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2章
06 鉄道2
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「作るって?」
オリバーの問いにアレクが答える。
「うちは先代が隠居してから出版部門は開店休業だったけれど、ハナの言うような本を作れるかもしれない」
「ちょっと、そんな大事に?!」
誰より私が慌てた。折角私の意見を汲もうとしてくれた人に私が否定するようなことはいけないけど、思わず口を衝いてしまった。
「例えば、初めは情報量も価格も抑えたパンフレット程度のものを作って様子を見る。いい傾向なら、ページ数を増やしたものを作る。
ーーオリバーはどう思う?」
「うーん……僕なら欲しい……けど他の客はどうだろ」
現代日本だとパンフレットは無料使い捨てだが、こちらでは貸し出しや販売もありだろう。
この時代は新聞すら貸し出しがあって、貴族が使用人に借りに行かせたりすることもあった。
「いいものなら、それなりの部数買い取り前提で刷ってもらって、僕の部署がやってる駅前ホテルのエントランスで販売してもいいんじゃないかって位興味あるけど、今この場で僕の一存では決められない。
そもそも、その異国の本がどんなものかも僕は知らないから判断材料に乏しい」
「じゃ、企画書を作りましょうか……?」
恐る恐る手を挙げて言うと、二人の視線が集まった。視線が刺さりそうに強くて怖い。
「出版って大きなお金がかかるし、概要をまず認識共有してから判断した方がいいですよね?
私の企画案は1、2日貰えれば作ります。で、アレクの意見聞いて修正して、更にオリバーと相談して、作成の是非を判断する……という流れでどうでしょう?」
「……ハナ、今までどこで働いていたんですか」
オリバーが問う。何故突然。
「……私の故郷の国の会社で、こちらでは全く無名です。何故ですか」
「企画書って発想からして、うちでもそれなりに上の人間しか思い付かないよ。まして自分でサラッと作ると言うとか、骨子を固める手順の提示とか。
ハナは実は大実業家や貴族の流れを汲んでて、この国に逃げてきたのには理由が……」
「全くの平民です。単に、たまたまそういう仕事もしていただけで。隠されたドラマはありません」
オリバーが目をキラキラさせて大衆小説の世界に行きそうだったのでバッサリ切る。いや、異世界トリップは大衆小説の最たるものか。でも方向性が違うよね。
「じゃ、また来るね」
かららん、とドアベルを鳴らしてオリバーは店を出て行った。
ふぅ、と肩の力を抜く。突然大きな仕事になってしまった。
「お疲れ様ですハナ」
「参加させてくれてありがとう、アレク」
勿論、この打ち合わせはアレクだけの方が無難で楽だったのだ。参加させてくれたのは、私を職業訓練する店主の視点があった筈。ありがたい。……しかし。
「アレクが面白がってけしかけてきて、そうきたか!ってびびりました」
わざとらしく恨めしげな顔をしてみせる。言葉ほど怒ってはいないけどちょっと一言言わせてというニュアンス込めて。
「いや、今までのハナを見ていて、絶対面白いこと思い付いてるだろうって期待しました。そしたら案の定というか。発想力の豊かさとか、旅行者視点とか、本当にハナらしいいいとこ出たんじゃないかと思います」
「ハードル上げないで…」
「何故?ハナは自分を過小評価していますが、着眼点や発想の広さも、それを現実に結びつけて自分の意見として組み立てる力も高いんですから。それを表に出していくのは、店にとってもハナの実績(キャリア)としてもプラスでしょう。
ハナが自信をもって自分を出していけるよう、俺もサポートしますから」
そう、本当は分かっている。アレクは、私が自分を活かし伸ばせるよう手を貸してくれたのだ。
日本社会にいる間は女性は控えめがいいとか劣ってると子供の頃から有形無形に叩かれ続けたからなぁ。私以外の女性も自覚の有無に関わらず、自信をなくして萎縮してる人が多かった。『DV被害者の無力感』みたいな状態。
