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第4話ー3
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案の定俺達の席の周りには外野で埋め尽くされている。
「三光院家が揃ってる!それにあの兵頭が同席してるぞ!明日雨じゃないか?」「輝兼様と勇吾君のセット久しぶり!絵になるわ…」「あの小さな子誰だ?三光院妹様にメッチャ絡まれてるよ気の毒に。」「正兼キュンはあ、はあ…」外野が色々言っているのが少々気になるが今日は運が悪かったと諦めるしかない。
「喧しいのはこの際我慢して皆B定食でいいか?正兼君は小盛りでいろはは特盛りだったな。月子と三光院は普通でいいか?」
「ボクは今日修行してお腹ペッコペコだからギガ大盛りで!」
「マイシスターは今日も育ち盛りだ。お兄ちゃんはうれしいよ、勇吾くん僕も手伝うよ。」
三光院が立ち上がり俺と一緒に食堂のカウンターに向かってくれる。その際小声で俺に昼間の話の経緯を聞いてきた。三光院のアレな性格を差し引いても信用できる男なのは短い付き合いながらも分かっていた。
「この後少し時間をくれるか?」
「僕が君の為に時間を割くのは当たり前だよ。君の部屋で良いのかい?」
「いや、後でお前の部屋に行く。…茶菓子とか出さなくていいからな。」
この前チョッとした用事で訪ねた時にやたら豪華なお茶会に招かれてしまい辟易したのを思い出し先に釘を打っておく。
「分かった。それでは手早く料理を運ぼう。マイシスターが暴動起こす前に月子君を助けないとね。」
「そうだな、それにしてもあの体にどうやったらこの量が入るんだ?」
俺達の目の前に一回り大きな皿の上には絶妙なバランスで積み上げられた揚げ物達が塔の様に積み上がっている。持てるのかこれ?
「料理を運ぶのに身体強化の術を使うのって馬鹿げてるか?」
「これは仕方ないと思うよ。」
二人で苦笑いしてるとカウンターの奥からアデリアさんが出てきた。
「ギガ大盛りなんて言い出すのは五六八くらいだろ。あたしが持っていくからあんたら残りを持ってきな。」
アデリアさんは片手でその揚げ物タワーを持ち上げ残った手で他の料理を持って月子たちの所に向かって行ったので俺たちも料理を持って追いかけた。席に戻ると再びぐったりとした月子を執拗に絡みつく五六八を何とか引き剥がそうと奮闘する正兼君のカオス空間になっている。
しかし料理を持ってきたアデリアさんが来ると先程までハイテンションな五六八からは想像出来ない状態になった。
「ついに来た。ママ特製のボク専用揚げ物祭り。」
すました物言いを言っているが涎が垂れているのがなんとも情けない。
しかし意外な事にその横にいた月子が何故か目を輝かせている。
まさか食べたいとか言うのではなかろうか?物珍しいだけだよな?
「月子、アレは人が食べて良い量の代物じゃない。」
「うちがそんなに食べれるように見える?」
「だよな。」
内心ほっとし席に着こうとした瞬間、月子の目が再びあの揚げ物タワーに釘付けだったのを見てしまい。一抹の不安を覚える。
人数分の食事が揃い俺たちは静かに食事を始めた。…静かにならざるを得ないと言ったほうが正しい。先程までやかましかった五六八がまるで悟りを開いたが如くの静かにしかし恍惚の表情で黙々と料理を食べている。
「姉さんは食べてる時だけは静かなんです。」
正兼君が妙に微笑ましく姉を見ている。
「あたしでもその量はきついわ。凄いよこの子。」
巨人族のアデリアさんが引くほどの量を一心不乱に食べ続ける。その様子をチラ見しながらも自信の料理を黙々と食べる月子。なにその目、驚いた人の目じゃないよね。何かを狙う狩人的な目だよね!ますます不安になってきた。妙な焦燥感に胸が一杯な俺を横目に何事も無いかの様に食べている三光院と姉の食べっぷりを嬉しそうに眺める正兼君。揚げ物タワーから香る油の臭い、普段なら空腹を喚起する良い臭いに感じるが今日はあの揚げ物タワーを見てからは胸焼けすら感じてしまい食事が進まない。
「おかずが少し残ってしまった、月子食べるか?」
先程から脳裏にへばり付いて離れないある疑念を払拭したくあえて彼女に話を振ってみる。月子、俺の勘違いだと言わせてくれ。
「いいの!」
「…いいよ。」
偶々お腹空いてたんだよな。今日沢山歩いたし、部屋の片付けも有ったし。育ち盛りだからね。俺が差し出した皿に数個残った揚げ物を嬉々として頬張る月子を見ながら燻る不安を誤魔化した。
「月子君も健啖家だね。見ていて気持ちがいいよ。」
「今日はいつもよりお腹空いてるみたい。」
月子も三光院に言われて照れている。そうだとも今日は偶々だとも。
なら何故五六八のあと少し残っている揚げ物を見ているのだ?
いや止めておこう、もう考えるのは良そう。
俺は静かに眼を閉じ無心になった。
「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」
などと感無量な顔をして一人呟く五六八、どっかで聞いたことある台詞だな。あの大量の揚げ物を何処に収納したのかいまだに謎だが皿の上には何も残っていなかった。テーブルの横に3枚重ねてあるご飯丼を見ていたら吐き気すら覚える。化け物め!
食事を終えた俺たちは少し世間話をした後各々部屋に戻る事にした。
大量の食事を満足いくまで食べ終えた五六八は先程とは打って変わって月子への質問攻めは鳴りを潜め普通の世間話に花を咲かせていた。
食事の後と前でこうも人が変わる良い例なのだろうか?分からん?
