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悪役令嬢はまだ悪役令嬢ではありませんでした
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チェロ様はゲームの中ではわがまま放題で気に入らないと自分が悪くても使用人を叱責し場合によっては首にしたり体罰を与えたりする悪役令嬢だった。
でも、今のチェロ様はそこまでひどくない、まぁ、わがままだけど。
このわがまま令嬢が悪役令嬢になるのは、たしか、隣国の外交官として来ている王族に連なるちょい悪おじさんにもて遊ばれて捨てられるんだっけ。
とりあえず、そのおっさんから守るにはどうしようか。ゲームではヒロインがかかわっていないところなのでよくわからない、、、ので困ったときのジェシカ頼み。実家に帰った時にジェシカに相談してみた。
「まず、深窓の令嬢に会うのは夜会かお茶会でしょうからその時を見張るのでしょうね。あと、そういう男は令嬢の周辺の女に手引きさせるはずなので侍女たちにも目を光らせるしかないでしょう。それから、公爵家の中にも味方をつくるのが大事です。でも、どうやって説明するかが難しいですね。」
「そういえば、ジェシカはすんなり納得してくれたけど、どうして?」
ジェシカは溜息をついて言った。
「今更ですよ、小さいころから悪役令嬢がとかヒロインがとかぶつぶつ言ってたじゃないですか。カノン様が、ごく狭い範囲ですが、未来を予見できる能力を持ってらっしゃることは存じてます。そして、今度はそれでチェロお嬢様を助けようとしているのでしょう?」
あ~、バレテーラ、ちょっと違う方向にだけど。
「まずはその男に弄ばれていそうな令嬢を探して、そのことを公爵家の方に報告して警戒してもらうことですね。カノン様はサリア様のことがあるからそのあたりの信頼が厚いから実例があれば信じてもらえると思います。」
うーん、どうやって調べようか。
「私のほうでも侍女仲間を通じて情報を集めます。お嬢様もお屋敷に戻られたらそれとなく譲歩を集めてください。特に、恋人ができてはしゃいでる侍女や下働きを探すのがいいと思います。」
「ありがとう、そうするわ。」
「カノン様も気をつけてくださいね。ご自身では気が付いていないようですが、カノン様を狙ってる殿方結構いますから。」
そんなもの好きいるんだ。でも、中身が残念でもヒロイン補正でかわいく見えてもおかしくないな、気を付けよう。
「ユージン様とはその後どうですか?」
うわ、ちょっと油断してた。
「変わらないわ、お屋敷で時々会うけど挨拶だけ。」
「なら、ユージン様に協力いただいたらいかがでしょうか、お友達で婚約者が冷たくなったとかおかしくなった方いるかもしれないですし、そのお話聞けば何か分かるかも。」
「でも、難しくない?どうやって話そう。」
「ユージン様、カノン様のこと意識されてますよ。ただ、私のことがあるから話しにくいだけだと思います。」
「そうなの?」
「こちらにいらっしゃるときカノン様がいるか必ず確認されていていないとわかるとがっかりされてます。自分では隠しているつもりみたいですけど。」
ちょっとうれしいじゃない。やる気が出た。どう切り出すか考えておこう。
次に実家に戻った時、タイミングよくユージンが訪ねてきた。
おとうさまは書斎でお仕事、おかあさまはお茶会に招待されていて不在、これはチャンス。
どう切り出そうかと思ったときユージンから世間話のように友人の話が出た。
「婚約したばかりの友人が最近元気なくて、聞いてみたら婚約者が急に冷たくなったって言っていて。こういう時どうしたらいいか、僕じゃわからないので。」
「お友達が何かしたわけではないのですよね。」
「僕もそれ気になったので詳しく聞いたけど特に何もなかったよ。」
「冷たくなったころに婚約者の方は夜会とか出かけられていませんか?」
「そういえば、お友達の伯爵家の夜会に出た後冷たくなったって言っていたな。」
「いつですか?」
「それは詳しく聞いてないけど、2月ほど前だろうね。」
ジェシカが珍しく口を挟んできた。
「その方、いちど連れていらしたらいかがでしょう。女の目から見れば原因もわかるかもしれませんし。大丈夫ですよ、カノン様も私も口は堅いですから。」
ジェシカが調べてくれたら、ビンゴ。その夜会にちょい悪おじさん出てた。そして伯爵夫人とそのちょい悪おじさんがうわさになりつつあることも分かった。これは黒だね、だけど証拠がない。
