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十六話 旧友
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「いい? 一人残らず捕えるのよ」
「奴らだって馬鹿じゃない。こちらが餌食にされぬよう単独行動は避けるように」
「「「了解」」」
あれは……噂の騎士団か。
初心者狩りを狩るために作られた一時的な騎士団……ギルドのようなものだ。
その騎士団がリーダーと思わしきプレイヤーを前に立ち、騎士団のメンバーが列を成している。
よく見るとその中には、メルティとキャシーとグレッツの姿もあった。
基本はパーティーで連中を狩っているらしい。
それもそうか……騎士団の人たちも無防備にやられたくはないだろうからな。
「あー! フライだぁ!」
キャシーが俺に気づき、無邪気にこっちに走ってくる。
「フライも一緒に連中を狩ろうよぉ」
「え、俺も?」
そんなことは考えたこともなかったが……。
っていうか、俺が狩られないことで精一杯でそっちまで気が回らなかったのだ。
このメンバーなら確かに連中にも負けないだろうが……。
だが……キャシーの期待の眼差しを裏切ることになって悪いがここは断ろう。
「フライがいれば安心だわ。手伝ってくれると嬉しいな」
「そうだな、フライがいれば心強い」
メルティとグレッツが俺を持ち上げている……いや、この二人なら本心なのかもしれないが、やっぱり断ろう。
――俺には荷が重すぎる。
「誘いはありがたいが悪いけどパス」
「えぇ……なんでよぉ」
キャシーがあからさまに悲しそうな顔で俺の顔を覗き込んできた。
「悪い」
俺は何も言うことが出来ずに、それだけ言葉にすると三人の前から姿を消した。
……ちょっと冷たくしすぎたかな。
いや、でもあれくらい言わないとキャシーのことだからきっとしつこく……ん?
「あ、あれは……コーメイ!」
俺が目にしたのは、なんと俺を置き去りにしたあのコーメイだった。
――あの野郎!
俺は怒りに身を任せ、ズカズカと奴に近づきもの凄い剣幕で第一声を浴びせた。
「おいコーメイ! お前ってやつは……!」
その続きを言う前に被り気味でコーメイが口を開いた。
「おう、フライじゃねぇか。久しぶりだな。お前も狩られにきたのか?」
その言葉で俺は一瞬凍り付いた。
まさかコイツも奴らの仲間……?
そんなことが頭を過ったが、まさかな、と思い留まり会話を続けた。
「な、なに言ってんだよ。まさかお前もあの初心者狩りってやつのメンバーなのかよ……ははっ」
俺は少し冗談めかしてコーメイに訴えかけた。
違うという言葉を望んで。
「あん? 知ってたのかよ。ってことでお前も餌食になれよな」
変わり果てた親友の姿に俺は唖然とした。
あの時俺はコーメイを引き留めて、無理にでも俺に付き合わせていたら、こんな事にはならなかっただろうか。
このゲームを一緒に楽しんでいたら、こうも変わる事はなかっただろうか。
そんな考えが頭を過った。
しかし俺はその状況に、消えかかった意識を取り戻し身を構えた。
そして逃げる事を試みた。
「おっと、どこ行くんだよ? 親友だろ? もっと話をしようぜ」
「……あぁ、お前が元のお前に戻ったらな――」
俺はそう吐き捨てると同時に――
――シュッドガッ!
