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Echo13:ふたつの静脈
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塔に通う日々が重なるにつれて、空気の色が、わずかに変わったように感じられるようになった。
最初に足を踏み入れたとき、牢内の石床は、ただ汚れているという程度ではなかった。
乾いた血の跡や、固くこびりついた汚物があちこちに残され、鼻を突くような悪臭があたりにこもっていた。人が人として扱われていない空間――そう思わせるほど、そこは荒れ果てていた。
だが今では、石床の表面にこびりついていた汚れは取り払われ、ざらついていた感触も次第に和らいで、掃き清めたあとに残る埃の量も目に見えて減ってきた。
ユーグと二人、交代で雑巾を手にし、時には鍋で湯を沸かしては壁を拭き、窓の桟の隙間に詰まった汚れを掻き出した。
誰も来ない場所の、誰にも見られない部分ばかりを黙々と磨いていくうちに、そこに自分たちの気配が根づいていくのを、アリセルは不思議な感覚で見つめていた。
ルネもまた、ほんの少しずつ変わっていった。
髪は切られ、何度も洗われて、今では自然な艶を取り戻しつつある。
衣服も毎日洗濯され、寝具も整えられ、彼の姿からは、かつての荒れ果てた陰りが少しずつ薄れていった。
けれどその変化は、声には結びつかなかった。
壁にもたれてじっと石床を見つめる姿は変わらず、目が合っても、なんの反応もない。
それでもアリセルは、彼が手を払うことも、拒むこともせずに受け入れていることに、どこか救いを感じていた。
塔の中に静けさは満ちていたが、それはもう、かつての荒れた無音とは違っていた。
人の手が入り、人の気配が宿ったことで、その静けさは、ほんの少しだけ、あたたかみを帯びているように思えた。
☆
その日、ユーグは窓の下に棚を取りつけるのだと言って、木材を組み合わせていた。
使っているのは、古びた金槌と釘、それに小さな鋸。
目測で板の長さを決め、迷いのない手つきで端を切りそろえていく。アリセルは両膝に手を添え、その様子をじっと見つめていた。
「ユーグって、なんでもできるよね」
思わず漏れた言葉に、彼は手を止めることなく答えた。
「そうでもない。できないことの方が多い。……料理とか、全然ダメだし」
「そうなの? なんか意外」
アリセルがくすっと笑うあいだにも、ユーグは釘を板にあてがい、金槌で軽く叩きこむ。
打ちつける手つきは荒っぽいようでいて、力はきちんと加減されていた。
やがて彼は棚板をそっとはめ込み、手のひらで押してぐらつきを確かめる。一歩下がって「こんなものかな」と呟いた。アリセルは完成した棚に目を見張った。
「……すごーい!」
思わず声が弾む。寸分のずれもなく、板と板がぴったり噛み合い、釘の打ち込みも正確だ。
「ねぇ、見て。ルネ様! ユーグが作ってくれたわ」
アリセルは小さな器に水を張って、摘んできた野花を一輪挿した。その隣にランタンと小鳥の画集を置く。
「ここに、好きなもの並べられるね。何がいいかな……砂時計とか、茶器とか。ドライフルーツを詰めた瓶も、光が当たると綺麗かも」
思いつくままに口にしながら、アリセルは顔を上げてユーグを見た。
「ありがとう、ユーグ。とっても素敵」
「どういたしまして」
ユーグが道具を片付けながら返事をする。
そのとき、牢の扉がぎいっと軋む音を立てて開いた。
アリセルがそちらに目を向けると、立っていたのはジョゼフだった。
「やあ、アリセル。少し様子を見に来たんだ。ユーグ君もいつもありがとう」
「どうも」
軽く頭を下げるユーグにジョゼフは柔らかく微笑んで頷く。
牢内に足を踏み入れ、周囲を感心したように見渡した。
「ずいぶん綺麗になったな。最初に見たときとは別の場所みたいだ。……これ、二人で?」
「ユーグががんばった」
「俺だけじゃない。お前もだろ」
なぜか得意気に胸をはるアリセルを、ユーグは苦笑しながら軽く小突く。
ジョゼフの視線が塔の中を静かに巡る。そして数歩、静かに歩みを進めたのち、ジョゼフの双眸はルネの方へと向けられた。彼は膝をつき、ルネの前で静かに傅く。
「ルネ殿下。お変わりありませんか。お身体の具合は、いかがでしょう」
ルネはまるで何も聞こえていないかのように、姿勢ひとつ変えない。
