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第4話ー1
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「新入生諸君!おめでとう、私は君達の入学を心から歓迎する。」
学園の中で一番広い講堂で入学式が始まっていた。新入生は在学生と分かれ最前列の席に座っている。勿論月子もそちらに居る、俺は在学生たちとは離れた場所でその様子を見ている。講堂の二階から月子を見下ろす形で監視している。月子にはこの位置で見ている事は言ってはいなかったが開式直後にばれて睨まれた。先程からチラチラと俺を見ては睨んでまた正面を向くの繰り返し。いまだに昨日の事でご機嫌斜めの月子さん。
どうしたもんだか…溜息を付きながらも監視の目は常に講堂の全てを見渡し続ける。この状況で月子が襲われる可能性は限りなくゼロに近いだろうが用心に越した事は無い。
しかし、面倒な事になってしまった…「はあ・・・」
16時間前
「「ええっっ!!」」
「何を驚いておる?月子は此方に来て日が浅いどころか箱入り娘であろう、他者との共同生活が円滑に進むとは言いがたい。ならば妾の専属下っ端のお前がフォローし面倒を見るのが筋であろうよ。ん?間違っておるか?」
まあ、フォローも面倒も見るつもりだけど同室だと不味くないか?
そもそも、俺か月子がどちらかの寮に行かなければならない状況が不味いだろう。俺がそう思って居ると月子も流石に反対らしく声を荒げた。
「学園長先生!いくらなんでも非常識です!だ、男女が同じ部屋で生活するなんて!!ねえ勇吾くん。」
全力で反対するから顔が真っ赤になっている月子。
俺の見上げる月子の顔は怒っているのかな?
正直な話、月子を守るのにこれほど適した事は無いのだ。勉強や生活能力の面で少し頼りなさそうだから慣れるまで面倒を見てやりたいし箱入り娘的な話だから色々心配だからな…よくよく考えると割りと良い話のように思えてきた。
「同室ってのもありか。そうなると俺が女子寮に行くのは駄目だろ?」
「なんで乗り気なの!勇吾くん!そもそも勇吾くんが女子寮に入る事
じ!た!い!が言語道断だからね!それに…何かあったら…」
「何もないだろ?」
「何もないって言い切れるのよ!うちだって女の子なんだからね!」
・・・そりゃそうだ。確かに月子の事も考えなければ俺の都合を押し付けるのはいけない。やっぱり女の子だもんな・・・
「月子、俺は構わないと思っているけど月子が嫌なら止めておこう。」
「えっ!うちは、そのね、勇吾くんが嫌とかじゃなくてね常識的な話とか世間体的な話とか…」
しどろもどろに話す月子の顔が見る見る赤くなっていく。
小声でごにょごにょ喋っているが聞き取れない。
「学園長、月子が良いなら俺はそれでOKだ。だけど部屋は本当にどうするつもりですか?」
「妾を誰だと思っている。ほれココをチョイチョイトな。」
学園長は目を閉じながら指先で何かを書いてはつなぎ合わせるような仕草をした。まさか…
「お前の部屋と月子の部屋をくっつけてみた。これならどちらから入っても同じ部屋になる。学園は妾の手の平ぞ、この程度朝飯前。」
こうも簡単に超高位の術式を目の前でやられると真っ当な術者なら失神してしまう。しかも手慰み程度の気分で距離を隔てた空間を繋ぎ合わせているのだから始末に終えない。この学園の敷地内全てが学園長の手の平はけして誇張じゃないだろう。
「姑娘、あまり無理な空間編制は止めたまえ。いくらお主の結界内だからと言って何処に歪が出るとも限らない。」
流石に師匠も良い顔はしない。腕を組みながらじっと学園長を睨んだがあまり効果はなく。
「ああっ!哥哥にまじまじと見られている。その様な目で見られては体が疼いてしまいます。」
部屋の問題はこれで解消したけど実際月子はどうなのだろう?
「なあ、嫌なら嫌って言って良いんだぞ。あの人の無茶振りにイチイチ付き合う事は無いんだ。」
先程同様もじもじしながら俺を見上げる月子は顔を赤らめながら切り出してきた。
「勇吾君はいいのかな?会ってまだちょっとしか経ってないよ私達。」
「そうだな。」
「それに、同じ部屋に住むって事は…」
「どうした?よく聞こえないよ。」
「夫婦になっちゃうんだよ?」
・・・なんで!
学園の中で一番広い講堂で入学式が始まっていた。新入生は在学生と分かれ最前列の席に座っている。勿論月子もそちらに居る、俺は在学生たちとは離れた場所でその様子を見ている。講堂の二階から月子を見下ろす形で監視している。月子にはこの位置で見ている事は言ってはいなかったが開式直後にばれて睨まれた。先程からチラチラと俺を見ては睨んでまた正面を向くの繰り返し。いまだに昨日の事でご機嫌斜めの月子さん。
どうしたもんだか…溜息を付きながらも監視の目は常に講堂の全てを見渡し続ける。この状況で月子が襲われる可能性は限りなくゼロに近いだろうが用心に越した事は無い。
しかし、面倒な事になってしまった…「はあ・・・」
16時間前
「「ええっっ!!」」
「何を驚いておる?月子は此方に来て日が浅いどころか箱入り娘であろう、他者との共同生活が円滑に進むとは言いがたい。ならば妾の専属下っ端のお前がフォローし面倒を見るのが筋であろうよ。ん?間違っておるか?」
まあ、フォローも面倒も見るつもりだけど同室だと不味くないか?
そもそも、俺か月子がどちらかの寮に行かなければならない状況が不味いだろう。俺がそう思って居ると月子も流石に反対らしく声を荒げた。
「学園長先生!いくらなんでも非常識です!だ、男女が同じ部屋で生活するなんて!!ねえ勇吾くん。」
全力で反対するから顔が真っ赤になっている月子。
俺の見上げる月子の顔は怒っているのかな?
正直な話、月子を守るのにこれほど適した事は無いのだ。勉強や生活能力の面で少し頼りなさそうだから慣れるまで面倒を見てやりたいし箱入り娘的な話だから色々心配だからな…よくよく考えると割りと良い話のように思えてきた。
「同室ってのもありか。そうなると俺が女子寮に行くのは駄目だろ?」
「なんで乗り気なの!勇吾くん!そもそも勇吾くんが女子寮に入る事
じ!た!い!が言語道断だからね!それに…何かあったら…」
「何もないだろ?」
「何もないって言い切れるのよ!うちだって女の子なんだからね!」
・・・そりゃそうだ。確かに月子の事も考えなければ俺の都合を押し付けるのはいけない。やっぱり女の子だもんな・・・
「月子、俺は構わないと思っているけど月子が嫌なら止めておこう。」
「えっ!うちは、そのね、勇吾くんが嫌とかじゃなくてね常識的な話とか世間体的な話とか…」
しどろもどろに話す月子の顔が見る見る赤くなっていく。
小声でごにょごにょ喋っているが聞き取れない。
「学園長、月子が良いなら俺はそれでOKだ。だけど部屋は本当にどうするつもりですか?」
「妾を誰だと思っている。ほれココをチョイチョイトな。」
学園長は目を閉じながら指先で何かを書いてはつなぎ合わせるような仕草をした。まさか…
「お前の部屋と月子の部屋をくっつけてみた。これならどちらから入っても同じ部屋になる。学園は妾の手の平ぞ、この程度朝飯前。」
こうも簡単に超高位の術式を目の前でやられると真っ当な術者なら失神してしまう。しかも手慰み程度の気分で距離を隔てた空間を繋ぎ合わせているのだから始末に終えない。この学園の敷地内全てが学園長の手の平はけして誇張じゃないだろう。
「姑娘、あまり無理な空間編制は止めたまえ。いくらお主の結界内だからと言って何処に歪が出るとも限らない。」
流石に師匠も良い顔はしない。腕を組みながらじっと学園長を睨んだがあまり効果はなく。
「ああっ!哥哥にまじまじと見られている。その様な目で見られては体が疼いてしまいます。」
部屋の問題はこれで解消したけど実際月子はどうなのだろう?
「なあ、嫌なら嫌って言って良いんだぞ。あの人の無茶振りにイチイチ付き合う事は無いんだ。」
先程同様もじもじしながら俺を見上げる月子は顔を赤らめながら切り出してきた。
「勇吾君はいいのかな?会ってまだちょっとしか経ってないよ私達。」
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「それに、同じ部屋に住むって事は…」
「どうした?よく聞こえないよ。」
「夫婦になっちゃうんだよ?」
・・・なんで!
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