普通の会社員の異世界冒険物語〜程々に強いがちやほやされる訳でもなく、悪い奴もそんないない異世界で必死に生きる〜

ときすでにおすし(サビ抜き)

文字の大きさ
34 / 46
第5章 上級冒険者 前編

05.再挑戦

しおりを挟む
 連携訓練をやることになった。

 最初のうちは、全く呼吸が合わなかったので、ぶつかったり無駄な動きが多かった。何度も喧嘩して、何度も仲直りした。
 1週間ぐらい繰り返していると、次第にこのタイミングに誰が何をやるかがなんとなくわかるようになった。
 あと、何度も喧嘩したからか、必要な時に物怖じせずに、ちゃんと言いたいこと言えるようになった。
 そして、アディさんからOKがでたので、修行終了となった。

 たぶん、俺たちはだいぶ強くなっている。カルディアとアディさんがいなくても、Aランクぐらいは行けると思う。
 よし、あのオーガに再挑戦だ。王都に戻ることになった。
 アディさんは、最近本業が忙しいらしく、オーガに挑む時に指輪で呼んでとのこと。アディエさんは、実家にお帰りになられた。また会おう。
 


「なぁ、みんな、せっかく再スタートするから、宿を同じところにしないか?」

 王都に戻った俺たちは、活動再開する上で、みんな同じ宿に泊まることにした。

「それなら、私の行きつけがある!そこにしよう。24時間入れる風呂があるんだ!」

「まて、紹介したのは俺だろう。ちょっと高いがおすすめのところなんだけど、マークもエリサもどう?」

「お風呂付きの宿か。いいわね」

「俺はどこでもいいぞ」

 もちろんスーパー宿だ。俺もカルディアも、ここだけは譲れなかった。

 ちょうど人数分空いていたので、すんなり拠点を確保できた。
 受付の人が俺を覚えていたようで「おかえりなさい」って言ってくれたのが、なにげに嬉しい。
 荷物を置いて、ギルドに行こうとしたら、カルディアとエリサがお風呂に行ってしまった・・・。まぁ、いいけど。


 いろいろ、やってたら、お昼になってしまった。とりあえず、ギルドに向かう。
 以前お世話になっていた受付のお姉さんがいたので挨拶すると笑顔で「おかえりなさい」って言ってくれた。
 あぁ、なんか帰ってきた感じがするなぁ。ちゃちゃっと活動再開の手続きをする。
 あと、受付のお姉さんがCランクの筆記試験結果がだいぶ前に出てますので、各自確認にきてくださいねっと言ってる。
 そういえば、そんなのやってたなあ。幸い受かってても失効期限はないそうだ。



「じゃぁ、確認しますか」

 ということで、みんな受付に行って試験結果を聞くことに。アディさんにも、あとで言っとかないと。
 結果を聞いた俺は、テーブル席を確保してコーヒーを飲みながら全員が戻るのを待つ。結果を聞く時に、久しぶりにドキドキした。

 受付の方からカルディアのでかい声が聞こえる。「タケシ、やったぞ!」とかいってるから、結果はなんとなくわかった。まじか。
 でかい声で、叫ぶなって・・・。みんな見るから。
 周りの冒険者が、何事かとざわついている。「あれ、純白のコップじゃねーか」とか言ってる奴もいる。そういや、Dランクで40階層突破して、ちょっと有名になってたんだ。まぁ、あの時はカルディアの力だったけども。


 みんな戻ってきた。
 さて、気を取り直して結果は・・・。

 俺、合格。
 兄貴、俺やったよ、受かったよ。あとで、報告に行かないと。
 
 エリサ、合格。
 まぁ、こいつは、そうゆうやつだ。
 
 マークも合格。
 まじかよ。運も味方なのか・・・それとも実は頭いいとかか?
 
 カルディア、合格。
 何よりも衝撃だった。こいつの知能はなんとなくわかってる。実は頭いい系では絶対ない。そこは俺が保証する。

「おい、タケシ。お前今すごい失礼なこと考えてなかったか?」

「いえ、そんなことないです」

 めっちゃ睨んでる・・・こいつ勘が良すぎる。とりあえず、すごいなぁって褒めて誤魔化す。ちょろい奴だ。
 しかし、全員合格とか、お、おい、まじでこの試験大丈夫か。何かしらの力が働いてる気がする・・・じゃないと、カルディアとマークが通るなんて。
 まじで、あとで聞いてみよう。
 この後の実技試験は、Cランクの討伐系依頼を1つこなすだけでいいらしく、とりあえず、ダンジョンであのオーガに再挑戦してからになった。

 その前に、昼飯を食べることになった。せっかくなので、アディオさんが修行している、辛味噌ラーメンの店に行くことに。店主とアディオさんが今日も元気に店に立っていた。とても息が合っていた。盛り付けとフロアもこなしていた。す、すごい、素早い身のこなし。心なしか女性客が多い気がする。アディオさんは、イケメンだから・・・。
 そういえば、薬屋の娘さんとはどうなっただろうか。
 すごく美味しかったのですぐ食べ終わってしまった。混んでいたので、挨拶だけして外にでた。
 その後、カルディアがどうしてもソース唐揚げが食べたいらしく、チロさんの店によって挨拶して唐揚げを買った。そういえば、市場の露店は順調らしく、近いうちに市場に唐揚げ専門店を出すそうだ。す、すごい。
 
 寄り道しまくったが、ダンジョン行って、さっさと宿敵40階層オーガを倒そう。
 面倒なんで、カルディアに転移で連れてってもらいました。
 ちなみに、俺特製の転移魔法は、アディさんに伝授することはできたが、やはりどこ○もドアのイメージは伝わらなかった。
 でも、魔力を持った相手を捕捉する魔法をアディさんが使えたので、それの応用でやってもらってなんとかできた。


 そして今、ダンジョンの40階層のオーガが目の前にいる。
 アディさんはすでに合流済み。カルディアとアディさんは、俺たちを見届けるそうだ。ソース唐揚げを食べている。


 今回はあえて俺とマークとエリサで、連携してオーガに挑む。
 マークとエリサは魔族化済み、俺も身体強化済み。準備OKだ。

「じゃあ、いくか」

「おう」「いいわ」

 その言葉とともにオーガに近づき、マークが素手でオーガを投げ飛ばす。
 投げ飛ばした先に、エリサがいて闇の大きな手でオーガを空中に殴りあげる。
 そのまま落下したところを、俺が唯一つかえる必殺技の昇竜斬りでトドメを刺した。あっさりと倒してしまった。

 たぶん、次の階層は、こいつが普通にフォールドに出てくるんだろうな。
 その時は、それぞれで相手にすることになるが、まぁ大丈夫だろう、訓練でアクティブなの散々倒したしな。
 次の階層にいって、オーガがフィールドにいっぱいいることを確認して戻ることにした。武器持ってるオーガもいた。


 次は、Cランクの依頼を受けて、さっさとランクアップだ!
 時間的に今日は依頼を選ぶとこまでかな。あと、アディさんの結果も気になるし、とりあえず、ギルドに戻ろう。


 ギルドに戻ると思いがけない人物に再会した。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...