40 / 92
Echo37:沈めた問い
しおりを挟む
昼下がりの塔には、しんとした静けさが満ちていた。
細い窓から差し込む光が、床に斜線を描いている。
どこかから鳥の声が遠くかすかに聞こえ、空気にはわずかな石の匂いが漂っていた。
アリセルは棚の近くに腰を下ろし、開いたままの本を膝に置いていた。
けれど目はそこに留まっておらず、ぼんやりと視線だけが宙をさまよっている。
「……アリセル?」
ルネはアリセルの隣に座り込んだ。
やわらかい声音の中に漂うのは、案じるような気配だった。
アリセルは驚いたように瞬きし、慌てて小さく笑ってみせた。
「ごめんなさい。なんだか、ぼんやりしてたみたい」
ルネは首を傾げるようにして、彼女の顔を覗き込んでくる。
その瞳の青さと、眼差しの真っ直ぐさに、胸の奥がわずかに詰まったように感じられた。
「最近、変だよ。元気ないし、なんだか遠くにいるみたいで……」
ルネの言葉に、アリセルは目を伏せた。
否定することもできたけれど、咄嗟に返せるほど、自分の中は整っていなかった。
「……うん、そうかもしれない」
そう認めると、胸の奥に少しだけ空気が通った気がした。
「なんでもないって言えば嘘になるけど、でも……ちゃんと話せるほど、まだうまく言葉にできなくて。色々な事があって、少し混乱しているんだと思います」
自分でも、曖昧すぎる返答だと思った。だが今はこれが精一杯だった。
ユーグとデイジーが付き合うとなったこと。
客人たちが口にした政治の話。
自分の身分を前提にした教育のこと。そしてルネに施される教育のこと。
どれもが、自分の知らない所で決まっていて、手の届かない所で進んでいた。
目の前で起きているはずなのに、まるで別の場所の出来事のようで、ただその渦の中にいるだけの感覚が、時折、息を苦しくさせた。
ルネはすぐに返事をせず、少しだけ黙っていた。
その沈黙が、なぜか居心地の悪いものには感じられなかった。
やがて、彼はぽつりと呟くように言った。
「僕は、アリセルにはいつも笑っていて欲しいと思う」
その言葉にアリセルは、はっとして顔を上げた。
「でも、無理に笑わなくてもいいよ。ちゃんと、待ってるから。話せるようになるまで」
アリセルは何も言えなくなって、ほんの少しだけ、彼の方へ体を傾けた。
「ありがとうございます、ルネ様」
名前を呼ぶ声は、かすかに掠れていた。
ルネがためらうように、そっとアリセルの手に触れる。アリセルはその温もりを受け止めるように、きゅっと握り返した。握られた手を見つめたままルネは言葉を継ぐ。
「……この前、ジョゼフさんが来てね。デイジーさんのことで話があったんだ」
ルネはいつになく真剣な表情をしていた。言葉を選ぶように、慎重に続ける。
「教わることは、ちゃんと意味があるって。大切な人と向き合うために、知っておかなきゃいけないことだって。……きっと、近いうちに必要になるからって」
少し言い淀んだあと、彼はまっすぐアリセルの目を見て、静かに言った。
「僕にとっても、アリセルにとっても。……不安がないわけじゃない。でもちゃんとしないといけないんだと思う」
アリセルはふと、息を浅く吸った。
言われたことの意味が、すぐには理解できなかったわけではない。
ただ、その言葉の奥にあるものを、知ってはいけないものとして、本能のように拒んでいた。
この所、周囲で起きているいくつもの出来事。
デイジーが呼ばれた理由、ユーグに向けられた両親の視線、教えの内容。
すべてが、同じ方角を向いている気がした。
だが、それを結びつけてしまうのが怖かった。
もしもそれが、未来の形をもう決められてしまっているものだとしたら。
自分の意志が入り込む余地のない、最初から用意された道筋だとしたら。
「それって、どういう……」
そう聞きかけて、唇だけが動いた。
けれど声は出なかった。問いかければ、きっとはっきりしてしまう。
曖昧なままのほうが、ずっと楽だと思ってしまった。
アリセルは視線を落としたまま、そっと手をほどいた。
静かな動作だったが、離れた指先にかすかな迷いがにじむ。
ぬくもりが名残のように残っていて、言葉にしない選択を、自分自身が確認しているようだった。
そのまま立ち上がり、棚に置かれた布張りの本に手を伸ばす。
表紙をなぞる指が少しだけ震えたが、それを見せないように笑みを浮かべた。
