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2章
33 コサージュ
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早春の日差しが入るようになった、いつものダイニング兼リビングで、アレクと向き合って座る。こうして向き合って色々なことを話すのは、お互いすっかり馴染み深いものとなった。
アレクはテーブルの上に、片手で握り込める程の大きさの物を置いた。
オレンジからベージュの濃淡のグラデーションを散りばめたシフォンのような薄く柔らかな布を重ねて花の形にしたコサージュだった。髪止めやドレスのアクセントに使えそうな。
「この柄に見覚えありませんか」
アレクの言葉に首を傾げる。
「この布は、ハナのストールです。これが恐らく、『第4のアンカー』です」
私は瞠目した。
男爵が『アンカー』を探している話をした時、アレクはその場にいなかった。だから後からアレクにもその話をしたのだが……すっかり忘れていた。
コサージュの柄を見ると、確かにこんな布のストールをあちらの世界で持っていた気がする。でもこちらへ持ってきたバックパックには入っていなかった筈だ。
頭が付いていかなくて目を瞬かせた。
「ーー俺が子供の頃ハナの世界へ行った時、ハナは雨の中にいた俺を自分の家へ連れていって、自分が身に付けていたストールで濡れた俺の頭を拭いてくれました。そしてそれを俺に渡して奥へ引っ込んで、着替えやタオルを持ってきてくれた。あの時、ストールを返し損ねてしまったんです」
そうだ。アレクはマンションのエントランスの奥まで入るのを怖がったから、取り急ぎ私のコートを着せ掛け、ストールをタオル代わりに濡れた体を拭くよう伝えて、私だけ自分の部屋へ戻って色々とってきてエントランスと往復した。
着替えや食事、はては毛布まで持って往復したから、どれか回収し損ねてても不思議はない。
「こちらの世界へ戻った時着ていた、借りていた服は、警察に保護された後いつの間にか俺の手元にはありませんでした。
証拠品扱いで回収されたのか、単にこちらの世界の『普通』の服に替えてやろうと大人達が判断したのかは分かりません。
最終的には物理学者の見地から事件の調査に協力していたジャンの手に渡って、あの実験の『アンカー』に使われました」
アレクはテーブルの上のコサージュを見つめる。
「このストールだけは、俺がずっと手放さなかったので、施設へ入る時も持っていたんです」
しかし、施設は一つの部屋に沢山の子供が詰め込まれ、何もかもが共有で、個人の持ち物が厳密に分けられる環境でなかった。
ストールはあちこち染みができ、そのまま転売できるものではなかったが、施設運営資金集めのバザーで売り物にする小物を作る端切れとして使われてしまったという。
「その頃の俺の記憶は曖昧です。育った環境のため精神的に不安定だったし、色々なことがありすぎてーー。
施設の、食べ物も毛布も足りない貧しさの中、自分だけ綺麗なものを持っていられる状況ではないと考えて自ら差し出したのか、勝手に持っていかれてしまったのか、覚えていません。
ただ、ストールがいくつかの小物になってしまったのを見て、俺は壊れたように不安定になったそうです。
それで、施設の人がストールから作った小物の一つを持たせてくれました」
『ライナスの毛布』のようだ、と思った。
たった一枚の、私のストール。そんな些細なものが、アレクのすがるものだった。そんなアレクの育った環境の理不尽さに、怒りと悲しみで涙が滲んだ。
「ーーその後、貸本屋の先代店主と出会って、住み込み弟子になった時も持って行きました。先代はとても良くしてくれてーー初めて得た家族のようでした。
住み込みを始めて一年後頃、何か感謝を伝えるものを先代にあげたくて、これをあげました。綺麗だし、自分の宝物ということで、当時の俺にできる最大限のことだったんです」
先代はそんなに気を遣う必要はないと言ったが、必死になって受け取ってほしいと言ったら受け取ってくれた。