ジョゼフとしても返答を期待していなかったのだろう。ゆっくりと立ち上がり、アリセルとユーグの方に体を向けた。
「ここまで手を貸してくれて、本当に助かっている。ユーグ君、君にはきちんと報酬を渡したい」
「娘さんに毎回昼飯作ってもらってますから。それで充分です」
ユーグが軽く肩をすくめながらそう言うと、ジョゼフの顔つきがわずかに険しくなった。
父の表情が変化した理由がわからず、アリセルは瞬きをひとつする。だがジョゼフはすぐに口元を和らげ、「そうか」と静かに頷いた。
「それよりもジョゼフさん。前看守とは知り合いですか? そいつ何とかしたほうが良いと思いますよ」
「どういうことだね?」
「ルネの身体、見ればわかるでしょう。不当な扱いにも程がある。然るべき罰を受けるのが当然だと思います」
「……そのことについては、私にも思うところがある。だが、今はまだ、軽々しく動くべき時ではない」
「今でも遅いくらいだと思いますけどね」
ユーグの言葉に、ジョゼフは彼を見返した。
静かな視線だったが、底の読めないものを含んでいて、アリセルは思わず息をのんだ。重い沈黙が、場を覆う。
「いずれ、然るべき時が来る。そのときは、私の責任として対処しよう」
ややあって、ようやくジョゼフがそう告げた。
言葉は穏やかだったが、その声音にはどこか線を引くような、近寄りがたい硬さがあった。その言い回しの奥にある意味を、アリセルは読み取れず、心の中で小さく首を傾げる。
ジョゼフはもう一度、無言のルネに視線を落とし、やがてゆっくりと踵を返した。
「また様子を見に来るよ。……アリセル、無理をしないようにな。それとユーグ君、君の協力に感謝するよ」
優しく、よく通る声だった。
だがその背に、どこか決然としたものが滲んでいた。牢の扉がきぃと軋む音を立てて閉まり、階段を下っていく足音が遠ざかっていく。
静けさが戻った塔の中で、空気の色がほんのわずかに変わったような気がした。
「まぁ、死んでも対処なんてできないだろうけどな」
ふと、そんな言葉が耳に届いた。
顔を上げると、唇の片端を歪めて、露悪的な笑みを見せるユーグの姿が目に映った。
その笑みが何を意図しているのかは分からない。ただ、言いようのない気配に触れた気がして、アリセルはひととき息を止めた。
最初に足を踏み入れたとき、牢内の石床は、ただ汚れているという程度ではなかった。
乾いた血の跡や、固くこびりついた汚物があちこちに残され、鼻を突くような悪臭があたりにこもっていた。人が人として扱われていない空間――そう思わせるほど、そこは荒れ果てていた。
だが今では、石床の表面にこびりついていた汚れは取り払われ、ざらついていた感触も次第に和らいで、掃き清めたあとに残る埃の量も目に見えて減ってきた。
ユーグと二人、交代で雑巾を手にし、時には鍋で湯を沸かしては壁を拭き、窓の桟の隙間に詰まった汚れを掻き出した。
誰も来ない場所の、誰にも見られない部分ばかりを黙々と磨いていくうちに、そこに自分たちの気配が根づいていくのを、アリセルは不思議な感覚で見つめていた。
ルネもまた、ほんの少しずつ変わっていった。
髪は切られ、何度も洗われて、今では自然な艶を取り戻しつつある。
衣服も毎日洗濯され、寝具も整えられ、彼の姿からは、かつての荒れ果てた陰りが少しずつ薄れていった。
けれどその変化は、声には結びつかなかった。
壁にもたれてじっと石床を見つめる姿は変わらず、目が合っても、なんの反応もない。
それでもアリセルは、彼が手を払うことも、拒むこともせずに受け入れていることに、どこか救いを感じていた。
塔の中に静けさは満ちていたが、それはもう、かつての荒れた無音とは違っていた。
人の手が入り、人の気配が宿ったことで、その静けさは、ほんの少しだけ、あたたかみを帯びているように思えた。
☆
その日、ユーグは窓の下に棚を取りつけるのだと言って、木材を組み合わせていた。
使っているのは、古びた金槌と釘、それに小さな鋸。
目測で板の長さを決め、迷いのない手つきで端を切りそろえていく。アリセルは両膝に手を添え、その様子をじっと見つめていた。
「ユーグって、なんでもできるよね」
思わず漏れた言葉に、彼は手を止めることなく答えた。
「そうでもない。できないことの方が多い。……料理とか、全然ダメだし」
「そうなの? なんか意外」
