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第二話ー4
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「いただきます。」
二人で手を合わせて遅くなった昼食をいただく。
相変わらず盛が良い食べ盛りの男子生徒なら難なく食べきれるだろうが小柄な彼女にはきついと思ったが数分後、俺の杞憂に終わった。
俺より早く食べ終わり俺が食べ終わるのを待ってもらう事になっていた。
「大丈夫か白銀?胃薬とかいるか?」
「ん?平気ですよ。」
育ち盛りなんだろうな~などと俺はこの時思っていたが実は俺の勘違いであることが後々分かるのはこの数日後の話だ。
俺達は食べ終わると午後の日差しが程よく暖かな席でのんびりする事にした。
白銀は先程の携帯電話を嬉しそうに眺めている。
「白銀、俺の番号送るから登録してくれ。」
「はい!ええとこうして…お願いします!」
お互いの携帯電話を近づけるとピピと電子音が鳴る。
「俺の番号が一番最初の登録になったな。」
「はい、うちの初めての友達の番号…嬉しいな。」
聞き逃しそうになるくらい小さな声だったが聞こえてしまった。
そんな事を言われたら少しむず痒くなる。
友達か、言われてみれば俺も友人といえる人間がいるかと言えば片手で余ってしまう。自分の携帯電話の番号登録の欄に彼女の名前が入ったことが少し嬉しく感じた。
「白銀、兵頭さんって他人行儀に呼ばなくていいぞ。勇吾で良い、俺も月子っ て呼ぶから…ってさすがに不味いか?」
勢いで言ってしまった後に妙に恥ずかしくなっている俺に彼女は。
「うちも月子って呼んで貰う方が良い。なぜだろう、貴方の前だとすごく自然 に話せるのは?すごく失礼な事言われてあんなに大きな声出したのも初めて だった。それも会って間もない人にだよ。」
いや、うん、反省してますよ。
「だから…貴方に友達って言われた時にすごく驚いて。
会ったばかりのうちの事を友達って言ってくれて嬉しかった。」
俺も不思議だった。彼女が護衛対象だという事であれここまで他人に対して興味やお節介する事になるとは思わなかった。ましてや自分から友達だなんて言うとは。確かにこれなら彼女の近くにいて護衛するには好都合だろう。しかし
俺が彼女と友達になる理由ではないような気がした。護衛対象と護衛官が友人関係である事がいい事なのかは分からないがそれを月子に秘密にしなければいけない事がすごくモヤモヤする。
「ゆ、勇吾くん。変な顔してるけどどうしたの?」
「変な顔してません。月子が友達になってくれたから
ほっとしてるだけだよ。俺の友人欄見るか少ないぞ!」
考え事を悟られないように誤魔化すつもりで俺の携帯電話の番号欄を月子に見せると背中に妙な気配を感じた。
「勇吾君、僕のケイタイ番号が友人欄に無いのがどういう事なんだろう…」
恨めしいそうな声に振り向くと今にも泣きそうな顔で三光院が立っている。
「何故だろうな?たぶんお前を友人扱いすると負けな気がするからだな。」
「なんで!僕はこんなにも勇吾君が好きなのに!」
「抱きつくな!」
その様子を月子が顔を真っ赤にしながら驚愕の表情で見つめている!
「男の方が男の方にその様な感情を持つ事があ、あ、あアルのですか!」
「そうだとも!始めましてお嬢さん!しかしながら恋愛感情のような不確か な感情ではない!これはなんか色々超越したデステニィ!的な感情さ!
しかし!君が妬ましい!僕が未だに友人登録して貰えてないのに君は!
キイィィィ!」
何処から取り出したか分からない趣味の悪いハンカチを嚙締めながら奇声を上げる三光院。
「あーもうっ、鬱陶しい!離れろ!」
俺の腰にしがみ付く三光院を力任せに引き剥がす。あれーとか言いながらしなを作りながら崩れる様に床に倒れこむ三光院のわざとらしさに追加で蹴りを入れてやろうかと思ったがそれはそれでこいつの思う壺の様な気がして止めた。
「俺が食器片してくるから月子はそこで休んでなよ。」
俺は月子の分の食器が乗っているトレイを持ち上げてカウンターに行こうとすると三光院が立ち上がり俺の耳元で囁く。
「彼女、僕が見かけた子だよね。どういう事なの?」
「説明はおいおいする。今は余計なことは言うな。」
俺の言葉に三光院はウインクで返す。了解してくれたと受け取ろうと思うが
その仕草がなんかムカつくのは何故だろう?
