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42. 桃源郷④
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西田は先生の体から離れると、今度は僕のほうを見た。
「佐藤君、ひどいことして、ごめん。」
「西田、さっきも謝ってくれたじゃないか。」
「君はなんでそんなに優しいの?」
「西田の気持ちも分かるんだよ。先生と別れるのがショックで、どうにもならなかったんだろ。」
例えば、俺が君から別れを切り出されたら、どんな行動を取るだろう。塗炭の苦しみを味わった俺はどうするだろうか。離れたくない。君の、ふとした瞬間の寂しそうな顔や、照れたような笑顔が浮かんできた。強がっているけど寂しがり屋で、本当は誰よりも純粋な君がたまらなくかわいい。そう思うと気持ちがあふれて、今の素直な気持ちを話さずにはおれなかった。
「俺、西田のことが好きだ。こんな気持ちは初めてだ。俺は君の特別な存在になりたい。友達よりもっと特別な存在だよ。」
「佐藤君……僕は……。」
少しの沈黙の後、西田はためらいがちに話した。
「僕は、これ以上好きになって、君に嫌われるのが怖い。」
「嫌うもんか!!何故そんなこと言うんだよ。」
「それは……昔から人から嫌われやすいし、感情が不安定なところがあるし、それに、変態だし……。」
「俺は人とは違う、不安定なところも好きだ、変態なのは十分知ってる。」
「それは、そうなんだけど……。その、引かれそうで心配で。」
西田が言葉を詰まらせると、先生が穏やかに西田を見守りながら言った。
「引かれそうって、あれのことか。」
「はい……。」
「佐藤君なら受け入れてくれると思うがなぁ。」
「あれってなんですか?教えてください。」
俺の質問を聞いた西田は、うつむいて俺の顔を見ないで言った。
「佐藤君、あのね……僕、ずっとアナルフィストに憧れてて……。」
「アナルフィスト?」
「まあ、佐藤君は知らんだろうな。」
「先生、アナルフィストってなんですか?」
「アナルが肛門でフィストが拳、つまり肛門に手を入れるんだよ。拳と言っても実際はこんなふうに手をすぼめて入れるんだけどね。」
先生は指先をすぼめた手を見せながら説明した。俺は絶句した。
「やっぱり、佐藤君、引いてるんでしょ。ああ……言わなきゃ良かった……。」
西田が目をぎゅっと閉じて、首を小さく振った。
「あの、そんなこと本当にできるんですか?」
こんなとき、こんな質問しか出てこない、自分の気の効かなさが嫌になる。もっと西田を安心させる言葉はないのか。
「引いてるんじゃないんだ!危なそうなのが気になって……。西田の体が心配なんだ。」
結局、やっと絞り出したのは、こんなありきたりな言葉だった。
「確かに危険を伴うが、準備をすれば可能だよ。長期間かけて肛門を少しずつ拡張するんだ。西田君はずいぶん前から取り組んでいてね。努力が必要だから本当にやりたい気持ちがないと無理なプレイだ。西田君は毎日アナルプラグで拡張しているんだよ。その姿を想像すると、微笑ましいよ。」
先生の言葉に、ラブホテルでまじまじと見た西田の肛門が、強く俺に迫ってきた。弛んだ皮膚の崩れ爛れた美しさ、吸い込まれそうな暗い穴。それは、西田の欲望であり努力の証だったのだ。
「西田、君のそういうとこ、すごいと思う。」
少し安心した様子の西田は、今度は俺の顔を見て言った。
「ほんと!?嬉しいよ!僕、心配だったんだ、肛門に手を入れるなんて普通に考えて気持ち悪いじゃん。」
「安心しろよ、俺も普通じゃないから。」
「それじゃあさ……佐藤君、僕が先生にアナルフィストしてもらってるの、見ててくれる?僕は君に見てほしい。」
正直、少し怖い気もする。まだそんなことが可能だなんて信じられない。だが、俺だって先生のように西田を受け止めたい。
「もちろんだよ。君が望むなら、俺はそうするよ。」
「ありがとう!!アナルフィスト実現まで、あともう少しだと思うんだよね。頑張らなきゃ。」
西田は目を輝かせて笑った。楽しそうな君を見ると胸が温かくなる。君にはこんなにも誰かを幸福にする力があるのに、君の自己否定の強さを思うと、楽しさの中に一抹の寂しさが混じった。
