普通の会社員の異世界冒険物語〜程々に強いがちやほやされる訳でもなく、悪い奴もそんないない異世界で必死に生きる〜

ときすでにおすし(サビ抜き)

文字の大きさ
13 / 46
第2章 駆け出し冒険者編

07.スライム退治完了

しおりを挟む
 食堂で、厳つい連中と今後の冒険者の労働環境について飯を食いながら討論をしていると、後ろから声がかかる。

「また、タケシか」

 藪から棒になんだ?
 振り返ると、ガイさんと他に強そうな冒険者が3人いた。
 調査&駆除用部隊の準備ができたようだ。


「なんだ、ガイの知り合いか?」

「俺が、適正試験の担当だったんだ」

「なるほどな、よろしくタケシ。俺は、アイジー。こいつがメンスで、あいつがビターだ」

「タケシです。よろしくお願いします」

「スライムの件ですよね。いつでもいけますよ!」ムシャムシャ
 急いでムシャムシャする。

「まず、飲み込んでからしゃべれ。食い終わるまでまってるから大丈夫だ」

「ありがとうございます、すぐ食べますから」

 ご飯を食べ終え、俺の準備がととのう。

「気をつけていってこいよ」

出来上がってるおじさんたちが、見送ってくれた。

「行ってきます」




 草原を歩く俺ら。
 魔法が使える状態になっているが、念のため身体強化はしない。

「日が暮れる前に蹴りをつけよう。ダメそうなら、出直しだ。」

 ガイさんが、今回の隊長のようだ。
 全員異論なく同意する。


 黙々と歩いていると、アイジーさんが話しかけてきてくれた。

 アイジーさんは、大剣を背負い厳つい鎧をきている、あんちゃんだ。
 メンスさんは僧侶風の格好していて武器はメイスと大楯を持っている、優しそうなおじさん。
 ビターさんは、かっこいい鎧をきていて、レイピアみたいな剣と魔術師の短めの杖を持っている、なんかかっこいい感じの女性だ。
 3人は、B級の冒険者で、B級パーティ”豪炎のコップ”という、ちょっと美的センスがわからないネーミングだが、この世界の厨二的な名前なんだろう。


「タケシは冒険者になりたてだそうだな」

「はい、この前ガイさんに適正試験してもらって、Fランクの冒険者になりました。」

「そうか。最初は普通に依頼をこなしていれば、すぐにDまでは上がれる。でもそこで壁にぶち当たる。運も実力も努力も全部揃ってないと、Cにはなれない。そして、Cに上がれるかどうかで、そいつの冒険者人生が決まる」

 ごくり。
 アイジーさん、急にシリアスな話になったな。

「そう怖がらすな、アイジー。別にランクが全てじゃない、自由でいいんだよ冒険者は」

「そうだとも。タケシくん。ビターの言う通りだ。アイジーはCに上がる時に、だいぶ苦労したからよくこの話をするんだ」


 FF外からビターさんとメンスさんがコメントしてきた。

「いえ、右も左もわからない初心者なもので、先輩方の貴重なお話がきけるのはありがたいです。」

「お?貴重な話か、お前わかってんじゃねーか。おしじゃあ、大切なことを教えてやるよ。これだけは絶対に覚えておけよ。簡単だ、敵がいる時は絶対に油断するな。絶対にだぞ。その他のこたぁ、帰ったら酒飲みながら教えてやるよ。」

 ガハハハと笑うアイジーさん。上機嫌なようで、何よりだ。
 ガイさんは、微笑ましそうに笑ってる。そういえば、この人は、ランクはどのくらいなんだろうか。
 

 話をしてると、ガイさんが魔物をみつけたようだ。
 襲ってくるなら対応するとのこと。

「剣盾と鎧をきたゴブリンが4体と、棍棒を持ったホブゴブリンが1体だな。アイジー頼んだ。」

 どうやら、戦闘になりそうだ。
 ランク的にいうと、コップさんたちがアクティブに相手にするような魔物ではないが、俺にいいところを見せようとしてるのか、アイジーさんがやる気満々だ。
 俺は、案内だけなので、戦闘には参加しない。