力いっぱいの体当たり。
コーメイは体をよろめかせる。
そこに俺は一発の銃弾を浴びせた。
だがコーメイはそれを瞬時に見極め、間一髪で銃弾を避けた。
そしてすぐに体勢を立て直した。
しかしコーメイが体勢を立て直した頃には、俺は既に奴の視界から消えていた。
体勢を崩した一瞬の隙に、猛ダッシュでその場から走り去ったのだ。
さすがにあの人数相手に出来るほど、強くも肝が据わってもない。
あれだと数の暴力で、ただの袋叩きにされてしまうだろうからな。
それにしてもコーメイが……な。
少し以外だな。あぁ見えて結構いい奴だったのに。
やっぱり親友には元の"いい奴"に戻ってほしいよな。
俺は逃げながらもそんな事を考えていた。
そして――
「……よし! 決めた」
何かを決心したように向かった。
「奴らだって馬鹿じゃない。こちらが餌食にされぬよう単独行動は避けるように」
「「「了解」」」
あれは……噂の騎士団か。
初心者狩りを狩るために作られた一時的な騎士団……ギルドのようなものだ。
その騎士団がリーダーと思わしきプレイヤーを前に立ち、騎士団のメンバーが列を成している。
よく見るとその中には、メルティとキャシーとグレッツの姿もあった。
基本はパーティーで連中を狩っているらしい。
それもそうか……騎士団の人たちも無防備にやられたくはないだろうからな。
「あー! フライだぁ!」
キャシーが俺に気づき、無邪気にこっちに走ってくる。
「フライも一緒に連中を狩ろうよぉ」
「え、俺も?」
そんなことは考えたこともなかったが……。
っていうか、俺が狩られないことで精一杯でそっちまで気が回らなかったのだ。
このメンバーなら確かに連中にも負けないだろうが……。
だが……キャシーの期待の眼差しを裏切ることになって悪いがここは断ろう。
「フライがいれば安心だわ。手伝ってくれると嬉しいな」
「そうだな、フライがいれば心強い」
メルティとグレッツが俺を持ち上げている……いや、この二人なら本心なのかもしれないが、やっぱり断ろう。
――俺には荷が重すぎる。
「誘いはありがたいが悪いけどパス」
「えぇ……なんでよぉ」
キャシーがあからさまに悲しそうな顔で俺の顔を覗き込んできた。
「悪い」
俺は何も言うことが出来ずに、それだけ言葉にすると三人の前から姿を消した。
……ちょっと冷たくしすぎたかな。
いや、でもあれくらい言わないとキャシーのことだからきっとしつこく……ん?
「あ、あれは……コーメイ!」
俺が目にしたのは、なんと俺を置き去りにしたあのコーメイだった。
――あの野郎!
俺は怒りに身を任せ、ズカズカと奴に近づきもの凄い剣幕で第一声を浴びせた。
「おいコーメイ! お前ってやつは……!」
その続きを言う前に被り気味でコーメイが口を開いた。
「おう、フライじゃねぇか。久しぶりだな。お前も狩られにきたのか?」
その言葉で俺は一瞬凍り付いた。
まさかコイツも奴らの仲間……?
そんなことが頭を過ったが、まさかな、と思い留まり会話を続けた。
「な、なに言ってんだよ。まさかお前もあの初心者狩りってやつのメンバーなのかよ……ははっ」
俺は少し冗談めかしてコーメイに訴えかけた。
違うという言葉を望んで。
「あん? 知ってたのかよ。ってことでお前も餌食になれよな」
変わり果てた親友の姿に俺は唖然とした。
あの時俺はコーメイを引き留めて、無理にでも俺に付き合わせていたら、こんな事にはならなかっただろうか。
このゲームを一緒に楽しんでいたら、こうも変わる事はなかっただろうか。
そんな考えが頭を過った。
しかし俺はその状況に、消えかかった意識を取り戻し身を構えた。
そして逃げる事を試みた。
「おっと、どこ行くんだよ? 親友だろ? もっと話をしようぜ」
「……あぁ、お前が元のお前に戻ったらな――」
俺はそう吐き捨てると同時に――
――シュッドガッ!
力いっぱいの体当たり。
コーメイは体をよろめかせる。
そこに俺は一発の銃弾を浴びせた。
だがコーメイはそれを瞬時に見極め、間一髪で銃弾を避けた。
そしてすぐに体勢を立て直した。
しかしコーメイが体勢を立て直した頃には、俺は既に奴の視界から消えていた。
体勢を崩した一瞬の隙に、猛ダッシュでその場から走り去ったのだ。
さすがにあの人数相手に出来るほど、強くも肝が据わってもない。
あれだと数の暴力で、ただの袋叩きにされてしまうだろうからな。
それにしてもコーメイが……な。
少し以外だな。あぁ見えて結構いい奴だったのに。
やっぱり親友には元の"いい奴"に戻ってほしいよな。
俺は逃げながらもそんな事を考えていた。
そして――
「……よし! 決めた」
何かを決心したように向かった。
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