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第二話ー2
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惚れ惚れするような正確な一撃。あの小さな体で屈強な虎人の水月を寸分違わず
打ち抜き尚且つ鋭い錐で穿つ様に剄で経絡をも貫く。相手が油断していた所為も有るだろうが、それは油断している相手が悪いがあの体格差ではまあ油断するなと言えない所も有る。『白銀月子』と思われる少女は倒れている虎人の男を一瞥するなり俺を見る。
「ご助力感謝いたしますがこの程度の事でこれ以上お手を煩わせる事は有りませんので。」
日本人離れした真っ白な髪をなびかせ少し赤みがかった瞳。写真の通りのこの子が白銀月子だ。
「見りゃ分かるよ。君の実力はその一撃で理解した、だけど油断しない方が良いぞ残りもまだやる気満々だよ。」ボスを倒された虎人の男達は逃げ去る様子もなく変化を解きその名の通り虎の姿をした獣人に戻り鋭い牙と爪をギラ付かせている。残った4人の虎人達は俺と少女に二人掛りで襲い掛ってきた。
「二人掛りは卑怯、なんて言わないぞむしろ足りない位だ俺もあっちも。」
意識を一瞬で戦闘用に切り替え左右から襲い掛かってくる男たちの足元に向けて術式を発動する。
「戈牙地。」
虎人達の爪と牙は俺に届く事無く俺が発動した術式。
無数の『戈』矛のような物を地面から生えさせる術である『戈牙地』によって動きを封じられていた。
多少の切り傷はつけてしまったが大怪我させる事なく確保出来た。
そして彼女も一瞬で事を納めていた。先程見せた正確で苛烈な一撃を襲い掛かってくる男達に向けてただ淡々と打ち込む。あの体であの威力の攻撃反則と言っても過言じゃないなと一人思う。
倒れている男達が起き上がる確認をする事もなく
彼女は足元に下ろしていた大きな鞄を両手で持ち上げて俺の元に歩いてきた。
「それ持とうか?重そうだ。」
ヨタヨタしながら歩いてくる彼女に手を差し出す。
「結構です!これ位なんとも有りません…やっぱり重いです。」
手に持っていたバックを地面に下ろす彼女は俺を見て少し照れ笑いした。
彼女の持っていた鞄を持ち上げると10キロ以上は有るだろう小さな彼女がここまで持ってこれた事に賞賛すると彼女は。
「実は少し手前まで車で送って来てもらえたので殆ど持っていません
降りて直ぐにあの方達に囲まれてしまいましたので。」
やはり体格相当の筋力しか持ち合わせていない、なら考えられる事は。
「大陸系武術体系における外功剄と内功剄それに霊力圧縮の精密さ…
138cm有るか無いか位の小柄な君が虎人達を倒せた理由が理解できた。」
「私が習った武術は体格差など意味がありません、ですがいちいち詳細に身長を言
い当てるのは止めてください。少々無礼ですよ貴方。」
大体の目算で言ったつもりだが当たってしまったようだ。この年頃の女の子なら決して小さい方ではないと思うのだが、早く大人びたい年頃なんだろうな。
「それは失礼しました。ではお嬢様、御幸ヶ原学園にようこそ。俺は兵頭勇吾。」
俺は彼女の鞄を持ち少し芝居がかった口調で学園の正門の向けて手をかざす。
「先程の無礼許します、私は白銀月子。兵頭さん案内お願いできますか?」
彼女も機嫌を直してくれたようだ、俺は彼女を先導する形で正門をくぐると直ぐに
学園長からの通信が入る。
『何だ殆どその娘が倒しているではないか、良いトコ無しだなお主。』
「そんな事ありませんよ、半分倒したんだから別にいいでしょ。それより奴らの
回収と尋問はお任せしますから。」
からかい半分の学園長の通信を聞きながら白銀月子を学生寮があるほうへ案内する。
彼女が俺のほうを診て怪訝そうな顔をしているので話している相手が学園長だと
説明した。
「お爺様からお話を聞かされております大変可愛らしい方だとか。」
「可愛らしい?そうかお年寄りからすれば外見上は可愛く見えるものなのかな?