「佐藤君、ひどいことして、ごめん。」
「西田、さっきも謝ってくれたじゃないか。」
「君はなんでそんなに優しいの?」
「西田の気持ちも分かるんだよ。先生と別れるのがショックで、どうにもならなかったんだろ。」
例えば、俺が君から別れを切り出されたら、どんな行動を取るだろう。塗炭の苦しみを味わった俺はどうするだろうか。離れたくない。君の、ふとした瞬間の寂しそうな顔や、照れたような笑顔が浮かんできた。強がっているけど寂しがり屋で、本当は誰よりも純粋な君がたまらなくかわいい。そう思うと気持ちがあふれて、今の素直な気持ちを話さずにはおれなかった。
「俺、西田のことが好きだ。こんな気持ちは初めてだ。俺は君の特別な存在になりたい。友達よりもっと特別な存在だよ。」
「佐藤君……僕は……。」
少しの沈黙の後、西田はためらいがちに話した。
「僕は、これ以上好きになって、君に嫌われるのが怖い。」
「嫌うもんか!!何故そんなこと言うんだよ。」
「それは……昔から人から嫌われやすいし、感情が不安定なところがあるし、それに、変態だし……。」
「俺は人とは違う、不安定なところも好きだ、変態なのは十分知ってる。」
「それは、そうなんだけど……。その、引かれそうで心配で。」
西田が言葉を詰まらせると、先生が穏やかに西田を見守りながら言った。
「引かれそうって、あれのことか。」
「はい……。」
「佐藤君なら受け入れてくれると思うがなぁ。」
「あれってなんですか?教えてください。」
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「佐藤君、あのね……僕、ずっとアナルフィストに憧れてて……。」
「アナルフィスト?」
「まあ、佐藤君は知らんだろうな。」
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「アナルが肛門でフィストが拳、つまり肛門に手を入れるんだよ。拳と言っても実際はこんなふうに手をすぼめて入れるんだけどね。」
先生は指先をすぼめた手を見せながら説明した。俺は絶句した。
「やっぱり、佐藤君、引いてるんでしょ。ああ……言わなきゃ良かった……。」
西田が目をぎゅっと閉じて、首を小さく振った。
「あの、そんなこと本当にできるんですか?」
こんなとき、こんな質問しか出てこない、自分の気の効かなさが嫌になる。もっと西田を安心させる言葉はないのか。
「引いてるんじゃないんだ!危なそうなのが気になって……。西田の体が心配なんだ。」
結局、やっと絞り出したのは、こんなありきたりな言葉だった。
「確かに危険を伴うが、準備をすれば可能だよ。長期間かけて肛門を少しずつ拡張するんだ。西田君はずいぶん前から取り組んでいてね。努力が必要だから本当にやりたい気持ちがないと無理なプレイだ。西田君は毎日アナルプラグで拡張しているんだよ。その姿を想像すると、微笑ましいよ。」
先生の言葉に、ラブホテルでまじまじと見た西田の肛門が、強く俺に迫ってきた。弛んだ皮膚の崩れ爛れた美しさ、吸い込まれそうな暗い穴。それは、西田の欲望であり努力の証だったのだ。
「西田、君のそういうとこ、すごいと思う。」
少し安心した様子の西田は、今度は俺の顔を見て言った。
「ほんと!?嬉しいよ!僕、心配だったんだ、肛門に手を入れるなんて普通に考えて気持ち悪いじゃん。」
「安心しろよ、俺も普通じゃないから。」
「それじゃあさ……佐藤君、僕が先生にアナルフィストしてもらってるの、見ててくれる?僕は君に見てほしい。」
正直、少し怖い気もする。まだそんなことが可能だなんて信じられない。だが、俺だって先生のように西田を受け止めたい。
「もちろんだよ。君が望むなら、俺はそうするよ。」
「ありがとう!!アナルフィスト実現まで、あともう少しだと思うんだよね。頑張らなきゃ。」
西田は目を輝かせて笑った。楽しそうな君を見ると胸が温かくなる。君にはこんなにも誰かを幸福にする力があるのに、君の自己否定の強さを思うと、楽しさの中に一抹の寂しさが混じった。
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