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10、何でこんなことに?
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「あっつい…」
「暑いな…」
夏祭り以来、どこにもいかずにダラダラした日々を送っていた。
「ロイ~、アイス持ってきてー」
「玲が行ってこい…俺は動けん」
「居候のくせに生意気だぞー!」
ロイ様は渋々と言った様子で、下へと降りていく。
「やばい…宿題が終わらん」
「ほら、持ってきてやったぞ」
「ん!ありがとう」
棒アイスを受け取って味わって食べる。やっぱり、夏はアイスだよなぁ…
「フフ、今度は何読んでんのー?」
「ミステリー小説だ。なかなか面白いぞ」
「うへぇ…よくそんな分厚い本読めるね」
俺は嬉しそうに笑うロイ様をみて俺も笑顔になった。
「ここは娯楽がたくさんあっていいな」
「え?あー…元の世界はあんまりないの?」
「あぁ、大体のやつはスポーツを楽しむ」
俺は小さい頃からスポーツが苦手なので、なかなかモテなくて辛かったことを思い出した。
「ロイはスポーツ得意なの?」
「まぁ、多少は」
「すご、やっぱりスポーツできるとモテるしいいよね」
「なんだ?玲はモテたいのか?」
「中学の頃はモテるために必死だったね」
でも結局、晴人の方がモテるから俺はそれの踏み台みたいな感じだった。
「ロイはカッコいいからいいよねー」
「そんなことないぞ、元の世界ではそんなにモテていなかった」
「え?!」
いやいや、貴方ものすごくモテていらしたではないですか?
「むしろ、俺の友の方がモテていたな」
「あー…なるほど」
そういえば、ロイ様の周りはイケメン揃いだった。
「でもロイが一番だよ」
「玲は見たことないから言えるんだ」
「えー?そんなことないよ」
拗ねるロイ様に俺は笑いながら、椅子から立ってロイ様の隣に座る。
本当は知ってるんだけどね。
「まぁ、でも俺はロイ一筋だしね」
「俺はユリン一筋だからなぁ。すまないが諦めてくれ」
チクチクと胸が痛む。やっぱり、そんなにすぐに気持ちは変わらないとわかっていたけどやっぱり辛いものだね。
「…それでも、好きだよ」
そう行った時にピーンポーンとインターホンが鳴った。
「あれ?宅配かな?」
下へ降りてドアを開けると誰もいない。外に出て周りを見渡すが誰もいない。
ドアの前には手紙と花が置いてある。
「何だろう?」
花は綺麗に咲いていたので部屋に飾ることにした。
「なんだそれは?」
「なんかドアの前に置いてあった」
「危ないぞそんなの拾ってきちゃ」
「そう?でも綺麗だしいいじゃん」
手紙の封筒を開けるとそこには、俺への気持ちが4枚にもわたって綴られていた。
「何、これ…」
「大丈夫か?」
「どうしよう、これイタズラかな?」
不安になってロイ様を見上げる。
「分からない、が…きっと危険だ。不安なことがあったらすぐに俺に言うんだ」
「うん…」
俺はその手紙を捨てて、気にしないことにした。
しかし、手紙と花は次の日もその次の日も続いた。
手紙にはいつものように、俺への気持ちを綴った手紙が届く。
「はぁ、いっそのこと返事でも書いてみようかな?」
「危ないからやめておけ…さっさと、お母さんに言えばいい。そうしたら、きっと何か手を打ってくれる」
「そうだけどさぁ、心配かけたくないし」
「そうして、お前が危険なことに遭えばもっと心配する」
ロイ様は俺の手を握って説得をする。いつもと違って優しく抱きしめてくれる。
「うん、ちゃんと言ってみる!」
夕飯の時、相談があると言って思い切って打ち明けた。
ロイ様も本当のことだと言ってくれて手紙を見せた。
母さんはすぐに警察に連絡してくれた。それから手紙は来なくなった。
「うん、今日も来てない!えへへ、ロイのおかげだね!」
「そんなことない、玲がちゃんと言う決心をしたからだよ」
頭を撫でてくれるロイ様にキュンとする。
「じゃあ行ってくるね」
「あぁ、行ってらっしゃい」
久しぶりに外に出た気がする。今日は買い物に行こうと思ってショッピングモールに行くつもりだ。
特に気にすることなく、1日で色んな所をまわる。
そろそろ、夜が暗くなってきた。ロイ様が心配するだろうし早く帰ろうと思って近道をしたのがいけなかった。
そこは暗くて人通りの少ない道だった。ストーカーの件から少しだけ不安になった。
「…は、晴人と電話しながら行こうかな?」
電話をかけるが、あいにく繋がらない。こう言う肝心な時にいつも出ないから困ってしまう。
「ひ、引き返そうかな?」
辺りは静かで真っ暗だ。俺は引き返そうと思って後ろを向こうと思ったその時。
誰かが俺の口を押さえた。
「ん?!…んむ!!」
「ようやく触れた…フフ」
必死に抵抗するがうまくいかない。そうしている内に車に連れて行かれそうになる。
「んぅ!んん!!」
「大丈夫、これでずっと一緒にいられるよ」
意味が分からないことを並べながら俺を車の中に無理やり押し込む。
「じゃあ、行こうか」
「暑いな…」
夏祭り以来、どこにもいかずにダラダラした日々を送っていた。
「ロイ~、アイス持ってきてー」
「玲が行ってこい…俺は動けん」
「居候のくせに生意気だぞー!」
ロイ様は渋々と言った様子で、下へと降りていく。
「やばい…宿題が終わらん」
「ほら、持ってきてやったぞ」
「ん!ありがとう」
棒アイスを受け取って味わって食べる。やっぱり、夏はアイスだよなぁ…
「フフ、今度は何読んでんのー?」
「ミステリー小説だ。なかなか面白いぞ」
「うへぇ…よくそんな分厚い本読めるね」
俺は嬉しそうに笑うロイ様をみて俺も笑顔になった。
「ここは娯楽がたくさんあっていいな」
「え?あー…元の世界はあんまりないの?」
「あぁ、大体のやつはスポーツを楽しむ」
俺は小さい頃からスポーツが苦手なので、なかなかモテなくて辛かったことを思い出した。
「ロイはスポーツ得意なの?」
「まぁ、多少は」
「すご、やっぱりスポーツできるとモテるしいいよね」
「なんだ?玲はモテたいのか?」
「中学の頃はモテるために必死だったね」
でも結局、晴人の方がモテるから俺はそれの踏み台みたいな感じだった。
「ロイはカッコいいからいいよねー」
「そんなことないぞ、元の世界ではそんなにモテていなかった」
「え?!」
いやいや、貴方ものすごくモテていらしたではないですか?
