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第1章
甘美な特効薬⚠️
しおりを挟む唇を塞がれたまま、レオナルドの手が伸びてきて、後頭部を支えるようにしてさらに深く口づけされる。
舌が口腔内へ侵入し、味わうように動いた。
「……ぁ、ん……ん……ぅ、」
甘い。美味しい。気持ちいい。もっと欲しい。
ユリウスの脳は、初めて迎えたオメガとしての強烈なヒートと、レオナルドから浴びせられる強いアルファ・フェロモンによって、とろとろに蕩かされてしまっていた。
思考能力など、もう欠片も残っていない。ただ目の前のオスを求めるメスの本能だけが、身体を支配している。
レオナルドの大きな掌が、ユリウスの身体を愛おしげに撫で回す。
熱い手が腰へと滑り落ち、ベルトのバックルが外された。カチャリという金属音が響くが、ユリウスは身じろぎもしない。
ズボンと共に、下半身に纏っていた下着までもが、手際よく剥ぎ取られていく。
抵抗など、できなかった。
いや、しようとも思わなかった。ユリウスの身体は、目の前の男になら何をされてもいいと、全てを受け入れていたのだ。
下半身が露わになると、冷たい空気に触れる間もなく、レオナルドの熱い肌が押し付けられた。
レオナルドは、すでに限界まで昂っているユリウスの熱源と、同じく硬く昂りきっている自分のものを重ね合わせた。
そして、太い指を絡めながら、二つ同時に扱き始めた。
「あ、ぁっ……!う、ぁ……!」
くちゅ、くちゅ、と卑猥な水音が部屋に響く。
レオナルドの手のひらの熱と、擦れ合う快感に刺激され、ユリウスは情けないほど甲高い声を上げた。
熱い。気持ちいい。怖い。
相反する感情がぐちゃぐちゃに混ざり合う。ユリウスは目尻から涙を流しながら、その波状攻撃のような快感を受け止め続けた。
「ユーリ、……、っ」
「あ、っ、レオ……ッ!」
頂点はすぐに訪れた。
二人の身体が同時にビクン!と大きく痙攣する。
目の前が白く弾け、ユリウスの腹と太腿に、二人分の白濁した精液が飛び散った。
荒い息を吐きながら脱力するユリウスの身体から、レオナルドはゆっくりと手を離した。
だが、行為はそれで終わりではなかった。
レオナルドはユリウスの腹に散ったそれを指で掬い取ると、自分のものを根元から扱いて残りを絞り出した。
そして、ユリウスのものが少し混ざった、レオナルドの濃厚な精液を掬った指を、ユリウスの口元へと運んだ。
「……飲めるか?」
何を、と一瞬だけ理性の欠片が疑問を抱く。
だが、口の中に差し込まれた指を無意識に吸った瞬間、その疑問は消し飛んだ。
唾液や血液と同じだ。いや、それ以上に凝縮された濃厚なアルファの体液は、今のユリウスにとって何よりも甘美な特効薬であり、蜜だった。
「……ん、ぅ……」
ユリウスは夢中で舌を動かし、指に絡みついたそれを舐め取った。
喉を通る熱い感覚に、背筋がゾクゾクと震える。
「……おい、しい……」
指を咥えたまま、うっとりとした瞳でそう呟くと、レオナルドの顔が苦痛に似た表情で歪んだ。
理性のタガが外れそうになるのを、彼が必死に食いしばって耐えている顔だった。
これ以上続ければ、今度こそ戻れない一線を越えてしまう。
レオナルドはそれ以上のことはしなかった。
指を引き抜くと、乱れたユリウスの服を整え、布団をかけ直してくれる。
そして、精液を経口摂取したことで、ユリウスの体内のホルモンバランスが整い、突発的なヒートが治まるのをじっと横で待っていてくれた。
やがて。
ゆっくりと、潮が引くように、身体の中からあの怖いくらいの熱が引いていくのをユリウスは感じた。
本能の嵐が去った後、訪れたのは泥のような疲労感だった。
心身ともに限界を超えていたのだろう。抗いようのない、壮絶な眠気が襲ってくる。
「……レオ……」
「ああ。このまま眠っていい。大丈夫だ、俺がついてる」
意識を暗闇へと落とす直前。
耳元で聞こえたレオナルドの声は、どこまでも優しく、温かかった。
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