「おし、じゃぁ、いっちょやるか!みてろよタケシ!いくぞおまえら」

 おりゃーって叫びながら、突っ込んでいくアイジーさん。

「おい、まてアイジー」

 ビターさんがやれやれという感じに、追っていく。

 メンスさんは、メイスを前に出して詠唱をしている。なんだろう魔術か?
 そして、前を走るアイジーさんとビターさんの周りにエフェクトがかかる。
 お、なんだ、なにかの強化か? 


 アイジーさんが、4体のゴブリンにつっこみ、大剣の一薙ぎで葬った。す、すげぇ、盾も剣も鎧も関係なく両断してる。
 そして、俺の方をみて

 「これだタケシ、これが冒険者だぁ!遊びじゃねぇ命のやりとりだからな!覚えとけよ、相手が格下でも絶対、油断すんじゃねーぞ!」

 と、叫んでいる。

 ゆ、油断しちゃだめなんじゃないすか!
 まだ、ホブゴブリンいますよ!
 今のそれ油断すよアイジーさん、それ!


 あっ

 次の瞬間、ホブゴブリンの棍棒の一撃を思いっきりくらって、俺の方まで飛んでくるアイジーさん。
 えぇぇぇーーー

「ちょ、大丈夫ですか!」

 ガイさんもメンスさんも、慌てる様子もない、そもそもこちらを見ていない!?
 これがベテランの冒険者だというのか!?非情すぎねーかさすがに。
 メンスさん、あんた回復とか出来んじゃなかったのか?

 俺だけがあたふたしているとでドスンとでかい音がする。
 驚いて音の方を見ると、ビターさんがホブゴブリンの急所を一突きで倒したようだ。あの人、剣士か。


 そ、そんなことよりも、アイジーさんだ。
 どうするどうする魔法で回復させるか、どうする、でも今使うしかーー

 ん?


 アイジーさんが何事もなく立ち上がっている。体についた土を叩いてる

「こんな感じに、油断してると、格下の敵でも速攻でやられちまうからな、気をつけろよ!ま、俺はあんなんじゃくたばらねぇがな!わざとだ、わざと!」



 は、はい・・・え、なんなのこの人。この人、本当にB級なの?
 
「タケシくん、驚かせてしまってすまないね。こうゆうふざけたやつなんだ。タケシくんに良いとこ見せようと、調子にのってて吹っ飛ばされたんだとはおもうが、身体強化の術をかけといたから、たいしてダメージはないから安心してくれ」

 メンスさんが教えてくれた。いや、そういう話じゃなくねーか。

 とりあえず、戦闘終了した。



 ホブゴブリンの魔石のみ回収して、スライムの場所に急ぐ。

 その後の戦闘はなく、アイジーさんがめっちゃ昔の武勇伝を話してきた。
 その受け答えに疲れた・・・リアクションが薄いと文句言うし・・・。

 
 そうこうしているうちに、キング級の大きさのスライムの場所についた。
 目の前にいる。

「これは、想定よりでかいな。まぁ、大丈夫だろ。当初の予定通りやってくれ。」

 ガイさんが、コップの人たちに向けて言う。

「「「了解」」」


「まずは私から」

 と、言いながらメンスさんが詠唱している。

 ビターさんの周りに柔らかい光のエフェクトがかかる。

 かかると同時に、ビターさんはレイピアを前にだして、詠唱してる。
 え、そっち!杖は?短いのもってたでしょうに。

 詠唱が終わると、レイピアが光だして、光が伸びていく。
 なにそれ、すげーかっこいいい。そして、レイピアがすごい長い!!!!
 
