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第八章③「帰国裁判」
警護部隊のしんがり
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「おや、真打ち登場かい?」
グレイさんが面白そうにそう言った。
俺はそれに笑みで答えた。
真打ちかどうかは知らないけど、そろそろガスパー1人に戦わせてる訳には行かないじゃんか。
大詰めだしね。
俺を振り返ったガスパーと目が合って、互いに頷いた。
「第三別宮警護部隊副隊長代理、アズマ・サーク。あなたの身に起こった事、並びに不当な判決による捕縛決定から身を守っていた間に見た事を話して頂けますか?」
「はい。私はある日突然、南の国に損害を与え、二国間に亀裂を作り戦争を扇動しようとした戦犯の罪をかけられました。」
ガスパーの問いかけに応じて、俺は話し始めた。
俺に起こった全てを。
「聞いての通り、私はその様な裁判が行われている事も知りませんでしたし夢にも思いませんでした。何故なら私は、原告側がいうような南の国の王宮で非礼を働き、それを止めようとした南軍に被害を与えると言う様な事はしておりませんでしたので。私は警護部隊の職務としてライオネル第三王子殿下の南の国友好訪問に同行し、また、その帰国の最中に南軍による待ち伏せを受け、殿下の安全の為に警護部隊員としてその足止めを受け持ちました。南軍と交戦した事は事実ですが、私は殿下をお守りすると言う警護部隊の職務としてそれを行い、身勝手な理由から南の国に非礼を働いた事は決してありません。」
まずは事実として経緯を話した。
散々、ガスパーが話してくれていた部分ではあったが、俺の口からも話させてもらった。
「アズマ・サーク、なぜその時一度拘束を受け入れ、その後に無罪を主張せずに行方を眩ませたのだ?それが無実であれ、裁判が不当であったとしても、判決に背く事は問題となるとは思わなかったのか?」
「わかっています。もしもそれが不当な判決であっても受け入れるのが正当である事は。」
俺は言葉を切り、一度フレッチャー公爵に目を向る。
皺に窪んだ目が、淀んだ色をして俺を見据えていた。
俺は気にせず、真っ直ぐに議長を見つめた。
「しかし、ここでなぜ、この様な事が起きたのかをお話しさせて下さい。南の国は非公式ではありましたが、ずっとライオネル殿下との婚姻を申し込んでおりました。」
そこでざわりと法廷がざわめいた。
非公式であった故に、知られていない話だからだ。
明かすべきでない話かもしれないが、どうせ口止めの魔法がかかっているんだ。
ここを出てしまえば、それが世間で一般的な事にならない限り人には話せない。
殿下がきっぱり断った求婚なのだし、結構、話としては重要なポイントだからサラリと話してみた。
「ライオネル殿下はきっぱりお断りしていたのすが、皇太子はたいそう熱心でおられまして……。こちらも困っておりました。」
俺がお手上げと言った風に言うと、軽く笑いが起きた。
チラリと目をやると、殿下がくすくすと笑っていた。
良かった、怒ってないや。
俺は安心して話を進めた。
「本当に熱心でして……しかし……はじめは恋愛感情によるものだと思われていましたが、それだけではなく、とある事情により南の国はライオネル殿下をどうしても手に入れたかった事が、私がこの国にいない間の調査でわかりました。その事情につきましては、国王の許可がなければお話できません。」
空気が少しピリリと緊張した。
他国との王族同士の結婚は、政治的な意味合いが深い。
だから殆どの人はそう言う意味合いだと思っただろう。
それでいい。
だが、わかる人間には今の言い方だけで、おおよその検討はついただろう。
何しろ中央王国の、王族の、機密中の機密だ。
おそらく俺が全てを知っている事もわかったと思う。
「そして私が殿下の友好訪問に同行した際、南の国は、彼らがとある事情から欲しているものを私が持っている事に気づきました。私とライオネル殿下が南の国に欲せられた理由はそれぞれ異なります。私が南の国に欲せられた理由は、私が血の魔術を使える特殊な人間だったからです。」
