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しおりを挟む「え?こんな形でクラス発表するの?もっとなんか大きい紙を壁に貼ってそれを見るドキドキとかは無く?」
「どんだけクラス発表に夢見てんの?あっ、涼の名前書いてある。」
いやなんで自分の名前より俺の名前を先に見つけるんだ。アホなのか。
「どこ?3組!って光生の名前もある!」
「本当だ。じゃあ同じクラスだ。」
「へへっ、なんか嬉しいね!高校で初めて出来た友達と同じクラスなんて!」
さっきからいっぱい話しかけてくれる光生と同じクラスならなんの心配もない。
「うん、だからね、涼くん。そんな顔でかわいいこと言わないの。」
「いや、だからね、光生くん。俺男だしかわいくないからね。」
光生の言い方を真似すればまたご機嫌に笑っている。
「ふふっ、本当涼は俺のツボついてくるね。」
「ん?ツボ?なんか背中でも凝ってるの?」
急になんの話をされたのかいまいちよくわからない。
「……は?」
「え?違った?」
どうやら話が噛み合ってないらしい。それからすぐにまた光生は笑いだした。
話をしているうちにいつのまにか入学式は終わり教室に移動になった。そしてなぜか光生が俺の後ろの席に座っているんだけどよく考えたら苗字が近かったことに気づく。
「ねぇねぇ、やったね。席前後じゃん。」
いやそれはさっきも聞いた。それよりこんな静まり返った教室で平気で話しかけることができることに驚く。
「よーし、みんな席に着いてるわね!そろそろHR始めるわよ~!」
ようやく先生が教室に来たと思えばなんかどこかで見たことある顔だ。
「あっ!さっきイス持ってきてくれた先生だ!」
「そうだっけ?」
「いや光生と話してたじゃん!」
「ん~、忘れた。」
なんでそんなにすぐ忘れるんだ。光生は興味なさそうにあくびをしている。
「ねぇ、涼ちゃんこれ終わったら一緒に帰ろうよ。」
「え?俺と?ていうかなんでちゃん付け?」
「なんか用事とかあった?」
「あっ、いや、別にないんだけど、、」
「けど?」
帰るのは全然いいんだけど気になっていることがある。
「いや、なんかさっきから女の子達が光生と話したそうにしてるのにいいのかなぁーって、、」
「え?してないしてない。じゃあ決定ね。」
絶対してるのに強引に話を終わらされてしまった。
「う、うん。あのさ、光生って自分がイケメンって自覚ある?」
「ん~、まぁ言われすぎてあるね。」
「やっぱり!!」
これだけ顔が整ってるんだから当たり前か。
「はーい、そこ静かに!」
やばい、まだHRしてるんだった。話に夢中でつい忘れていた。
「みんな早く帰りたいだろうから簡単に自己紹介するわね!今日から一年間担任を務める八坂 翔子と言います!よろしくね!今日はプリント配り終わったら下校になるから明日から元気に登校するように!」
それからすぐにHRは終わった。こんなに早く帰れるなんて嬉しすぎる。
「はぁー、終わった。さて帰りますか。」
なんて言いながら光生は女の子達の熱視線を特に気にせずに帰る準備をしている。きっと見られることなんて日常茶飯事すぎて慣れてしまったのだろう。
「ほら、涼も早く帰る準備してよ。」
「そんな焦らさないでよ!てかなんでそんなに早く帰りたがるの?」
「ん~?早く涼ちゃんとお話ししながら帰りたいから。」
ほらまたニコニコ笑いながらそんなことを言うからさっきから謎にすごいドキドキしてしまう。
「あれ?もしかして照れちゃった?」
そんな俺に気づいた光生は楽しそうにからかってくる。
「て、照れてない!」
「ふふっ、かっわいいね涼ちゃん。」
「だから!!かわいくないって!!」
もう手の施しようがないくらい光生の思考回路はおかしいみたいだ。
「そこらへんの女の子より涼のほうがかわいいよ。」
「はいはい、そうやっていろんな女の子落としてるんでしょ。」
「あ、ふてくされてる。かわい。」
もうだめだ。何を言ってもかわいいしか言わない光生にお手上げだ。
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