「むしろ、俺の友の方がモテていたな」
「あー…なるほど」
そういえば、ロイ様の周りはイケメン揃いだった。
「でもロイが一番だよ」
「玲は見たことないから言えるんだ」
「えー?そんなことないよ」
拗ねるロイ様に俺は笑いながら、椅子から立ってロイ様の隣に座る。
本当は知ってるんだけどね。
「まぁ、でも俺はロイ一筋だしね」
「俺はユリン一筋だからなぁ。すまないが諦めてくれ」
チクチクと胸が痛む。やっぱり、そんなにすぐに気持ちは変わらないとわかっていたけどやっぱり辛いものだね。
「…それでも、好きだよ」
そう行った時にピーンポーンとインターホンが鳴った。
「あれ?宅配かな?」
下へ降りてドアを開けると誰もいない。外に出て周りを見渡すが誰もいない。
ドアの前には手紙と花が置いてある。
「何だろう?」
花は綺麗に咲いていたので部屋に飾ることにした。
「なんだそれは?」
「なんかドアの前に置いてあった」
「危ないぞそんなの拾ってきちゃ」
「そう?でも綺麗だしいいじゃん」
手紙の封筒を開けるとそこには、俺への気持ちが4枚にもわたって綴られていた。
「何、これ…」
「大丈夫か?」
「どうしよう、これイタズラかな?」
不安になってロイ様を見上げる。
「分からない、が…きっと危険だ。不安なことがあったらすぐに俺に言うんだ」
「うん…」
俺はその手紙を捨てて、気にしないことにした。
しかし、手紙と花は次の日もその次の日も続いた。
手紙にはいつものように、俺への気持ちを綴った手紙が届く。
「はぁ、いっそのこと返事でも書いてみようかな?」
「危ないからやめておけ…さっさと、お母さんに言えばいい。そうしたら、きっと何か手を打ってくれる」
「そうだけどさぁ、心配かけたくないし」
「そうして、お前が危険なことに遭えばもっと心配する」
ロイ様は俺の手を握って説得をする。いつもと違って優しく抱きしめてくれる。
「うん、ちゃんと言ってみる!」
夕飯の時、相談があると言って思い切って打ち明けた。
ロイ様も本当のことだと言ってくれて手紙を見せた。
母さんはすぐに警察に連絡してくれた。それから手紙は来なくなった。
「うん、今日も来てない!えへへ、ロイのおかげだね!」
「そんなことない、玲がちゃんと言う決心をしたからだよ」
頭を撫でてくれるロイ様にキュンとする。
「じゃあ行ってくるね」
「あぁ、行ってらっしゃい」
久しぶりに外に出た気がする。今日は買い物に行こうと思ってショッピングモールに行くつもりだ。
特に気にすることなく、1日で色んな所をまわる。
そろそろ、夜が暗くなってきた。ロイ様が心配するだろうし早く帰ろうと思って近道をしたのがいけなかった。
そこは暗くて人通りの少ない道だった。ストーカーの件から少しだけ不安になった。
「…は、晴人と電話しながら行こうかな?」
電話をかけるが、あいにく繋がらない。こう言う肝心な時にいつも出ないから困ってしまう。
「ひ、引き返そうかな?」
辺りは静かで真っ暗だ。俺は引き返そうと思って後ろを向こうと思ったその時。
誰かが俺の口を押さえた。
「ん?!…んむ!!」
「ようやく触れた…フフ」
必死に抵抗するがうまくいかない。そうしている内に車に連れて行かれそうになる。
「んぅ!んん!!」
「大丈夫、これでずっと一緒にいられるよ」
意味が分からないことを並べながら俺を車の中に無理やり押し込む。
「じゃあ、行こうか」
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