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しおりを挟む「っん………はっ……んぅっっ……」
俺に覆い被さった光生は何度も何度も角度を変えてキスをしてくれる。
慣れていない俺は息をするタイミングがわからずどうしようと思った瞬間、唇を離され光生はふふっと笑った。
「ちょっと休憩しよっか。」
きっと俺が息をうまく吸えていないことに気づいて休憩しよなんて言ってくれたんだと思う。いつもならそんな俺の事を楽しそうにからかうくせになぜか今日はすごく優しくてそのさりげない優しさにときめいてしまう。
息を整えている間、俺の首元に顔を埋め軽くちゅっちゅっと何回も嬉しそうにキスをしてくる。光生の吐息や柔らかい髪の毛が当たりくすぐったいのにすごく気持ちが良い。
「……あっ!……んぅっ………光生っ…」
「ん~?」
光生は緩い返事をするけどやめる気配はない。
「ぁんっ……くすぐったいっ…」
「ふふっ、かわい。」
光生の頭を撫でるように髪の毛に触れてみると俺の首元に顔を当て深く深呼吸をした。
「涼、いい匂いする。大好き。」
いつもより甘い雰囲気にこのままではどうにかなりそうだ。
「俺も光生の匂い大好き。」
「ふふっ、ありがと。」
少し横を向いて俺の首元から離れない光生の顔に近づけばいつもの匂いがしてきてホッとする。しばらくして顔を離されると次は頬にキスをして俺の顔を見ながらニコッと微笑んだ。
「涼のほっぺたすべすべで気持ちいい。」
ちょっとまって。違う場所にキスするたびに感想を言われるとどんどん恥ずかしくなってくる。
「もう!言わなくていいから!聞いてる俺が恥ずかしいって!」
「だめ。俺がどれだけ涼のこと大好きか聞いてて。」
「やだ!聞かない!」
「あっそ。じゃあ1番よく聞こえるところにキスしよっと。」
光生は突然俺の耳に触れるか触れないかギリギリのところでそう囁いた。
「ふぁっ……!まって……っ…光生!」
「待たない。」
「あっ……んんっ!……ぁんっ…」
わざと耳に息をかけるようにキスをされもう片方の耳は優しく撫でられ俺はどんどん情けない声を出してしまう。光生の温かい吐息がかかるたびに体はビクッと反応する。
「涼の耳、感じやすくてかわい。」
「っもう!!わかったから!そこはだめ!!」
「やだ。まだ足りない。」
今度はちゅっちゅっとリップ音をわざと鳴らして何回もキスをしていてきっと俺の反応を楽しんでいるに違いない。
「…ぁあっ!…んっ……ちょっと…こうっ…!」
恥ずかしさがピークに達し光生を引き離そうとするけど俺の力では全く動かない。
「光生っ…!……ちょっと顔こっち!」
光生の背中をすりすりと必死にさすればやっと顔を上げてくれたのも束の間すぐに顔が近づいてきてまた唇が触れ合う。
「なに?口にしてほしかったの?」
いじわるな顔をして聞く姿は楽しそうでそんな光生がかわいく見えてしまう。
「光生がしたかったくせに。」
いつものお返しと言わんばかりに言い返したつもりなのに光生は幸せそうに笑った。
「よくわかってるじゃん。」
そして光生は器用に俺の舌を絡ませてさっきよりも深いキスをしてきた。
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