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秘密の話
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社会に出て3年目。社会人の生活にもなれてきてやっと仕事も覚えたかなってくらいで、1年研修が終わった後輩ができた。
今日は彼女と居酒屋でサシのみだ。女性が多い部署で歓迎会はお洒落なイタリアンだったので今日は2人で安くて美味しいビールと焼き鳥を食べようって話になった。因みに私は人より少し酒が強い。大学のサークルで酒豪と呼ばれてた先輩を潰してしまい、女王の称号を頂いてしまうくらいには飲める。
「んー、とりあえず生2つとオススメ5本盛り1つください。」
「お待たせしましたー、お通しとビールでーす」
お通しのキャベツがおかわり自由で、且つ美味しいのでここはお気に入りの居酒屋の一つだ。
「先輩ってほんっとかっこいいですよねー。だって仕事できるし、優しいし、ほんと上司としても女としても憧れるー」
「ありがとう。けどそんな事ないよ。○○ちゃんって一生懸命ですっごくいい子だねって話してたし。挨拶されると元気出るよねって。」
「えええ、嬉しすぎます。先輩の教え方が上手なんですよー。これからはもっと元気に挨拶しますねっ笑」
年の近い上司に気に入られようとしているのか、お酒のせいなのか、とても褒めてくれる。だけど彼女にはごますり感とか嫌味な感じとかもなくて、正直、嬉しい。
そんな彼女はたったビール1杯でほんのり赤くなり、あとはレモンサワー2杯とシメのパフェを頼んでいた。
「今日はありがとうございましたっ!先輩のこともっと好きになりました!また月曜にー」
「こちらこそありがとう。おやすみー」
気分の良くなった私は少しの物足りなさを埋めるため、バーに向かった。バーと言ってもそんなにお高いバーではなくて女1人で入れるくらいの気軽な感じのところだ。
愛煙家のマスターが保健所がどうこうとか言うのをすり抜けてくれたお陰でここではまだ喫煙できる。
「ウイスキーください」
「畏まりました」
私の雑なオーダーにもマスターはいつも完璧なお酒を出してくれる。
今日のはどこの国のなんとかっていう、辛口の一杯だった。
喫煙者なのを隠している訳じゃないけれど人の前では吸わないし、お酒だってこんな強いのを頼まない。
仕事だって恋愛だって人並みにしている。何か不満があるわけでもない。側から見れば私だって良いところがあるんだろうし、今の生活を捨てて何かを始めたいと思うほどの強さもない。無い物ねだりなんて誰だってあるだろうし、結局皆自分が1番なんだろうなあ。
吐き出した煙は目の前で少しもやもやっとしてから上って天井につく前に消えた。
2本目に火をつける。
蝋燭の光みたいに優しい照明のバーの雰囲気はとても心地が良い。いつもここに逃げてきてしまう。
ちびちびとお酒を飲みながらゆっくり煙草を吸う。
最後の一口は深く吸って肺がくっつくんじゃないかってくらいに最後まで吐き切って、火を消した。そしてお酒をクッと飲み干した。
そろそろ帰ろう。
きっとまた明日もその次の日も。煙草に火をつけては消してを繰り返していく。
今日は彼女と居酒屋でサシのみだ。女性が多い部署で歓迎会はお洒落なイタリアンだったので今日は2人で安くて美味しいビールと焼き鳥を食べようって話になった。因みに私は人より少し酒が強い。大学のサークルで酒豪と呼ばれてた先輩を潰してしまい、女王の称号を頂いてしまうくらいには飲める。
「んー、とりあえず生2つとオススメ5本盛り1つください。」
「お待たせしましたー、お通しとビールでーす」
お通しのキャベツがおかわり自由で、且つ美味しいのでここはお気に入りの居酒屋の一つだ。
「先輩ってほんっとかっこいいですよねー。だって仕事できるし、優しいし、ほんと上司としても女としても憧れるー」
「ありがとう。けどそんな事ないよ。○○ちゃんって一生懸命ですっごくいい子だねって話してたし。挨拶されると元気出るよねって。」
「えええ、嬉しすぎます。先輩の教え方が上手なんですよー。これからはもっと元気に挨拶しますねっ笑」
年の近い上司に気に入られようとしているのか、お酒のせいなのか、とても褒めてくれる。だけど彼女にはごますり感とか嫌味な感じとかもなくて、正直、嬉しい。
そんな彼女はたったビール1杯でほんのり赤くなり、あとはレモンサワー2杯とシメのパフェを頼んでいた。
「今日はありがとうございましたっ!先輩のこともっと好きになりました!また月曜にー」
「こちらこそありがとう。おやすみー」
気分の良くなった私は少しの物足りなさを埋めるため、バーに向かった。バーと言ってもそんなにお高いバーではなくて女1人で入れるくらいの気軽な感じのところだ。
愛煙家のマスターが保健所がどうこうとか言うのをすり抜けてくれたお陰でここではまだ喫煙できる。
「ウイスキーください」
「畏まりました」
私の雑なオーダーにもマスターはいつも完璧なお酒を出してくれる。
今日のはどこの国のなんとかっていう、辛口の一杯だった。
喫煙者なのを隠している訳じゃないけれど人の前では吸わないし、お酒だってこんな強いのを頼まない。
仕事だって恋愛だって人並みにしている。何か不満があるわけでもない。側から見れば私だって良いところがあるんだろうし、今の生活を捨てて何かを始めたいと思うほどの強さもない。無い物ねだりなんて誰だってあるだろうし、結局皆自分が1番なんだろうなあ。
吐き出した煙は目の前で少しもやもやっとしてから上って天井につく前に消えた。
2本目に火をつける。
蝋燭の光みたいに優しい照明のバーの雰囲気はとても心地が良い。いつもここに逃げてきてしまう。
ちびちびとお酒を飲みながらゆっくり煙草を吸う。
最後の一口は深く吸って肺がくっつくんじゃないかってくらいに最後まで吐き切って、火を消した。そしてお酒をクッと飲み干した。
そろそろ帰ろう。
きっとまた明日もその次の日も。煙草に火をつけては消してを繰り返していく。
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みんなの感想(2件)
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退会済ユーザのコメントです
コメントありがとうございます。
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退会済ユーザのコメントです
感想ありがとうございます!
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