アリセルがくすっと笑うあいだにも、ユーグは釘を板にあてがい、金槌で軽く叩きこむ。
打ちつける手つきは荒っぽいようでいて、力はきちんと加減されていた。
やがて彼は棚板をそっとはめ込み、手のひらで押してぐらつきを確かめる。一歩下がって「こんなものかな」と呟いた。アリセルは完成した棚に目を見張った。
「……すごーい!」
思わず声が弾む。寸分のずれもなく、板と板がぴったり噛み合い、釘の打ち込みも正確だ。
「ねぇ、見て。ルネ様! ユーグが作ってくれたわ」
アリセルは小さな器に水を張って、摘んできた野花を一輪挿した。その隣にランタンと小鳥の画集を置く。
「ここに、好きなもの並べられるね。何がいいかな……砂時計とか、茶器とか。ドライフルーツを詰めた瓶も、光が当たると綺麗かも」
思いつくままに口にしながら、アリセルは顔を上げてユーグを見た。
「ありがとう、ユーグ。とっても素敵」
「どういたしまして」
ユーグが道具を片付けながら返事をする。
そのとき、牢の扉がぎいっと軋む音を立てて開いた。
アリセルがそちらに目を向けると、立っていたのはジョゼフだった。
「やあ、アリセル。少し様子を見に来たんだ。ユーグ君もいつもありがとう」
「どうも」
軽く頭を下げるユーグにジョゼフは柔らかく微笑んで頷く。
牢内に足を踏み入れ、周囲を感心したように見渡した。
「ずいぶん綺麗になったな。最初に見たときとは別の場所みたいだ。……これ、二人で?」
「ユーグががんばった」
「俺だけじゃない。お前もだろ」
なぜか得意気に胸をはるアリセルを、ユーグは苦笑しながら軽く小突く。
ジョゼフの視線が塔の中を静かに巡る。そして数歩、静かに歩みを進めたのち、ジョゼフの双眸はルネの方へと向けられた。彼は膝をつき、ルネの前で静かに傅く。
「ルネ殿下。お変わりありませんか。お身体の具合は、いかがでしょう」
ルネはまるで何も聞こえていないかのように、姿勢ひとつ変えない。
ジョゼフとしても返答を期待していなかったのだろう。ゆっくりと立ち上がり、アリセルとユーグの方に体を向けた。
「ここまで手を貸してくれて、本当に助かっている。ユーグ君、君にはきちんと報酬を渡したい」
「娘さんに毎回昼飯作ってもらってますから。それで充分です」
ユーグが軽く肩をすくめながらそう言うと、ジョゼフの顔つきがわずかに険しくなった。
父の表情が変化した理由がわからず、アリセルは瞬きをひとつする。だがジョゼフはすぐに口元を和らげ、「そうか」と静かに頷いた。
「それよりもジョゼフさん。前看守とは知り合いですか? そいつ何とかしたほうが良いと思いますよ」
「どういうことだね?」
「ルネの身体、見ればわかるでしょう。不当な扱いにも程がある。然るべき罰を受けるのが当然だと思います」
「……そのことについては、私にも思うところがある。だが、今はまだ、軽々しく動くべき時ではない」
「今でも遅いくらいだと思いますけどね」
ユーグの言葉に、ジョゼフは彼を見返した。
静かな視線だったが、底の読めないものを含んでいて、アリセルは思わず息をのんだ。重い沈黙が、場を覆う。
「いずれ、然るべき時が来る。そのときは、私の責任として対処しよう」
ややあって、ようやくジョゼフがそう告げた。
言葉は穏やかだったが、その声音にはどこか線を引くような、近寄りがたい硬さがあった。その言い回しの奥にある意味を、アリセルは読み取れず、心の中で小さく首を傾げる。
ジョゼフはもう一度、無言のルネに視線を落とし、やがてゆっくりと踵を返した。
「また様子を見に来るよ。……アリセル、無理をしないようにな。それとユーグ君、君の協力に感謝するよ」
優しく、よく通る声だった。
だがその背に、どこか決然としたものが滲んでいた。牢の扉がきぃと軋む音を立てて閉まり、階段を下っていく足音が遠ざかっていく。
静けさが戻った塔の中で、空気の色がほんのわずかに変わったような気がした。
「まぁ、死んでも対処なんてできないだろうけどな」
ふと、そんな言葉が耳に届いた。
顔を上げると、唇の片端を歪めて、露悪的な笑みを見せるユーグの姿が目に映った。
その笑みが何を意図しているのかは分からない。ただ、言いようのない気配に触れた気がして、アリセルはひととき息を止めた。
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