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2章
13 女子トーク
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「ハナ、ひょっとして不器用?」
「その通りでございます……」
栗色の豊かな髪を結い上げた凛とした雰囲気の30代半ばの女性、リサは芝居がかったため息をついて見せた。
ここは古着屋の奥の部屋。綻びた古着を繕ったりする作業部屋だ。
リサはこの間私のブラを買って、類似製品を研究開発中だ。今度出入りのお針子さんが試作品を持ってくるので見に来ないかと言われ、私も女性の意見を聞きたいことがある、と本日の会合と相成った。
まだ相手のお針子さんが来ないので繕い物の仕方を習っている。しかしリサの目には適わなかったようだ。
習っているのは、ダーニングという、古くからヨーロッパで使われた穴や擦りきれの繕い方法だ。
穴の一回り大きい位置に針を差して穴を覆うように縦糸を張り、同様に横糸を張るが、その際機織りのように縦糸の上下を交互に潜らせる。こうして縫い糸を織ってできた『布』が穴に被った状態になって完成。特にニットのほつれを毛糸でこうして繕うと模様としても可愛い。
……私がやると歪で微妙だが。練習用の端切れでよかった。
「女の子は子供の頃裁縫を習わなかった?」
「私のいた国は男女とも学校で習いましたが、繕いは穴を塞げばいい程度で、こんな綺麗に仕上げる方法は習わなかったんです」
特殊縫いのミシンとか貼るだけでリペアできるパッチがあったので、こうした手法をとることを考えたことがなかったという面もある。
「へー。色々な国があるのねぇ」
リサは私の血染めの端切れをしみじみ見た。
「でもこの国だと、女は裁縫ができないと結婚できないわよ」
「結婚はしてもしなくても。仕事は持たないと生きていけないので渇望しますが」
「あれ?貸本屋の店主とはまだ結婚してないの?」
「はぁ?!」
当たり前のように言われていて衝撃が走る。針を持ったままなら、指に刺して端切れに血痕を増やしていただろう。
「アレクとはそういう関係ではありません!アレクに失礼ですよ」
慌てて対外的な設定を話す。
先代が隠居先で求職中の異国女性に会い、弟子に職と住む家を手配させた……という奴だ。
「はぁ……あの先代ならそういうこともあるのかしらねぇ」
先代のキャラ立ちは偉大だ。本当にこれで皆さん何となく納得してくれる。心の中で先代に手を合わせる。
「初めてこの店に来た時はハナの服をアレクが買ってたし、次に来た時は貸本屋に住むことになったって言うし、てっきりそういうことかと」
「恐れ多い。あんな有能で若いイケメンに」
リサは首を傾げた。
「ハナも有能で若い綺麗な女性じゃない」
「ははは」
気を遣わせてしまったようだ。そんな寒いことを言わせてしまって申し訳ない。
「そうだ、リサを女と見込んで訊きたいことがあるんですが」
「何、何?」
リサが身を乗り出す。
「この国では、共同生活している家に男性がいる場合、共同の洗濯場に女物の下着を干すのはアリですか?」
「ナシです。女と見込んでってそっち?!」
「私、女子トークできる人が貴重なんです……。次。女性はズボンで外を歩いてはいけないそうですが、家の中ではアリですか?例えば床掃除する時とか」
「ナシです。というか普通女性はズボンを持っていません。炭鉱婦だと、炭鉱で石炭をトロッコに載せて狭い坑道通って運び出すから、ズボンの上にたくしあげたスカートを重ね履きしているのが一つのスタイルとして確立してるけど」
「成程!じゃ炭鉱婦スタイルで」
「待って。一般的じゃないから!家の中とはいえ、出くわすかもしれないアレクにはアリか聞きなさい。アレクはハナが異国の習慣を持つ人と理解しているから、妥協点を考えてくれるかも」
「了解です。次。風呂場が1階で寝室が3階なんですが、風呂上がりに妥当な服装は何ですか」
「自分の寝室以外は公道と同じと考えなさい」
「厳しい!」