急に抑圧がなくなってもすぐ変われるものではないけれど、理解してくれる人がいると萎縮した心が少しずつ解放されていく感じがする。
アレク自身が虐待児だった人だから、寄り添うのが上手いのかもしれない。
叩かれ続けて自己評価が低くなったしまった心や、それを解放していく過程を身をもって知っているのかも。
ありがたいなぁ。アレクは私を評価して支えようとしてくれてる。卑屈でーー自分を貶めて安心するために『アレクが評価するモノ』を否定しては失礼だ。自分の力が及ぶ限り応えよう。
ーーよし、目標できた。元気でた。
ついでに、アレクの素がだんだんでてきてるような気さくな振るまいも何だか嬉しかったので、前から気になってたことを言う。
「あの、敬語使わないで砕けて話してください。雇い主ですし」
「雇うといっても便宜上です。年上で恩人のハナが敬語なのに俺が崩せませんよ」
「じゃあ……私も崩すから。これでいいアレク?」
「考えときます」
ニヤリと笑って敬語を通すアレクに、やられた!と思う。
憮然とした顔をする私に、まだ笑みを残したままの顔でアレクが言う。
「すみません調子にのって。ハナが砕けてくれた感じなので嬉しくてつい」
あ。アレクもそう思ってたんだ。
ぐぬぅ。本当に嬉しそうな笑顔で言うので憎めない。
居候で何から何までお世話になってるから凄く遠慮があったのだけど、アレクも望んでくれてるし、これから砕けた感じにしようかな。そしたらアレクも追々砕けるかも知れない。
「そうだアレク、鉄道の貸本のことで前から聞きたかったんだけど」
「何ですか」
「この駅と契約してる貸本屋はうちだけど、他の駅は別の貸本屋でしょう?客の側としては、この駅で借りた本を別の駅で返せたら楽だと思う。他の駅の貸本屋とネットワーク組むことはしないの?」
……これは下手すると契約見直しでうちの店が弾き出されてしまうかもしれない薮蛇な話題だから、オリバーのいる時には話さなかった。
「考えたことはあったんですが。1、2駅ならともかく駅が多すぎて企画段階で諦めました。どの本がどの駅に貯まってしまうとか、管理しきれないので。
鉄道会社に連携してもらって大掛かりなネットワークを組むなら、鉄道会社側としては大手貸本屋一社と一本の契約をした方が楽だから多分うちとの契約は切れる。でも鉄道会社もそこまで体制整備する程貸本に力を入れていなくて今の状態です」
成程。少なくとも現時点、そこまで話を広げられないんだな。3駅隣の保養地とやらとだけでも貸本行き来できればと思ったけど、芋づる式にややこしいことになりそうだ。……支店とか系列店になればできるかな?いやいや、初っ端から皮算用はやめよう。
「じゃ、企画書作ってくるね」
「お願いします」
店番するアレクを残し自分の3階の部屋に上がる途中、通りかかった台所でふと思い付いて、お湯を沸かしハーブティーを淹れる。
自分で淹れる記念すべき一回目。
お湯を沸かすだけと侮るなかれ。密閉式レンジの扱いにびびっていたけど、ここまではできるようになったのだ。
店番で席を離れられないアレクに一杯渡す。
「勝手に台所漁ってごめんなさい。自分が飲みたかったんで。いつも淹れてもらってばかりだし」
アレクは目を見開き、そして薫りを含む湯気に目を細めた。
「…人にお茶を淹れてもらうのは久しぶりです。ありがとう」
「先代がいた頃はアレクが?」
「いや、ここ一年は一人暮らして自分で淹れて飲んでたというだけで。
先代がいた頃は、お茶は飲みたい人が自分で飲んで、たまについでに相手にも淹れるから半々位でしょうか。喧嘩すると相手の苦手なハーブで淹れたり」
なかなか高度で温かな嫌がらせ技だ。
「よし、じゃ今度アレクの好きなハーブと嫌いなハーブ教えて」
「ハナも教えてください。どちらも心を込めて淹れて差しあげましょう」
「どちらも!怖!」
二人でひとしきり笑った。
自分の分を持って部屋に上がって行き、一口飲む。アレクの淹れるお茶にはまだまだ敵わない。
けれど、できることが一つ一つ増えていくと自分の足場がしっかりし、安心感や自信に繋がる。
「さあ、やるか」
ノートをめくりシャーペンを握った。
オリバーの問いにアレクが答える。
「うちは先代が隠居してから出版部門は開店休業だったけれど、ハナの言うような本を作れるかもしれない」
「ちょっと、そんな大事に?!」
誰より私が慌てた。折角私の意見を汲もうとしてくれた人に私が否定するようなことはいけないけど、思わず口を衝いてしまった。
「例えば、初めは情報量も価格も抑えたパンフレット程度のものを作って様子を見る。いい傾向なら、ページ数を増やしたものを作る。
ーーオリバーはどう思う?」
「うーん……僕なら欲しい……けど他の客はどうだろ」
現代日本だとパンフレットは無料使い捨てだが、こちらでは貸し出しや販売もありだろう。
この時代は新聞すら貸し出しがあって、貴族が使用人に借りに行かせたりすることもあった。
「いいものなら、それなりの部数買い取り前提で刷ってもらって、僕の部署がやってる駅前ホテルのエントランスで販売してもいいんじゃないかって位興味あるけど、今この場で僕の一存では決められない。
そもそも、その異国の本がどんなものかも僕は知らないから判断材料に乏しい」
「じゃ、企画書を作りましょうか……?」
恐る恐る手を挙げて言うと、二人の視線が集まった。視線が刺さりそうに強くて怖い。
「出版って大きなお金がかかるし、概要をまず認識共有してから判断した方がいいですよね?
私の企画案は1、2日貰えれば作ります。で、アレクの意見聞いて修正して、更にオリバーと相談して、作成の是非を判断する……という流れでどうでしょう?」
「……ハナ、今までどこで働いていたんですか」
オリバーが問う。何故突然。
「……私の故郷の国の会社で、こちらでは全く無名です。何故ですか」
「企画書って発想からして、うちでもそれなりに上の人間しか思い付かないよ。まして自分でサラッと作ると言うとか、骨子を固める手順の提示とか。
ハナは実は大実業家や貴族の流れを汲んでて、この国に逃げてきたのには理由が……」
「全くの平民です。単に、たまたまそういう仕事もしていただけで。隠されたドラマはありません」
オリバーが目をキラキラさせて大衆小説の世界に行きそうだったのでバッサリ切る。いや、異世界トリップは大衆小説の最たるものか。でも方向性が違うよね。
「じゃ、また来るね」
かららん、とドアベルを鳴らしてオリバーは店を出て行った。
ふぅ、と肩の力を抜く。突然大きな仕事になってしまった。
「お疲れ様ですハナ」
「参加させてくれてありがとう、アレク」
勿論、この打ち合わせはアレクだけの方が無難で楽だったのだ。参加させてくれたのは、私を職業訓練する店主の視点があった筈。ありがたい。……しかし。
「アレクが面白がってけしかけてきて、そうきたか!ってびびりました」
わざとらしく恨めしげな顔をしてみせる。言葉ほど怒ってはいないけどちょっと一言言わせてというニュアンス込めて。
「いや、今までのハナを見ていて、絶対面白いこと思い付いてるだろうって期待しました。そしたら案の定というか。発想力の豊かさとか、旅行者視点とか、本当にハナらしいいいとこ出たんじゃないかと思います」
「ハードル上げないで…」
「何故?ハナは自分を過小評価していますが、着眼点や発想の広さも、それを現実に結びつけて自分の意見として組み立てる力も高いんですから。それを表に出していくのは、店にとってもハナの実績(キャリア)としてもプラスでしょう。
ハナが自信をもって自分を出していけるよう、俺もサポートしますから」
そう、本当は分かっている。アレクは、私が自分を活かし伸ばせるよう手を貸してくれたのだ。
日本社会にいる間は女性は控えめがいいとか劣ってると子供の頃から有形無形に叩かれ続けたからなぁ。私以外の女性も自覚の有無に関わらず、自信をなくして萎縮してる人が多かった。『DV被害者の無力感』みたいな状態。
急に抑圧がなくなってもすぐ変われるものではないけれど、理解してくれる人がいると萎縮した心が少しずつ解放されていく感じがする。
