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過去 3
「以上になりますが、何かご質問などはありますか?」
加賀宮さんは少し首を傾けた。
そんな動作も加賀宮さんの素を知らなかったら<素敵!>だと思ってしまいそう。
「いえ。ありません。ありがとうございます」
「では、これからベガへ移動をして……」
あっ。一応、現場に行く前に見せた方が良いよね。
私はバッグの中から自分なりにまとめた資料を取り出し、提示した。
「加賀宮社長、御社のホームページなどを拝見させていただき、メニューについてはいくつか考えてきたものがあります。使用する食材、カロリー計算、作業工程など簡単にはなってしまいますが、まとめてきました。申し訳ございません。私、パソコンが苦手で。全て手書きになってお見苦しい点もあるのですが……」
そう伝えたが、パソコンが苦手なわけではない。
自宅には私が使って良いパソコンやタブレットがない。
孝介に買ってほしいとも言えなかった。
漫画喫茶とか、考えたけど、孝介が工面してくれるわけなかった。
相談したけど
<お前、調子に乗るなよ。メニューができたら、はい、さよなら。の一回だけの依頼だろ。九条グループと親密になりたいから、加賀宮さんもお前なんか雇ってくれたわけで。もしそういうの使いたいなら、加賀宮さんに頼めよ。無駄な出費になるだけだし、俺は出さないよ>
予想はしていたが、私の頼みを聞いてくれるわけなかった。
加賀宮さんはメガネの奥で一瞬、目を見開いた。
<加賀宮社長>などと呼んだからだろうか。
私も呼んでみて、なんか気持ち悪かったけど、馴れ馴れしくするのも間違っている気がする。あくまでこれはビジネスだ。
しかしすぐにパッと彼は微笑み
「ありがとうございます。ぜひ、拝見させていただきます」
私が提示したノートに目を通してくれている。
心の中の本音は、どう思ってるんだろう。
「素晴らしいですね。事前にここまで調べてくださり、ありがとうございます。こちらのノート、一旦お預かりして、データを取っても良いですか?共有したいので」
「はい。もちろんです」
そうだよね、データだったら印刷とか簡単にできるのに。
誰かの雑務、増やしちゃったかな。
その後、実際にベガへ移動して、店内の説明を受けることになった。
「九条さんは、私と一緒の車で移動をします。平野リーダーと藤田リーダーは、先にベガへ向かってください」
私は加賀宮さんと一緒の車なんだ。
「はい、わかりました」
失礼しますと、二人は部屋から出て行った。
私と加賀宮さん、亜蘭さんと三人だけの空間になる。
亜蘭さんは二人を見送り、私たちが居る部屋のカギをかけた。
それを確認した加賀宮さんは――。
ネクタイを緩め
「亜蘭。休憩した後、美月は俺がベガに連れて行くから」
私にとってはいつもの加賀宮さんに戻った。
「はい。わかりました。休憩は、ほどほどにしてくださいね?」
休憩って……。
なんか嫌な予感がする。
言われるがまま、亜蘭さんと別れ、加賀宮さんのあとをついて行く。
「あのっ、休憩って……」
「とりあえず、社長室に行くから」
しばらく歩き、とある一室の前で、加賀宮さんがカードキーをかざした。
彼に続き、一歩入る。
プライベートオフィスと同じ雰囲気だった。
大きなデスクにソファがあり、とてもシンプル。
「美月」
「えっ?」
名前を呼ばれたのと同時に手を引かれた。
そして――。
気がついたらソファの上に押し倒されていた。
またこのパターン!?
「ちょっと!待って。今、仕事ちゅ……」
私の言葉は彼の唇によって塞がれる。
「んっ……」
こんなところで何をしているんだろう。
唇が離れたタイミングで
「ねぇ!もし見られたら……」
そう伝えるも
「俺がそんなミスすると思う?オートロックだし、カギは俺と亜蘭しか持っていない。今は休憩中」
「休憩中って。ちょっと!」
上に乗っている彼を押し退けようとするも、力では敵わない。
「んっ……」
再び唇と唇が触れた。
こんなところで、何してるんだろう。
どうしよう、不思議と嫌じゃない。
私が彼に慣れたから?
