3 / 7
黒き風の息子と娘その2
しおりを挟む
相手の位置はおおよそ把握出来ていた、だけど近づくのがかなり難しい。みんなからはかなり離せた、違うなこうなるように仕向けさせられている。どうやら僕はまんまと釣られてしまった。放たれた矢の全てが正確に僕の急所を狙ってくる。恐ろしいほど正確な腕に冷や汗を流しながらなんとか切り払いながらも少しづつ距離を縮めているとふと僕の鼻に嗅いだ事が有る匂いを感じた。父ちゃん程では無いにしろ僕の鼻も人より何倍も鼻が利く。木々の匂いに混じって微かだけど覚えのある匂いがこの先から匂って来る。僕の鼻がそう感じたなら多分一度どこかで会っている人のはずだ。いったん木の陰に隠れて息を整えながら記憶と匂いを重ねるように思い出す。
「とんでもない弓の腕の人物、どこで会った?いつ会った?思い出せ。」
その時、棒が隠れている木の直ぐ脇を矢が飛んでいくのを見て思い出した。矢が射られてくる高さが普通より高い事に気が付いた時に僕の中で一つの結論にたどり着く。そして僕は大きく溜息を吐いてしまう。どうやら僕は初めから遊ばれてい事に気が付いてしまった。分かったのならこんな茶番はそろそろ終わりにしたい、僕は大きな声でとある部族たちがお互いに名乗りを上げるときに使う言い回しを叫んだ。
「西の風が舞う草原の戦士よ!我は潮風巻く街から旅してきた者!」
「風と共に旅する者よ、汝の名は!」
「僕の名前はレン!もういい加減にしてよ、パジャックなんでしょ?」
僕がそう言って木陰から身を晒すと緩く放物線を描いた矢が僕めがけて落ちてくる。僕は空中手掴む見れば矢じりが付いていない訓練用の矢を撃ってきた。矢が射られた方角に歩いていくと腕組している精悍な男が僕を見て笑いかけてくる。ケンタウロス族のパジャック弓の名手で僕の父ちゃんの戦友でもあり王都の東側にある大草原カートゥ大草原に住むケンタウロス族を束ねる族長で子供のころは年に何回か両親に連れられて遊びに行った。僕たち兄妹からしたら親戚のオジサンのような人だ。次いで言えば声が大きいのが玉に瑕なんだよね。
「黒き風の息子!大きくなった!そしてとても強くなった!嬉しく思うぞ。」
「こんなところで会うと思わなかった、僕と分かってあんな悪戯したの?」
「ああ!すぐに分かった、お前は友によく似ている。あいつと同じ風を纏っている。」
「まあ、パジャックのお眼鏡に適ったなら素直に嬉しいかな、それよりも立ち話も何だから僕の仲間の所に行かない?あっ、それとマールに怒られるのは覚悟しなよ。」
「む!それはとても怖いな。あの子は幼い頃から物怖じしない娘だ、先程も遠目ながら見ていたが美しくなったな!」
「そうかな?僕から見ればいつまでたっても手の掛かる妹だよ。」
「そうかそうか!兄妹仲が良いのはよい事だ!」
兄の姿が見えなくなって数分後私達を狙ってきていた矢が急に飛んで来なくなり、その代わりに林の奥からは見知った人物が手を振りながら近寄ってきた。
「マール、ごめんね。親父がやれっていうからやったけどケガしてないよね?」
「あれ?もしかしてターニャ?嘘、何年ぶりかな!凄く奇麗になってたから分からなかった。」
林から出てきたのは私の幼い頃の友達でケンタウロス族のタチアナだった。
「って事はパジャックおじさんも居るのね。・・・そう、そういうことね。」
「ほんとごめん!アタイは普通に挨拶すればいいって言ったんだよ。だけどあの親父が『黒き風の息子の成長はいかほどか試す!』なんて言い出したら聞かないくってさ!」
「うん、うん。分かってる、悪いのは全部、ぜーんぶオジサンだよ。」
ターニャは昔からちょっと男の子ぽくって悪戯好きな処はあったけどこういうタチの悪い事は絶対しない子だもん、昔から変わっていなければあの脳筋おじさんがすべての元凶だろう。親しい仲にも礼儀ありってお母さんが良くお父さんに言ってたよ。
私の手は無意識に荷物の中からいつもなら進んで手にする事が無い自分の増備を取り出していた。
「あらー、これはデンジャーねとばっちり受ける前に避難しましょ。そこのお嬢さんも離れましょ。」
「マーちゃん昔からキレるとおっかないからな・・・もしかして今も?」
いつの間にかにルディーと隊長、そしてターニャがフロートカートと一緒に離れて行ってしまった、あんまり察しが良すぎるのも逆にムッとこない訳じゃないけどそれはそれで荷物が汚れる心配がないなら調度良い。私の装備が整ったところで遠くから3人の人影が見えたこちらに手を振る兄と大きな二人は多分パジャックおじさんと同じ部族の誰かだろう。
「マール!マール!ホラ、パジャックだよ・・・マール?戦闘用の装備してるの?あれ?なんか詠唱始まってない?待って待って!僕もいるんだよ!」
「がっはは!頭に血が上っておる!魔力のうねりがここまで伝わる!母親に似た良い精霊使いになっておるわ!」
「この状況で何感心してるんだよ!あっ、これ駄目だ。」
マールが得意とする座標指定型の広域破壊呪文の詠唱の終わりと共に僕の意識が途切れていくのが分かった。まったく酷いとばっちりだよ。僕悪くないよね?