その後何年も共に暮らすうち、先代はそのコサージュに込められたアレクの歴史を知った。
気持ちは十分すぎる位受け取った、これはお前にとってこそ大切なものだ、と先代は何度かアレクに返そうとしたが、アレクは受け取らなかった。
もう大きくなりーー先代に何年も大切に育ててもらうことですっかり安定して、物にすがる必要はなくなっていたから。
そしてアレク自身、本質的には物に執着しないタイプなので、一度あげたものだし、女物だし、自分が持つより先代が持っていた方がいいだろうと思う程度に、すっかり過去のものとなっていた。
「だから、ハナがこの家に引っ越して来た日、先代の部屋をハナに明け渡すために部屋に入って、これが残っているのを見つけて驚きました。
先代も俺もこういう所は頑固なので、面と向かって返しても俺が受け取らないと思ったのでしょう。黙って部屋に残して行った。何とも先代らしい。
俺自身、見るまですっかり忘れていたのですが、懐かしくてーー自分の部屋に持ち帰らせて貰いました」
覚えている。
先代の部屋を借りた日、部屋に残っている先代のものとかは、私より縁が深かったアレクが持っていた方がいいだろうからと、持ち出すようアレクに話した。
アレクは当初は『いや、特には』とさばさばした様子だったけれど、僅かに棚に残っていた小物を懐かしげに見ていたので、私が促したら今度は頷いて自分の部屋に持っていった。
ーーこれだったのか。
あの日の朝、アレクは『アンカー』の服が研究所の火事で燃えてしまったことを知り、わたしの安否を心配し街の東から西まで走って来た。
あの時点では、このストールが残っていることを忘れていたのだ。
第4の『アンカー』は、半分『ひしゃげて』いるけれど『アンカー』として機能している、とステファンは言っていた。布を切り取られ原型より小さくなってしまった、これのことだったのだ。
「ステファンはこの『アンカー』がまだ機能していると言っていた。これがあれば、ハナを元の世界に帰せるかもしれません。
ハナが望むなら、研究を引き継げる物理学者を探して、これを使って帰れる手段を探して貰いましょう」
アレクは真剣な目で真っ直ぐ私を見て言った。
アレクはテーブルの上に、片手で握り込める程の大きさの物を置いた。
オレンジからベージュの濃淡のグラデーションを散りばめたシフォンのような薄く柔らかな布を重ねて花の形にしたコサージュだった。髪止めやドレスのアクセントに使えそうな。
「この柄に見覚えありませんか」
アレクの言葉に首を傾げる。
「この布は、ハナのストールです。これが恐らく、『第4のアンカー』です」
私は瞠目した。
男爵が『アンカー』を探している話をした時、アレクはその場にいなかった。だから後からアレクにもその話をしたのだが……すっかり忘れていた。
コサージュの柄を見ると、確かにこんな布のストールをあちらの世界で持っていた気がする。でもこちらへ持ってきたバックパックには入っていなかった筈だ。
頭が付いていかなくて目を瞬かせた。
「ーー俺が子供の頃ハナの世界へ行った時、ハナは雨の中にいた俺を自分の家へ連れていって、自分が身に付けていたストールで濡れた俺の頭を拭いてくれました。そしてそれを俺に渡して奥へ引っ込んで、着替えやタオルを持ってきてくれた。あの時、ストールを返し損ねてしまったんです」
そうだ。アレクはマンションのエントランスの奥まで入るのを怖がったから、取り急ぎ私のコートを着せ掛け、ストールをタオル代わりに濡れた体を拭くよう伝えて、私だけ自分の部屋へ戻って色々とってきてエントランスと往復した。
着替えや食事、はては毛布まで持って往復したから、どれか回収し損ねてても不思議はない。
「こちらの世界へ戻った時着ていた、借りていた服は、警察に保護された後いつの間にか俺の手元にはありませんでした。
証拠品扱いで回収されたのか、単にこちらの世界の『普通』の服に替えてやろうと大人達が判断したのかは分かりません。
最終的には物理学者の見地から事件の調査に協力していたジャンの手に渡って、あの実験の『アンカー』に使われました」