 そして、ビターさんは、ダッシュして、スライムの核にむけて、光のレイピアをぶっさす。
 体がでかい分、核まで厚みがある。光のレイピアが核に届きそうな時に、光が消えた。
 すぐにビターさんはスライムから離れ、こちらに戻ってきた。


 スライムはプルプルしているが、まったくダメージはなさそうだ。

「魔術が消えたな。こいつは厄介だな。耐性スライムか」

 ガイさんが、気になることを言っている。
 た、耐性スライムだと?耐性がある感じのスライムってことだろうな。きっと。
 俺の魔法もだめかもしれないな。報告してよかった。


「おし。んじゃあ、俺の出番だな。みてろよ、タケシ!」
 といいながら、アイジーさんが大剣を取り出し振り回し始める。

「まて、まて」
 メンスさんが止めて、詠唱をはじめる、アイジーさんの周りに柔らかい光のエフェクトがかかる。

 ビターさんも片手に短い杖をだした。もう片方の手をアイジーさんの大剣に置いて、詠唱を始めた。
 アイジーさんの剣が、燃え上がる。おおぉ、エンチャントか。
「いっちょやってくるか、魔術がだめなら、力で核ごと真っ二つにしてやるぜ」

 うぉらりゃぁぁぁーーーーーっと、いいながら、スライムに突撃するアイジーさん。

 そして、スライムの前でとまり振りかぶって止まっている。突撃の意味がまったく・・・
 なんとなく、アイジーさんにエフェクトのようなものがかかっている。スキルか、力をためている感じか?

「おっしゃぁーいくぞおらぁぁぁぁ!!くらいやがれぇぇ!!昇竜斬りぃぃぃぃぃぃ!!」

 す、すごい。スライムを真下から切り上げて、アイジーさんがそのまま、上空に飛びあがった。
 スライムは真っ二つ。スライムの後にあった岩や、木々も切れている。とんでもない威力だ。

 核が壊されたスライムは、ドロドロにとけてしまった。

 しゅたっと、着地するアイジーさん。
 かっこいいっす、アイジーさん、いや、兄貴!!!!


「よし。これで終了だ。帰ろう」

 ガイさんが、核と魔石を採取して告げる。
 
「どうだタケシ!」

「かっこよかったっす!兄貴!」

「そうだろうそうだろう。よし、帰ったら飲みいくぞ」

「承知しやした兄貴!」

 ガハハハと上機嫌な兄貴。
 スキルすごい。帰ったら兄貴に教えてもらおう。
 


 何事もなくギルドまで帰る。
 無事、依頼終了となった。
 今回の情報提供料と、指定依頼の報酬を受付からもらう。
 
 そして、食堂兼居酒屋にいくと、コップのメンバーとおじさんたちがすでに飲んでいた。
 おじさんたちは、ずっとのんでたのか・・・

「お、タケシ、こっちだこっち」
 アイジーさんが、席を空けていてくれたようだ、ガイさんも報告したら仕事終了だったらしくすぐに合流した。

 そして、打ち上げ開始だ

「「「「「「おつかれさまー」」」」」」

 なぜか、おじさんたちも一緒に乾杯してる。
 これは、長丁場になるな。


 
 言うまでもなく、店じまいまで飲んで、ギルドから追い出されてお開きになった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

召喚失敗から始まる異世界生活

思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。 「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。 ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。

スーパーのビニール袋で竜を保護した

チー牛Y
ファンタジー
竜は、災害指定生物。 見つけ次第、討伐――のはずだった。 だが俺の前に現れたのは、 震える子竜と、役立たず扱いされたスキル―― 「スーパーのビニール袋」。 剣でも炎でもない。 シャカシャカ鳴る、ただの袋。 なのにその袋は、なぜか竜を落ち着かせる。 討伐か、保護か。 世界の常識と、ひとりの男の常識が衝突する。 これは―― ビニール袋から始まる、異世界保護ファンタジー。

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

処理中です...