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10、独占欲(亮視点)
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雪と会ったのは高校一年生の時。俺はいつものように上辺だけの友達と一緒に帰っていた。
「あれ?佐藤?」
「ん?あ、本当だ!何してんだろ」
「誰?」
友達が知り合いを見つけた。そいつはなんだか、小さくて平凡な奴だった。
「うちのクラスの佐藤。あいつ友達いないんだよな」
「中学の頃は慎二と仲良かったんだけどな」
「クラス離れたしな、佐藤といえば慎二だったのに」
俺は微塵も興味ない話に作り笑いを向ける。ちらっとさっきの奴を見ると、猫を抱っこして笑顔になっているのが見えた。
平凡だと思ってた顔が一気に可愛く見えた。童顔でまだ、中学一年生に見える。
(は?いや、可愛くないだろ…何考えてんだ俺)
それから、妙に佐藤が気になって廊下とかですれ違うと必ず見てしまうし、帰りの方向が一緒だから、たまに会うとドキドキしてしまう。
(俺…佐藤のこと好きなのかな?マジか)
「あ、あの!…」
ある日、俺が帰っていると誰かから声をかけられた。
俺が振り返ると、いつも見ていた佐藤がいた。
「え、俺?」
こくこくと頷く。それが可愛くてついついニヤけてしまいそうだ。
「これ」
「え?あ、俺のハンカチ」
「落としたから、はい」
「ありがとう」
「フフ、間に合って良かった」
そう言ってニコッと笑う。その顔を遠くから見ても可愛かったのに至近距離でくらって今すぐにでも叫びたい。
「あ、慎二!えっと、それじゃ」
「あっ!」
佐藤は誰かの名前を呼ぶと走ってしまった。
(もっと、話したかったな…)
一年の頃はただ見てるだけだった。でも2年になって同じクラスになった。
(佐藤…可愛いな)
みんなの前で緊張しながら自己紹介してるのが可愛すぎる。
だが、友達にも聞いていた西山慎二が邪魔だ。
佐藤はあいつが女の子といるといつも悲しそうな顔をした。
だが、ある日チャンスがきた。朝、佐藤が電柱からこそこそ何かを覗いている。
「あれ?佐藤」
「え?」
驚いて振り向く佐藤が可愛すぎる。この時点で俺はもう心臓ドキドキしまくっていた。
「佐藤の家ってこっちだったんだ」
わざと知らなかったフリをする。俺はそのまま一緒に登校した。
佐藤は最初、気まずそうな顔をした。だが、話し始めると結構笑ってくれる。
その顔が可愛すぎて、欲望を抑えきれずに「もっと、笑ったほうがいい」とか言ってしまった。
「あー、可愛すぎる…どうしよう、今日死ねるかも。好きだ~」
俺はつい、本音が漏れてしまった。しまったと思うともう佐藤はいなかった。
(逃げられたか…)
俺たちは仲良くなった。俺は仲良くなることで佐藤の嫌なところを見つけて失恋しようとしたが上手く行かなかった。
どんどん好きになってしまう。いつの間にか名前で呼び合う仲になり、放課後に遊ぶ仲になり、さらには俺はついにあの西山慎二よりも雪と仲が良くなったと思う。
雪が体育で倒れた時、俺はあの西山慎二と居合わせることになった。
「…お前、雪と付き合ってるんだろ?」
「そうだけど?」
「随分悲しませてるみたいだな。俺が取っちゃうかもね」
「やってみろよ、雪は俺にしか振り向かないけどね」
「自信があるみたいだな?油断してると足元掬われるぞ」
俺が言うと西山は笑った。
「残念、雪は多分お前のところに行くはずがないんだ。所詮、負け犬の遠吠えだな」
「…さぁ、分かんないぜ。案外、雪は俺に懐いてるんだな」
「雪は俺のだ」
西山は急に低い声で俺に言った。俺はこの声を雪に聞かせてやりたい。
「じゃあ、起きたら聞こうぜ。どっちがそばにいて欲しいか」
「別にいいけど、お前泣くなよ?」
西山を睨みつける。西山も俺を睨みつけた。
