せめて 抱きしめて

璃鵺〜RIYA〜

文字の大きさ
上 下
66 / 111
せめて 抱きしめて〜転〜

せめて 抱きしめて〜転〜 12

しおりを挟む
「あああっん・・・いやぁ・・・!!」

心は拒んでるのに、体は正直で擦(こす)られて熱を持ち、溶けそうなくらい気持ちが良い。
彼が腰を引く度に、内部を掻(か)き回す度に、腰に重くて熱い快楽が生まれて、脳味噌を焼き尽くす。

「ああっ・・・っはぁぁぁああん・・・良いっ・・・やぁああっ!」

ボクは意識が飛びそうな感覚がして、思わず彼の首にしがみついていた。

ああ・・・もうダメだ・・・。
どうしょうもなく気持ち良い。
もっと、もっとして欲しくて堪(たま)らない。

不意に父の顔が浮かんだ。
眉根を寄せて、ボクを汚物を見るような目で見ていた。

汚いよね・・・お父さんがあんな目をするの、仕方ない。

知らずに自嘲する笑みが口唇を歪めた。
初めて会った男とセックスをするんだから、気持ち悪いって思われても、仕方ない。

父に対する当てつけだった。
こんな風に体を売ったのは、完全に当てつけだ。

彼は、ボクを激しく犯しながら、しっかりと抱きしめてくれる。

「すごいっ・・・だめぇ・・もうイっちゃう・・・!」
「いいよ、イって」

そう言って彼は、喘ぐボクにキスをする。
舌を搦ませながら、更に奥へ奥へと腰を動かす。
優しくボクを抱きしめながら、激しいキスをしながら、ボクを内部から壊そうとしている。

剛さんが脳裏に焼き付いているのに、どうしようもなかった。

気持ち良くて、死にそうで、もっとして欲しくて。
もっと、もっと犯されたいと。

「もっとぉ・・もっと奥まできてぇ・・!ふああっ・・・すごいぃっ!」
「・・・っ・・・淫乱・・・可愛い・・」
「ああんっ・・嫌い?・・淫乱なのイヤ?」
「大好きだよ」

彼は微笑みながら、キスをする。
ボクは自分から舌を搦ませる。

止まらない。
気持ち良すぎて、やめたくない。

ごめんなさい。

剛さん、ごめんなさい。

でも、これがボクなんです。
セックス大好きで。
快楽に弱くて。
誰とでも犯っちゃう。

でも、それでも。

好きなのは剛さんだけ。

大好きなのは、貴方だけなんです。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

BL / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:2,972

俺の彼氏には特別に大切なヒトがいる

BL / 完結 24h.ポイント:418pt お気に入り:2,184

嫌われ者の僕

BL / 連載中 24h.ポイント:113pt お気に入り:1,739

囮になった見習い騎士には、愛され生活が待っていた。

BL / 完結 24h.ポイント:631pt お気に入り:2,399

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL / 完結 24h.ポイント:589pt お気に入り:4,752

婚約破棄されたオメガは隣国の王子に求婚される。

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:206

さよなら、先輩。

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:48

【BL】身代わり王族は、執着騎士に愛される

BL / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:1,342

ある幸せな家庭ができるまで

BL / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:2,751

処理中です...