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第二話ー3
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女子寮の入り口のすぐ脇に管理室がありガラスの小振りの引き戸が付いている。
軽くノックをして中に居る人影に向かって手を振るすると大きな足音と共に巨大な人影が近づいてくる。
「勇吾、コッチからは入ったら駄目だと何度も言っているじゃないの!」
管理室の大きな扉から出てきたのはこの学生寮の全てを仕切っている人だ。
「ママ、今日は大目に見てよ。この子は白銀月子ちゃん今日から入寮する事になっているはずだけど一寸した事が起きた後に一寸した事で機嫌を損なってしまったので彼女の部屋に荷物を届けたいんだ。駄目かな?」
大きな人影と言うのは学園内の寮生の生活と胃袋を管理する寮母のビッグママことアデリアさん。巨人族の女性でコチラに帰化して随分経つらしい2メートル以上の大柄な体格ながら料理のプロで学生食堂の料理長でもある。
「私は頼んでいませんがこの人が勝手に!」
俺の持つ彼女の鞄を取り返そうと一生懸命引っ張っているが取れずにいる。
彼女の素の力だと俺から取り返せるのは無理だろう。少し鞄を高く持ち上げると手が届かなくなりジャンプしてとろうとして来ているが届いていない。
この小動物のような可愛らしさにホッコリしてしまうが今は早めに用事を済ませてしまいたい。
「珍しい事があるものね。勇吾が女の子に構っているなんて、でも部屋まで届けさせる訳にはいかないわ。私が運んであげるから勇吾は外に出てなさい。」
ママは俺から彼女の鞄を受け取ると掌で俺を追い出すしぐさをした。俺も女子寮の中で女生徒に見つかるのは流石にやばいなと思い入り口の前で待つことにした。10分ちょっと待って居ると彼女が入り口から出てきた。
「お待たせしました。」
着替えて来たのかと思ったら制服のままだったので随分時間が掛かったなと言いそうになったがまたデリカシーがないとか言われる気がしたので踏みとどまる。
「それじゃ、学園の案内も兼ねて学園長室まで案内するから付いて来てくれ。 明日から通う場所なんだ初日から迷うのは避けたいだろ?」
「直ぐに向かは無くて宜しいのですか?」
「別に良いだろ?直ぐに来いとは言われて無いし。」
直ぐに行っても良かったけれど時間的にはまだ余裕がある。俺は自分のタブレットを起動して学園のマップを開いた。
「白銀、これ貸しておくから場所と施設名を覚えろよ。」
「はわわ、何ですかこれ!どうやって使うのですか?!」
そこからか…もしかしてこの子すげー田舎から来たのか、すげー箱入り娘とかじゃなかろうか?今時タブレットの使い方を知らない子が居るなんて…
「なあ白銀、もしかしてなんだが携帯電話は流石に持ってるよな?」
「電話は知ってますよ、でも使った事が無くって…携帯って事はあの機械を 持って歩いているのですか?!」
俺は天を仰ぎながら息を吐く懐からタッチパネルタイプの携帯電話を出し彼女に見せる。
「白銀これが携帯電話だ…うん、その顔は見た事も触った事も無い顔だ。
良い機会だ学園を順繰り案内するついでに生協に寄って君の携帯電話も調達 しよう。」
それからの俺達は学園のマップに書かれている主要施設を回りながらタブレットの使い方や携帯電話の使い方をレクチャーしつつ昼過ぎに学園の中心部にある購買施設に辿り着いた。時間としては2時間弱で学園の3分の一ほど巡り改めてこの学園の広さを思い知っていた。俺の横で目を輝かせながらタブレットと俺の携帯をいじっている白銀は飲み込みが早く直ぐにもろもろの操作を覚えた。何より俺が使っている携帯電話が非常に気に入ったみたいで俺になかなか返してくれない。
「白銀、そろそろ返してくれないか?」
「もーちょっとだけ貸してください。すごいなー!此方の機械はすごいな!」
目をキラキラさせっぱなしの彼女から奪うのも気が引けたので彼女に持たせたまま俺は生協のカウンターに行き俺と同型の携帯電話を注文した。
「白銀、色が選べるよ。何色が良い?」
「ふえ!急に言われても!」
操作に夢中になっている時に俺から声を賭けられてびっくりしながら俺に方に駆け寄ってきた。
「ええっ、本当に買ってくれるのですか!いやいや自分で買えます!お幾らですか?」
「一括ですと諸経費込みまして学生割り引き引いてのこれで。」
カウンターもお姉さんが出した金額はワリかと良心的だが学生の身分ではかなり厳しい。思ったとおり白銀は数字のゼロを何度も確認している。
「姉様から頂いた半年分のお小遣いじゃ足りません。」
見るからにしょげてしまった彼女。
「すみません、俺の名義で契約と購入手続きして下さい。支払いはこっちで。あと、一応領収ください。」
元々プレゼントするつもりだったがこの値段は俺の財布にも大打撃なので経費で落ちるか分からないが領収書を書いてもらう。接待費で落ちればイイナ。
「駄目ですそんな!今日会ったばかりの人に施しを受ける謂れは有りません!