でもあの人は可愛いと言うか…会えば分かるよ。」
俺が思う可愛らしいの定義と少しかけ離れている気がするが、人の見え方はそれぞれだしな。
『勇吾、今の言葉一応ほめ言葉として受け取ってやらん事も無いが妾の機嫌が良い時で良かったのう。
次は炮烙の刑になるぞ。それとその娘の支度が済んだら一緒に妾の部屋に来い。』
恐ろしい一言を聞こえない振りしつつも背中に冷や汗が流れる。
「どうかしましたか?顔色が優れませんが。」
心配そうに俺の顔を見る彼女。
これから会わなければいけない学園長が恐ろしい人だと言うのは来たばかりのこの子には精神衛生上余り宜しくないので俺は他愛も無い世間話をする事にした。
「君くらいの子が親元を離れての寮生活は大変だと思うけど大丈夫?」
「ここの方達は皆そうなのでしょう?いずれ独り立ちするのです予行練習だと思えば何てことありません。」
強がっている様にも見えないが少し不安そうなのは目を見れば何となく分かる。
歳は分からないがたぶん初等部に編入するのだろう。正直な話『白銀』の姓で俺の知っている範囲で武術や術師の系譜は存在しない。彼女が使っていた技術は明らかに大陸系の武術の系譜だった。
そこら辺を考えると秘匿され続けた古い系譜なのかもしれない。
なら今更この子が表に出てくるのだろう?それともこの学園に通わせる重要な理由が何かあるのだろうか?
この学園にわざわざ編入したのかさせられたのかは分からないが任務抜きにしてもこの子を守ってやりたいなと思う。
どうにも礼司兄の含みのある言葉が気になる所為もあるけど。
世間話もネタがなくなる頃に丁度目的地の初等部寮の前に来ていた。
「困った事があれば直ぐに連絡していいよ。これが俺の番号だ。」
俺はあまり使った事の無い名刺を財布から取り出すと彼女に渡すが何故か名刺を
受け取らず寮の看板を睨みつけた後俺の顔をすごい顔で睨んでいる。
「兵頭さん、貴方の顔を見れば悪意が無いのは良く分かります。貴方がとても
紳士で優しい方なのもしかしながら私をその様な眼で見ていたとは無礼を通り越して怒り心頭です。
そもそも、私の制服を見て何故ここに連れてくるのかお答えください!!」
彼女は何を怒っているのだろう?制服?ああそういえば制服着てるね、学年毎に微妙にデザインが変わっていて初等部は校章のカラーと袖口のラインの数が違うはずだよな。ん??おかしいな?彼女が着ているブレザーのデザインは高等部のと同じだ。
「もし間違っていたら失礼なことを言うかもしれないが許してくれるかな?」
「ええ、誠意を持った謝罪なら受け入れます。」
彼女の顔はまだ強張っているものの謝れば許してくれると言った。
「制服間違っているよ。記入ミスしちゃったかな?」
「ミスじゃ有りません!!私は高等部に入学したのです!!」
「またまた、どう上に見積もったってマックス中等部1年だ背伸びしすぎだぞ!」
最近の女の子はませていると十子姉さんが言っていたが本当だな。
どう見ても少等部の4年生くらいの少女が高等部に入学出来る訳も無い。まあ、
仮に出来るとしたら飛び級のシステムがあったけどまさかそれなのか!?
顔を真っ赤にしながら俺を睨む彼女に再び謝罪する。
「ごめん、酷いことを言ってしまった。君の実力なら飛び級で入学が出来るよね。」
「何でまず年齢を確かめないんですか!!飛び級は確かですが私は今年で13歳です!
本来なら中等部に入学ですが飛び級を認められたんです!!」
…中学生?マジで?俺はあまりにも信じられず目の前の小さな彼女をつい高い高いしてしまう。
「子ども扱いにも程があるでしょ!!」彼女の鋭い突きが
俺の人中(鼻と口の間にある急所)に突き刺さる。
あまりの鋭さに防御する事も出来ず痛みにのた打ち回る俺を追い討ちの様に
説教を始める彼女。
この後10分ほどの説教の後年上の威厳も無く彼女の後ろを付いていき高等部の女子寮へ案内をした。
「白銀月子さん、えーこの後お時間有りましたら少しお付き合いを願いませんか?」
いまだ赤くはれている顔の一部がジンジンと痛むのを我慢しつつ怒り心頭中の彼女にお伺いを立てる。
彼女はじろりと俺を睨むと短く言い放つ。
「別にいいですよ。」そう言うと彼女は振り返りもせずに女子寮の中に入って行く。
