席、最後に傍聴席に一礼すると、証言台に戻ろうとした。
ウィルの首に巻き付いて落ち着いたヴィオールが俺に気づき、こっちに来ようと飛ぼうとするとウィルがそれを否す。
「ヴィオール、駄目。今はサークの所には行っちゃ駄目だ。」
なんで?と言いたげにクークーと声を上げるヴィオールを苦笑しながらウィルは撫でる。
なんか本当、無邪気な子犬みたいで可愛い。
「証言に戻らせて頂いてもよろしいでしょうか?」
ウィルが証言台に戻った事で、ガスパーが中央に立って言った。
そうだ、今は審議の最中なのだ。
ボーンさんの魔法とヴィオールの出現で何となくほのぼのしていた法廷は、急にまたピリリとした雰囲気に戻る。
「進めなさい。」
「はい。ではクラフト指導員に改めてお尋ねします。あなたはあの日、昼過ぎに王宮都市から南部国境に戻り、そこでライオネル第三王子殿下の帰国を知りました。」
「はい、その通りです。」
「そして昼食休憩中に、南軍に殿下が待ち伏せにあって、緊急体制で帰国される事を聞いたのですね?」
「はい。」
「これはルーニー国境警備隊員の話とも合致します。時間はルーニー隊員が午後の警備についた13時過ぎで間違いないですか?」
「時間は確認しておりませんが、その頃だと思います。私が国境についたのが昼過ぎ、王宮管理馬を厩舎に預けたので時間の記録があるかと思います。」
「ありがとうございます。そして同時にその足止めに、アズマ・サーク並びにシルク・イシュケが残った事を知ったのですね?」
「はい。」
「それを聞いたあなたは、ご自身の守護である件の竜の精霊を用いて助けに向かおうと決めたのですね?」
「はい。」
「それは独断ですか?誰かに報告しましたか?」
「私の独断です。誰にも話しておりません。」
「そうなると警護部隊としての証明は難しいですが、それを示す裏付けとしてはルーニー隊員達数名の目撃報告があります。あなたは国境壁に登り、そこで準備を整えて南部に向けて飛び立ったのですね?」
「はい。」
「時間は確認していますか?」
「申し訳ありません。時間は確認していません。」
「わかりました。飛び立たれた時、上空を旋回されたそうですが何か理由が?」
「はい、その時ちょうどライオネル第三王子殿下の警護部隊が戻ってきたのが国境壁から見えました。恐らく国境に入ればアズマ副隊長代理達をどうするかも話し合われると思ったので、私が彼らを迎えに行く事を知らせる為に旋回しました。」
「クラフト指導員が守護として竜の精霊を持っている事は、当時さほど知られていなかったと思うのですが?誰か解っていたのですか?」
「はい。第三別宮警護部隊隊長、ギルバート・ドレ・グラント隊長を含む数名の隊員が知っていました。なのでそれで伝わったと思っています。」
「確かに。竜が絶滅したのははるか昔ですからね。クラフト指導員が守護として竜の精霊を持っている事を知っている人間ならば、旋回する竜を見ればそれがクラフト指導員だと解った事でしょう。それについては証言を取っておりませんが、必要ならグラント隊長を緊急証言人として要請して下さい。」
ガスパーはちらりと顔を上げて傍聴席を見た。
フードの男にひっつかれながら、ギルがガスパーに無言で頷く。
必要があれば証言してくれるのだろう。
つか、シルクはいつまでベタベタしてるんだ??
ここが法廷の傍聴席だってわかってんのか?あいつ??
「必要に応じて検討しよう。続けなさい。」
「はい。クラフト指導員は時間を確認しておりませんが、ルーニー隊員の証言とライオネル第三王子殿下が国境に戻られた時間から推測して、それが14時過ぎから15時前の間だと言えます。よろしいでしょうか?」
ガスパーはここで確認の為に間を置いた。
議長達は軽く頷いてみせた。
「クラフト指導員、私は竜の事はわからないのですが、竜というのは飛ぶと早いのですか?」
「はい。風向き等にもよりますが、障害物もなく目的地まで真っ直ぐ進む事も可能ですから、馬よりずっと早いです。」
「国境を飛び立って、どれくらいでアズマ副隊長が交戦している所に辿り着きましたか?」
「日中に大陸側から海に向けて飛んだので追い風だった事や、私がとにかく急いでいましたので20分程だったと思います。」
その言葉におぉと言うどよめきが走った。
俺もちょっとびっくりした。
確かに竜の谷で結界を抜けた時みたいに、ヴィオールが本気出すとかなり早い。
その代わり風圧とかも息ができないくらい凄いんだけど。
とは言え時間で見るとそんなにも早いんだな~、知らなかった。
空を飛ぶという事がなんとも凄いなと感心してしまう。
「あなたがその場についた時、南軍は何人ぐらいいましたか?」
ガスパーがそう聞いた。
ウィルはハッとしたような顔で答えた。
「100人以上いました。もっと具体的に言うのであれば、戦闘可能な人物は156人、完全な戦闘不能者は恐らく…一見で22人程だったと思います。その他、森などに13名程の逃走者がいました。」
唐突にウィルは具体的な数値込みで話し始めた。
各陪審員席も傍聴席もその事に騒然となる。
確かにウィルが来た時の人数が分かれば、それが援軍があったかどうかの証拠にはなるのだが、その具体的な数値はどういう事なのだろう?