「……ルネ様。このお話、好きでしたよね」
声は静かだったが、語尾にはわずかな明るさが添えられていた。
返事を求めているわけではなかった。ただ、空気をそっと移し替えるように、言葉を置いた。
「良ければ、このあいだの続きを。きっと、面白い場面に入るところです」
アリセルは本を開き、ルネの隣に再び腰を下ろすと、膝の上に本を広げた。
視線を落とし、小さく息を整えてから、口を開いた。
「籠の中の光はやさしく、食べものは甘く、温かかったのです。「外は嵐と影、牙と爪」そう教えられて、小鳥は目を閉じました。囲いは小鳥を守る世界でした」
声音は穏やかで、淡々としていた。
感情を込めすぎず、かといって平板にもならないよう、ひとつひとつの語を丁寧に整えていく。
言葉を紡ぎながら、自分の中のわだかまりを遠ざけようとしていた。
ルネは動かず、黙って耳を傾けている。
「ある日、風が吹いてきました。籠のすき間から、軽やかに差しこみ、小鳥は羽を揺らしたのです。風は冷たくも熱くもない、知らない匂いをまとっています。小鳥はまぶたを、羽根を、心をひらきました」
ちらりと横をうかがうと、ルネは俯き、じっと本の頁を見ていた。
長いまつ毛の影が頬に落ちている。
表情は読めなかったが、膝の上の手がそっと指を丸めていた。アリセルは頁をめくった。
「小鳥は気がつきました。こわい話は、「鍵」の言葉だったのだと。その翼が知っていたのは、最初から風のかたちだったと。羽ばたきが、世界をこえ、籠にはもう影もありません。うたが、光が、自由が、風とともに踊っています」
そのとき、不意に、ルネの声が静かに割り込んだ。
「……アリセルの声、落ち着くね」
読み上げていた言葉が、ぴたりと止まったが、アリセルは本から目を離さなかった。
「ずっと聴いていたくなる。……そう思っただけ」
それきり、ルネは何も言わなかった。
ただ膝の上で手を組み直し、目を伏せたまま、続きを待っているようだった。
アリセルは再び頁に目を落とした。
朗読を再開するまでに、ほんのひと呼吸、間があったが、その声は崩れなかった。
揺れていたのは、胸の内側だけだった。
細い窓から差し込む光が、床に斜線を描いている。
どこかから鳥の声が遠くかすかに聞こえ、空気にはわずかな石の匂いが漂っていた。
アリセルは棚の近くに腰を下ろし、開いたままの本を膝に置いていた。
けれど目はそこに留まっておらず、ぼんやりと視線だけが宙をさまよっている。
「……アリセル?」
ルネはアリセルの隣に座り込んだ。
やわらかい声音の中に漂うのは、案じるような気配だった。
アリセルは驚いたように瞬きし、慌てて小さく笑ってみせた。
「ごめんなさい。なんだか、ぼんやりしてたみたい」
ルネは首を傾げるようにして、彼女の顔を覗き込んでくる。
その瞳の青さと、眼差しの真っ直ぐさに、胸の奥がわずかに詰まったように感じられた。
「最近、変だよ。元気ないし、なんだか遠くにいるみたいで……」
ルネの言葉に、アリセルは目を伏せた。
否定することもできたけれど、咄嗟に返せるほど、自分の中は整っていなかった。
「……うん、そうかもしれない」
そう認めると、胸の奥に少しだけ空気が通った気がした。
「なんでもないって言えば嘘になるけど、でも……ちゃんと話せるほど、まだうまく言葉にできなくて。色々な事があって、少し混乱しているんだと思います」
自分でも、曖昧すぎる返答だと思った。だが今はこれが精一杯だった。
ユーグとデイジーが付き合うとなったこと。
客人たちが口にした政治の話。
自分の身分を前提にした教育のこと。そしてルネに施される教育のこと。
どれもが、自分の知らない所で決まっていて、手の届かない所で進んでいた。
目の前で起きているはずなのに、まるで別の場所の出来事のようで、ただその渦の中にいるだけの感覚が、時折、息を苦しくさせた。
ルネはすぐに返事をせず、少しだけ黙っていた。
その沈黙が、なぜか居心地の悪いものには感じられなかった。
やがて、彼はぽつりと呟くように言った。
「僕は、アリセルにはいつも笑っていて欲しいと思う」
その言葉にアリセルは、はっとして顔を上げた。
「でも、無理に笑わなくてもいいよ。ちゃんと、待ってるから。話せるようになるまで」
アリセルは何も言えなくなって、ほんの少しだけ、彼の方へ体を傾けた。
「ありがとうございます、ルネ様」
名前を呼ぶ声は、かすかに掠れていた。
ルネがためらうように、そっとアリセルの手に触れる。アリセルはその温もりを受け止めるように、きゅっと握り返した。握られた手を見つめたままルネは言葉を継ぐ。
「……この前、ジョゼフさんが来てね。デイジーさんのことで話があったんだ」
ルネはいつになく真剣な表情をしていた。言葉を選ぶように、慎重に続ける。
「教わることは、ちゃんと意味があるって。大切な人と向き合うために、知っておかなきゃいけないことだって。……きっと、近いうちに必要になるからって」
少し言い淀んだあと、彼はまっすぐアリセルの目を見て、静かに言った。
「僕にとっても、アリセルにとっても。……不安がないわけじゃない。でもちゃんとしないといけないんだと思う」
アリセルはふと、息を浅く吸った。
言われたことの意味が、すぐには理解できなかったわけではない。
ただ、その言葉の奥にあるものを、知ってはいけないものとして、本能のように拒んでいた。
この所、周囲で起きているいくつもの出来事。
デイジーが呼ばれた理由、ユーグに向けられた両親の視線、教えの内容。
すべてが、同じ方角を向いている気がした。
だが、それを結びつけてしまうのが怖かった。
もしもそれが、未来の形をもう決められてしまっているものだとしたら。
自分の意志が入り込む余地のない、最初から用意された道筋だとしたら。
「それって、どういう……」
そう聞きかけて、唇だけが動いた。
けれど声は出なかった。問いかければ、きっとはっきりしてしまう。
曖昧なままのほうが、ずっと楽だと思ってしまった。
アリセルは視線を落としたまま、そっと手をほどいた。
静かな動作だったが、離れた指先にかすかな迷いがにじむ。
ぬくもりが名残のように残っていて、言葉にしない選択を、自分自身が確認しているようだった。
そのまま立ち上がり、棚に置かれた布張りの本に手を伸ばす。
表紙をなぞる指が少しだけ震えたが、それを見せないように笑みを浮かべた。
「……ルネ様。このお話、好きでしたよね」
声は静かだったが、語尾にはわずかな明るさが添えられていた。
返事を求めているわけではなかった。ただ、空気をそっと移し替えるように、言葉を置いた。
「良ければ、このあいだの続きを。きっと、面白い場面に入るところです」
アリセルは本を開き、ルネの隣に再び腰を下ろすと、膝の上に本を広げた。
視線を落とし、小さく息を整えてから、口を開いた。
「籠の中の光はやさしく、食べものは甘く、温かかったのです。「外は嵐と影、牙と爪」そう教えられて、小鳥は目を閉じました。囲いは小鳥を守る世界でした」
声音は穏やかで、淡々としていた。
感情を込めすぎず、かといって平板にもならないよう、ひとつひとつの語を丁寧に整えていく。
言葉を紡ぎながら、自分の中のわだかまりを遠ざけようとしていた。
ルネは動かず、黙って耳を傾けている。
「ある日、風が吹いてきました。籠のすき間から、軽やかに差しこみ、小鳥は羽を揺らしたのです。風は冷たくも熱くもない、知らない匂いをまとっています。小鳥はまぶたを、羽根を、心をひらきました」
ちらりと横をうかがうと、ルネは俯き、じっと本の頁を見ていた。
長いまつ毛の影が頬に落ちている。
表情は読めなかったが、膝の上の手がそっと指を丸めていた。アリセルは頁をめくった。
「小鳥は気がつきました。こわい話は、「鍵」の言葉だったのだと。その翼が知っていたのは、最初から風のかたちだったと。羽ばたきが、世界をこえ、籠にはもう影もありません。うたが、光が、自由が、風とともに踊っています」
そのとき、不意に、ルネの声が静かに割り込んだ。
「……アリセルの声、落ち着くね」
読み上げていた言葉が、ぴたりと止まったが、アリセルは本から目を離さなかった。
「ずっと聴いていたくなる。……そう思っただけ」
それきり、ルネは何も言わなかった。
ただ膝の上で手を組み直し、目を伏せたまま、続きを待っているようだった。
アリセルは再び頁に目を落とした。
朗読を再開するまでに、ほんのひと呼吸、間があったが、その声は崩れなかった。
揺れていたのは、胸の内側だけだった。
1
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる