VRMMOで素早さを極限まで伸ばしてみた~当たらなければどうってことはない精神でゲームライフを楽しみます~

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十九話 ユニーク武器

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 あれから数日が経った。

 この一大事に運営はどんな対応をするのかと、ほとんどのプレイヤーは運営からの補填を期待していたのだ。
 みんなの噂を聞いた俺も……実は期待していたりする。一応閉じ込められた被害者だしな。


 ピコン――


「あ、運営からのメールだ」


 補填は順次配布するとのお知らせが少し前に来ていたが、実はいつかいつかと待ちわびていたのだ。そして今、メールが鳴り期待に胸を膨らませていた。

 メールを開くと――


『この度は多大なご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。一部、一定日ログアウトできなかったプレイヤーの皆さまには補填を用意しております』


 メールの内容によると、どうやら被害にあったプレイヤーだけが補填を受けられるようだ。その他のプレイヤーは、一時的にログイン出来なかった不具合の補填が別に来ているみたいだ。

 メールには補填が添付されているんだが――予想をはるかに超えていた。


『補填――プレイヤー限定衣装『ユニーク』、限定武器BOX三個『ユニーク』、金貨十枚』


 思ったよりもちゃんとした補填に驚きを隠せなかった。
 ユニークとは言わば唯一無二。つまり俺だけの衣装なんだ……。そう思うと嬉しくて堪らなかった。
 限定武器BOXはその名の通り、今回の不具合限定の武器がランダムに排出されるらしい。これは被ることもあるようだが、自分が初期に選択した武器種のみが排出されるようだ。
 そして最後は……金貨十枚?!
 今までそこまで大量の金貨が配布されることなんてなかった。これだけあれば武器はもちろん防具も好きなだけ買えるってもんだ。

 俺はワクワクしながら限定武器BOXを開けた。


「よし、開封!」


 ブワーン――


 メニュー画面でアイテムを使用すると、目の前に半透明の四角いBOXが浮かんだ。四角いBOXは虹色に光り輝いている。


「キタキタ! 中身は――っと」


 ――ババン!

 物凄い音を鳴らして三つの銃が目の前に並んだ。
 見るからに大当たりが一つあった。三つの内、一つだけ武器から虹色の光を放っている。明らかにこれが当たり武器だろう。
 俺は他の二つの武器を開封し、そして最後に当たり武器を開封した。



【テールガン】
【テールガン】
【BIGアイテム! エンゲイルガン】



 うわ――まじかよ。一つは大当りアイテムだからいいけど、他は被っちまったよ。まぁ……いいか、大当たりアイテムもあるし。
 武器の性能を見るため、詳細を開いた。


「どれどれ――性能を見てみるか」


 【エンゲイルガン】
 攻撃力500
 《特性》敏捷性が三倍になる。
 《スキル》エンゲイルコイル――敏捷性の値に応じて広範囲に高威力のコイルを発射する。
 《特殊》限定の武器を素材にするとレベルが上がる。


「これは――」


 レベルが上がる武器……か? こんなの見た事もない――っていうか、攻撃力強すぎないか? いくら補填の武器だからってやり過ぎな気が……。それとも俺がとてつもなく当たりを引いちまったのか?
 特性やスキルも強そうだし。敏捷性三倍ってやばいよな。これは……ますます敏捷性一点盛り決まりだな。

 よし、後でメルティたちに自慢しよう。


「もう一つは……っと」


 【テールガン】
 攻撃力0
 《特殊》この武器を素材にレベルを上げられる武器がある。


「……え?」


 今度は攻撃力0って……こっちはこっちでとんでもなくハズレを引いちまったのか……? 最悪だな……でもまぁ、大当たり武器を引いたしいいとするか。

 よく見たらこの武器って……


「もしかして――」


 テールガンを素材にしてエンゲイルガンのレベルを上げられるってことか?
 よし、物は試しだ。
 俺はメニューを開き制作に手を付けた。
 このゲームを始めてから制作なんてやったこともないし、制作レベルも低いから気にもしていなかったが……。

 しかし――

 よく見るとこのエンゲイルガンの制作レベルは25だ。
 俺には到底無理なようだ。そもそも俺に制作技術があるのかどうかも危ういよな。どうしたものか……。


「……どうしたのぉ? フライぃ」


 俺が途方に暮れていると、たまたま通りかかったキャシーが俺の顔を覗き込んできた。
 俺はあることを思い出しふと顔を上げた。
 そ、そうだ……キャシーは確か……制作レベルが高かったよな。


「キャシー! 頼みがあるんだ」


 俺は一生の頼みと言わんばかりにキャシーの両肩を掴み、いつにも増して真剣な眼差しで頼みこんだ。


「ふぇ? ちょ、フ、フライ……ち、近いよぉ」
「あ、ご、ごめん。それで、頼みを聞いてくれるか?」


 思わず力が入り顔が近づいていたことに気づき、すぐに離れて再び頼み込んだ。


「も、もちろんだよぉ! フライの頼みならなんでも聞くよぉ」
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