VRMMOで素早さを極限まで伸ばしてみた~当たらなければどうってことはない精神でゲームライフを楽しみます~

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十七話 不思議な仲間――?

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「メルティ――」
「あ、フライだぁ! どうしたの?」


 キャシーは笑顔で俺に近づいた。


「フライ、どうしたの?」


 その穏やかな声に、被るようにキャシーがどや顔で口をはさんだ。


「今頃戻ってきたってもう遅いよぉだ! もう定員オーバーだもん」
「……え?」


 よく見ると知らない顔の男がこっちを見ている。


「あ、もうパーティー埋まったんだ」


 俺が残念そうにそう言うと、メルティは申し訳なさそうに愛想笑いをした。


「ごめんフライ。この人がどうしてもパーティーに入りたいって……。騎士団の手伝いをしてくれるっていうから」
「なになに? メルちんの彼氏? ぼくちんちょぉっとショックだなぁ」


 そのチャラチャラした男は妙な絡み方で話しかけてくる。


「いや、違います」
「あ、そうなの? てっきりキミもメルちんの魅力に惹かれて、パーティーに入りたいのかと思ったよ」


 俺がきっぱり違うというとメルティ―はなぜか少し悲しい顔をした。
 そして男はウインクをしながら顔を近寄らせうざい絡みを続けている。


「惹かれたのは事実だけど……」


 俺は正直にそう答えた。


「え――?」
「やっぱりそうなんだ♪ キミってば素直だねぇ」


 メルティは戸惑った表情でこっちを見ている。
 それを更にからかうように、男は俺たちの間に割って入ってくる。


「なになにぃ~? そういう感じぃ? キミたち青春だねぇ♪」


 俺、こいつのこと嫌いかもしれない。



 あの男のせいでパーティーに入れず宛をなくした俺は、仕方なく一人で連中に立ち向かうことにした。

 旧友を救う為に!

 しかしなぁ……俺よりはるかに強いプレイヤーですらパーティー組んでるのに、俺なんかが一人で連中の前に出たところで袋叩きに遭うだけだよな。


「はぁ……どうしよう」


 これから連中を狩るために、パーティーを集めるわけにもいかないしな。
 そう悩んでいた矢先、どこからともなく矢文やぶみならぬ魔文が飛んできた。


「うわっ!」


 なんだこれ?

 俺は恐る恐る魔力で封された手紙を手に取ると、魔力は音を出して消え去った。
 そしてその一枚の紙を開くと……


『お困りのようですね。私が力になりましょう。そこから南にある緑の葉が立派な大きな樹木に来て下さい。お待ちしています――天の助けより』


 ……天の助け?

 見るからに怪しいよな。
 でも今は少しでも助けが欲しいのも事実。

 どうするべきかな。
 どうせ一人で立ち向かっても袋にされて身ぐるみ剥がされるのがオチだよな。
 それなら……と、俺は罠かもしれないその手紙の主に会いに、記されていた緑の葉が立派な大きな樹木へ行くことにした。

 それはこの大都市の南区に位置する、外れの小屋がある場所にあった。
 誰が住んでいるのかもわからないが、とりあえずその大きな樹木とやらに来てみたはいいが……。



 ――誰もこない。



 やはり騙されたのか。
 何分経っても誰もこない。
 俺は諦めて帰ろうとしたその時。


「お主の決心は所詮その程度かの」


 頭上から声がする。
 咄嗟に上を見上げるが何もいない。
 気のせいかと思い正面を見ると――


「……うわっ!」


 思わず尻もちをついた。

 なんと頭上から声がしたと思った一瞬のうちに俺の目の前にいたのだ。

 誰かはわからないが浮いている。
 これは確実に浮いている……。
 魔法か何かなのだろうか?
 俺は魔法には詳しくないがそういった魔法もあるのだろうか?


「そんな魔法はないぞよ」


 え? 俺、喋ってないよな。


「浮かぶ魔法はないが心を読む魔法はあるぞよ」


 そうなんだ……。


「ちなみにこれは魔法とは別の魔力で意図せぬとも勝手に浮くのじゃ」
「あの……」


 俺は咄嗟に思った。
 この人はとてつもなく強いと――


「あぁそうじゃったな。手紙を出したのは紛れもなくわしじゃよ」
「助けになるって……?」
「うむ。わしがお主のパーティーに入ってやろうと言っておるのじゃよ」
「え、本当ですか?」


 こんな怪しい人でも、俺一人よりはマシだ。
 しかしそこで俺は一つの疑問が浮かんだ。
 この人は俺のパーティーに入って、何かメリットでもあるのかな……?

 それとも何か企んで――?


「不思議そうな顔をしておるな。あまり深くは考えるな。今は――面白そうなことが好きとだけ覚えておくといい」
「は、はあ……」
「わしはメリッサじゃ。お主はフライじゃな。よろしく頼むぞよ」


 なぜか俺の名前知ってるし、不思議な感じの人だけどこれで俺にも勝ち目は出てきたかもしれない。
 この人相当強そうだし、上手くいけば連中を根絶させることができるかもしれない。

 俺の……親友も戻ってきてくれるかもしれない。



 こうして俺はそんな淡い期待を胸に、この誰とも知らぬ人と共に歩みを進めるのだった。
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