「姉さん、女の子は怖いな。」一人語散る俺の前に彼女が再び歩いてくる。
「鞄!」
じっと俺を睨んで渡せとジェスチャーしてる。
「部屋まで持って行ってあげるから機嫌直してくれよ。」
「何言ってるんですか!男子禁制と書いてあるの見えませんか!そう言うデリカシーの無いところが貴方の短所だと言ったのをもう忘れたのですか!そもそも外見で判断するところが!」
彼女の説教を遮る様に俺は鞄を持って彼女の背を押すと女子寮に入る。
「大丈夫だよ、ちゃんと理由を言えば怒られないって。」
不安がる彼女を押しながら女子寮に入っていった。
打ち抜き尚且つ鋭い錐で穿つ様に剄で経絡をも貫く。相手が油断していた所為も有るだろうが、それは油断している相手が悪いがあの体格差ではまあ油断するなと言えない所も有る。『白銀月子』と思われる少女は倒れている虎人の男を一瞥するなり俺を見る。
「ご助力感謝いたしますがこの程度の事でこれ以上お手を煩わせる事は有りませんので。」
日本人離れした真っ白な髪をなびかせ少し赤みがかった瞳。写真の通りのこの子が白銀月子だ。
「見りゃ分かるよ。君の実力はその一撃で理解した、だけど油断しない方が良いぞ残りもまだやる気満々だよ。」ボスを倒された虎人の男達は逃げ去る様子もなく変化を解きその名の通り虎の姿をした獣人に戻り鋭い牙と爪をギラ付かせている。残った4人の虎人達は俺と少女に二人掛りで襲い掛ってきた。
「二人掛りは卑怯、なんて言わないぞむしろ足りない位だ俺もあっちも。」
意識を一瞬で戦闘用に切り替え左右から襲い掛かってくる男たちの足元に向けて術式を発動する。
「戈牙地。」
虎人達の爪と牙は俺に届く事無く俺が発動した術式。
無数の『戈』矛のような物を地面から生えさせる術である『戈牙地』によって動きを封じられていた。
多少の切り傷はつけてしまったが大怪我させる事なく確保出来た。
そして彼女も一瞬で事を納めていた。先程見せた正確で苛烈な一撃を襲い掛かってくる男達に向けてただ淡々と打ち込む。あの体であの威力の攻撃反則と言っても過言じゃないなと一人思う。
倒れている男達が起き上がる確認をする事もなく
彼女は足元に下ろしていた大きな鞄を両手で持ち上げて俺の元に歩いてきた。
「それ持とうか?重そうだ。」
ヨタヨタしながら歩いてくる彼女に手を差し出す。
「結構です!これ位なんとも有りません…やっぱり重いです。」
手に持っていたバックを地面に下ろす彼女は俺を見て少し照れ笑いした。
彼女の持っていた鞄を持ち上げると10キロ以上は有るだろう小さな彼女がここまで持ってこれた事に賞賛すると彼女は。
「実は少し手前まで車で送って来てもらえたので殆ど持っていません
降りて直ぐにあの方達に囲まれてしまいましたので。」
やはり体格相当の筋力しか持ち合わせていない、なら考えられる事は。
「大陸系武術体系における外功剄と内功剄それに霊力圧縮の精密さ…
138cm有るか無いか位の小柄な君が虎人達を倒せた理由が理解できた。」
「私が習った武術は体格差など意味がありません、ですがいちいち詳細に身長を言
い当てるのは止めてください。少々無礼ですよ貴方。」
大体の目算で言ったつもりだが当たってしまったようだ。この年頃の女の子なら決して小さい方ではないと思うのだが、早く大人びたい年頃なんだろうな。
「それは失礼しました。ではお嬢様、御幸ヶ原学園にようこそ。俺は兵頭勇吾。」
俺は彼女の鞄を持ち少し芝居がかった口調で学園の正門の向けて手をかざす。
「先程の無礼許します、私は白銀月子。兵頭さん案内お願いできますか?」
彼女も機嫌を直してくれたようだ、俺は彼女を先導する形で正門をくぐると直ぐに
学園長からの通信が入る。
『何だ殆どその娘が倒しているではないか、良いトコ無しだなお主。』
「そんな事ありませんよ、半分倒したんだから別にいいでしょ。それより奴らの
回収と尋問はお任せしますから。」
からかい半分の学園長の通信を聞きながら白銀月子を学生寮があるほうへ案内する。
彼女が俺のほうを診て怪訝そうな顔をしているので話している相手が学園長だと
説明した。
「お爺様からお話を聞かされております大変可愛らしい方だとか。」
「可愛らしい?そうかお年寄りからすれば外見上は可愛く見えるものなのかな?
