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真実 12
そう言えば、加賀宮さんってモテないの?
いや、絶対モテるよね。性格には問題ありだけど、このスペックだもん。
「なに?俺のことそんなに見て」
彼と目が合った。
「加賀宮さんってモテるんだろうなって思って」
「まぁな」
即答、否定しないんだ。彼らしいけど。
「俺自身って言うよりは、俺の容姿とか代表取締役っていう役職、金目当てで近寄ってくる奴がほとんどだけどな。仕事中の人柄は演技だし」
確かに。そっか。加賀宮さん、素は基本的には出さないって言ってたもんね。
「どうした?そんなこと聞いてくるなんて、心配してくれてんの。他に女がいるんじゃないかって嫉妬?」
「はぁ?そんなわけないでしょ!私はあなたと契約してるからこんなことしてるんであって」
言い返そうとした。
が――。
あっれ……?
加賀宮さんが他の女の人と居るところ、一瞬想像したら、どうしてだろう。嫌な気持ちになった。
孝介と美和さんが浮気していることがわかった時とは違う。別の嫌な感じだ。
言葉に詰まる。
そんな時――。
<ピンポーン>
インターホンが鳴った。
そしてすぐに<コンコンコン>ノックの音。
「ちょっと待ってて」
加賀宮さんはベッドから降り、玄関へ向かった。
デリバリーかな?
「お疲れ様。悪かったな。また残業?」
「いえ。これ、頼まれたお弁当とスイーツです。あと、こちらが美月さんの契約書です」
この声、秘書の亜蘭さん?
私、挨拶した方がいいのかな。これからお世話になるし。
あっ、でもここに私が居るって亜蘭さんは知ってるのかな。
「ありがとう。助かった」
「お楽しみ中のところだったら、すみませんでした。それでは、失礼します」
彼は言葉少な目にパタンと扉を締めた。
「デリバリーにしようと思ったけど、美月に食べさせたいものがあって。亜蘭に頼んだ。契約書もできたみたいだし。ついでに持って来てもらったんだ」
私に食べさせたいもの?
加賀宮さんが紙袋から取り出したのは――。
「ええっ!!これ、見たことある!清水亭の超高級ステーキ弁当!!」
私の反応に彼はクスっと笑った。
「知ってんだな。あとこれ?」
もう一つの可愛らしい紙袋から見えたのは――。
「これっ!!ネピネピのミニフルーツパフェ!?」
彼はハハっと笑い
「なんだ。これも知ってんの?」
狭い部屋に一つしかない小さなテーブルの上に、超高級弁当が並べられた。
「すごい!予約でしか買えないってテレビでやってた!しかも今は数カ月待ちじゃなかったっけ?」
「お前、この前の時もそうだったけど、飯の時が一番良い顔してるな」
「どうして買えたの?」
「ちょっとしたコネ」
「加賀宮さんって本当に凄い人なのね!」
興奮がさめやらない。
これは私が働いていた時からずっと憧れていたお弁当だった。
ボーナスが入った時に自分へのご褒美としていつか食べてみたいと思っていたけど、予約のタイミングがいつも悪くて、結局購入することができないまま結婚してしまったから。
「こんなことで褒められてもな」
加賀宮さんは苦笑していた。
ここまで言っておいてだけど……。
食べていいのかな。高級弁当に釣られて。
私がお弁当を黙って見ていると
「美月が俺のカフェに今後協力するって言うのは本当の話だから。今日はそのお礼。だから食え」
「うん」
難しいことは考えず、加賀宮さんの言葉に甘えることにした。
「いただきます」
一口食べる。
「美味しい!!」
柔らかい。時間が経ってるはずなのに、どうしてこんなにお肉が柔らかいの。
私の様子を見て
「お前、マジ美味そうに食べるな。一緒に飯食べてて、気持ち良いくらい」
彼はそう言い、微笑んでくれた。
「そうやって自然に笑ってる美月が一番可愛いと思うよ」
「えっ」
加賀宮さんの言葉に箸が止まる。
「お世辞言っても、何もしないからね」
動揺が伝わらないよう、平然を装う。
きっと彼は何人もの女性をそう言って騙してきた……はず。
私だけが特別じゃない。
「お世辞じゃないけどな」
加賀宮さんの返答には聞こえないフリをした。
お弁当を問題なく完食し、スイーツに手を伸ばす。
「あー。幸せ!」
甘い物好きだけど、孝介はあまり食べないし、こんな生クリームいっぱいのなんて<甘ったるくて気持ち悪い>とか言いそう。
一人で買って食べることなんてできない。食べ物一つでこんなに幸せな気分になれるなんて、昔の私だったら考えられないんだろうな。
「そんなんで幸せになれるなら、俺が毎日幸せにしてやろうか?」
ニヤリ彼が微笑む。やっぱり今日の加賀宮さんはおかしい。
「どうしたの?今日、変。私のこと、そんなに煽てたって良いことないよ」
さっきから告白に近いとも言える発言が気になる。
「俺は本気だけど?」
彼のそんな言葉、信じちゃいけないことくらいわかってる。
「あー。はいはい」
私は軽く返事をし、受け流した。
「でも美味しい!ありがと」
お弁当とスイーツにはちゃんと感謝している。
お礼を伝えると、なぜだろう。
彼は「はぁ」と溜め息をついた。
いや、絶対モテるよね。性格には問題ありだけど、このスペックだもん。
「なに?俺のことそんなに見て」
彼と目が合った。
「加賀宮さんってモテるんだろうなって思って」
「まぁな」
即答、否定しないんだ。彼らしいけど。
「俺自身って言うよりは、俺の容姿とか代表取締役っていう役職、金目当てで近寄ってくる奴がほとんどだけどな。仕事中の人柄は演技だし」
確かに。そっか。加賀宮さん、素は基本的には出さないって言ってたもんね。
「どうした?そんなこと聞いてくるなんて、心配してくれてんの。他に女がいるんじゃないかって嫉妬?」
「はぁ?そんなわけないでしょ!私はあなたと契約してるからこんなことしてるんであって」
言い返そうとした。
が――。
あっれ……?