西洋式のホテルみたいに考えるのか。浴衣で館内ふらふらはできないのね。
「ハナはそんなに頻繁にお風呂に入るの?立ち洗いはしないの?」
「立ち洗いが基本ですが、大変風呂に情熱を傾ける民族でして……」目を逸らす。
『立ち洗い』は体を清潔に保つためのこの国……というかこの時代の一般的な方法だ。
人は朝起きると昨晩のうちに寝室に持っていておいた水差しの水を洗面器に入れ、布を浸して絞り、立ったまま体を拭く。水が貴重な土地柄で合理的な方法だ。そうすると身だしなみが整ってから寝室の外(大袈裟に言えば公道)へ出ることができる。
細菌が繁殖しやすい高温多湿な日本とも状況が違うだろう。日本は「水に流す」という言葉があるように、水に浄化作用を期待する感覚が強いということもあるかもしれない。
この国では清潔にする方法は立ち洗い、風呂は健康療法の色彩が強い。
シャワーも古代のものはさておき近代的なものは健康療法として開発されたもので現代のものと少々違う。そもそも庶民の家には給湯管どころか水道管も十分普及していないので、シャワーは風呂より設置が難しい。
日本では私は風呂は夜に入る派で清潔とリラックスを担うものだったが、こちらは感覚が大分違う。今は私は夜に立ち洗いをしている。夜汚れを落としてから眠りたいのと、夜ならレンジの余熱でぬるま湯が手に入るからだ。朝だとレンジに火を入れてないので冷水しかない。
「皆さんの公共井戸の水や燃料を無駄遣いする訳にはいかないので、お風呂は毎日入る訳じゃないんですが……この国の人よりは多く入ってます」
井戸の水を汲んで湯沸かし釜(コッパー)で沸かす。一回に沸かせる量がバケツ一杯分位なので、私はそれに水を足して適温にした位の量で入っている。
「毎日って……そんなにお風呂が好きな国があるのね。世界は広いわ……」
リサは額に手をやり首を振る。
リサにとっては「風呂」は「健康療法」のニュアンスが大きいのだろう。異文化交流では言葉の定義から違いがあることがあって難しい。
「まぁ、そんな異国からこの国へ来て手に職つけようっていうんだから、ハナのこと応援するわよ」
「いやいや、この店を一人で切り盛りしてるリサこそ凄いですよ」
「異国から来た人ほどじゃないわよ。それに古着屋は女店主が大半だから。普通よ」
そういえば私の世界の19世紀ヨーロッパもそうだった。針子は女性、経営者は男性という封建的な社会構造の中、庶民の衣類を担う古着屋は女性経営者が大半だった。
「うーん……でも私レベルじゃ店主とか到底務まらない。もっと凄い人がやるものだからなー」
「ハナ」
今までの砕けた口調と違う凛とした響きでリサが言う。
「私へのお世辞としても、自分を貶めるのはやめなさい。あなたと同じ立場の人を、自分と一緒に貶める暴力だから」
静かな瞳の強さに息を飲む。
「まして、あなたは私から見ると優秀で教育に恵まれた人に見える。そういう人が自分を貶めたら、あなたより優秀でなく恵まれない人が頑張ることを嘲笑して夢も希望も奪うことになる。
あなたより弱い立場の人のためにも、あなたを貶めてはいけないし、あなたが不当な扱いを受けることを肯定してはいけない」
リサは真摯に誠実に私を叱った。
私のために。私が無自覚に叩いてしまっているかもしれない人達のために。
「傲慢にならず謙虚な姿勢を忘れないことは人として大切だと思う。でも過剰に卑屈になることは、あなたと同じ立場やもっと弱い人も、あなたに価値を感じて大切に思っている人も、傷つけることになる。あなた自身の価値を信じて大切にしなさい」
「ありがとう、リサ。ごめん、気を付ける」
染み付いてるので今すぐ変われないかもしれないけど、気を付けるようにして変わっていこう。
元の世界の職場のオカン先輩にも昔似たようなこと言われたな、と思い出す。社会に不当に殴られてきた日本女性達は萎縮してそうなってしまっていることが多いから、叱るというより呪いから解放したいと思うよ、とも語っていた。リサもそう言いたいのかもしれない。
こういう人達と縁を持てて、私は幸運だ。
「こんにちわー」
「あ、来た」
