ニートゲーマー異世界へ~荒廃した世界で生き抜きます~

TEN

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本編 ~ 第三章 ~

23話 惑わしの女 ~新たな刺客?~

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「あ、いた! プリ⋯⋯ン?」


 ブトリック研究所に着くと、入り口にプリンと知らない女の姿が。


「ちっ⋯⋯来たか」


 何やら険悪な雰囲気で女はプリンに銃を向けていた。


「⋯⋯? あなたの仲間?」


 女がそう言うとプリンはかぶりぎみで言葉を放った。


「あん? ⋯⋯誰だ?」


 え? プリン⋯⋯どういう事?
 女は口をクイッと引き上げ笑顔を見せた。


「ふん⋯⋯どうやら仲間のようね。そこの子、荷物を全部ここに置いて立ち去りなさい!」


 え? 私⋯⋯?
 何がどうなってこういう事になってるのかわからなかった。


「テン⋯⋯帰れ」


 プリンは私のほうをチラッと見てそう言い放った。
 そしてインベントリから沢山の物を地面にばらまいた。


「テンって言うの? あなたもよ」


 私は二人に近付きインベントリを開こうとした。

 その時ーー



 プリンは女が私を見た一瞬の隙に、女から銃を奪い、その銃を女の頭に当てた。


「⋯⋯誰だお前? 目的はなんだ?」


 女は驚き戸惑っている。


「くっ⋯⋯殺すなら殺しなさい。ここはそういう世界なのだから」


 その言葉を聞いたプリンは銃口を下げた。
 どうやらプリンは女を殺す気はないみたいだ。


「どっか行け」


 そう言ってプリンは女を突き飛ばした。


ーードサッ。


「いいの? 今ここで殺さなくて」


 突き飛ばされた女は尻もちを付き、地面に座りながらそう言った。
 プリンは女の言葉を無視するように、床にばらまいた物を、再び自分のインベントリに入れた。


「⋯⋯行くぞ」


 プリンは私を一目見て研究所の扉の中に姿を消した。
 そして私も女から目を離さないようにプリンの後を追い、駆け足で扉の中へ入った。





「いいの? あの人」


 中に入った私が問うとプリンは鼻で笑い更に奥へと歩いた。


 どうやら敵のリポップはまだしていないみたいだ。前に来た時に倒したから、その死体が転がっている。
 プリンが横たわっていたあの場所を見ると、血がべっとりと床にこびりついていた。


「お前は右から⋯⋯いやいい。やっぱり一緒に回るぞ」


 そういうとプリンは、一階の飾り物の車を起点に左右に別れた通路を右に歩いて行った。
 右に行くと細長い通路のすぐ左側に上り階段があり、その右手には二つの扉が。
 そして突き当たりには左に曲がる通路がある。


「ここから入る?」


 私はそう言いながら一番近い右手の扉を開いた。


「どけ!」


 私が扉を開いた瞬間にプリンは私を突き飛ばし、中にいたミュートンの頭にどぎつい一発を入れた。


「ご、ごめん」


 私はすぐに立ち上がり、部屋の中を覗いた。
 そこには長机の上に沢山のパソコン? デスクトップ? が並べられ、その端っこには教壇のようなものが置かれていた。

 そのデスクトップのほとんどが画面が割れていたり、床に落ちたりしていて使い物にならない。
 さらに机の上はぐちゃぐちゃに荒らされていた。


「あ! このミュートン、ミニユーク持ってるよ!」


 私はさっきプリンが殺したミュートンに近寄り死体を漁った。
 ミニユークとは重さ0で高値で売れる貴重なもの。

 私はミニユークをインベントリに入れ、部屋の探索を再開した。
 荒らされた机の上には鉛筆やクリップボード、マグカップや卓上ファンなどが乱雑に置かれている。

 部屋の壁際には縦長の金属ロッカーが数個置かれていて、中にはロッカーの扉が開いて倒れているものもあった。
 ロッカーの中にはキャップが数個と戦前のお金や、野球帽など軍服も入っていた。
 でもその帽子や軍服自体は能力が低く、重量ばかりあって売値が低いから特に持って帰っても意味がない。

 私はロッカーからキャップ数個だけを取り、その部屋を後にした。


「あんまり収穫なかったね」


 プリンはこの部屋にあったものには手を付けず、そそくさと次の部屋に向かった。
 だから私がキャップとか全部取っちゃったんだけど、本当にいらなかったのかな?

 私はそう思いながら次の部屋へ行くと⋯⋯。



「なぜここにいる? 帰れって言ったじゃねぇか」


 そのプリンの声に驚き私が隣の部屋に入るとそこにはーー
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