「「雪は絶対に俺を選ぶ」」
ここに負けられない男共の戦いがあったのを佐藤雪は知らないのであったーー
「あれ?佐藤?」
「ん?あ、本当だ!何してんだろ」
「誰?」
友達が知り合いを見つけた。そいつはなんだか、小さくて平凡な奴だった。
「うちのクラスの佐藤。あいつ友達いないんだよな」
「中学の頃は慎二と仲良かったんだけどな」
「クラス離れたしな、佐藤といえば慎二だったのに」
俺は微塵も興味ない話に作り笑いを向ける。ちらっとさっきの奴を見ると、猫を抱っこして笑顔になっているのが見えた。
平凡だと思ってた顔が一気に可愛く見えた。童顔でまだ、中学一年生に見える。
(は?いや、可愛くないだろ…何考えてんだ俺)
それから、妙に佐藤が気になって廊下とかですれ違うと必ず見てしまうし、帰りの方向が一緒だから、たまに会うとドキドキしてしまう。
(俺…佐藤のこと好きなのかな?マジか)
「あ、あの!…」
ある日、俺が帰っていると誰かから声をかけられた。
俺が振り返ると、いつも見ていた佐藤がいた。
「え、俺?」
こくこくと頷く。それが可愛くてついついニヤけてしまいそうだ。
「これ」
「え?あ、俺のハンカチ」
「落としたから、はい」
「ありがとう」
「フフ、間に合って良かった」
そう言ってニコッと笑う。その顔を遠くから見ても可愛かったのに至近距離でくらって今すぐにでも叫びたい。
「あ、慎二!えっと、それじゃ」
「あっ!」
佐藤は誰かの名前を呼ぶと走ってしまった。
(もっと、話したかったな…)
一年の頃はただ見てるだけだった。でも2年になって同じクラスになった。
(佐藤…可愛いな)
みんなの前で緊張しながら自己紹介してるのが可愛すぎる。
だが、友達にも聞いていた西山慎二が邪魔だ。
佐藤はあいつが女の子といるといつも悲しそうな顔をした。
だが、ある日チャンスがきた。朝、佐藤が電柱からこそこそ何かを覗いている。
「あれ?佐藤」
「え?」
驚いて振り向く佐藤が可愛すぎる。この時点で俺はもう心臓ドキドキしまくっていた。
「佐藤の家ってこっちだったんだ」
わざと知らなかったフリをする。俺はそのまま一緒に登校した。
佐藤は最初、気まずそうな顔をした。だが、話し始めると結構笑ってくれる。
その顔が可愛すぎて、欲望を抑えきれずに「もっと、笑ったほうがいい」とか言ってしまった。
「あー、可愛すぎる…どうしよう、今日死ねるかも。好きだ~」
俺はつい、本音が漏れてしまった。しまったと思うともう佐藤はいなかった。
(逃げられたか…)
俺たちは仲良くなった。俺は仲良くなることで佐藤の嫌なところを見つけて失恋しようとしたが上手く行かなかった。
どんどん好きになってしまう。いつの間にか名前で呼び合う仲になり、放課後に遊ぶ仲になり、さらには俺はついにあの西山慎二よりも雪と仲が良くなったと思う。
雪が体育で倒れた時、俺はあの西山慎二と居合わせることになった。
「…お前、雪と付き合ってるんだろ?」
「そうだけど?」
「随分悲しませてるみたいだな。俺が取っちゃうかもね」
「やってみろよ、雪は俺にしか振り向かないけどね」
「自信があるみたいだな?油断してると足元掬われるぞ」
俺が言うと西山は笑った。
「残念、雪は多分お前のところに行くはずがないんだ。所詮、負け犬の遠吠えだな」
「…さぁ、分かんないぜ。案外、雪は俺に懐いてるんだな」
「雪は俺のだ」
西山は急に低い声で俺に言った。俺はこの声を雪に聞かせてやりたい。
「じゃあ、起きたら聞こうぜ。どっちがそばにいて欲しいか」
「別にいいけど、お前泣くなよ?」
西山を睨みつける。西山も俺を睨みつけた。
「「雪は絶対に俺を選ぶ」」
ここに負けられない男共の戦いがあったのを佐藤雪は知らないのであったーー
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