唇が離れ、上に居る彼と視線が合う。
「あー。疲れた。ちょっと本気で休憩」
彼は覆いかぶさるように私に体重を預けた。
加賀宮さんは少し首を傾けた。
そんな動作も加賀宮さんの素を知らなかったら<素敵!>だと思ってしまいそう。
「いえ。ありません。ありがとうございます」
「では、これからベガへ移動をして……」
あっ。一応、現場に行く前に見せた方が良いよね。
私はバッグの中から自分なりにまとめた資料を取り出し、提示した。
「加賀宮社長、御社のホームページなどを拝見させていただき、メニューについてはいくつか考えてきたものがあります。使用する食材、カロリー計算、作業工程など簡単にはなってしまいますが、まとめてきました。申し訳ございません。私、パソコンが苦手で。全て手書きになってお見苦しい点もあるのですが……」
そう伝えたが、パソコンが苦手なわけではない。
自宅には私が使って良いパソコンやタブレットがない。
孝介に買ってほしいとも言えなかった。
漫画喫茶とか、考えたけど、孝介が工面してくれるわけなかった。
相談したけど
<お前、調子に乗るなよ。メニューができたら、はい、さよなら。の一回だけの依頼だろ。九条グループと親密になりたいから、加賀宮さんもお前なんか雇ってくれたわけで。もしそういうの使いたいなら、加賀宮さんに頼めよ。無駄な出費になるだけだし、俺は出さないよ>
予想はしていたが、私の頼みを聞いてくれるわけなかった。
加賀宮さんはメガネの奥で一瞬、目を見開いた。
<加賀宮社長>などと呼んだからだろうか。
私も呼んでみて、なんか気持ち悪かったけど、馴れ馴れしくするのも間違っている気がする。あくまでこれはビジネスだ。
しかしすぐにパッと彼は微笑み
「ありがとうございます。ぜひ、拝見させていただきます」
私が提示したノートに目を通してくれている。
心の中の本音は、どう思ってるんだろう。
「素晴らしいですね。事前にここまで調べてくださり、ありがとうございます。こちらのノート、一旦お預かりして、データを取っても良いですか?共有したいので」
「はい。もちろんです」
そうだよね、データだったら印刷とか簡単にできるのに。
誰かの雑務、増やしちゃったかな。
その後、実際にベガへ移動して、店内の説明を受けることになった。
「九条さんは、私と一緒の車で移動をします。平野リーダーと藤田リーダーは、先にベガへ向かってください」
私は加賀宮さんと一緒の車なんだ。
「はい、わかりました」
失礼しますと、二人は部屋から出て行った。
私と加賀宮さん、亜蘭さんと三人だけの空間になる。
亜蘭さんは二人を見送り、私たちが居る部屋のカギをかけた。
それを確認した加賀宮さんは――。
ネクタイを緩め
「亜蘭。休憩した後、美月は俺がベガに連れて行くから」
私にとってはいつもの加賀宮さんに戻った。
「はい。わかりました。休憩は、ほどほどにしてくださいね?」
休憩って……。
なんか嫌な予感がする。
言われるがまま、亜蘭さんと別れ、加賀宮さんのあとをついて行く。
「あのっ、休憩って……」
「とりあえず、社長室に行くから」
しばらく歩き、とある一室の前で、加賀宮さんがカードキーをかざした。
彼に続き、一歩入る。
プライベートオフィスと同じ雰囲気だった。
大きなデスクにソファがあり、とてもシンプル。
「美月」
「えっ?」
名前を呼ばれたのと同時に手を引かれた。
そして――。
気がついたらソファの上に押し倒されていた。
またこのパターン!?
「ちょっと!待って。今、仕事ちゅ……」
私の言葉は彼の唇によって塞がれる。
「んっ……」
こんなところで何をしているんだろう。
唇が離れたタイミングで
「ねぇ!もし見られたら……」
そう伝えるも
「俺がそんなミスすると思う?オートロックだし、カギは俺と亜蘭しか持っていない。今は休憩中」
「休憩中って。ちょっと!」
上に乗っている彼を押し退けようとするも、力では敵わない。
「んっ……」
再び唇と唇が触れた。
こんなところで、何してるんだろう。
どうしよう、不思議と嫌じゃない。
私が彼に慣れたから?
唇が離れ、上に居る彼と視線が合う。
「あー。疲れた。ちょっと本気で休憩」
彼は覆いかぶさるように私に体重を預けた。
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