リサが部屋を出ていく。
ブラの試作品を持ったお針子さんが来たようだ。私も立ち上がった。
「その通りでございます……」
栗色の豊かな髪を結い上げた凛とした雰囲気の30代半ばの女性、リサは芝居がかったため息をついて見せた。
ここは古着屋の奥の部屋。綻びた古着を繕ったりする作業部屋だ。
リサはこの間私のブラを買って、類似製品を研究開発中だ。今度出入りのお針子さんが試作品を持ってくるので見に来ないかと言われ、私も女性の意見を聞きたいことがある、と本日の会合と相成った。
まだ相手のお針子さんが来ないので繕い物の仕方を習っている。しかしリサの目には適わなかったようだ。
習っているのは、ダーニングという、古くからヨーロッパで使われた穴や擦りきれの繕い方法だ。
穴の一回り大きい位置に針を差して穴を覆うように縦糸を張り、同様に横糸を張るが、その際機織りのように縦糸の上下を交互に潜らせる。こうして縫い糸を織ってできた『布』が穴に被った状態になって完成。特にニットのほつれを毛糸でこうして繕うと模様としても可愛い。
……私がやると歪で微妙だが。練習用の端切れでよかった。
「女の子は子供の頃裁縫を習わなかった?」
「私のいた国は男女とも学校で習いましたが、繕いは穴を塞げばいい程度で、こんな綺麗に仕上げる方法は習わなかったんです」
特殊縫いのミシンとか貼るだけでリペアできるパッチがあったので、こうした手法をとることを考えたことがなかったという面もある。
「へー。色々な国があるのねぇ」
リサは私の血染めの端切れをしみじみ見た。
「でもこの国だと、女は裁縫ができないと結婚できないわよ」
「結婚はしてもしなくても。仕事は持たないと生きていけないので渇望しますが」
「あれ?貸本屋の店主とはまだ結婚してないの?」
「はぁ?!」
当たり前のように言われていて衝撃が走る。針を持ったままなら、指に刺して端切れに血痕を増やしていただろう。
「アレクとはそういう関係ではありません!アレクに失礼ですよ」
慌てて対外的な設定を話す。
先代が隠居先で求職中の異国女性に会い、弟子に職と住む家を手配させた……という奴だ。
「はぁ……あの先代ならそういうこともあるのかしらねぇ」
先代のキャラ立ちは偉大だ。本当にこれで皆さん何となく納得してくれる。心の中で先代に手を合わせる。
「初めてこの店に来た時はハナの服をアレクが買ってたし、次に来た時は貸本屋に住むことになったって言うし、てっきりそういうことかと」
「恐れ多い。あんな有能で若いイケメンに」
リサは首を傾げた。
「ハナも有能で若い綺麗な女性じゃない」
「ははは」
気を遣わせてしまったようだ。そんな寒いことを言わせてしまって申し訳ない。
「そうだ、リサを女と見込んで訊きたいことがあるんですが」
「何、何?」
リサが身を乗り出す。
「この国では、共同生活している家に男性がいる場合、共同の洗濯場に女物の下着を干すのはアリですか?」
「ナシです。女と見込んでってそっち?!」
「私、女子トークできる人が貴重なんです……。次。女性はズボンで外を歩いてはいけないそうですが、家の中ではアリですか?例えば床掃除する時とか」
「ナシです。というか普通女性はズボンを持っていません。炭鉱婦だと、炭鉱で石炭をトロッコに載せて狭い坑道通って運び出すから、ズボンの上にたくしあげたスカートを重ね履きしているのが一つのスタイルとして確立してるけど」
「成程!じゃ炭鉱婦スタイルで」
「待って。一般的じゃないから!家の中とはいえ、出くわすかもしれないアレクにはアリか聞きなさい。アレクはハナが異国の習慣を持つ人と理解しているから、妥協点を考えてくれるかも」
「了解です。次。風呂場が1階で寝室が3階なんですが、風呂上がりに妥当な服装は何ですか」
「自分の寝室以外は公道と同じと考えなさい」
「厳しい!」
西洋式のホテルみたいに考えるのか。浴衣で館内ふらふらはできないのね。
「ハナはそんなに頻繁にお風呂に入るの?立ち洗いはしないの?」
「立ち洗いが基本ですが、大変風呂に情熱を傾ける民族でして……」目を逸らす。
