8 / 64
魔法のカクテル 6
しおりを挟む
その後は、加賀宮さんが自宅近くまでタクシーで送ってくれた。
一人で帰れるって無理やり帰ろうとしたが
「命令」
その一言で行動を制限される。
車内は得に会話はなかった。
いろいろ聞きたいことがあったけど、彼は話してくれないだろうと思ったから。
私のことをどうして知っているのか。
彼がどういった人なのか、全くわからないまま帰宅する。
彼と連絡先を交換した。
何かあれば連絡をするとだけ言われ、彼と別れた。
ベッドにうつ伏せで倒れ混む。
「シャワー浴びなきゃ」
せめて身体だけでも洗い流したいと浴室に向かう。
鏡に映った自分の姿を見る、ボディソープで身体を洗うと
「んっ……」
彼に触れられた感覚が甦って、身体が反応してしまう。
これも惚れ薬の効果が切れたら治るよね。
疼く感覚を一生懸命我慢し、布団へ入り、目を閉じる。
これから私の生活、どうなるんだろう。
不安を抱いたが、もう何も考えたくなかった。
身体も精神的に疲労していたため、私はすぐ眠りについてしまった。
―――・・・・・――――
<プルルルル……。プルルルル……>
何回かのコールの後
<はい>
深夜にも関わらず、亜蘭が電話に対応してくれた。
「ごめん。こんな時間に」
<いえ。大丈夫です>
「調べてほしいことがある」
彼女が居たソファーに座り、残っていた資料に目を通していた。
<九条美月のことですか?>
さすがだな。
俺が何を考えているのか、すぐ彼にはわかってしまう。
「あぁ。あと……」
<九条孝介についても、ですよね?>
見透かされている。
「……。そう。頼む」
<わかりました>
返事をした亜蘭だったが
<あんなやり方で良かったんですか?Love Potion。ただのカクテルですよ?媚薬とか惚れ薬とか、そんな効能はありません。そんなファンシーなこと、よくあの場で思いつきましたね>
ふぅと彼は電話越しに溜め息をついた。
「お前、会話聞いてたのかよ。変態だな。ま、必死だったからな。結果、良かっただろ?相手だって信じたんだし」
<らしくありませんね。計画性が感じられません>
そう、俺らしくない。
いつもならもっと冷静でいられるのに。
<あんなやり方したら、彼女に嫌われるのは当然ですよ>
だよな。
また彼女に会えると思っていなかった。
このチャンスを逃したくないという気持ちが強すぎて。
「俺は俺のやり方でなんとかする」
今はそれしか言えない。
<わかりました。ほどほどにしてくださいね。明日は大事な会議もありますし。ちゃんと事前に資料、読んでおいてくださいよ?あっ、あと……。時間外労働、ちゃんと支払ってくださいね。社長>
抜かりないな。
「わかった」
電話を切る。
あぁ、明日は経営者会議だったな。
ソファに横になり、天井を見上げる。
過眠して……。着替えに戻って、シャワー浴びて……。出勤だな。
自分の予定を確認し、目を閉じた。
――――・・・・・――――
次の日――。
「う……ん」
太陽の光がカーテンの隙間からわずかに漏れている。
隣に置いてあったスマホを見て、時間を確認した。
「えっ……。もう十一時……」
起き上がろうとしたが、身体が怠い。
昨日の出来事を思い出す。
夢であってほしいと願うが、鮮明に覚えている記憶と彼に触れられた感触が残っている。
「夢だったら良かったのに……」
言葉に出すも、もう昨日には戻れない。
起き上がり、シャワーを浴びる。
鏡に映った自分を見る。
「ちょっ!」
首筋に赤い痣ができていた。
「あいつ!」
昨日帰ってきた時は、疲れていたせいか見えなかった。
こんなところに付けて、孝介に見られたら……。
あの動画を見られる前に、バレちゃうじゃない!契約違反だわ。
入浴後、髪の毛を急いで乾かし、昨日交換した加賀宮さんに連絡をした。
<ちょっと!キスマーク付けただなんて、聞いてない。これでバレたらあんたのせいだからね!契約違反じゃない!>
こんなケンカ腰にメッセージを送るなんて、脅されている立場の人間がやることじゃない。
「はぁ……」
送った後に後悔をしてしまった。
送信取り消しをタップしようにも
「えっ……。もう既読になっている」
私の送った文章を加賀宮さんは読んでしまったみたいだ。
しばらくすると彼から返信が来た。
<ごめん。なんとかする>
なんとかするって、どうやってなんとかするのよ。
深く詮索するのはやめよう。
洗濯をしようとしていた時、スマホが鳴った。
着信相手は孝介だ。
「はい」
<もしもし?出張なんだけど、明日帰る予定が、急遽他の予定も入って、さらに日程が延びた。一応、連絡しとくから>
えっ?じゃあ、しばらく帰って来ないの?
