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十五話 初心者狩り
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「――なんだって?!」
「ちょっと静かに……座りなさいよ」
俺たちは気持ちを落ち着ける為に宿酒場に足を運んでいた。
同じく宿酒場に居座っている他のプレイヤーこの事態に付いて話し合っていて、とても収束するような気配はなかった。
そして誰もこの事態について、何が起こったのか理解している人はいなかった。
「それで? これってどうなってんのぉ?」
キャシーがテーブルに手をつき、体を乗り出して俺にそう訴えてきた。
「いや、俺だってわかんないっつーの」
焦りもあったのか、俺が少し強めに言葉を放つとキャシーは体を元に戻し椅子に座った。
なぜ俺がこんなに焦っているのかと言うと、まぁこの異常事態ってこともあるが実はもう一つ……
「んで、ログアウトできないってどういうことだよ?」
そう、なぜかNPCが消えてからというものログアウトできなくなっていた。
俺だけじゃなくメルティやキャシー、グレッツや他のプレイヤーも同じ症状になっているらしく、この事態になってからというもの誰一人として、このゲームから出た人はいないとか。
「それはキャシーが聞きたいよぉ。ねぇメル、何か知らないの?」
キャシーは不安そうな表情でメルティの顔を覗き込んだ。
「うーん、私もこのゲームは長いけど、こんなことになったの初めてだしわからないかな」
「そっかぁ……メルがわからないんじゃお手上げだね」
キャシーは残念そうに俯き定位置に戻っていった。
「ただ一つ考えられるとすれば……」
今まで考え込んでいるかのように俯き黙っていたグレッツが、ようやく口を開いた。
「なになに? グレッツ、なんか知ってるのぉ?」
キャシーは再び明るい表情になり、グレッツの側で顔を覗き込んだ。
「あくまで予想でしかないが、サーバーがダウンした……とかな」
「えー? 嘘でしょぉ? このゲーム、サーバーそんなに弱くないでしょ?」
「あくまで予想だ。ただそれ以外は考えられん」
グレッツの真面目な表情を見たキャシーは徐々に確信に変わり、強張った表情でグレッツを見つめ黙り込んだ。
「グレッツがそう思うのならきっとそうよね。グレッツはいつでも真面目だから、確信が持てることじゃないと喋らないわよね」
「……あぁ」
メルティの妙に信憑性がある言葉に、グレッツは申し訳なさそうに俯き返事をした。
そしてサーバーがダウンしたという噂は瞬く間に広まり、一部混乱を生むも一部のプレイヤーの間では妙なゲームが始まっていた。
その名も"初心者狩り"。
名前通りだが、始めたばかりのプレイヤーを狩り身ぐるみはがして路上に放置するという、とんでもないゲームが密かに始まっていたのだ。
どうやらサーバーダウンした時に、ゲームの中にいたプレイヤーは全員ログアウトできずに、閉じ込められてしまったようだった。
その中にはもちろん初心者もいたはずだ……。
逃げられない檻の中で永遠と追われるなんて可哀そうすぎる。
かく言う俺も奴らからしたら初心者だろう。
絶対に狩られたくはない。
ログアウトも出来ないから装備を剥ぎ取られて、裸のままうろつかなければならない。実際にそんな奴らを何人も見ている。
奴らを見る度、あぁ……狩られたんだな、と哀れに思うが助けることは出来なかった。
正確に言うと助けられないんだ……。
声をかけたところで、奴らは初心者狩りの連中に目を付けられている。
俺まで巻き沿いを食らいたくはない。
酷いかもしれないが自分の身を守ることで精一杯だった。
「また……初心者狩りの餌食にあった奴か」
俺は裸で歩くプレイヤーを横目に、必死に目を反らして通り過ぎて行った。
「ちょっと静かに……座りなさいよ」
俺たちは気持ちを落ち着ける為に宿酒場に足を運んでいた。
同じく宿酒場に居座っている他のプレイヤーこの事態に付いて話し合っていて、とても収束するような気配はなかった。
そして誰もこの事態について、何が起こったのか理解している人はいなかった。
「それで? これってどうなってんのぉ?」
キャシーがテーブルに手をつき、体を乗り出して俺にそう訴えてきた。
「いや、俺だってわかんないっつーの」
焦りもあったのか、俺が少し強めに言葉を放つとキャシーは体を元に戻し椅子に座った。
なぜ俺がこんなに焦っているのかと言うと、まぁこの異常事態ってこともあるが実はもう一つ……
「んで、ログアウトできないってどういうことだよ?」
そう、なぜかNPCが消えてからというものログアウトできなくなっていた。
俺だけじゃなくメルティやキャシー、グレッツや他のプレイヤーも同じ症状になっているらしく、この事態になってからというもの誰一人として、このゲームから出た人はいないとか。
「それはキャシーが聞きたいよぉ。ねぇメル、何か知らないの?」
キャシーは不安そうな表情でメルティの顔を覗き込んだ。
「うーん、私もこのゲームは長いけど、こんなことになったの初めてだしわからないかな」
「そっかぁ……メルがわからないんじゃお手上げだね」
キャシーは残念そうに俯き定位置に戻っていった。
「ただ一つ考えられるとすれば……」
今まで考え込んでいるかのように俯き黙っていたグレッツが、ようやく口を開いた。
「なになに? グレッツ、なんか知ってるのぉ?」
キャシーは再び明るい表情になり、グレッツの側で顔を覗き込んだ。
「あくまで予想でしかないが、サーバーがダウンした……とかな」
「えー? 嘘でしょぉ? このゲーム、サーバーそんなに弱くないでしょ?」
「あくまで予想だ。ただそれ以外は考えられん」
グレッツの真面目な表情を見たキャシーは徐々に確信に変わり、強張った表情でグレッツを見つめ黙り込んだ。
「グレッツがそう思うのならきっとそうよね。グレッツはいつでも真面目だから、確信が持てることじゃないと喋らないわよね」
「……あぁ」
メルティの妙に信憑性がある言葉に、グレッツは申し訳なさそうに俯き返事をした。
そしてサーバーがダウンしたという噂は瞬く間に広まり、一部混乱を生むも一部のプレイヤーの間では妙なゲームが始まっていた。
その名も"初心者狩り"。
名前通りだが、始めたばかりのプレイヤーを狩り身ぐるみはがして路上に放置するという、とんでもないゲームが密かに始まっていたのだ。
どうやらサーバーダウンした時に、ゲームの中にいたプレイヤーは全員ログアウトできずに、閉じ込められてしまったようだった。
その中にはもちろん初心者もいたはずだ……。
逃げられない檻の中で永遠と追われるなんて可哀そうすぎる。
かく言う俺も奴らからしたら初心者だろう。
絶対に狩られたくはない。
ログアウトも出来ないから装備を剥ぎ取られて、裸のままうろつかなければならない。実際にそんな奴らを何人も見ている。
奴らを見る度、あぁ……狩られたんだな、と哀れに思うが助けることは出来なかった。
正確に言うと助けられないんだ……。
声をかけたところで、奴らは初心者狩りの連中に目を付けられている。
俺まで巻き沿いを食らいたくはない。
酷いかもしれないが自分の身を守ることで精一杯だった。
「また……初心者狩りの餌食にあった奴か」
俺は裸で歩くプレイヤーを横目に、必死に目を反らして通り過ぎて行った。
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