「静粛に!」
あまりに法廷内がざわついたので、議長が声を上げた。
それでも静寂に包まれる事はなく、皆が不思議がってひそひそと話している。
「適当な事を言うんじゃない!たかだか!馬術指導員の癖にっ!!」
案の定と言うかなんと言うか、第二王子派から声が上がる。
見ればメートランド子爵が青い顔で叫んでいた。
う~ん、目の前でミード伯爵が切り捨てられたもんな?
もっと立場の弱いメートランド子爵なら焦るよな??
可哀想にな~、黙っていても大変な時に矢面に立って公爵を守らなかった奴とされそうだし、かと言って喋った所でガスパー相手に自分が太刀打ちできるとは思ってはいないだろうし。
行くも地獄、行かぬも地獄ってところか。
まぁ、ついた側が悪かったと思ってもらうしかないだろう。
それをわかっていて、ガスパーはメートランド子爵を一瞥する。
「お言葉ですが、クラフト指導員はつい最近まで、男爵家の次男という立場だった事をご存じないのですか?確かに没落しても噂にもならないほど辺境の小さな村一つ程の領土しかなかったクラフト男爵家をご存知ないかもしれませんが、元、王宮騎馬隊のエース、馬上の貴公子の名は流石にご存知でしょう。何しろ彼が助っ人に入れば、貴族の皆様の大好きなポロの試合では勝ったも同然と言われた男ですから。」
そう言われ、メートランド子爵をはじめ貴族の面々は、ウィルの事をまじまじと見た。
あっと言う小さな声があちこちで上がる。
ウィルのそれまでの礼儀を重んじた優雅な身のこなしも相まって、そこにいるクラフト馬術指導員が、かつて貴族しかなれない王宮騎馬隊のエースで馬上の貴公子と謳われたウイリアム元隊員である事を認めた。
て言うか、待って??
何そのポロの助っ人の情報??
俺、そんな話は知らないんだけど??
「おやめ下さい。ラティーマー副隊長補佐。それはもう昔の話です。今はメートランド子爵の仰る通り、しがない馬術指導員に過ぎません。」
「それは失礼致しました。クラフト指導員。ですが彼が馬上の貴公子と言われていたのは事実であり、その逸話は何もポロの試合の助っ人だけではありません。彼はとても優れた視野と認知能力があり、広い放牧場にいる馬を、一瞬見ただけで何頭いるか言い当てられた話はとても有名です。」
はい??
何、その情報??
ウィルってそんな事できるの?!
びっくりしてウィルを見ると、困ったようにほんのり顔を赤くしていた。
やだ!何そんな顔して?!可愛すぎる!!
俺のウィルが可愛すぎるっ!!
