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7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
196 歌に撃たれ弱い魔族達
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ブリゲアンは色々な疑問を積み上げて去っていった。
ルディントこの後の対処を相談した結果、私は作戦会議に出ないことが決定した。
報告だけ書面でもらうことにした。
そもそも私の口から出る意見は、ほとんどルディンの受け売りだ。
悲しいかな、いなくても全く差し支えない。
ルディンだけいれば問題は無いので、賢者の杖をタレンティに持たせ私の代理人とした。
魔王種にプライバシーが無いと言うことが判明した。
ショックだ。
行軍中に行われる定期的な会議の時間が暇になったので、私はなんとなく歌を口ずさんだ。
前世で沢山歌ったことを思い出す。
彼は私の歌を笑顔で聴いてくれた。
そして歌い終わった後、ふと気が付くと護衛の兵達が泣いている。
ギルティーンは涙こそ出してはいなかったが、目を真っ赤にしている。
そして兵達は口を揃えて私の歌が素晴らしいと称えた。
おかしい。
精神魔法など使っていない。
ただ、転生してから始めて歌を口ずさんだだけだ。
練習などしていない、とても聞いて感動できるようなものでは無いはずなのだ。
出来ればもっと聞かせて欲しいという兵達に応え、私はしばらくの間、知っている歌を披露した。
会議の間は行軍は止まっていて、休憩中の者が多い。
いつの間にか他の兵達が集まってきていた。
ひとしきり歌った後、兵達の挙動が変わっていた。
アリス陛下万歳と叫ぶ者や、これからの戦いに勝利を誓う者など、異常なほどに士気が上がっていた。
会議が終わった幹部達がこの光景に驚いていた。
そもそも新参魔王の指揮の下、敵対していた人間を救うための行軍だ。
魔王の絶対権力の前に反論する者こそいなかったけれど、士気は高いとは言えなかった。
その状況がひっくり返ったのだ。
手元に戻ってきたルディンに何をしたのか聞かれた。
歌を歌っただけだと答えると、次は自分も聞きたいと言った。
何故か楽器が仕える魔族まで名乗り出て、定期演奏会化されることになった。
私の魔王種の体は、転生前より整った顔立ちになっている。
そして声の質や音域の幅も段違いだ。
鍛えたわけでは無いのに絶対音感まで身についている。
ただ、それにしても練習もしていない歌で感動しすぎではないだろうか?
歌うことは嫌いでは無い。
今までろくに役に立っていなかったのだ。
それで兵の士気が上がるのなら、定期的に歌うぐらい大した問題では無い。
私の歌を彼が聴いたらなんと言ったのだろう?
彼のことだ、もしかしたら昔の方が好きだと言うかも知れない。
彼と話がしたい。
そんな思いを乗せて、演奏される曲に合わせたオリジナルの歌を披露した。
するといつもは泣かないような種族の者まで泣き出し、偉いことになってしまった。
これも魔王種の能力なのだろうか?
しかし幹部達に聞いても、かつて歌を力とした魔王は存在しなかったらしい。
そして行軍すること二ヶ月。
ようやくクルセイダーズのいる前線に近づいた。
決戦の日も目前まで近づいているのだ。
歌無双なのだろうか?
ルディントこの後の対処を相談した結果、私は作戦会議に出ないことが決定した。
報告だけ書面でもらうことにした。
そもそも私の口から出る意見は、ほとんどルディンの受け売りだ。
悲しいかな、いなくても全く差し支えない。
ルディンだけいれば問題は無いので、賢者の杖をタレンティに持たせ私の代理人とした。
魔王種にプライバシーが無いと言うことが判明した。
ショックだ。
行軍中に行われる定期的な会議の時間が暇になったので、私はなんとなく歌を口ずさんだ。
前世で沢山歌ったことを思い出す。
彼は私の歌を笑顔で聴いてくれた。
そして歌い終わった後、ふと気が付くと護衛の兵達が泣いている。
ギルティーンは涙こそ出してはいなかったが、目を真っ赤にしている。
そして兵達は口を揃えて私の歌が素晴らしいと称えた。
おかしい。
精神魔法など使っていない。
ただ、転生してから始めて歌を口ずさんだだけだ。
練習などしていない、とても聞いて感動できるようなものでは無いはずなのだ。
出来ればもっと聞かせて欲しいという兵達に応え、私はしばらくの間、知っている歌を披露した。
会議の間は行軍は止まっていて、休憩中の者が多い。
いつの間にか他の兵達が集まってきていた。
ひとしきり歌った後、兵達の挙動が変わっていた。
アリス陛下万歳と叫ぶ者や、これからの戦いに勝利を誓う者など、異常なほどに士気が上がっていた。
会議が終わった幹部達がこの光景に驚いていた。
そもそも新参魔王の指揮の下、敵対していた人間を救うための行軍だ。
魔王の絶対権力の前に反論する者こそいなかったけれど、士気は高いとは言えなかった。
その状況がひっくり返ったのだ。
手元に戻ってきたルディンに何をしたのか聞かれた。
歌を歌っただけだと答えると、次は自分も聞きたいと言った。
何故か楽器が仕える魔族まで名乗り出て、定期演奏会化されることになった。
私の魔王種の体は、転生前より整った顔立ちになっている。
そして声の質や音域の幅も段違いだ。
鍛えたわけでは無いのに絶対音感まで身についている。
ただ、それにしても練習もしていない歌で感動しすぎではないだろうか?
歌うことは嫌いでは無い。
今までろくに役に立っていなかったのだ。
それで兵の士気が上がるのなら、定期的に歌うぐらい大した問題では無い。
私の歌を彼が聴いたらなんと言ったのだろう?
彼のことだ、もしかしたら昔の方が好きだと言うかも知れない。
彼と話がしたい。
そんな思いを乗せて、演奏される曲に合わせたオリジナルの歌を披露した。
するといつもは泣かないような種族の者まで泣き出し、偉いことになってしまった。
これも魔王種の能力なのだろうか?
しかし幹部達に聞いても、かつて歌を力とした魔王は存在しなかったらしい。
そして行軍すること二ヶ月。
ようやくクルセイダーズのいる前線に近づいた。
決戦の日も目前まで近づいているのだ。
歌無双なのだろうか?
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