ユージンのお友達はその後婚約者とどうも冷戦状態となってしまったそうで、そちらから証拠を集めるのは難しそうだ。どうしようかと思ってたらあいつ自分の国に逃げやがった。
それでもちょっとほっとした。
でも、今のチェロ様はそこまでひどくない、まぁ、わがままだけど。
このわがまま令嬢が悪役令嬢になるのは、たしか、隣国の外交官として来ている王族に連なるちょい悪おじさんにもて遊ばれて捨てられるんだっけ。
とりあえず、そのおっさんから守るにはどうしようか。ゲームではヒロインがかかわっていないところなのでよくわからない、、、ので困ったときのジェシカ頼み。実家に帰った時にジェシカに相談してみた。
「まず、深窓の令嬢に会うのは夜会かお茶会でしょうからその時を見張るのでしょうね。あと、そういう男は令嬢の周辺の女に手引きさせるはずなので侍女たちにも目を光らせるしかないでしょう。それから、公爵家の中にも味方をつくるのが大事です。でも、どうやって説明するかが難しいですね。」
「そういえば、ジェシカはすんなり納得してくれたけど、どうして?」
ジェシカは溜息をついて言った。
「今更ですよ、小さいころから悪役令嬢がとかヒロインがとかぶつぶつ言ってたじゃないですか。カノン様が、ごく狭い範囲ですが、未来を予見できる能力を持ってらっしゃることは存じてます。そして、今度はそれでチェロお嬢様を助けようとしているのでしょう?」
あ~、バレテーラ、ちょっと違う方向にだけど。
「まずはその男に弄ばれていそうな令嬢を探して、そのことを公爵家の方に報告して警戒してもらうことですね。カノン様はサリア様のことがあるからそのあたりの信頼が厚いから実例があれば信じてもらえると思います。」
うーん、どうやって調べようか。
「私のほうでも侍女仲間を通じて情報を集めます。お嬢様もお屋敷に戻られたらそれとなく譲歩を集めてください。特に、恋人ができてはしゃいでる侍女や下働きを探すのがいいと思います。」
「ありがとう、そうするわ。」
「カノン様も気をつけてくださいね。ご自身では気が付いていないようですが、カノン様を狙ってる殿方結構いますから。」
そんなもの好きいるんだ。でも、中身が残念でもヒロイン補正でかわいく見えてもおかしくないな、気を付けよう。
「ユージン様とはその後どうですか?」
うわ、ちょっと油断してた。
「変わらないわ、お屋敷で時々会うけど挨拶だけ。」
「なら、ユージン様に協力いただいたらいかがでしょうか、お友達で婚約者が冷たくなったとかおかしくなった方いるかもしれないですし、そのお話聞けば何か分かるかも。」
「でも、難しくない?どうやって話そう。」
「ユージン様、カノン様のこと意識されてますよ。ただ、私のことがあるから話しにくいだけだと思います。」
「そうなの?」
「こちらにいらっしゃるときカノン様がいるか必ず確認されていていないとわかるとがっかりされてます。自分では隠しているつもりみたいですけど。」
ちょっとうれしいじゃない。やる気が出た。どう切り出すか考えておこう。
次に実家に戻った時、タイミングよくユージンが訪ねてきた。
おとうさまは書斎でお仕事、おかあさまはお茶会に招待されていて不在、これはチャンス。
どう切り出そうかと思ったときユージンから世間話のように友人の話が出た。
「婚約したばかりの友人が最近元気なくて、聞いてみたら婚約者が急に冷たくなったって言っていて。こういう時どうしたらいいか、僕じゃわからないので。」
「お友達が何かしたわけではないのですよね。」
「僕もそれ気になったので詳しく聞いたけど特に何もなかったよ。」
「冷たくなったころに婚約者の方は夜会とか出かけられていませんか?」
「そういえば、お友達の伯爵家の夜会に出た後冷たくなったって言っていたな。」
「いつですか?」
「それは詳しく聞いてないけど、2月ほど前だろうね。」
ジェシカが珍しく口を挟んできた。
「その方、いちど連れていらしたらいかがでしょう。女の目から見れば原因もわかるかもしれませんし。大丈夫ですよ、カノン様も私も口は堅いですから。」
ジェシカが調べてくれたら、ビンゴ。その夜会にちょい悪おじさん出てた。そして伯爵夫人とそのちょい悪おじさんがうわさになりつつあることも分かった。これは黒だね、だけど証拠がない。
ユージンのお友達はその後婚約者とどうも冷戦状態となってしまったそうで、そちらから証拠を集めるのは難しそうだ。どうしようかと思ってたらあいつ自分の国に逃げやがった。
それでもちょっとほっとした。
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