アレク自身が虐待児だった人だから、寄り添うのが上手いのかもしれない。
叩かれ続けて自己評価が低くなったしまった心や、それを解放していく過程を身をもって知っているのかも。
ありがたいなぁ。アレクは私を評価して支えようとしてくれてる。卑屈でーー自分を貶めて安心するために『アレクが評価するモノ』を否定しては失礼だ。自分の力が及ぶ限り応えよう。
ーーよし、目標できた。元気でた。
ついでに、アレクの素がだんだんでてきてるような気さくな振るまいも何だか嬉しかったので、前から気になってたことを言う。
「あの、敬語使わないで砕けて話してください。雇い主ですし」
「雇うといっても便宜上です。年上で恩人のハナが敬語なのに俺が崩せませんよ」
「じゃあ……私も崩すから。これでいいアレク?」
「考えときます」
ニヤリと笑って敬語を通すアレクに、やられた!と思う。
憮然とした顔をする私に、まだ笑みを残したままの顔でアレクが言う。
「すみません調子にのって。ハナが砕けてくれた感じなので嬉しくてつい」
あ。アレクもそう思ってたんだ。
ぐぬぅ。本当に嬉しそうな笑顔で言うので憎めない。
居候で何から何までお世話になってるから凄く遠慮があったのだけど、アレクも望んでくれてるし、これから砕けた感じにしようかな。そしたらアレクも追々砕けるかも知れない。
「そうだアレク、鉄道の貸本のことで前から聞きたかったんだけど」
「何ですか」
「この駅と契約してる貸本屋はうちだけど、他の駅は別の貸本屋でしょう?客の側としては、この駅で借りた本を別の駅で返せたら楽だと思う。他の駅の貸本屋とネットワーク組むことはしないの?」
……これは下手すると契約見直しでうちの店が弾き出されてしまうかもしれない薮蛇な話題だから、オリバーのいる時には話さなかった。
「考えたことはあったんですが。1、2駅ならともかく駅が多すぎて企画段階で諦めました。どの本がどの駅に貯まってしまうとか、管理しきれないので。
鉄道会社に連携してもらって大掛かりなネットワークを組むなら、鉄道会社側としては大手貸本屋一社と一本の契約をした方が楽だから多分うちとの契約は切れる。でも鉄道会社もそこまで体制整備する程貸本に力を入れていなくて今の状態です」
成程。少なくとも現時点、そこまで話を広げられないんだな。3駅隣の保養地とやらとだけでも貸本行き来できればと思ったけど、芋づる式にややこしいことになりそうだ。……支店とか系列店になればできるかな?いやいや、初っ端から皮算用はやめよう。
「じゃ、企画書作ってくるね」
「お願いします」
店番するアレクを残し自分の3階の部屋に上がる途中、通りかかった台所でふと思い付いて、お湯を沸かしハーブティーを淹れる。
自分で淹れる記念すべき一回目。
お湯を沸かすだけと侮るなかれ。密閉式レンジの扱いにびびっていたけど、ここまではできるようになったのだ。
店番で席を離れられないアレクに一杯渡す。
「勝手に台所漁ってごめんなさい。自分が飲みたかったんで。いつも淹れてもらってばかりだし」
アレクは目を見開き、そして薫りを含む湯気に目を細めた。
「…人にお茶を淹れてもらうのは久しぶりです。ありがとう」
「先代がいた頃はアレクが?」
「いや、ここ一年は一人暮らして自分で淹れて飲んでたというだけで。
先代がいた頃は、お茶は飲みたい人が自分で飲んで、たまについでに相手にも淹れるから半々位でしょうか。喧嘩すると相手の苦手なハーブで淹れたり」
なかなか高度で温かな嫌がらせ技だ。
「よし、じゃ今度アレクの好きなハーブと嫌いなハーブ教えて」
「ハナも教えてください。どちらも心を込めて淹れて差しあげましょう」
「どちらも!怖!」
二人でひとしきり笑った。
自分の分を持って部屋に上がって行き、一口飲む。アレクの淹れるお茶にはまだまだ敵わない。
けれど、できることが一つ一つ増えていくと自分の足場がしっかりし、安心感や自信に繋がる。
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