加賀宮さんが他の女の人と居るところ、一瞬想像したら、どうしてだろう。嫌な気持ちになった。
孝介と美和さんが浮気していることがわかった時とは違う。別の嫌な感じだ。
言葉に詰まる。
そんな時――。
<ピンポーン>
インターホンが鳴った。
そしてすぐに<コンコンコン>ノックの音。
「ちょっと待ってて」
加賀宮さんはベッドから降り、玄関へ向かった。
デリバリーかな?
「お疲れ様。悪かったな。また残業?」
「いえ。これ、頼まれたお弁当とスイーツです。あと、こちらが美月さんの契約書です」
この声、秘書の亜蘭さん?
私、挨拶した方がいいのかな。これからお世話になるし。
あっ、でもここに私が居るって亜蘭さんは知ってるのかな。
「ありがとう。助かった」
「お楽しみ中のところだったら、すみませんでした。それでは、失礼します」
彼は言葉少な目にパタンと扉を締めた。
「デリバリーにしようと思ったけど、美月に食べさせたいものがあって。亜蘭に頼んだ。契約書もできたみたいだし。ついでに持って来てもらったんだ」
私に食べさせたいもの?
加賀宮さんが紙袋から取り出したのは――。
「ええっ!!これ、見たことある!清水亭の超高級ステーキ弁当!!」
私の反応に彼はクスっと笑った。
「知ってんだな。あとこれ?」
もう一つの可愛らしい紙袋から見えたのは――。
「これっ!!ネピネピのミニフルーツパフェ!?」
彼はハハっと笑い
「なんだ。これも知ってんの?」
狭い部屋に一つしかない小さなテーブルの上に、超高級弁当が並べられた。
「すごい!予約でしか買えないってテレビでやってた!しかも今は数カ月待ちじゃなかったっけ?」
「お前、この前の時もそうだったけど、飯の時が一番良い顔してるな」
「どうして買えたの?」
「ちょっとしたコネ」
「加賀宮さんって本当に凄い人なのね!」
興奮がさめやらない。
これは私が働いていた時からずっと憧れていたお弁当だった。
ボーナスが入った時に自分へのご褒美としていつか食べてみたいと思っていたけど、予約のタイミングがいつも悪くて、結局購入することができないまま結婚してしまったから。
「こんなことで褒められてもな」
加賀宮さんは苦笑していた。
ここまで言っておいてだけど……。
食べていいのかな。高級弁当に釣られて。
私がお弁当を黙って見ていると
「美月が俺のカフェに今後協力するって言うのは本当の話だから。今日はそのお礼。だから食え」
「うん」
難しいことは考えず、加賀宮さんの言葉に甘えることにした。
「いただきます」
一口食べる。
「美味しい!!」
柔らかい。時間が経ってるはずなのに、どうしてこんなにお肉が柔らかいの。
私の様子を見て
「お前、マジ美味そうに食べるな。一緒に飯食べてて、気持ち良いくらい」
彼はそう言い、微笑んでくれた。
「そうやって自然に笑ってる美月が一番可愛いと思うよ」
「えっ」
加賀宮さんの言葉に箸が止まる。
「お世辞言っても、何もしないからね」
動揺が伝わらないよう、平然を装う。
きっと彼は何人もの女性をそう言って騙してきた……はず。
私だけが特別じゃない。
「お世辞じゃないけどな」
加賀宮さんの返答には聞こえないフリをした。
お弁当を問題なく完食し、スイーツに手を伸ばす。
「あー。幸せ!」
甘い物好きだけど、孝介はあまり食べないし、こんな生クリームいっぱいのなんて<甘ったるくて気持ち悪い>とか言いそう。
一人で買って食べることなんてできない。食べ物一つでこんなに幸せな気分になれるなんて、昔の私だったら考えられないんだろうな。
「そんなんで幸せになれるなら、俺が毎日幸せにしてやろうか?」
ニヤリ彼が微笑む。やっぱり今日の加賀宮さんはおかしい。
「どうしたの?今日、変。私のこと、そんなに煽てたって良いことないよ」
さっきから告白に近いとも言える発言が気になる。
「俺は本気だけど?」
彼のそんな言葉、信じちゃいけないことくらいわかってる。
「あー。はいはい」
私は軽く返事をし、受け流した。
「でも美味しい!ありがと」
お弁当とスイーツにはちゃんと感謝している。
お礼を伝えると、なぜだろう。
彼は「はぁ」と溜め息をついた。
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