普通の会社員の異世界冒険物語〜程々に強いがちやほやされる訳でもなく、悪い奴もそんないない異世界で必死に生きる〜

ときすでにおすし(サビ抜き)

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第5章 上級冒険者 前編

04.修行の成果

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ちょっとどころではなく、とんでもなく広い場所で、俺とマークとエリサの修行の成果を見せ合うことになった。

アディさんが、おもむろに何か唱え始めている。すると、地面からオーガがぬるっと出てきた。すっごい凶暴な感じ・・・。

「さぁ、一人一人、挑戦してみましょうか」

「アディさん、めちゃめちゃ実践的な成果発表会ですね」

「その方がいいでしょ?」

 めっちゃいい笑顔だ。

 俺とマークとエリサは、絶句していたが、アディさんに促されるまま、オーガとやりあうことになった。
 まずは、俺から。あぁ、この威圧感は・・・たぶん、あの階層のオーガと同じ強さだ。
 唯一違うのは、一目瞭然だがめちゃめちゃ凶暴そう。アディさんが止めているのだろうけど、今にも襲いかかってきそう。

「このオーガは、この前のオーガと同じくらいの強さだけど、見ての通り凶暴性を増してるオーガなの。だから、下手したら殺されると思うから、気を引き締めてね」

 これ、失敗できないやつだな。
 と言うわけで、俺の成果発表の始まりだ。

「準備はいい?」

「おねがいしまーっす」

 アディさんが、オーガの拘束をといたようで、オーガがすごい咆哮のあと襲いかかってきた。
 以前俺なら、すぐに心が折れて諦めてただろうけど、もう違う。なんてったって、剣豪の爺さんの殺気の中で修行していたんだ、この程度の威圧感はどうってことない。
 突っ込んできたオーガを、横に避けて身体強化をかけた状態で蹴りをいれた。オーガが吹っ飛んだが、すぐにこっちに向かってきた、剣を抜いて横にきる。
 相手の動きを見ながら攻撃を全回避して、がら空きの胴を切り裂いた。意外とあっさりと、終わった。
 オーガは、跡形もなく消えてしまた。なんだ、本物ではなかったのか・・・。

 カルディアと、マークが「タケシすごいぞー」「いい動きだったぞー」とかいってる。

「タケシ君、動きがすごく良くなったわ。身体強化も前とは比べ物にならないぐらい良くなってる。あと、何と言っても心が折れなくなったが大きいわね。素晴らしい修行だったみたいね」

「そうですね、頑張りました。カルディアと知り合いの剣豪のおかげです」

「よかった。これなら、次の階層も余裕でいけるわ。さて、じゃぁ次は、エリサいってみましょうか」

「いいわよ」

 エリサが、前に出てきた。頑張れよって言ったら頷いて返してきた。

 ということで、次はエリサの番だ。
 同じように、アディさんがオーガを出した。なんだろう、これは召喚魔法かな?あとで聞いてみよう。

「エリサも気を引き締めてね。いくわよ」

「いつでも」

 エリサの言葉の後にすぐ、オーガが突っ込んできた。エリサは黒い霧のようになり、その場から消えてオーガが突っ込んできたのを避けた。
 キョロキョロしながらオーガがエリサを探している。あいつは、俺らを襲ってこないんだな。どうなんってんだ?
 オーガの後ろに、エリサが出てきた。髪の毛が白くなって、目が赤く光ってる・・・うわぁ、かっこいいそれ。俺もやりたい・・・

「やっぱ、それかっこいい!私もやりたい」 

 また、カルディアと考えてることが一緒でビビった。だから、お前はだめだろ。種族的に自重しろ。

 エリサから黒い靄がでてでかい拳ができて、オーガを殴り飛ばした。
 着地したところに、黒いシミができて、オーガが沈んでいく。
 なにこれ、怖い・・・

「これで、終わり」

「はい、エリサ良くできました」

 と言いながら、アディさんがエリサに抱きついてる。

「ちょっと、アディやめてよ。みんなみてる」

 なにイチャイチャしてるんだよ。エリサももっと真面目にイチャつけよ。ください。そうゆうのください。
 とりあえず、目に焼き付けておく。
 しかし、あのオーガが沈んでく魔法は怖いな。底なし沼のようだ・・・。


「じゃあ、次は、マークね」

 エリサに抱きつきながら、アディさんはマークのために、またオーガを準備をしている。
 同じように、オーガが出てきて、マークの番が始まった。

 マークは、初っ端から魔族化している。そして、突っ込んで来るオーガを避けることもなくぶつかり合った。おお、オーガの突進を止めやがった。
 そして、マークは、頭突きでオーガを吹き飛ばした。ヨロヨロしてるオーガに近づき上に剣を構えたと思うと、そのまま振り下ろしオーガを縦に真っ二つにしてしまった。
 すげーな、あいつ。もともと力持ちキャラだったけど、随分と筋力強化されたなぁ。魔族化の影響もあんのか?
 そもそも、魔族化ってどんな効果があるんだろう。あとで聞いてみよう。

「はい、マークも良くできました、おいで」

 アディさんは、エリサを抱きながらマークに手を広げてる。マークは恥ずかしがって拒否してる。なんてもったいないことを。

 あるぇえ?、俺にそうゆうのなかったような。不平等だな。
 抗議の目線で、じーっとみてると、アディさんが気が付いたみたいで「タケシ君もくる?」っていって、こっちに手を広げている。

「いってきます」

 カルディアにそう言い残して俺が飛び立とうとしたら、カルディアに首根っこを引っ張られて戻された。

「まてまて、タケシは、私だろ」とかいいなが俺の首を腕でホールドしながら、頭をわしゃわしゃ撫でられた。あれ、なんか、ちょっと、ちがうんだけど。こうゆうんじゃなくて、ぎゅって・・・。ま、いいか。これはこれで。
 
 アディエさんもぎゅーして欲しかったみたいで、アディさんとエリサに抱きついた。可愛いな。こっちにもおいで。 



 とりあえず、俺たちは先に進めそうだ。明日からは、連携の訓練をすることになった。

 アディさんの家に戻って、みんなで夕食の準備をして、一緒に食べた。
 今は、アディエさんとスゴロクを作って遊んでる。

 カルディアが書いたスタートへ戻るマスに、なぜか俺は止まりまくって、進むことができない。その度に、カルディアが爆笑してる。なんなんだこいつ。なんかやってるだろう魔法的なの。そっちがその気なら、俺もやるぞこら。
 そして、カルディアも、俺の書いたスタートへ戻るマスに止まり始めて、怒り始めた。

「タケシ、お前、魔法つかってるだろ?見えるぞ、やめろ」

「お前が先に使ったんだろ」

「魔法見えないくせに、言いがかりはよせ」

「なんとなくわかんだよ、隠しても無駄だ」

 軽く喧嘩になりそうになったが、アディエさんが、笑っていたので許してやる。
 そして、その後、スタートに戻るマスを神回避したアディエさんが勝利を納めた。「私も魔法ちょっと使っちゃいました」とかいいって、舌出してる。天使だ・・・魔族の天使様がこちらにいらした。
 
 急に、うりゃーっとかいいながら、カルディアがアディエさんを抱っこして、高い高いしてる。アディエさんが楽しそう。
 カルディア次、俺も、それやりたい。変われ。
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