そこでまた、少しのざわめきが起こる。
一般には魔術だって物珍しいのに、血の魔術と言われても何だかわからないだろう。
とりあえず、俺がちょっと特殊だとわかって貰えればいいので詳しくは話さずに進めていく。
「その為、友好訪問ではっきり求婚をライオネル殿下に断られた彼らは、ひとまず私を渡せと要求しました。当然その要求に応じる理由もなく、私も私の主であるライオネル殿下も断りました。」
それまで俺が南の国に何らかの理由で欲せられていた経緯を知らなかったのか、法廷内はざわざわと揺れた。
もしも違う意味で要求されていた人間を、その後罪人として引き渡せと言っているとなると趣が変わってくるからだ。
「そして、あまりに無理を押して自分と部下である私を要求する彼らに危険を感じたライオネル殿下は、そのまま急遽帰国する事を決められました。それが問題となっている日の朝です。殿下を諦めきれない南の国は強硬手段をとり、軍で待ち伏せするという形を取りました。それはライオネル第三王子殿下帰国の際、殿下本人と友好訪問警護の責任者を務めた第三別宮警護部隊のグラント隊長から報告が上がっているはずです。殿下の内外への体裁及び南の国との関係を悪化させない為にこの事はあまり公にはされなかった様ですが、そこに漬け込むように南の国から、私が非礼を働き損害が出たので罪人として引き渡す事、また二国の関係悪化を防ぐ為にも、ライオネル殿下との婚姻を求められました。」
法廷内はもう、どよめかなかった。
既にそれを通り越してしまったからだ。
ここまでの話と俺の全体の要約を聞いて、この件が魔術師一人の罪を問う問題ではなく、国家的な危機を有する問題だと誰もが認識してしまったのだ。
「自国の王子が友好訪問からの帰国途中に他国に襲撃を受けたのです。本来ならば厳重に抗議し、返答によっては国交を閉鎖してもおかしくない事態です。しかし何故かそのような事にはならず、それどころか襲撃した側が被害を訴え、我々に謝罪を求めている。その謝罪は形だけでなく、私の引き渡しとライオネル殿下の婚姻という形で要求されています。たとえ2国間の関係悪化を懸念して公にしなかったとしても、その非礼に何の抗議もせず不当な要求を飲もうとするなどあってはならない事です。中央王国は南の国の属国ではないのですから。」
重い吐息が漏れた。
この裁判を傍聴しに来た人も、陪審員を引き受けた有識者や貴族も、ここまでの問題だとは思っていなかっただろう。
何故ならこれは再審裁判だ。
元は殆ど誰も知らないうちに行われ、可決されたものなのだ。
それほど小さな裁判だったはずなのだ。
だが、こうして広く深く全てを語ってみれば、そんな事で済む事ではない事は誰にだってわかる。
ならば何故、先の裁判は誰にも知られる事なく、何の話題にも問題にもならず、知らぬうちに可決されていたのか?
誰もの心にその後疑心が芽生えただろう。
目をやれば、フレッチャー公爵がこの世のものとは思えない顔で俺を見ていた。
窪んだ瞳からは言い得ぬ邪気が溢れている。
その眼が言っている。
このままでは済まさないと……。
俺はもう気にしなかった。
さいはとっくに投げられたのだから。
「……ならば何故、そんなおかしな事が起きたのか?」
俺は言葉を切った。
既に一度、レオンハルドさんによってその証拠は皆の目に晒された。
誰も俺の次の言葉を疑いはしない。
「それはこの国の中枢は既に南の国の手の者が数多く存在するからです!その為、事を荒立てないよう取り計った中央王国の気遣いは逆に利用され、南の国の都合がいい様に事が推し量られて行きました!その結果が私のいわれのない罪の裁判であり!関係改善と称したライオネル殿下への婚姻要請です!」
場はしんと静まり返っていた。
皆が息を呑み、何の音もしなかった。
「南の国と手を組んだ者たちが仕組んだこの裁判で、一度でも罪を認めて捕まった場合、再審裁判が行われるよりも早く、有耶無耶なまま私の身を南の国に引き渡す事が容易に予測できました。その為、私は拘束を受け入れる事を逃れ、自分の無実の証明する為に南の国に向かいました。」
その瞬間、法廷内は驚きの声が上がった。
そりゃそうだよな?
