VRMMOで素早さを極限まで伸ばしてみた~当たらなければどうってことはない精神でゲームライフを楽しみます~

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十四話 そしてみんないなくなる

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 ある日のこと、レイドボスを狩りに行こうとしていた時――


「グレッツ、そういえばその子はどうしたんだ?」
「ラルだ。心配するなラルは俺が守る」


 グレッツの横をちょこちょこと歩く小さな女の子がいた。
 グレッツによると病気の女の子を、俺があげた賢者の石で助けたそうだ。
 そしてその女の子を一緒に連れて行くと約束したようだ。


「あたし、グレッツたちの邪魔にならないよ。回復魔法も少しなら使えるから、グレッツたちの補助を頑張るの」


 ラルは真剣な眼差しでそう訴えた。


「そっか、よろしくなラル」
「メルティよ。頼りにしてるわラルちゃん」
「キャシーはキャシーなのぉ。よろしくね、ラルちん」


 どうやら仲良く出来そうだ。
 みんな子供の扱いには長けてそうだし大丈夫そうだな。

 いざとなったらグレッツが守るって言ってるけど、俺たちもいるし危ない目に遭っても多少は問題ないだろう。

 そんなこんなで大都市から出ようとしたその時――


 ――プツン。


 何かが途切れつような音というか衝撃というか、そういうのが聞こえた気がした。


「な、なんだ?」


 思わず声に出し辺りを見渡すと、プレイヤーと思わしき人たちが俺と同じようにキョロキョロと首を振っていた。
 俺たちは状況を掴めず、辺りをキョロキョロしていたその時――


「え?」
「なんだなんだ?」
「何が起こっているの?」
「ちょっと運営、どうなってんのよ」


 周りにいたプレイヤーがざわめきだし、次の瞬間――人が次々と消えていった。
 まるでどこかにワープしているようにいなくなっていく。
 これは……プレイヤーがログアウトしているのか? いや、それとも……


「嘘だろ……?」


 消えているのはプレイヤーではなく、NPCのほうだった。理由はわからないがゲーム内からNPCが次々と消滅している。
 グレッツの後からちょこちょこと付いてきていたラルの姿も、振り返ると同時に――


「グレッ……」


 ラルがグレッツの名前を呼び終える前にその姿を消した。


「おい、ラル? どこ行った? ラル――!」


 グレッツは辺りを見渡すが当然ラルはどこにもいなかった。


「どうなってるんだ?」


 俺たちは状況が呑み込めないまま数分が経った。そしてラルがいなくなってグレッツは焦りを見せていた。

 途方に暮れる俺たちだったが、いつのまにか辺りは薄暗くなり騒ぎは収束しようとしていた。

 ただ、俺たちはある違和感を覚えた。
 薄暗い空は夕暮れとか夜中とか、そういったものじゃなかった……。

 とりあえず俺たちは情報を整理するために、一度宿酒場へ戻ることにした。
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