私にとってはとても都合の良い嬉しい連絡だった。
「着替えとか、大丈夫?そんなに持って行って……」
<大丈夫だよ。なんとかするから。家政婦さんにはしばらく休んでほしいって、俺から連絡しとくから>
私の言葉を夫は面倒くさそうに遮る。
「どのくらい延びるの?」
<わからない。俺も今日、連絡があったところだから。一週間は延びないと思うけど>
そっか。一週間……。
その頃にはこの痣も消えるだろうし。良かった。
「じゃあ……」
電話を切られそうになり、重要なことを思い出す。
「あの……。お金、振り込んでほしいの。家政婦さんも来ないってことは、自分でご飯を作らなきゃいけないし。冷蔵庫には何もないし。昨日の千円で一週間はキツイ……」
<お前な、自分の心配かよ。俺が一生懸命働いてるのに。お前は何もせず、どうせゴロゴロしてんだろ?どこにも行かないんだから、腹も減らないだろ。自分でなんとかしろ!>
怒鳴られ、電話が切れてしまった。
一人で帰れるって無理やり帰ろうとしたが
「命令」
その一言で行動を制限される。
車内は得に会話はなかった。
いろいろ聞きたいことがあったけど、彼は話してくれないだろうと思ったから。
私のことをどうして知っているのか。
彼がどういった人なのか、全くわからないまま帰宅する。
彼と連絡先を交換した。
何かあれば連絡をするとだけ言われ、彼と別れた。
ベッドにうつ伏せで倒れ混む。
「シャワー浴びなきゃ」
せめて身体だけでも洗い流したいと浴室に向かう。
鏡に映った自分の姿を見る、ボディソープで身体を洗うと
「んっ……」
彼に触れられた感覚が甦って、身体が反応してしまう。
これも惚れ薬の効果が切れたら治るよね。
疼く感覚を一生懸命我慢し、布団へ入り、目を閉じる。
これから私の生活、どうなるんだろう。
不安を抱いたが、もう何も考えたくなかった。
身体も精神的に疲労していたため、私はすぐ眠りについてしまった。
―――・・・・・――――
<プルルルル……。プルルルル……>
何回かのコールの後
<はい>
深夜にも関わらず、亜蘭が電話に対応してくれた。
「ごめん。こんな時間に」
<いえ。大丈夫です>
「調べてほしいことがある」
彼女が居たソファーに座り、残っていた資料に目を通していた。
<九条美月のことですか?>
さすがだな。
俺が何を考えているのか、すぐ彼にはわかってしまう。
「あぁ。あと……」
<九条孝介についても、ですよね?>
見透かされている。
「……。そう。頼む」
<わかりました>
返事をした亜蘭だったが
<あんなやり方で良かったんですか?Love Potion。ただのカクテルですよ?媚薬とか惚れ薬とか、そんな効能はありません。そんなファンシーなこと、よくあの場で思いつきましたね>
ふぅと彼は電話越しに溜め息をついた。
「お前、会話聞いてたのかよ。変態だな。ま、必死だったからな。結果、良かっただろ?相手だって信じたんだし」
<らしくありませんね。計画性が感じられません>
そう、俺らしくない。
いつもならもっと冷静でいられるのに。
<あんなやり方したら、彼女に嫌われるのは当然ですよ>
だよな。
また彼女に会えると思っていなかった。
このチャンスを逃したくないという気持ちが強すぎて。
「俺は俺のやり方でなんとかする」
今はそれしか言えない。
<わかりました。ほどほどにしてくださいね。明日は大事な会議もありますし。ちゃんと事前に資料、読んでおいてくださいよ?あっ、あと……。時間外労働、ちゃんと支払ってくださいね。社長>
抜かりないな。
「わかった」
電話を切る。
あぁ、明日は経営者会議だったな。
ソファに横になり、天井を見上げる。
過眠して……。着替えに戻って、シャワー浴びて……。出勤だな。
自分の予定を確認し、目を閉じた。
――――・・・・・――――
次の日――。
「う……ん」
太陽の光がカーテンの隙間からわずかに漏れている。
隣に置いてあったスマホを見て、時間を確認した。
「えっ……。もう十一時……」
起き上がろうとしたが、身体が怠い。
昨日の出来事を思い出す。
夢であってほしいと願うが、鮮明に覚えている記憶と彼に触れられた感触が残っている。
「夢だったら良かったのに……」
言葉に出すも、もう昨日には戻れない。
起き上がり、シャワーを浴びる。
鏡に映った自分を見る。
「ちょっ!」