アレクはテーブルの上のコサージュを見つめる。
「このストールだけは、俺がずっと手放さなかったので、施設へ入る時も持っていたんです」
しかし、施設は一つの部屋に沢山の子供が詰め込まれ、何もかもが共有で、個人の持ち物が厳密に分けられる環境でなかった。
ストールはあちこち染みができ、そのまま転売できるものではなかったが、施設運営資金集めのバザーで売り物にする小物を作る端切れとして使われてしまったという。
「その頃の俺の記憶は曖昧です。育った環境のため精神的に不安定だったし、色々なことがありすぎてーー。
施設の、食べ物も毛布も足りない貧しさの中、自分だけ綺麗なものを持っていられる状況ではないと考えて自ら差し出したのか、勝手に持っていかれてしまったのか、覚えていません。
ただ、ストールがいくつかの小物になってしまったのを見て、俺は壊れたように不安定になったそうです。
それで、施設の人がストールから作った小物の一つを持たせてくれました」
『ライナスの毛布』のようだ、と思った。
たった一枚の、私のストール。そんな些細なものが、アレクのすがるものだった。そんなアレクの育った環境の理不尽さに、怒りと悲しみで涙が滲んだ。
「ーーその後、貸本屋の先代店主と出会って、住み込み弟子になった時も持って行きました。先代はとても良くしてくれてーー初めて得た家族のようでした。
住み込みを始めて一年後頃、何か感謝を伝えるものを先代にあげたくて、これをあげました。綺麗だし、自分の宝物ということで、当時の俺にできる最大限のことだったんです」
先代はそんなに気を遣う必要はないと言ったが、必死になって受け取ってほしいと言ったら受け取ってくれた。
その後何年も共に暮らすうち、先代はそのコサージュに込められたアレクの歴史を知った。
気持ちは十分すぎる位受け取った、これはお前にとってこそ大切なものだ、と先代は何度かアレクに返そうとしたが、アレクは受け取らなかった。
もう大きくなりーー先代に何年も大切に育ててもらうことですっかり安定して、物にすがる必要はなくなっていたから。
そしてアレク自身、本質的には物に執着しないタイプなので、一度あげたものだし、女物だし、自分が持つより先代が持っていた方がいいだろうと思う程度に、すっかり過去のものとなっていた。
「だから、ハナがこの家に引っ越して来た日、先代の部屋をハナに明け渡すために部屋に入って、これが残っているのを見つけて驚きました。
先代も俺もこういう所は頑固なので、面と向かって返しても俺が受け取らないと思ったのでしょう。黙って部屋に残して行った。何とも先代らしい。
俺自身、見るまですっかり忘れていたのですが、懐かしくてーー自分の部屋に持ち帰らせて貰いました」
覚えている。
先代の部屋を借りた日、部屋に残っている先代のものとかは、私より縁が深かったアレクが持っていた方がいいだろうからと、持ち出すようアレクに話した。
アレクは当初は『いや、特には』とさばさばした様子だったけれど、僅かに棚に残っていた小物を懐かしげに見ていたので、私が促したら今度は頷いて自分の部屋に持っていった。
ーーこれだったのか。
あの日の朝、アレクは『アンカー』の服が研究所の火事で燃えてしまったことを知り、わたしの安否を心配し街の東から西まで走って来た。
あの時点では、このストールが残っていることを忘れていたのだ。
第4の『アンカー』は、半分『ひしゃげて』いるけれど『アンカー』として機能している、とステファンは言っていた。布を切り取られ原型より小さくなってしまった、これのことだったのだ。
「ステファンはこの『アンカー』がまだ機能していると言っていた。これがあれば、ハナを元の世界に帰せるかもしれません。
ハナが望むなら、研究を引き継げる物理学者を探して、これを使って帰れる手段を探して貰いましょう」
アレクは真剣な目で真っ直ぐ私を見て言った。
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