それに無くても困りませんし…。」
と言いつつも目の前に置かれている真新しい携帯電話から目の離せない彼女が妙に可愛らしく微笑ましい。
「大丈夫、俺これでも公務員みたいなものでさ月々のお手当貰ってるから余裕があるんだ。それにせっかく友達になれたのに連絡手段がないと白銀が困っている時に助けに行けないだろ?」
俺がそう言うと彼女は顔を真っ赤にして顔を伏せてしまった。俺はまた何か不味いことを言ってしまったのだろうか?彼女の反応がいまいち分からなかったが俺は手続きの書類を書き終え渡された携帯電話を彼女に手渡す。
「白銀、お前色の指定しなかったから俺と同じ色のやつにしたけど良かったの か?ピンクとか白とか有ったのに。」
彼女は無言のまま受け取ると俺の携帯と私か彼女の携帯を見比べながら何故か嬉しそうだった。まあ彼女がいいなら俺はかまわないが。
携帯電話の購入に少しばかり時間が掛かり気が付いたら1時を回っていた。
「白銀、腹減ったな。学食行こうぜ。」
「あ、はい。私も少しお腹が空きました。」
空腹を意識したら腹の虫が鳴る。それを聞いた彼女が笑うと彼女のお腹も小さく鳴った。俺達は顔を合わせて笑う。生協に隣接された広大な食堂には今だ春季休講中でもちらほらと学生の姿が見える。俺達は食券を買ってカウンターに向かうとアデリアさんが迎えてくれた。
「遅い昼食になったようだね、探検楽しかったかい?」
大盛りの定食を出してくれたアデリアさんが白銀に聞いてきた。
「沢山の施設があってまだ覚え切れていませんが、がんばります。」
「直ぐに覚えなくてもいいさ。分からない事があればそこの問題児に聞けばい いのさ、あれ?そのケイタイどうしたんだい?」
白銀は先程から俺が渡したケイタイをずっと手に持ったままで居た為アデリアさんの目に止まった。
「兵頭さんに買ってもらいました。」
彼女は少しはにかみながらアデリアさんに見せる。
「なんだいなんだい!勇吾あんたも一角の男じゃないか女の子にプレゼントなんて出来るなんてねぇ!これで鈍感な所が無ければ彼女に一人や二人出来てもおかしかないって話なのにさ。」
アデリアさんは俺の頭を鷲掴みして左右に振る。彼女の大きな手で振り回されると首が千切れそうになる。
「痛いって、別にこれ位普通だよ。
それに俺がモテた試しは無いよ、白銀飯食おうぜ。」
「そう言う事にしておくよ。」
ニヤニヤしながら俺と白銀を見送るアデリアさんを背中に俺は日の当たる席に彼女と座った。
軽くノックをして中に居る人影に向かって手を振るすると大きな足音と共に巨大な人影が近づいてくる。
「勇吾、コッチからは入ったら駄目だと何度も言っているじゃないの!」
管理室の大きな扉から出てきたのはこの学生寮の全てを仕切っている人だ。
「ママ、今日は大目に見てよ。この子は白銀月子ちゃん今日から入寮する事になっているはずだけど一寸した事が起きた後に一寸した事で機嫌を損なってしまったので彼女の部屋に荷物を届けたいんだ。駄目かな?」
大きな人影と言うのは学園内の寮生の生活と胃袋を管理する寮母のビッグママことアデリアさん。巨人族の女性でコチラに帰化して随分経つらしい2メートル以上の大柄な体格ながら料理のプロで学生食堂の料理長でもある。
「私は頼んでいませんがこの人が勝手に!」
俺の持つ彼女の鞄を取り返そうと一生懸命引っ張っているが取れずにいる。
彼女の素の力だと俺から取り返せるのは無理だろう。少し鞄を高く持ち上げると手が届かなくなりジャンプしてとろうとして来ているが届いていない。
この小動物のような可愛らしさにホッコリしてしまうが今は早めに用事を済ませてしまいたい。
「珍しい事があるものね。勇吾が女の子に構っているなんて、でも部屋まで届けさせる訳にはいかないわ。私が運んであげるから勇吾は外に出てなさい。」
ママは俺から彼女の鞄を受け取ると掌で俺を追い出すしぐさをした。俺も女子寮の中で女生徒に見つかるのは流石にやばいなと思い入り口の前で待つことにした。10分ちょっと待って居ると彼女が入り口から出てきた。
「お待たせしました。」
着替えて来たのかと思ったら制服のままだったので随分時間が掛かったなと言いそうになったがまたデリカシーがないとか言われる気がしたので踏みとどまる。
「それじゃ、学園の案内も兼ねて学園長室まで案内するから付いて来てくれ。 明日から通う場所なんだ初日から迷うのは避けたいだろ?」
「直ぐに向かは無くて宜しいのですか?」
「別に良いだろ?直ぐに来いとは言われて無いし。」
直ぐに行っても良かったけれど時間的にはまだ余裕がある。俺は自分のタブレットを起動して学園のマップを開いた。
「白銀、これ貸しておくから場所と施設名を覚えろよ。」
「はわわ、何ですかこれ!どうやって使うのですか?!」