首筋に赤い痣ができていた。
「あいつ!」
昨日帰ってきた時は、疲れていたせいか見えなかった。
こんなところに付けて、孝介に見られたら……。
あの動画を見られる前に、バレちゃうじゃない!契約違反だわ。
入浴後、髪の毛を急いで乾かし、昨日交換した加賀宮さんに連絡をした。
<ちょっと!キスマーク付けただなんて、聞いてない。これでバレたらあんたのせいだからね!契約違反じゃない!>
こんなケンカ腰にメッセージを送るなんて、脅されている立場の人間がやることじゃない。
「はぁ……」
送った後に後悔をしてしまった。
送信取り消しをタップしようにも
「えっ……。もう既読になっている」
私の送った文章を加賀宮さんは読んでしまったみたいだ。
しばらくすると彼から返信が来た。
<ごめん。なんとかする>
なんとかするって、どうやってなんとかするのよ。
深く詮索するのはやめよう。
洗濯をしようとしていた時、スマホが鳴った。
着信相手は孝介だ。
「はい」
<もしもし?出張なんだけど、明日帰る予定が、急遽他の予定も入って、さらに日程が延びた。一応、連絡しとくから>
えっ?じゃあ、しばらく帰って来ないの?
私にとってはとても都合の良い嬉しい連絡だった。
「着替えとか、大丈夫?そんなに持って行って……」
<大丈夫だよ。なんとかするから。家政婦さんにはしばらく休んでほしいって、俺から連絡しとくから>
私の言葉を夫は面倒くさそうに遮る。
「どのくらい延びるの?」
<わからない。俺も今日、連絡があったところだから。一週間は延びないと思うけど>
そっか。一週間……。
その頃にはこの痣も消えるだろうし。良かった。
「じゃあ……」
電話を切られそうになり、重要なことを思い出す。
「あの……。お金、振り込んでほしいの。家政婦さんも来ないってことは、自分でご飯を作らなきゃいけないし。冷蔵庫には何もないし。昨日の千円で一週間はキツイ……」
<お前な、自分の心配かよ。俺が一生懸命働いてるのに。お前は何もせず、どうせゴロゴロしてんだろ?どこにも行かないんだから、腹も減らないだろ。自分でなんとかしろ!>
怒鳴られ、電話が切れてしまった。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに恋愛指南します
夏目若葉
恋愛
大手商社の受付で働く舞花(まいか)は、訪問客として週に一度必ず現れる和久井(わくい)という男性に恋心を寄せるようになった。
お近づきになりたいが、どうすればいいかわからない。
少しずつ距離が縮まっていくふたり。しかし和久井には忘れられない女性がいるような気配があって、それも気になり……
純真女子の片想いストーリー
一途で素直な女 × 本気の恋を知らない男
ムズキュンです♪
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
お見合いから本気の恋をしてもいいですか
濘-NEI-
恋愛
元カレと破局して半年が経った頃、母から勧められたお見合いを受けることにした涼葉を待っていたのは、あの日出逢った彼でした。
高橋涼葉、28歳。
元カレとは彼の転勤を機に破局。
恋が苦手な涼葉は人恋しさから出逢いを求めてバーに来たものの、人生で初めてのナンパはやっぱり怖くて逃げ出したくなる。そんな危機から救ってくれたのはうっとりするようなイケメンだった。 優しい彼と意気投合して飲み直すことになったけれど、名前も知らない彼に惹かれてしまう気がするのにブレーキはかけられない。
フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
逃げる太陽【完結】
須木 水夏
恋愛
黒田 陽日が、その人に出会ったのはまだ6歳の時だった。
近所にある湖の畔で、銀色の長い髪の男の人と出会い、ゆっくりと恋に落ちた。
湖へ近づいてはいけない、竜神に攫われてしまうよ。
そんな中、陽日に同い年の婚約者ができてしまう。
✩°。⋆☆。.:*・゜
つたない文章です。
『身代わりの月』の姉、陽日のお話です。
⭐️現代日本ぽいですが、似て非なるものになってます。
⭐️16歳で成人します。
⭐️古い伝承や言い伝えは、割と信じられている世界の設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる