龍帝皇女の護衛役

右島 芒

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第3話ー1

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昼食を終え学園長の所に向かおうとする俺達に付いて来ようとした三光院をアデリアさんに頼んで捕縛してもらい俺は再び月子に学園の案内を始めた。
 学園の施設は大きく分けて5つのエリアに分かれており。今、俺と月子が歩いているのは主に座学の授業を受ける教室エリア。初等部、中等部、高等部の校舎が3棟併設されており渡り廊下や回廊で繋がっているから行き来は自由。
座学は近代術式の授業や他世界学、神代から現代までの術式の編纂の歴史など多岐に渡るだけでなく一般科目も受けなければならない。俺達術者はどちらかと言えば専門職であり一般科目には重きを置かないが一応学校と言う体を取っているため一般科目の就学は必須でもある。まあ、比率としては7対3くらいでの授業量だろう。
「月子は専行学部は何処にするんだ?俺は師匠の所に捕まってるから変えられないけど。」
「沢山有りすぎて決められてないの。どれがいいのかな?」
うちの学園は午前中は一般科目、午後からは専門技術になり特に高等部からは自身が望む授業を受けられるようになる。更に放課後には実践演習が義務付けられている。専行学部は各講師が開いている授業の事で一年間毎に変えられるが大概の生徒は3年間その学部に在籍する。
「月子が習いたい所で良いんじゃないか?ちなみに俺の所は神代遺物の研究 と再構築、それに伴う術式の再現と現代化の研究。簡単に言うと考古学に 近いのかな?まあ、コチラ側の人間は殆ど考古学者みたいな事してるけど な。」
コチラ側の人間というのは魔術を扱う者達の事だ。
「うち…実は武術以外ぜんぜん駄目なの…」
やはり月子の家は武術に特化しそれが昇華されて神秘の域に到達した家系なのだろう。月子の世間知らずな所や妙に堅苦しい喋りをするところから考えるとほぼ密閉した一族による完全孤立の体系だろう。
「そうだな、なら俺の所に来れば良い。実質俺と師匠の二人みたいな所だし
 学園に慣れるまで一年間入ってみるか?」
「いいの?」
「大丈夫、月子にも紹介するけど師匠は最初面食らうと思うけど教え方は一流だ。研究つっても殆ど師匠の趣味に近いから好きなこと出来る時間だと思えば良いよ。俺も中等部の頃から付き合わされているから内情も良く分かっている。人気無いんだよ、うちの学部は。」
高等部の校舎を2階に上がり明日から通う教室が並ぶ廊下を二人で歩く。
窓の外に見えるのが先程話していた専行学部の授業を行う専門学術棟。
更に奥に見える一際大きな建物が実技訓練場。
残りのエリアはおいおい案内することにする。
「大体案内出来たな、それじゃ行きたくないけど学園長の所に向かうとするか。ああっ!行きたくない!」
「どうして?もしかして学園長さんにも失礼な事してるから?」
月子がニヤニヤしながら俺の顔を覗き込む。当らずとも遠からずなんだけどぶっちゃけた話、苦手なんだよなあの人。
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