「その情報の真偽については、王宮騎馬隊や王宮馬の放牧場の方に問われてみれば、すぐに返答を頂けると思います。」
ガスパーはそこで言葉を切りウィルを見た。
ウィルもガスパーを見て小さく頷く。
「クラフト指導員は、物の数を一見でほぼ正確に把握できます。その彼がその場にいた兵士の数を100人近くも見間違えるでしょうか?!いいえ、そんな事はありえません!つまり!アズマ・サークとシルク・イシュケが正午前に南軍王族警備第五部隊約100人と交戦を始めて、約3時間後に到着したクラフト指導員が戦闘可能な100人以上の兵士を見ているというのは、どう考えてもおかしい。つまり、100人規模の援軍がそこにいた事の裏付けになるかと思いますっ!!」
ガスパーは議長に向かって、はっきりとそう言い切った。
本当、これだけ見るとどこの王子様もしくは由緒正しい貴族の御子息かと思うだろう。
そして、有識者陪審員席と第二王子派の原告席、俺達側の貴族陪審員席、最後に傍聴席に一礼すると、証言台に戻ろうとした。
ウィルの首に巻き付いて落ち着いたヴィオールが俺に気づき、こっちに来ようと飛ぼうとするとウィルがそれを否す。
「ヴィオール、駄目。今はサークの所には行っちゃ駄目だ。」
なんで?と言いたげにクークーと声を上げるヴィオールを苦笑しながらウィルは撫でる。
なんか本当、無邪気な子犬みたいで可愛い。
「証言に戻らせて頂いてもよろしいでしょうか?」
ウィルが証言台に戻った事で、ガスパーが中央に立って言った。
そうだ、今は審議の最中なのだ。
ボーンさんの魔法とヴィオールの出現で何となくほのぼのしていた法廷は、急にまたピリリとした雰囲気に戻る。
「進めなさい。」
「はい。ではクラフト指導員に改めてお尋ねします。あなたはあの日、昼過ぎに王宮都市から南部国境に戻り、そこでライオネル第三王子殿下の帰国を知りました。」
「はい、その通りです。」
「そして昼食休憩中に、南軍に殿下が待ち伏せにあって、緊急体制で帰国される事を聞いたのですね?」
「はい。」
「これはルーニー国境警備隊員の話とも合致します。時間はルーニー隊員が午後の警備についた13時過ぎで間違いないですか?」
「時間は確認しておりませんが、その頃だと思います。私が国境についたのが昼過ぎ、王宮管理馬を厩舎に預けたので時間の記録があるかと思います。」
「ありがとうございます。そして同時にその足止めに、アズマ・サーク並びにシルク・イシュケが残った事を知ったのですね?」
「はい。」
「それを聞いたあなたは、ご自身の守護である件の竜の精霊を用いて助けに向かおうと決めたのですね?」
「はい。」
「それは独断ですか?誰かに報告しましたか?」
「私の独断です。誰にも話しておりません。」
「そうなると警護部隊としての証明は難しいですが、それを示す裏付けとしてはルーニー隊員達数名の目撃報告があります。あなたは国境壁に登り、そこで準備を整えて南部に向けて飛び立ったのですね?」
「はい。」
「時間は確認していますか?」
「申し訳ありません。時間は確認していません。」
「わかりました。飛び立たれた時、上空を旋回されたそうですが何か理由が?」
「はい、その時ちょうどライオネル第三王子殿下の警護部隊が戻ってきたのが国境壁から見えました。恐らく国境に入ればアズマ副隊長代理達をどうするかも話し合われると思ったので、私が彼らを迎えに行く事を知らせる為に旋回しました。」
「クラフト指導員が守護として竜の精霊を持っている事は、当時さほど知られていなかったと思うのですが?誰か解っていたのですか?」
「はい。第三別宮警護部隊隊長、ギルバート・ドレ・グラント隊長を含む数名の隊員が知っていました。なのでそれで伝わったと思っています。」
「確かに。竜が絶滅したのははるか昔ですからね。クラフト指導員が守護として竜の精霊を持っている事を知っている人間ならば、旋回する竜を見ればそれがクラフト指導員だと解った事でしょう。それについては証言を取っておりませんが、必要ならグラント隊長を緊急証言人として要請して下さい。」
ガスパーはちらりと顔を上げて傍聴席を見た。
フードの男にひっつかれながら、ギルがガスパーに無言で頷く。
必要があれば証言してくれるのだろう。
つか、シルクはいつまでベタベタしてるんだ??
ここが法廷の傍聴席だってわかってんのか?あいつ??