俺は一度部屋に戻り三光院の部屋に向かった。
「三光院家が揃ってる!それにあの兵頭が同席してるぞ!明日雨じゃないか?」「輝兼様と勇吾君のセット久しぶり!絵になるわ…」「あの小さな子誰だ?三光院妹様にメッチャ絡まれてるよ気の毒に。」「正兼キュンはあ、はあ…」外野が色々言っているのが少々気になるが今日は運が悪かったと諦めるしかない。
「喧しいのはこの際我慢して皆B定食でいいか?正兼君は小盛りでいろはは特盛りだったな。月子と三光院は普通でいいか?」
「ボクは今日修行してお腹ペッコペコだからギガ大盛りで!」
「マイシスターは今日も育ち盛りだ。お兄ちゃんはうれしいよ、勇吾くん僕も手伝うよ。」
三光院が立ち上がり俺と一緒に食堂のカウンターに向かってくれる。その際小声で俺に昼間の話の経緯を聞いてきた。三光院のアレな性格を差し引いても信用できる男なのは短い付き合いながらも分かっていた。
「この後少し時間をくれるか?」
「僕が君の為に時間を割くのは当たり前だよ。君の部屋で良いのかい?」
「いや、後でお前の部屋に行く。…茶菓子とか出さなくていいからな。」
この前チョッとした用事で訪ねた時にやたら豪華なお茶会に招かれてしまい辟易したのを思い出し先に釘を打っておく。
「分かった。それでは手早く料理を運ぼう。マイシスターが暴動起こす前に月子君を助けないとね。」
「そうだな、それにしてもあの体にどうやったらこの量が入るんだ?」
俺達の目の前に一回り大きな皿の上には絶妙なバランスで積み上げられた揚げ物達が塔の様に積み上がっている。持てるのかこれ?
「料理を運ぶのに身体強化の術を使うのって馬鹿げてるか?」
「これは仕方ないと思うよ。」
二人で苦笑いしてるとカウンターの奥からアデリアさんが出てきた。
「ギガ大盛りなんて言い出すのは五六八くらいだろ。あたしが持っていくからあんたら残りを持ってきな。」
アデリアさんは片手でその揚げ物タワーを持ち上げ残った手で他の料理を持って月子たちの所に向かって行ったので俺たちも料理を持って追いかけた。席に戻ると再びぐったりとした月子を執拗に絡みつく五六八を何とか引き剥がそうと奮闘する正兼君のカオス空間になっている。
しかし料理を持ってきたアデリアさんが来ると先程までハイテンションな五六八からは想像出来ない状態になった。
「ついに来た。ママ特製のボク専用揚げ物祭り。」
すました物言いを言っているが涎が垂れているのがなんとも情けない。
しかし意外な事にその横にいた月子が何故か目を輝かせている。
まさか食べたいとか言うのではなかろうか?物珍しいだけだよな?
「月子、アレは人が食べて良い量の代物じゃない。」
「うちがそんなに食べれるように見える?」
「だよな。」
内心ほっとし席に着こうとした瞬間、月子の目が再びあの揚げ物タワーに釘付けだったのを見てしまい。一抹の不安を覚える。
人数分の食事が揃い俺たちは静かに食事を始めた。…静かにならざるを得ないと言ったほうが正しい。先程までやかましかった五六八がまるで悟りを開いたが如くの静かにしかし恍惚の表情で黙々と料理を食べている。
「姉さんは食べてる時だけは静かなんです。」
正兼君が妙に微笑ましく姉を見ている。
「あたしでもその量はきついわ。凄いよこの子。」
巨人族のアデリアさんが引くほどの量を一心不乱に食べ続ける。その様子をチラ見しながらも自信の料理を黙々と食べる月子。なにその目、驚いた人の目じゃないよね。何かを狙う狩人的な目だよね!ますます不安になってきた。妙な焦燥感に胸が一杯な俺を横目に何事も無いかの様に食べている三光院と姉の食べっぷりを嬉しそうに眺める正兼君。揚げ物タワーから香る油の臭い、普段なら空腹を喚起する良い臭いに感じるが今日はあの揚げ物タワーを見てからは胸焼けすら感じてしまい食事が進まない。
「おかずが少し残ってしまった、月子食べるか?」
先程から脳裏にへばり付いて離れないある疑念を払拭したくあえて彼女に話を振ってみる。月子、俺の勘違いだと言わせてくれ。
「いいの!」
「…いいよ。」
偶々お腹空いてたんだよな。今日沢山歩いたし、部屋の片付けも有ったし。育ち盛りだからね。俺が差し出した皿に数個残った揚げ物を嬉々として頬張る月子を見ながら燻る不安を誤魔化した。
「月子君も健啖家だね。見ていて気持ちがいいよ。」
「今日はいつもよりお腹空いてるみたい。」
月子も三光院に言われて照れている。そうだとも今日は偶々だとも。
なら何故五六八のあと少し残っている揚げ物を見ているのだ?
いや止めておこう、もう考えるのは良そう。
俺は静かに眼を閉じ無心になった。
「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」
などと感無量な顔をして一人呟く五六八、どっかで聞いたことある台詞だな。あの大量の揚げ物を何処に収納したのかいまだに謎だが皿の上には何も残っていなかった。テーブルの横に3枚重ねてあるご飯丼を見ていたら吐き気すら覚える。化け物め!
食事を終えた俺たちは少し世間話をした後各々部屋に戻る事にした。
大量の食事を満足いくまで食べ終えた五六八は先程とは打って変わって月子への質問攻めは鳴りを潜め普通の世間話に花を咲かせていた。
食事の後と前でこうも人が変わる良い例なのだろうか?分からん?
俺は一度部屋に戻り三光院の部屋に向かった。
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