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6章 魔王の息子と最後の無双
175 死を失した状態
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頭の中で声がガンガン響く。
ただでさえ体がズタボロなのに勘弁して欲しい。
『私ならアリスを説得できる。
だから出して。
このままじゃオキスが死んじゃうよ。』
出したいのは山々なんだけど、賢者の杖が手元に無いんだよね。
ここまでくれば予想は付くと思うけど、シーリはアリスの人格の一部だ。
転生するときに、何故か僕の方へくっついてきてしまったんだ。
僕はアリスを見つめる。
完全に冷え切った目だ。
ふらつく体で下を見ると、床に真っ赤な絨毯が広がっていた。
僕の血だ。
強烈な眠気に襲われる。
何とか立ち上がり体制を整える。
賢者の杖は・・・取りに行ける距離には無い。
パメラとカシムは無傷だ。
彼女たちに巻き戻し能力の限界を超えるまで波状攻撃をしてもらえば、もしかしたら何とかなるかも知れない。
しかし時間を戻す能力を持つアリスに対抗するためには、命を奪う必要がある。
それは出来ない。
「あなたの考えていることは分かるわ。
あの二人に攻撃させれば勝てる見込みがあると思っているんでしょ。
無理ね。
さっき使った時間を戻す能力は使い方の一つに過ぎないのよ。」
僕はそれに全く気が付かなかった。
時間を戻す能力の恐ろしい使い道を。
「魔王アストレイアが最強だった理由は、魔力の超回復によって無尽蔵に魔法が使えたこと。
だから魔法技術が群を抜いて高かった。
でもそれは私も同じ。
時間を戻せば無尽蔵に魔法が使えるの。」
時間を戻せば無制限に魔法修練が可能だ。
下手をすると魔法の能力はアストレイア級ということになるのか。
「さっきから使っているのは、最低レベルの魔法だけよ。」
勝ち誇った風でも無く、ただ冷たい視線を僕に向ける。
残念ながら僕はそういうのでゾクゾクするタイプじゃ無いんだ。
「じゃあ、どんな魔法が使えるのかな?」
僕が聞く。
次の瞬間、腹に穴が空いた。
どんな魔法かも分からない、いや一瞬光った気がするから光系か?
傷は完全に致命傷だった。
僕は次の言葉を継ぐことが出来ず、もう死ぬ寸前だ。
「楽には殺さない。
何度も時間を戻してあげる。」
次に聞いた言葉はアリスの声だった。
僕は死ぬ瞬間だったはずだ。
腹に穴は無い、時間を戻されたらしい。
しかしその前に受けた傷はそのままだ。
そろそろ本気で出血を止めないと、本当に死んでしまう。
僕は回復魔法を編み始めた。
状況を最悪と悟ったパメラがアリスに攻撃を仕掛ける。
パメラの攻撃が届くかというギリギリのタイミングで時間が戻る。
そしてパメラにタイムリープによる記憶修正が起こったところで、アリスの光魔法がパメラを貫く。
ポーズによるタイミングずらしだ。
パメラが致命傷を・・・いや違う、糸を自分の周囲に展開して防御している。
そしてカシムが必殺の一撃を加えるべく、こっそりとアリスの目前に迫っていた。
パメラが攻撃を受けることを前提にした陽動だったのだ。
アリスの意識は完全にパメラの方へ行っていた。
カシムに気が付いていない。
実戦経験の差が出たのかも知れない。
そしてカシムの攻撃がアリスを捉えようとしていた。
それを見た僕は回復魔法をキャンセルし、魔術回路の構成を変更した。
死の淵から生還したらパワーアップ無双とかにならないかな。
ただでさえ体がズタボロなのに勘弁して欲しい。
『私ならアリスを説得できる。
だから出して。
このままじゃオキスが死んじゃうよ。』
出したいのは山々なんだけど、賢者の杖が手元に無いんだよね。
ここまでくれば予想は付くと思うけど、シーリはアリスの人格の一部だ。
転生するときに、何故か僕の方へくっついてきてしまったんだ。
僕はアリスを見つめる。
完全に冷え切った目だ。
ふらつく体で下を見ると、床に真っ赤な絨毯が広がっていた。
僕の血だ。
強烈な眠気に襲われる。
何とか立ち上がり体制を整える。
賢者の杖は・・・取りに行ける距離には無い。
パメラとカシムは無傷だ。
彼女たちに巻き戻し能力の限界を超えるまで波状攻撃をしてもらえば、もしかしたら何とかなるかも知れない。
しかし時間を戻す能力を持つアリスに対抗するためには、命を奪う必要がある。
それは出来ない。
「あなたの考えていることは分かるわ。
あの二人に攻撃させれば勝てる見込みがあると思っているんでしょ。
無理ね。
さっき使った時間を戻す能力は使い方の一つに過ぎないのよ。」
僕はそれに全く気が付かなかった。
時間を戻す能力の恐ろしい使い道を。
「魔王アストレイアが最強だった理由は、魔力の超回復によって無尽蔵に魔法が使えたこと。
だから魔法技術が群を抜いて高かった。
でもそれは私も同じ。
時間を戻せば無尽蔵に魔法が使えるの。」
時間を戻せば無制限に魔法修練が可能だ。
下手をすると魔法の能力はアストレイア級ということになるのか。
「さっきから使っているのは、最低レベルの魔法だけよ。」
勝ち誇った風でも無く、ただ冷たい視線を僕に向ける。
残念ながら僕はそういうのでゾクゾクするタイプじゃ無いんだ。
「じゃあ、どんな魔法が使えるのかな?」
僕が聞く。
次の瞬間、腹に穴が空いた。
どんな魔法かも分からない、いや一瞬光った気がするから光系か?
傷は完全に致命傷だった。
僕は次の言葉を継ぐことが出来ず、もう死ぬ寸前だ。
「楽には殺さない。
何度も時間を戻してあげる。」
次に聞いた言葉はアリスの声だった。
僕は死ぬ瞬間だったはずだ。
腹に穴は無い、時間を戻されたらしい。
しかしその前に受けた傷はそのままだ。
そろそろ本気で出血を止めないと、本当に死んでしまう。
僕は回復魔法を編み始めた。
状況を最悪と悟ったパメラがアリスに攻撃を仕掛ける。
パメラの攻撃が届くかというギリギリのタイミングで時間が戻る。
そしてパメラにタイムリープによる記憶修正が起こったところで、アリスの光魔法がパメラを貫く。
ポーズによるタイミングずらしだ。
パメラが致命傷を・・・いや違う、糸を自分の周囲に展開して防御している。
そしてカシムが必殺の一撃を加えるべく、こっそりとアリスの目前に迫っていた。
パメラが攻撃を受けることを前提にした陽動だったのだ。
アリスの意識は完全にパメラの方へ行っていた。
カシムに気が付いていない。
実戦経験の差が出たのかも知れない。
そしてカシムの攻撃がアリスを捉えようとしていた。
それを見た僕は回復魔法をキャンセルし、魔術回路の構成を変更した。
死の淵から生還したらパワーアップ無双とかにならないかな。
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