そこからか…もしかしてこの子すげー田舎から来たのか、すげー箱入り娘とかじゃなかろうか?今時タブレットの使い方を知らない子が居るなんて…
「なあ白銀、もしかしてなんだが携帯電話は流石に持ってるよな?」
「電話は知ってますよ、でも使った事が無くって…携帯って事はあの機械を 持って歩いているのですか?!」
俺は天を仰ぎながら息を吐く懐からタッチパネルタイプの携帯電話を出し彼女に見せる。
「白銀これが携帯電話だ…うん、その顔は見た事も触った事も無い顔だ。
良い機会だ学園を順繰り案内するついでに生協に寄って君の携帯電話も調達 しよう。」
それからの俺達は学園のマップに書かれている主要施設を回りながらタブレットの使い方や携帯電話の使い方をレクチャーしつつ昼過ぎに学園の中心部にある購買施設に辿り着いた。時間としては2時間弱で学園の3分の一ほど巡り改めてこの学園の広さを思い知っていた。俺の横で目を輝かせながらタブレットと俺の携帯をいじっている白銀は飲み込みが早く直ぐにもろもろの操作を覚えた。何より俺が使っている携帯電話が非常に気に入ったみたいで俺になかなか返してくれない。
「白銀、そろそろ返してくれないか?」
「もーちょっとだけ貸してください。すごいなー!此方の機械はすごいな!」
目をキラキラさせっぱなしの彼女から奪うのも気が引けたので彼女に持たせたまま俺は生協のカウンターに行き俺と同型の携帯電話を注文した。
「白銀、色が選べるよ。何色が良い?」
「ふえ!急に言われても!」
操作に夢中になっている時に俺から声を賭けられてびっくりしながら俺に方に駆け寄ってきた。
「ええっ、本当に買ってくれるのですか!いやいや自分で買えます!お幾らですか?」
「一括ですと諸経費込みまして学生割り引き引いてのこれで。」
カウンターもお姉さんが出した金額はワリかと良心的だが学生の身分ではかなり厳しい。思ったとおり白銀は数字のゼロを何度も確認している。
「姉様から頂いた半年分のお小遣いじゃ足りません。」
見るからにしょげてしまった彼女。
「すみません、俺の名義で契約と購入手続きして下さい。支払いはこっちで。あと、一応領収ください。」
元々プレゼントするつもりだったがこの値段は俺の財布にも大打撃なので経費で落ちるか分からないが領収書を書いてもらう。接待費で落ちればイイナ。
「駄目ですそんな!今日会ったばかりの人に施しを受ける謂れは有りません!
それに無くても困りませんし…。」
と言いつつも目の前に置かれている真新しい携帯電話から目の離せない彼女が妙に可愛らしく微笑ましい。
「大丈夫、俺これでも公務員みたいなものでさ月々のお手当貰ってるから余裕があるんだ。それにせっかく友達になれたのに連絡手段がないと白銀が困っている時に助けに行けないだろ?」
俺がそう言うと彼女は顔を真っ赤にして顔を伏せてしまった。俺はまた何か不味いことを言ってしまったのだろうか?彼女の反応がいまいち分からなかったが俺は手続きの書類を書き終え渡された携帯電話を彼女に手渡す。
「白銀、お前色の指定しなかったから俺と同じ色のやつにしたけど良かったの か?ピンクとか白とか有ったのに。」
彼女は無言のまま受け取ると俺の携帯と私か彼女の携帯を見比べながら何故か嬉しそうだった。まあ彼女がいいなら俺はかまわないが。
携帯電話の購入に少しばかり時間が掛かり気が付いたら1時を回っていた。
「白銀、腹減ったな。学食行こうぜ。」
「あ、はい。私も少しお腹が空きました。」
空腹を意識したら腹の虫が鳴る。それを聞いた彼女が笑うと彼女のお腹も小さく鳴った。俺達は顔を合わせて笑う。生協に隣接された広大な食堂には今だ春季休講中でもちらほらと学生の姿が見える。俺達は食券を買ってカウンターに向かうとアデリアさんが迎えてくれた。
「遅い昼食になったようだね、探検楽しかったかい?」
大盛りの定食を出してくれたアデリアさんが白銀に聞いてきた。
「沢山の施設があってまだ覚え切れていませんが、がんばります。」
「直ぐに覚えなくてもいいさ。分からない事があればそこの問題児に聞けばい いのさ、あれ?そのケイタイどうしたんだい?」
白銀は先程から俺が渡したケイタイをずっと手に持ったままで居た為アデリアさんの目に止まった。
「兵頭さんに買ってもらいました。」
彼女は少しはにかみながらアデリアさんに見せる。
「なんだいなんだい!勇吾あんたも一角の男じゃないか女の子にプレゼントなんて出来るなんてねぇ!これで鈍感な所が無ければ彼女に一人や二人出来てもおかしかないって話なのにさ。」
アデリアさんは俺の頭を鷲掴みして左右に振る。彼女の大きな手で振り回されると首が千切れそうになる。
「痛いって、別にこれ位普通だよ。
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