「必要に応じて検討しよう。続けなさい。」
「はい。クラフト指導員は時間を確認しておりませんが、ルーニー隊員の証言とライオネル第三王子殿下が国境に戻られた時間から推測して、それが14時過ぎから15時前の間だと言えます。よろしいでしょうか?」
ガスパーはここで確認の為に間を置いた。
議長達は軽く頷いてみせた。
「クラフト指導員、私は竜の事はわからないのですが、竜というのは飛ぶと早いのですか?」
「はい。風向き等にもよりますが、障害物もなく目的地まで真っ直ぐ進む事も可能ですから、馬よりずっと早いです。」
「国境を飛び立って、どれくらいでアズマ副隊長が交戦している所に辿り着きましたか?」
「日中に大陸側から海に向けて飛んだので追い風だった事や、私がとにかく急いでいましたので20分程だったと思います。」
その言葉におぉと言うどよめきが走った。
俺もちょっとびっくりした。
確かに竜の谷で結界を抜けた時みたいに、ヴィオールが本気出すとかなり早い。
その代わり風圧とかも息ができないくらい凄いんだけど。
とは言え時間で見るとそんなにも早いんだな~、知らなかった。
空を飛ぶという事がなんとも凄いなと感心してしまう。
「あなたがその場についた時、南軍は何人ぐらいいましたか?」
ガスパーがそう聞いた。
ウィルはハッとしたような顔で答えた。
「100人以上いました。もっと具体的に言うのであれば、戦闘可能な人物は156人、完全な戦闘不能者は恐らく…一見で22人程だったと思います。その他、森などに13名程の逃走者がいました。」
唐突にウィルは具体的な数値込みで話し始めた。
各陪審員席も傍聴席もその事に騒然となる。
確かにウィルが来た時の人数が分かれば、それが援軍があったかどうかの証拠にはなるのだが、その具体的な数値はどういう事なのだろう?
「静粛に!」
あまりに法廷内がざわついたので、議長が声を上げた。
それでも静寂に包まれる事はなく、皆が不思議がってひそひそと話している。
「適当な事を言うんじゃない!たかだか!馬術指導員の癖にっ!!」
案の定と言うかなんと言うか、第二王子派から声が上がる。
見ればメートランド子爵が青い顔で叫んでいた。
う~ん、目の前でミード伯爵が切り捨てられたもんな?
もっと立場の弱いメートランド子爵なら焦るよな??
可哀想にな~、黙っていても大変な時に矢面に立って公爵を守らなかった奴とされそうだし、かと言って喋った所でガスパー相手に自分が太刀打ちできるとは思ってはいないだろうし。
行くも地獄、行かぬも地獄ってところか。
まぁ、ついた側が悪かったと思ってもらうしかないだろう。
それをわかっていて、ガスパーはメートランド子爵を一瞥する。
「お言葉ですが、クラフト指導員はつい最近まで、男爵家の次男という立場だった事をご存じないのですか?確かに没落しても噂にもならないほど辺境の小さな村一つ程の領土しかなかったクラフト男爵家をご存知ないかもしれませんが、元、王宮騎馬隊のエース、馬上の貴公子の名は流石にご存知でしょう。何しろ彼が助っ人に入れば、貴族の皆様の大好きなポロの試合では勝ったも同然と言われた男ですから。」
そう言われ、メートランド子爵をはじめ貴族の面々は、ウィルの事をまじまじと見た。
あっと言う小さな声があちこちで上がる。
ウィルのそれまでの礼儀を重んじた優雅な身のこなしも相まって、そこにいるクラフト馬術指導員が、かつて貴族しかなれない王宮騎馬隊のエースで馬上の貴公子と謳われたウイリアム元隊員である事を認めた。
て言うか、待って??
何そのポロの助っ人の情報??
俺、そんな話は知らないんだけど??
「おやめ下さい。ラティーマー副隊長補佐。それはもう昔の話です。今はメートランド子爵の仰る通り、しがない馬術指導員に過ぎません。」
「それは失礼致しました。クラフト指導員。ですが彼が馬上の貴公子と言われていたのは事実であり、その逸話は何もポロの試合の助っ人だけではありません。彼はとても優れた視野と認知能力があり、広い放牧場にいる馬を、一瞬見ただけで何頭いるか言い当てられた話はとても有名です。」
はい??
何、その情報??
ウィルってそんな事できるの?!
びっくりしてウィルを見ると、困ったようにほんのり顔を赤くしていた。
やだ!何そんな顔して?!可愛すぎる!!
俺のウィルが可愛すぎるっ!!
「その情報の真偽については、王宮騎馬隊や王宮馬の放牧場の方に問われてみれば、すぐに返答を頂けると思います。」
ガスパーはそこで言葉を切りウィルを見た。
ウィルもガスパーを見て小さく頷く。
「クラフト指導員は、物の数を一見でほぼ正確に把握できます。その彼がその場にいた兵士の数を100人近くも見間違えるでしょうか?!いいえ、そんな事はありえません!つまり!アズマ・サークとシルク・イシュケが正午前に南軍王族警備第五部隊約100人と交戦を始めて、約3時間後に到着したクラフト指導員が戦闘可能な100人以上の兵士を見ているというのは、どう考えてもおかしい。つまり、100人規模の援軍がそこにいた事の裏付けになるかと思いますっ!!」
ガスパーは議長に向かって、はっきりとそう言い切った。
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