でもあの人は可愛いと言うか…会えば分かるよ。」
俺が思う可愛らしいの定義と少しかけ離れている気がするが、人の見え方はそれぞれだしな。
『勇吾、今の言葉一応ほめ言葉として受け取ってやらん事も無いが妾の機嫌が良い時で良かったのう。
次は炮烙の刑になるぞ。それとその娘の支度が済んだら一緒に妾の部屋に来い。』
恐ろしい一言を聞こえない振りしつつも背中に冷や汗が流れる。
「どうかしましたか?顔色が優れませんが。」
心配そうに俺の顔を見る彼女。
これから会わなければいけない学園長が恐ろしい人だと言うのは来たばかりのこの子には精神衛生上余り宜しくないので俺は他愛も無い世間話をする事にした。
「君くらいの子が親元を離れての寮生活は大変だと思うけど大丈夫?」
「ここの方達は皆そうなのでしょう?いずれ独り立ちするのです予行練習だと思えば何てことありません。」
強がっている様にも見えないが少し不安そうなのは目を見れば何となく分かる。
歳は分からないがたぶん初等部に編入するのだろう。正直な話『白銀』の姓で俺の知っている範囲で武術や術師の系譜は存在しない。彼女が使っていた技術は明らかに大陸系の武術の系譜だった。
そこら辺を考えると秘匿され続けた古い系譜なのかもしれない。
なら今更この子が表に出てくるのだろう?それともこの学園に通わせる重要な理由が何かあるのだろうか?
この学園にわざわざ編入したのかさせられたのかは分からないが任務抜きにしてもこの子を守ってやりたいなと思う。
どうにも礼司兄の含みのある言葉が気になる所為もあるけど。
世間話もネタがなくなる頃に丁度目的地の初等部寮の前に来ていた。
「困った事があれば直ぐに連絡していいよ。これが俺の番号だ。」
俺はあまり使った事の無い名刺を財布から取り出すと彼女に渡すが何故か名刺を
受け取らず寮の看板を睨みつけた後俺の顔をすごい顔で睨んでいる。
「兵頭さん、貴方の顔を見れば悪意が無いのは良く分かります。貴方がとても
紳士で優しい方なのもしかしながら私をその様な眼で見ていたとは無礼を通り越して怒り心頭です。
そもそも、私の制服を見て何故ここに連れてくるのかお答えください!!」
彼女は何を怒っているのだろう?制服?ああそういえば制服着てるね、学年毎に微妙にデザインが変わっていて初等部は校章のカラーと袖口のラインの数が違うはずだよな。ん??おかしいな?彼女が着ているブレザーのデザインは高等部のと同じだ。
「もし間違っていたら失礼なことを言うかもしれないが許してくれるかな?」
「ええ、誠意を持った謝罪なら受け入れます。」
彼女の顔はまだ強張っているものの謝れば許してくれると言った。
「制服間違っているよ。記入ミスしちゃったかな?」
「ミスじゃ有りません!!私は高等部に入学したのです!!」
「またまた、どう上に見積もったってマックス中等部1年だ背伸びしすぎだぞ!」
最近の女の子はませていると十子姉さんが言っていたが本当だな。
どう見ても少等部の4年生くらいの少女が高等部に入学出来る訳も無い。まあ、
仮に出来るとしたら飛び級のシステムがあったけどまさかそれなのか!?
顔を真っ赤にしながら俺を睨む彼女に再び謝罪する。
「ごめん、酷いことを言ってしまった。君の実力なら飛び級で入学が出来るよね。」
「何でまず年齢を確かめないんですか!!飛び級は確かですが私は今年で13歳です!
本来なら中等部に入学ですが飛び級を認められたんです!!」
…中学生?マジで?俺はあまりにも信じられず目の前の小さな彼女をつい高い高いしてしまう。
「子ども扱いにも程があるでしょ!!」彼女の鋭い突きが
俺の人中(鼻と口の間にある急所)に突き刺さる。
あまりの鋭さに防御する事も出来ず痛みにのた打ち回る俺を追い討ちの様に
説教を始める彼女。
この後10分ほどの説教の後年上の威厳も無く彼女の後ろを付いていき高等部の女子寮へ案内をした。
「白銀月子さん、えーこの後お時間有りましたら少しお付き合いを願いませんか?」
いまだ赤くはれている顔の一部がジンジンと痛むのを我慢しつつ怒り心頭中の彼女にお伺いを立てる。
彼女はじろりと俺を睨むと短く言い放つ。
「別にいいですよ。」そう言うと彼女は振り返りもせずに女子寮の中に入って行く。
「姉さん、女の子は怖いな。」一人語散る俺の前に彼女が再び歩いてくる。
「鞄!」
じっと俺を睨んで渡せとジェスチャーしてる。
「部屋まで持って行ってあげるから機嫌直してくれよ。」
「何言ってるんですか!男子禁制と書いてあるの見えませんか!そう言うデリカシーの無いところが貴方の短所だと言ったのをもう忘れたのですか!そもそも外見で判断するところが!」
彼女の説教を遮る様に俺は鞄を持って彼女の背を押すと女子寮に入る。
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