いくらそこが大本だからって、自分を捕まえようとしている国にわざわざ自分から出向く奴はいないよな、普通。
「何と……お主はこの逃亡中、南の国にいたと言うのか?!自分の身が狙われていると知りながら……?!」
「はい議長。私は南の国にいました。真実を探る為に。」
これにはさすがのフレッチャー公爵も虚を突かれた顔をしていた。
俺の性格を理解している仲間は、いつも通りの俺の行動に驚かなかったよ。
……怒られたけどさ。
火の出処に自ら躊躇なく飛び込んで行くなんて、馬鹿にしかできない芸当だって言われたよ。
でも、それがいかにも俺らしいもんだから、何だかんだ許してくれるんだけどさ。
「ではここから、私が南の国で掴んだ中央王国貴族と南の国の関わりをお話していきたいと思います。」
確かにレオンハルドさんの証拠ほど決定打じゃないけどさ、俺とシルクだって、カジノで遊んでた訳じゃないんだからな。
俺は原告席の親南派をほくそ笑んで眺めてやった。
グレイさんが面白そうにそう言った。
俺はそれに笑みで答えた。
真打ちかどうかは知らないけど、そろそろガスパー1人に戦わせてる訳には行かないじゃんか。
大詰めだしね。
俺を振り返ったガスパーと目が合って、互いに頷いた。
「第三別宮警護部隊副隊長代理、アズマ・サーク。あなたの身に起こった事、並びに不当な判決による捕縛決定から身を守っていた間に見た事を話して頂けますか?」
「はい。私はある日突然、南の国に損害を与え、二国間に亀裂を作り戦争を扇動しようとした戦犯の罪をかけられました。」
ガスパーの問いかけに応じて、俺は話し始めた。
俺に起こった全てを。
「聞いての通り、私はその様な裁判が行われている事も知りませんでしたし夢にも思いませんでした。何故なら私は、原告側がいうような南の国の王宮で非礼を働き、それを止めようとした南軍に被害を与えると言う様な事はしておりませんでしたので。私は警護部隊の職務としてライオネル第三王子殿下の南の国友好訪問に同行し、また、その帰国の最中に南軍による待ち伏せを受け、殿下の安全の為に警護部隊員としてその足止めを受け持ちました。南軍と交戦した事は事実ですが、私は殿下をお守りすると言う警護部隊の職務としてそれを行い、身勝手な理由から南の国に非礼を働いた事は決してありません。」
まずは事実として経緯を話した。
散々、ガスパーが話してくれていた部分ではあったが、俺の口からも話させてもらった。
「アズマ・サーク、なぜその時一度拘束を受け入れ、その後に無罪を主張せずに行方を眩ませたのだ?それが無実であれ、裁判が不当であったとしても、判決に背く事は問題となるとは思わなかったのか?」
「わかっています。もしもそれが不当な判決であっても受け入れるのが正当である事は。」
俺は言葉を切り、一度フレッチャー公爵に目を向る。
皺に窪んだ目が、淀んだ色をして俺を見据えていた。
俺は気にせず、真っ直ぐに議長を見つめた。
「しかし、ここでなぜ、この様な事が起きたのかをお話しさせて下さい。南の国は非公式ではありましたが、ずっとライオネル殿下との婚姻を申し込んでおりました。」
そこでざわりと法廷がざわめいた。
非公式であった故に、知られていない話だからだ。
明かすべきでない話かもしれないが、どうせ口止めの魔法がかかっているんだ。
ここを出てしまえば、それが世間で一般的な事にならない限り人には話せない。
殿下がきっぱり断った求婚なのだし、結構、話としては重要なポイントだからサラリと話してみた。
「ライオネル殿下はきっぱりお断りしていたのすが、皇太子はたいそう熱心でおられまして……。こちらも困っておりました。」
俺がお手上げと言った風に言うと、軽く笑いが起きた。
チラリと目をやると、殿下がくすくすと笑っていた。
良かった、怒ってないや。
俺は安心して話を進めた。
「本当に熱心でして……しかし……はじめは恋愛感情によるものだと思われていましたが、それだけではなく、とある事情により南の国はライオネル殿下をどうしても手に入れたかった事が、私がこの国にいない間の調査でわかりました。その事情につきましては、国王の許可がなければお話できません。」
空気が少しピリリと緊張した。
他国との王族同士の結婚は、政治的な意味合いが深い。
だから殆どの人はそう言う意味合いだと思っただろう。
それでいい。
だが、わかる人間には今の言い方だけで、おおよその検討はついただろう。
何しろ中央王国の、王族の、機密中の機密だ。
おそらく俺が全てを知っている事もわかったと思う。
「そして私が殿下の友好訪問に同行した際、南の国は、彼らがとある事情から欲しているものを私が持っている事に気づきました。私とライオネル殿下が南の国に欲せられた理由はそれぞれ異なります。私が南の国に欲せられた理由は、私が血の魔術を使える特殊な人間だったからです。」
そこでまた、少しのざわめきが起こる。
一般には魔術だって物珍しいのに、血の魔術と言われても何だかわからないだろう。
とりあえず、俺がちょっと特殊だとわかって貰えればいいので詳しくは話さずに進めていく。
「その為、友好訪問ではっきり求婚をライオネル殿下に断られた彼らは、ひとまず私を渡せと要求しました。当然その要求に応じる理由もなく、私も私の主であるライオネル殿下も断りました。」
それまで俺が南の国に何らかの理由で欲せられていた経緯を知らなかったのか、法廷内はざわざわと揺れた。
もしも違う意味で要求されていた人間を、その後罪人として引き渡せと言っているとなると趣が変わってくるからだ。
「そして、あまりに無理を押して自分と部下である私を要求する彼らに危険を感じたライオネル殿下は、そのまま急遽帰国する事を決められました。それが問題となっている日の朝です。殿下を諦めきれない南の国は強硬手段をとり、軍で待ち伏せするという形を取りました。それはライオネル第三王子殿下帰国の際、殿下本人と友好訪問警護の責任者を務めた第三別宮警護部隊のグラント隊長から報告が上がっているはずです。殿下の内外への体裁及び南の国との関係を悪化させない為にこの事はあまり公にはされなかった様ですが、そこに漬け込むように南の国から、私が非礼を働き損害が出たので罪人として引き渡す事、また二国の関係悪化を防ぐ為にも、ライオネル殿下との婚姻を求められました。」
法廷内はもう、どよめかなかった。
既にそれを通り越してしまったからだ。
ここまでの話と俺の全体の要約を聞いて、この件が魔術師一人の罪を問う問題ではなく、国家的な危機を有する問題だと誰もが認識してしまったのだ。
「自国の王子が友好訪問からの帰国途中に他国に襲撃を受けたのです。本来ならば厳重に抗議し、返答によっては国交を閉鎖してもおかしくない事態です。しかし何故かそのような事にはならず、それどころか襲撃した側が被害を訴え、我々に謝罪を求めている。その謝罪は形だけでなく、私の引き渡しとライオネル殿下の婚姻という形で要求されています。たとえ2国間の関係悪化を懸念して公にしなかったとしても、その非礼に何の抗議もせず不当な要求を飲もうとするなどあってはならない事です。中央王国は南の国の属国ではないのですから。」
重い吐息が漏れた。
この裁判を傍聴しに来た人も、陪審員を引き受けた有識者や貴族も、ここまでの問題だとは思っていなかっただろう。
何故ならこれは再審裁判だ。
元は殆ど誰も知らないうちに行われ、可決されたものなのだ。
それほど小さな裁判だったはずなのだ。
だが、こうして広く深く全てを語ってみれば、そんな事で済む事ではない事は誰にだってわかる。
ならば何故、先の裁判は誰にも知られる事なく、何の話題にも問題にもならず、知らぬうちに可決されていたのか?
誰もの心にその後疑心が芽生えただろう。
目をやれば、フレッチャー公爵がこの世のものとは思えない顔で俺を見ていた。
窪んだ瞳からは言い得ぬ邪気が溢れている。
その眼が言っている。
このままでは済まさないと……。
俺はもう気にしなかった。
さいはとっくに投げられたのだから。
「……ならば何故、そんなおかしな事が起きたのか?」
俺は言葉を切った。
既に一度、レオンハルドさんによってその証拠は皆の目に晒された。
誰も俺の次の言葉を疑いはしない。
「それはこの国の中枢は既に南の国の手の者が数多く存在するからです!その為、事を荒立てないよう取り計った中央王国の気遣いは逆に利用され、南の国の都合がいい様に事が推し量られて行きました!その結果が私のいわれのない罪の裁判であり!関係改善と称したライオネル殿下への婚姻要請です!」
場はしんと静まり返っていた。
皆が息を呑み、何の音もしなかった。
「南の国と手を組んだ者たちが仕組んだこの裁判で、一度でも罪を認めて捕まった場合、再審裁判が行われるよりも早く、有耶無耶なまま私の身を南の国に引き渡す事が容易に予測できました。その為、私は拘束を受け入れる事を逃れ、自分の無実の証明する為に南の国に向かいました。」
その瞬間、法廷内は驚きの声が上がった。
そりゃそうだよな?
いくらそこが大本だからって、自分を捕まえようとしている国にわざわざ自分から出向く奴はいないよな、普通。
「何と……お主はこの逃亡中、南の国にいたと言うのか?!自分の身が狙われていると知りながら……?!」
「はい議長。私は南の国にいました。真実を探る為に。」
これにはさすがのフレッチャー公爵も虚を突かれた顔をしていた。
俺の性格を理解している仲間は、いつも通りの俺の行動に驚かなかったよ。
……怒られたけどさ。
火の出処に自ら躊躇なく飛び込んで行くなんて、馬鹿にしかできない芸当だって言われたよ。
でも、それがいかにも俺らしいもんだから、何だかんだ許してくれるんだけどさ。
「ではここから、私が南の国で掴んだ中央王国貴族と南の国の関わりをお話していきたいと思います。」
確かにレオンハルドさんの証拠ほど決定打じゃないけどさ、俺とシルクだって、カジノで遊んでた訳じゃないんだからな。
俺は原告席の親南派をほくそ笑んで眺めてやった。
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