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17話
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メアリー視点
義両親の結婚記念日のパーティーに参加する為、予定より長くこちらに滞在する事になった。
一応旦那様に手紙で知らせた方がいいかと思ったが、お義母様が気を効かせてくれて、もう手紙を送ってくれたと聞き一安心だ。
もっとも、私がいつ帰ろうが気にも留めないとは思うけれど。
私は、何とか結婚記念日までに絵を仕上げたくて毎日遅くまでキャンパスに向かっている。
義両親達には絵のプレゼントは内緒にしていた。
「是非、結婚記念日のお祝いを一緒にさせて下さい」
と言ったら、お二人共とても喜んでくださった。
「今年の結婚記念日は賑やかになるな」
そう言って微笑まれていた。
私は徹夜をしながら何とかその日までに仕上げる事が出来た。
自分なりに納得のいく作品に仕上がった。
お二人が揃ってカモミールの花にお顔を近づけながら香りを楽しんでいる光景が生き生きと描けた。
いよいよ結婚記念日当日、王都から旦那様が駆けつけて来たのには驚かされた。義両親も、とても驚いていた。
「今迄ジオに祝って貰った事など一度もない」
と言っていたからだ。
それでも義両親やアン、他の使用人達も嬉しそうだ。
朝早くから皆が頑張ってくれたお陰でテーブルの上には豪華な食事やお花が並んでいる。
「今日はとっておきのワインを開けよう」
お義父様は上機嫌だ。
「今日は無礼講だ、さあ皆んなも座ってくれ」
そうして皆で乾杯する寸前に、後ろから突然声がした。
「叔父様、叔母様おめでとうございます!」
大きな声と共にルナ様がやって来た。
一瞬皆、目が点になっていたが、すかさず使用人が席を用意したのだが、ルナ様は使用人に命じて私と旦那様の間に椅子を運ばせた。
皆、言葉に詰まっていたがルナ様は一切気にすることなく、勝手にグラスを掲げた。
「乾杯!」
茫然としながら、皆もグラスを掲げたのだった。
そしていつもの様に旦那様の腕に自分の腕を絡みつけながら甘えた声で言う。
「どうして私を誘ってくださらなかったの?」
まるで子供のように頬を膨らませながら怒っていた。その様子を見兼ねたお義父様は
「まあまあ、せっかく来たのだから私達の隣りに来ておくれ」
助け舟を出して下さったが、勿論聞く耳をもたない。なので、思わず私がお義父様とお義母様のお側に移った。
「兄がすっかり甘やかして育ててしまったみたいだ、済まない」
お義父様が肩を落とされ謝られた。
私は話を変えたくて笑顔でおふたりに声をかけた。
「それよりほんの気持ちではありますがお義父様とお義母様にプレゼントを用意させて頂きました」
そう言ってアンに目で合図を送った。
するとアンは私の部屋から直ぐに絵を持って来てお二人の前に差し出した。
絵を見た瞬間その場にいた皆が、感嘆の声を上げてくれた。
「この絵はメアリーさんが描いて下さったの?」
びっくりしたお顔でお義母様が私の顔を見た。
「実は私のお部屋から毎朝お義母様達がお散歩する姿を見ていたら、どうしても描きたくなってしまって、是非結婚記念日迄にって、間に合って良かったです」
するとお義父様がとても嬉しそうにおっしゃった。
「こんな心のこもった贈り物は初めてだ」
そんな様子を見ていたルナ様は物凄い形相で睨んでいる。
旦那様はというと、ただ驚いた様子で私の描いて絵を凝視しています。
そして暫く見つめ続けた後、旦那様はポツリと
「この絵の額縁は是非、私にプレゼントさせてくれ」
そう言って下さいました。
義両親の結婚記念日のパーティーに参加する為、予定より長くこちらに滞在する事になった。
一応旦那様に手紙で知らせた方がいいかと思ったが、お義母様が気を効かせてくれて、もう手紙を送ってくれたと聞き一安心だ。
もっとも、私がいつ帰ろうが気にも留めないとは思うけれど。
私は、何とか結婚記念日までに絵を仕上げたくて毎日遅くまでキャンパスに向かっている。
義両親達には絵のプレゼントは内緒にしていた。
「是非、結婚記念日のお祝いを一緒にさせて下さい」
と言ったら、お二人共とても喜んでくださった。
「今年の結婚記念日は賑やかになるな」
そう言って微笑まれていた。
私は徹夜をしながら何とかその日までに仕上げる事が出来た。
自分なりに納得のいく作品に仕上がった。
お二人が揃ってカモミールの花にお顔を近づけながら香りを楽しんでいる光景が生き生きと描けた。
いよいよ結婚記念日当日、王都から旦那様が駆けつけて来たのには驚かされた。義両親も、とても驚いていた。
「今迄ジオに祝って貰った事など一度もない」
と言っていたからだ。
それでも義両親やアン、他の使用人達も嬉しそうだ。
朝早くから皆が頑張ってくれたお陰でテーブルの上には豪華な食事やお花が並んでいる。
「今日はとっておきのワインを開けよう」
お義父様は上機嫌だ。
「今日は無礼講だ、さあ皆んなも座ってくれ」
そうして皆で乾杯する寸前に、後ろから突然声がした。
「叔父様、叔母様おめでとうございます!」
大きな声と共にルナ様がやって来た。
一瞬皆、目が点になっていたが、すかさず使用人が席を用意したのだが、ルナ様は使用人に命じて私と旦那様の間に椅子を運ばせた。
皆、言葉に詰まっていたがルナ様は一切気にすることなく、勝手にグラスを掲げた。
「乾杯!」
茫然としながら、皆もグラスを掲げたのだった。
そしていつもの様に旦那様の腕に自分の腕を絡みつけながら甘えた声で言う。
「どうして私を誘ってくださらなかったの?」
まるで子供のように頬を膨らませながら怒っていた。その様子を見兼ねたお義父様は
「まあまあ、せっかく来たのだから私達の隣りに来ておくれ」
助け舟を出して下さったが、勿論聞く耳をもたない。なので、思わず私がお義父様とお義母様のお側に移った。
「兄がすっかり甘やかして育ててしまったみたいだ、済まない」
お義父様が肩を落とされ謝られた。
私は話を変えたくて笑顔でおふたりに声をかけた。
「それよりほんの気持ちではありますがお義父様とお義母様にプレゼントを用意させて頂きました」
そう言ってアンに目で合図を送った。
するとアンは私の部屋から直ぐに絵を持って来てお二人の前に差し出した。
絵を見た瞬間その場にいた皆が、感嘆の声を上げてくれた。
「この絵はメアリーさんが描いて下さったの?」
びっくりしたお顔でお義母様が私の顔を見た。
「実は私のお部屋から毎朝お義母様達がお散歩する姿を見ていたら、どうしても描きたくなってしまって、是非結婚記念日迄にって、間に合って良かったです」
するとお義父様がとても嬉しそうにおっしゃった。
「こんな心のこもった贈り物は初めてだ」
そんな様子を見ていたルナ様は物凄い形相で睨んでいる。
旦那様はというと、ただ驚いた様子で私の描いて絵を凝視しています。
そして暫く見つめ続けた後、旦那様はポツリと
「この絵の額縁は是非、私にプレゼントさせてくれ」
そう言って下さいました。
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