スタートライン

もちだ すしの

文字の大きさ
54 / 240

54 光生side

しおりを挟む




てっきり勝手に押し倒した俺にいつもみたいに恥ずかしそうに怒ると思っていたのに涼はじっと俺の顔を見つめている。

「そんなに見られたら照れちゃうんですけど。」

こんな簡単に押し倒されて怒るどころか俺に心開いてますみたいな状況はやばい。
このままじゃ絶対に好き放題してしまう。さっき涼が俺にキスしてくれたみたいにその何倍も俺から涼にキスをしたい。でも途中でやめてと言われてもやめられる自信はないしもし嫌われたとしたら俺は生きていけない。

必死に自分をなだめ、ちゅっと1回キスをして涼の横にゴロンと寝転がった。

「………光生のうそつき。」

突然声がして顔を向けると涼はこっちを向いていてなぜか口を尖らせて拗ねていた。

「え?なんで怒ってんの?」

「別に怒ってないし、もういーもん!」

いや明らかに怒ってるじゃん。俺なんかしたっけ?プイッと逆の方を向いてしまった涼を見ながら必死に考える。さっきまで俺が怒ってたのになんで次は涼が怒ってるんだ?てか俺のこと嘘つきって言った?

「りょーう。こっち向いてよ。」

逆方向を向いてしまった涼に近づき後ろから抱きしめる。

「……やだ。」

「えー、このままじゃ俺すっごい悲しい。なんで怒ってんの。」

俺が泣き真似をしながら聞くと優しい涼は答えてくれる。

「……この前電話した時、光生が言ったのに。」

「俺が?なに言ったっけ?」

電話の時といえば涼が1人でしていてかわいかった記憶しかない。

「…………テスト終わったらいっぱいちゅーするって光生が言ったのに!」

え、なにそのかわいすぎる発言。俺の手をギュッと握り向き直してくれた涼はまだ拗ねた顔をしていて小さな声でまた話しだした。

「いま1回しかしてくれなかった……」

怒った理由がそんなにかわいいなんて思っていなかった俺は勢いよくギュッと涼を抱きしめた。

「ん、ごめんね。テスト終わったらいっぱいキスするのも俺の家に泊まりに来る約束も覚えてるよ。」

「じゃあなんでしてくれなっ……んぅっ!」

俺は涼に覆い被さりキスをした。

「涼のことが大好きでかわいすぎて大切だからに決まってるじゃん。」

「……光生、、」

「でももう無理。涼がやめてって言っても俺の気が済むまでするから。」

顔を近づけて話すと涼はいつもみたいに頬を赤く染め目を逸らした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

処理中です...