トレイを返して席に戻ると意外な事に月子と三光院が仲良く談笑している。
まあ、俺と違ってコミュニケーション能力の高い三光院なら初対面であれ程の姿(醜態)を見せてもちゃんと仲良くなれるのだから凄いとしか言いようが無い。
あれを奴の生態だと受け入れるのに俺ですらかなりの時間をかけたのに月子の順応性も大した物かもしれない。
「何の話をしてるんだ?」
「いやね、月子君も君の被害者だと知ったら親近感が沸いてしまって。」
「勇吾君!あんまり輝兼さんをいじめちゃ駄目だよ!」
どうやら三光院が月子に余計な事を吹き込んだらしい。
後できつめの体罰を行うとしてそろそろ学園長の所に向かわないといけない。
「飯も食ったし学園長の所に行こうか。」
二人で手を合わせて遅くなった昼食をいただく。
相変わらず盛が良い食べ盛りの男子生徒なら難なく食べきれるだろうが小柄な彼女にはきついと思ったが数分後、俺の杞憂に終わった。
俺より早く食べ終わり俺が食べ終わるのを待ってもらう事になっていた。
「大丈夫か白銀?胃薬とかいるか?」
「ん?平気ですよ。」
育ち盛りなんだろうな~などと俺はこの時思っていたが実は俺の勘違いであることが後々分かるのはこの数日後の話だ。
俺達は食べ終わると午後の日差しが程よく暖かな席でのんびりする事にした。
白銀は先程の携帯電話を嬉しそうに眺めている。
「白銀、俺の番号送るから登録してくれ。」
「はい!ええとこうして…お願いします!」
お互いの携帯電話を近づけるとピピと電子音が鳴る。
「俺の番号が一番最初の登録になったな。」
「はい、うちの初めての友達の番号…嬉しいな。」
聞き逃しそうになるくらい小さな声だったが聞こえてしまった。
そんな事を言われたら少しむず痒くなる。
友達か、言われてみれば俺も友人といえる人間がいるかと言えば片手で余ってしまう。自分の携帯電話の番号登録の欄に彼女の名前が入ったことが少し嬉しく感じた。
「白銀、兵頭さんって他人行儀に呼ばなくていいぞ。勇吾で良い、俺も月子っ て呼ぶから…ってさすがに不味いか?」
勢いで言ってしまった後に妙に恥ずかしくなっている俺に彼女は。
「うちも月子って呼んで貰う方が良い。なぜだろう、貴方の前だとすごく自然 に話せるのは?すごく失礼な事言われてあんなに大きな声出したのも初めて だった。それも会って間もない人にだよ。」
いや、うん、反省してますよ。
「だから…貴方に友達って言われた時にすごく驚いて。
会ったばかりのうちの事を友達って言ってくれて嬉しかった。」
俺も不思議だった。彼女が護衛対象だという事であれここまで他人に対して興味やお節介する事になるとは思わなかった。ましてや自分から友達だなんて言うとは。確かにこれなら彼女の近くにいて護衛するには好都合だろう。しかし
俺が彼女と友達になる理由ではないような気がした。護衛対象と護衛官が友人関係である事がいい事なのかは分からないがそれを月子に秘密にしなければいけない事がすごくモヤモヤする。
「ゆ、勇吾くん。変な顔してるけどどうしたの?」
「変な顔してません。月子が友達になってくれたから
ほっとしてるだけだよ。俺の友人欄見るか少ないぞ!」
考え事を悟られないように誤魔化すつもりで俺の携帯電話の番号欄を月子に見せると背中に妙な気配を感じた。
「勇吾君、僕のケイタイ番号が友人欄に無いのがどういう事なんだろう…」
恨めしいそうな声に振り向くと今にも泣きそうな顔で三光院が立っている。
「何故だろうな?たぶんお前を友人扱いすると負けな気がするからだな。」
「なんで!僕はこんなにも勇吾君が好きなのに!」
「抱きつくな!」
その様子を月子が顔を真っ赤にしながら驚愕の表情で見つめている!
「男の方が男の方にその様な感情を持つ事があ、あ、あアルのですか!」
「そうだとも!始めましてお嬢さん!しかしながら恋愛感情のような不確か な感情ではない!これはなんか色々超越したデステニィ!的な感情さ!
しかし!君が妬ましい!僕が未だに友人登録して貰えてないのに君は!
キイィィィ!」
何処から取り出したか分からない趣味の悪いハンカチを嚙締めながら奇声を上げる三光院。
「あーもうっ、鬱陶しい!離れろ!」
俺の腰にしがみ付く三光院を力任せに引き剥がす。あれーとか言いながらしなを作りながら崩れる様に床に倒れこむ三光院のわざとらしさに追加で蹴りを入れてやろうかと思ったがそれはそれでこいつの思う壺の様な気がして止めた。
「俺が食器片してくるから月子はそこで休んでなよ。」
俺は月子の分の食器が乗っているトレイを持ち上げてカウンターに行こうとすると三光院が立ち上がり俺の耳元で囁く。
「彼女、僕が見かけた子だよね。どういう事なの?」
「説明はおいおいする。今は余計なことは言うな。」
俺の言葉に三光院はウインクで返す。了解してくれたと受け取ろうと思うが
その仕草がなんかムカつくのは何故だろう?
トレイを返して席に戻ると意外な事に月子と三光院が仲良く談笑している。
まあ、俺と違ってコミュニケーション能力の高い三光院なら初対面であれ程の姿(醜態)を見せてもちゃんと仲良くなれるのだから凄いとしか言いようが無い。
あれを奴の生態だと受け入れるのに俺ですらかなりの時間をかけたのに月子の順応性も大した物かもしれない。
「何の話をしてるんだ?」
「いやね、月子君も君の被害者だと知ったら親近感が沸いてしまって。」
「勇吾君!あんまり輝兼さんをいじめちゃ駄目だよ!」
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