『立ち洗い』は体を清潔に保つためのこの国……というかこの時代の一般的な方法だ。
人は朝起きると昨晩のうちに寝室に持っていておいた水差しの水を洗面器に入れ、布を浸して絞り、立ったまま体を拭く。水が貴重な土地柄で合理的な方法だ。そうすると身だしなみが整ってから寝室の外(大袈裟に言えば公道)へ出ることができる。
細菌が繁殖しやすい高温多湿な日本とも状況が違うだろう。日本は「水に流す」という言葉があるように、水に浄化作用を期待する感覚が強いということもあるかもしれない。
この国では清潔にする方法は立ち洗い、風呂は健康療法の色彩が強い。
シャワーも古代のものはさておき近代的なものは健康療法として開発されたもので現代のものと少々違う。そもそも庶民の家には給湯管どころか水道管も十分普及していないので、シャワーは風呂より設置が難しい。
日本では私は風呂は夜に入る派で清潔とリラックスを担うものだったが、こちらは感覚が大分違う。今は私は夜に立ち洗いをしている。夜汚れを落としてから眠りたいのと、夜ならレンジの余熱でぬるま湯が手に入るからだ。朝だとレンジに火を入れてないので冷水しかない。
「皆さんの公共井戸の水や燃料を無駄遣いする訳にはいかないので、お風呂は毎日入る訳じゃないんですが……この国の人よりは多く入ってます」
井戸の水を汲んで湯沸かし釜(コッパー)で沸かす。一回に沸かせる量がバケツ一杯分位なので、私はそれに水を足して適温にした位の量で入っている。
「毎日って……そんなにお風呂が好きな国があるのね。世界は広いわ……」
リサは額に手をやり首を振る。
リサにとっては「風呂」は「健康療法」のニュアンスが大きいのだろう。異文化交流では言葉の定義から違いがあることがあって難しい。
「まぁ、そんな異国からこの国へ来て手に職つけようっていうんだから、ハナのこと応援するわよ」
「いやいや、この店を一人で切り盛りしてるリサこそ凄いですよ」
「異国から来た人ほどじゃないわよ。それに古着屋は女店主が大半だから。普通よ」
そういえば私の世界の19世紀ヨーロッパもそうだった。針子は女性、経営者は男性という封建的な社会構造の中、庶民の衣類を担う古着屋は女性経営者が大半だった。
「うーん……でも私レベルじゃ店主とか到底務まらない。もっと凄い人がやるものだからなー」
「ハナ」
今までの砕けた口調と違う凛とした響きでリサが言う。
「私へのお世辞としても、自分を貶めるのはやめなさい。あなたと同じ立場の人を、自分と一緒に貶める暴力だから」
静かな瞳の強さに息を飲む。
「まして、あなたは私から見ると優秀で教育に恵まれた人に見える。そういう人が自分を貶めたら、あなたより優秀でなく恵まれない人が頑張ることを嘲笑して夢も希望も奪うことになる。
あなたより弱い立場の人のためにも、あなたを貶めてはいけないし、あなたが不当な扱いを受けることを肯定してはいけない」
リサは真摯に誠実に私を叱った。
私のために。私が無自覚に叩いてしまっているかもしれない人達のために。
「傲慢にならず謙虚な姿勢を忘れないことは人として大切だと思う。でも過剰に卑屈になることは、あなたと同じ立場やもっと弱い人も、あなたに価値を感じて大切に思っている人も、傷つけることになる。あなた自身の価値を信じて大切にしなさい」
「ありがとう、リサ。ごめん、気を付ける」
染み付いてるので今すぐ変われないかもしれないけど、気を付けるようにして変わっていこう。
元の世界の職場のオカン先輩にも昔似たようなこと言われたな、と思い出す。社会に不当に殴られてきた日本女性達は萎縮してそうなってしまっていることが多いから、叱るというより呪いから解放したいと思うよ、とも語っていた。リサもそう言いたいのかもしれない。
こういう人達と縁を持てて、私は幸運だ。
「こんにちわー」
「あ、来た」
リサが部屋を出ていく。
ブラの試作品を持ったお針子さんが来たようだ。私も立ち上がった。
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