「とんでもない弓の腕の人物、どこで会った?いつ会った?思い出せ。」
その時、棒が隠れている木の直ぐ脇を矢が飛んでいくのを見て思い出した。矢が射られてくる高さが普通より高い事に気が付いた時に僕の中で一つの結論にたどり着く。そして僕は大きく溜息を吐いてしまう。どうやら僕は初めから遊ばれてい事に気が付いてしまった。分かったのならこんな茶番はそろそろ終わりにしたい、僕は大きな声でとある部族たちがお互いに名乗りを上げるときに使う言い回しを叫んだ。
「西の風が舞う草原の戦士よ!我は潮風巻く街から旅してきた者!」
「風と共に旅する者よ、汝の名は!」
「僕の名前はレン!もういい加減にしてよ、パジャックなんでしょ?」
僕がそう言って木陰から身を晒すと緩く放物線を描いた矢が僕めがけて落ちてくる。僕は空中手掴む見れば矢じりが付いていない訓練用の矢を撃ってきた。矢が射られた方角に歩いていくと腕組している精悍な男が僕を見て笑いかけてくる。ケンタウロス族のパジャック弓の名手で僕の父ちゃんの戦友でもあり王都の東側にある大草原カートゥ大草原に住むケンタウロス族を束ねる族長で子供のころは年に何回か両親に連れられて遊びに行った。僕たち兄妹からしたら親戚のオジサンのような人だ。次いで言えば声が大きいのが玉に瑕なんだよね。
「黒き風の息子!大きくなった!そしてとても強くなった!嬉しく思うぞ。」
「こんなところで会うと思わなかった、僕と分かってあんな悪戯したの?」
「ああ!すぐに分かった、お前は友によく似ている。あいつと同じ風を纏っている。」
「まあ、パジャックのお眼鏡に適ったなら素直に嬉しいかな、それよりも立ち話も何だから僕の仲間の所に行かない?あっ、それとマールに怒られるのは覚悟しなよ。」
「む!それはとても怖いな。あの子は幼い頃から物怖じしない娘だ、先程も遠目ながら見ていたが美しくなったな!」
「そうかな?僕から見ればいつまでたっても手の掛かる妹だよ。」
「そうかそうか!兄妹仲が良いのはよい事だ!」
兄の姿が見えなくなって数分後私達を狙ってきていた矢が急に飛んで来なくなり、その代わりに林の奥からは見知った人物が手を振りながら近寄ってきた。
「マール、ごめんね。親父がやれっていうからやったけどケガしてないよね?」
「あれ?もしかしてターニャ?嘘、何年ぶりかな!凄く奇麗になってたから分からなかった。」
林から出てきたのは私の幼い頃の友達でケンタウロス族のタチアナだった。
「って事はパジャックおじさんも居るのね。・・・そう、そういうことね。」
「ほんとごめん!アタイは普通に挨拶すればいいって言ったんだよ。だけどあの親父が『黒き風の息子の成長はいかほどか試す!』なんて言い出したら聞かないくってさ!」
「うん、うん。分かってる、悪いのは全部、ぜーんぶオジサンだよ。」
ターニャは昔からちょっと男の子ぽくって悪戯好きな処はあったけどこういうタチの悪い事は絶対しない子だもん、昔から変わっていなければあの脳筋おじさんがすべての元凶だろう。親しい仲にも礼儀ありってお母さんが良くお父さんに言ってたよ。
私の手は無意識に荷物の中からいつもなら進んで手にする事が無い自分の増備を取り出していた。
「あらー、これはデンジャーねとばっちり受ける前に避難しましょ。そこのお嬢さんも離れましょ。」
「マーちゃん昔からキレるとおっかないからな・・・もしかして今も?」
いつの間にかにルディーと隊長、そしてターニャがフロートカートと一緒に離れて行ってしまった、あんまり察しが良すぎるのも逆にムッとこない訳じゃないけどそれはそれで荷物が汚れる心配がないなら調度良い。私の装備が整ったところで遠くから3人の人影が見えたこちらに手を振る兄と大きな二人は多分パジャックおじさんと同じ部族の誰かだろう。
「マール!マール!ホラ、パジャックだよ・・・マール?戦闘用の装備してるの?あれ?なんか詠唱始まってない?待って待って!僕もいるんだよ!」
「がっはは!頭に血が上っておる!魔力のうねりがここまで伝わる!母親に似た良い精霊使いになっておるわ!」
「この状況で何感心してるんだよ!あっ、これ駄目だ。」
マールが得意とする座標指定型の広域破壊呪文の詠唱の終わりと共に僕の意識が途切れていくのが分かった。まったく酷いとばっちりだよ。僕悪くないよね?
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした
暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。
役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。
だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。
倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。
一方、病の裏で糸を引いていたのは………。
“無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる